第百十一話 何時何分何秒! 珍しくその時間帯は、ひかげ荘の露天風呂に人影が途切れかけていた。 滞在する女の子の数が数だけに、誰もいない時間というのはご飯時ぐらいだ。 他は大抵仲良し集団で入ったり、そこに男のむつきが加わるので四、五人いても珍しくもない。 だから逆に、十七時を過ぎた夕暮れに差し掛かろうという時間に人影が二人というのが珍しい。 今日は土曜日であり、むつきが午前中は孤児院、午後から水泳部というのも関係しているか。 今現在、露天風呂内の岩場に腰をかけ、足湯の様に浸かっているのは長瀬と龍宮の二人であった。 大人っぽい生徒が集まる二-Aの中でも断トツに大人っぽい雰囲気を纏う二人である。 ここで重要なのは大人っぽい雰囲気、外観だけを指してのものではない。「心地よい風でござるな。秋口にはひかげ荘まわりの山中も実り豊かに、日頃お世話になる先生への手土産に困りそうにないでござるな」 岩場から足だけを湯につけながら、秋の風に髪を拭かれながら楓が髪をかき上げる。 人目がないのでクラス上位に入る胸もあらわに、タオルはひざ元で大事な部分を隠すのみ。 汗と掛け湯が混じった滴が渇くより先に粒同士まじりあい、大粒となって彼女の体の上を滑り落ちていく。 うなじから鎖骨はまだ楽な道で、胸回りを通ろうものなら苦行となるほどの回り道だ。「楓、山で採れたものは地主の物だろう。手土産なら、別の山に行く必要があるぞ。いっそ、熊でも仕留めて四葉にクマ鍋にでもして貰うか?」 何を言っているんだと薄く笑みを浮かべた龍宮は、ライフルを構えるような恰好で熊ではなく長瀬に狙いを定める。 上半身をねじりわずかながらに頭を静めたことで、彼女の褐色に染まった乳房も沈み反動で揺れる。 足元は組まれた状態で割と不安定そうな格好だが、その姿勢が崩れたり揺れることもない。 自慢の美脚をアピールするように、組み替えられてもそれは変わらずパンっと小さく呟き彼女は構えをといた。「肩口に当たったでござる。そこで拙者が華麗に止めでござるな」「私がそんなヘマをするものか。脳天を一発さ。ただ、血の匂いは嫌いでね。熊を捌く役目は譲ろう」「拙者の女子力アピールでござるな、先生もイチコロでござる」「ベッドインした時に、なんか熊臭くないかと言われたければどうぞご自由に」 一体何を張り合っているのか、お互い同時にそれに気づいたちゃぷんと足元のお湯を蹴って跳ねあげる。 いや、熊への止め辺りぐらいまでは普段通りと言えば普段通りだったのだが。 ちゃぷちゃぷと素足でお湯を弄び微妙な沈黙が生まれる。 元来お互いに饒舌なほうではないが、不思議と二人きりだと長い沈黙は訪れない間柄であった。「私は、いずれ楓も忍者の技の使いどころに困り、こちら側に来ると思っていたのだが」「んー、拙者も以前ならそうだったでござるが。あの旅行で忍者の現実を見てからは……」 龍宮の話題振りに少し空を見上げ流れる雲を目で追ってから、楓はそろそろ一ケ月前になる事件を思い出した。 クラス一同で出かけた旅行先、名古屋で一般人のむつきを巻き込んで忍者の集団に襲われた件だ。 忍者に保険はない、命を懸けて主命をこなしても得られる金銭ははした金。 齢十四歳で金、金、金忍者として恥ずかしくなんていうつもりは、当然ない。 長瀬は忍者でありながら、それを天職として生き抜いていこうという考えは持ち合わせていなかった。 限界集落以上の山里で爺と婆に育てられ、忍術を仕込まれたがそれだけ。 むつきに惚れ込んだ少女たちのように恋に生きるつもりもまたないが、その将来という名のキャンパスはまだまだ真っ白だ。「忍者は趣味、か。または、超殿のせきゅりてぃー会社に世話になるのも悪くはないでござるな」「そういえば、超がそんな会社を立ち上げていたな」「そういう真名こそ、どうするでござるか?」「今は学園長や超との契約もあるし、一時の骨休めさ。心身の休息を終えれば、また血と硝煙が漂う戦争の中に戻るだけ。と、思っていたんだが……」 ニヒルに笑い、戻るだけと終わらせると予想していた長瀬はちょっと意表を突かれていた。 そんな長瀬の前で龍宮は、片足だけを引き寄せ立ててはその膝の上に両腕を重ねて敷いて顎を乗せる。 珍しいとはっきり言える程に迷いを見せた龍宮は、遠い目をして揺らぐお湯の表面を見ていた。 まるで自身の心の揺らぎをお湯に写して、自己を顧みる様に。「私とて好きで戦場にいるわけではない。それが必要だから、必要とされるから。あの人が叶えられなかったことを代わりに成し遂げたい。けれど成し遂げたところで自己満足以下だ」「それは報われぬでござるな」「死んだ人は生きる者に写真以外で微笑かけてはくれないからな。それに私一人が息を吐くより、超に協力した方が効率が良いという現実もな」「反則でござるよな。あの時も世知辛い忍者の現実を、あっさり解決したでござる」 世知辛いと世の常を叫びながらどうすることもできなかった忍者集団を、小鈴はまとめて救い上げた。 会社なんてものを一つ立ち上げ、彼らだけでなくその家族をも。 仮にあの時戦闘を続けたところで、長瀬や龍宮には彼らを叩きのめすのが精いっぱい。 そんな時間をかけることなく可能ではあったろうが、彼らの家族が路頭に迷う結果もあっただろう。 戦術的な意味で戦闘に勝つことはできるが、未来や相手を含め戦略的に勝てるのは小鈴だけ。「でも、まだ拙者はぴちぴちの十四歳。もらとりあむの時間はたくさん残されているでござるよ」「楓、何故自分だけそこに含めた。私も中学二年生だ、肌の張りもシャワーの水滴が弾けるぞ?」「そこで十四歳と言わないのが素直でござるな。拙者は弾けた水滴が二連鎖、三連鎖するでござる」「くっ、私だって五連鎖ぐらい軽い。あと、急にモラトリアムとか頭が良さそうに見える言葉を使うな。むしろ良く知っていたな」「最近の拙者は読書家でござるよ。最澄殿を調べてから、本を読み解く面白さに気づき。モラトリアムは、夕映殿に借りた本から仕入れた知識でござる」 古が授業中に最澄を最強と聞き間違え、調べるに至った件のことだろう。 そんなこともあったなと、ちょっと懐かしく思い出せる。 あの忍者でいることに疑問すら抱かず、それこそ本すら読まない長瀬が読書家を自称するまでに。 一方で真名も死ぬまで戦場にいると思っていたのに、それが揺らぎ始めていた。 何故と不思議に思うまでもなく、ひかげ荘の湯につかっていればすぐにわかることだ。「良いのではござらんか。亡くした相手に、その恋に準じるよりも生きている相手との恋の方が健全でござるよ。亡者は生者に語らず、真名が生き方を変えても怒りはしないでござる」「何故私が恋愛相談した、みたいな感じになっているんだ?」「違ったでござるか?」「……喰らえッ!」 お湯の中に沈めていた足でお湯を蹴り、龍宮が水滴を長瀬に飛ばした。 さながらショットガンで撃たれた幾つもの弾丸のように飛ばされた水滴が長瀬を穿つ。「うわ、なにするで」 しかり咄嗟に顔を腕でかばった彼女の体を水滴が通り過ぎていく。「残像でござる」「知ってたさ」 いつの間にか龍宮の背後に立っていた長瀬が、苦無を彼女の頭に対し垂直に貫こうと構えている。 だが初撃を避けられた龍宮も負けてはおらず、背後の桶に隠しておいたエアガンを構えていた。 後ろでにだが、その銃口はしっかりと長瀬の大事な部分を狙うかのように。 そのまま数秒、どちらともなく武器を手放し、先ほどより少しだけ近い位置で座り合った。「まったく、真名といるとおちおち風呂にも入れないでござるな」「そっちこそ、風呂にまで武器を持ってくるな。だいたい、何処に隠していた」「実は昔お婆に女の股は武器を隠すのに」「痛い、痛い、痛い、嘘でも止めろ。下ネタを言うキャラではないだろう」 良く茂った若草の向こうに指を伸ばし、開く仕草をした長瀬に龍宮が顔をしかめながら突っ込んだ。 冗談とは分かっていても痛い話だと、さりげに自分の茂みの奥を片手で塞いでいる。「ん、お婆にだと。楓、もしかしなくてもお前忍者だろう?」「忍者では」「それは良い。くノ一なら、そういう女の技も仕込まれているんじゃないのか?」「一頻り口伝は受けているでござるが、実施はなかったでござる。お爺しか男はござらんかったし」「他に男がいればしていたのか」 忍者恐るべしとも思ったが、同時に長瀬の成長率なら小学生の高学年でも十分かとも思った。 まあ、それは置いておいてである。「先生のアレでござるか。たぶん、無理ではござらんかな。先ほども言った通り、拙者は知識のみで実施で習ったことはないでござるし。そういう薬もなくはないが、先生は既に超殿の薬を服用しているでござるから」「体系の異なる薬を同時に服用は怖いな。下手をすればボン、だ。少し話はもどるが、楓は先生のことはどうするんだ?」「今日はやけに、そっち方面に話を持って行くでござるな」「うるさい、偶には。こういうガールズトークも良いだろう。それで?」 自身が迷っているから、そういう話題に行くんだろうなと何時ものニコニコ顔で長瀬は考える。 むつき本人がではなく、エヴァや超は長瀬の忍術の腕前を込みで欲しがっていた。 直接忍者として何かを請われたり、むつきに抱かれろと迫られたこともない。 けれど彼女たちからそうなれば良いなぐらいの期待を感じてはいた。 では彼女たちは置いておいて、長瀬自身はどうかというと。「正直、まだ良くわからんでござるな」 くノ一として優秀な血を後世に残す為には、乙姫むつきという人材は正直不合格だろう。 いや、彼の背後にある繋がりを想えば合格どころか上忍がいれば籠絡しろと命令されそうだが。 忍びとして単純な強さを血に求めるなら、そういう条件下では不合格。 しかしながら、長瀬は少なくとも自分の忍術を後世に残す為にとそういう関係を求めてはいない。 忍者の世知辛さは知っているし、間違っても自分の子にそんな思いはさせたくなかった。 では、恋人として父親として乙姫むつきという人間はどうであろうか。「教職という確かな職についているでござるし、生徒との関係も良好。職場含め、交友関係もわりと広いでござる。貯蓄はないと聞いたでござるが、拙者らが成人するまでまだ時があるので問題ないのでは?」「なんか酷く現実的な批評を聞いた気がする」「夢見がちな忍者なんていないでござるよ。複数の嫁や愛人がいる件については、良いのでは? お殿様や主殿は、妾が複数いるのが普通でござるし」「相談相手を間違えた、決定的に」「本人の前で失礼なことを言わないで欲しいでござる、お?」 だらだらと二人でちょっと特殊なガールズトークをしていると、脱衣所に人の気配が。 珍しくも二人でのくだらない会話もこれで終わりかとも思ったのだが。 気配だけでなく、脱衣所での行いがばたばたと女性のものとは思えない。 長瀬だけでなく、龍宮もそれに気づいたようで、このひかげ荘に現れる男は一人しかいない。 しかし、この時間はまだ水泳部の顧問の時間ではと疑問に思っている間に答えは現れた。 カラカラと引き戸をあけて現れたのは、肩にタオルを引っ掛け股間をさらして現れたむつきだ。 そう言えば威風堂々な姿に聞こえるが、実際はカタカタと身体を震わせたお爺さんの様であった。「先生、一体どうしたでござるか?」「長瀬に龍宮、てか。胸を隠せ、胸を。なに堂々と見せてんだよ」 長瀬が声をかけるとその存在に今気づいたようで、二人の巨乳を指さしながら注意してきた。 嫁一杯の中で二人が混じっている時は良いが、二人しかいない時はNGらしい。 妙に生真面目というか律儀というか、当の二人が気にしていないので今更隠しもしなかったが。 むつきもそれどころではないと、錆びたブリキのおもちゃのような動きで脱衣所に戻り始める。「先生、私たちは見られてもきにしないよ。それより、水泳部はどうしたんだい?」「マジで、まじまじと見るぞ。やらしい視線で。あと水泳部は早退させて貰った。てか、プールに落ちるから来んなってありがたくも泣ける言葉を貰った」「正直者でござるな。その体は千鶴殿のお手伝いのせいでござるか?」「変な見栄はんなきゃ良かった。凄い疲れた上に、体が……明日、もっと凄いぞこれ」 まるでではなく、お爺さんそのものの動きに笑ってしまいそうになる。 ぷるぷると全身を震わせながらゆっくりと、だが確実に体の洗い場へと歩みを進めていく。 しかしあの状態でちゃんと体が洗えるのか。 仕方がないと笑い合った二人は、先ほどまでのガールズトークを忘れて立ち上がった。 タオルは首に巻くだけにし、むつきに歩み寄って両側からその腕をとる。「おわ、本当に堂々と。長瀬、おっぱいでっけえな。龍宮も先端だけピンクとかエロ過ぎだろ」「このまま手を離しても良いでござるが」「次から次へと生徒に、本当先生は飽きないというか懲りないというか」「止めて、今更手を離さないで。絶対こけるから、頭打つから!」 あっさり泣きを入れると、早過ぎと呆れられてしまったが。 その代りちゃんと丁寧に洗い場の桶を温めた上で、座らせてくれた。 本当要介護者のようで格好悪いが、二人は嫁ではないので多少恰好悪いと思われても良い気がする。 二人にお礼を言って、肩にかけていたタオルで体を洗おうとすると取り上げられてしまう。 取り上げたのは長瀬であり、そばにあった空の桶の中に放り込まれてしまった。 むつきが手を伸ばしても届かない距離であり、長瀬の意図が分からない。「なんだ、まさか背中流してくれるとか?」「背中を流すだけで良いでござるか? 今なら出血大さーびす。拙者と真名が、前まで全部洗うでござるよ」「マジで?!」「おい、楓。行き成り何を」 二人は嫁ではないがそれはそれ、可愛く綺麗な子が体を洗ってくれるならお願いしたいぐらいだ。 しかも長瀬も龍宮もむつきが大好きな巨乳であり、自慢だった一物でさえ挟めそうなぐらい。 今は挟むどころかまるごと包み込めそうで、思わず聞き返したのも納得である。 龍宮が若干二の足を踏んでいるが、むつきは確定事項の様に喜んでいた。 二人にどんな意図があるか全く考慮しておらず、良くこれで那波に焦るなとか言えたものだ。「なんで私が」「んー、案ずるより産むがやすし。拙者は友人思いでござるなあ」「くっ、やはり相談するんじゃなかった。分かった、ただしお前が前だ。絶対、それは譲らんぞ」「意地っ張りでござるな」 なんのかんの文句を言いながら、背中を流すぐらいは龍宮も許容範囲らしい。 先程までのガールズトークを後悔しつつも、自分のタオルにボディーソープを垂らし始める。 その間に楓が一度むつきに掛け湯をし、龍宮は念入りにタオルを泡立ててからむつきの背中に触れた。 しかし、そこからむつきの背中を流す為に、タオルが擦りあげていくことはなかった。 何故なら、むつきの前にしゃがみ込んだ楓が自分の豊満な胸に直接ボディーソープを垂らしていたからだ。「楓、お前一体なにを」「殿方の体を流すなら当然では? おや、真名はタオル越しでござるか」「長瀬、挑発してやんなって。龍宮、いやなら無理しなくても怒らねえって。折角タオル泡立ててくれたんだし、タオルだけ貸してくれ。自分でやるから」「まさか、こういう場でも私を挑発してくるとは。良いだろう、やってやろうじゃないか。女は度胸、私はそうやって戦場を渡り歩いて来た。男女の戦場もまた同じだ」 珍しく挑発的な長瀬の言葉に、龍宮はすっかりやる気のようだ。 無理しなくてもとタオルくれと伸ばしたむつきの手は、私がやるとばかりに押し返される。 そしてしゃがみ込んだ状態から一度立ち上がると、泡立てたタオルで自分を拭い始めた。 良く日に焼けたような龍宮の褐色肌が、ボディーソープの白い泡に染まっていく光景は見ものだ。 思わず振り返り眺めたむつきだが、即座にとんとんと胸先をつかれ振り返り直させられる。 当然むつきの胸を指で突いて呼んだのは、正面にしゃがみ込んでいた長瀬であった。「先生、こういうのはお好みでござるか?」「おお!」 思わずむつきが前のめりになったのは、長瀬の胸にあった。 胸に垂らされた白いボディーソープが胸の谷間に染み込んでいく。 それで終わりではなく、長瀬は両手で胸を擦り合わせてぬちゃぬちゃと泡立て始めた。 パイ刷りのあとの精液をこねまわすように、若干泡立ちは足りないが胸の谷間を通ったボディソープはそのまま彼女のおへそまで垂れていった。 勃起できないのが心底悔しくなるぐらい、エロイ光景である。「先生、こちらも忘れて貰っては困る。私も結構あるだろう?」「知ってた。風呂が一緒になるたび、時々チラ見してたからな」「いけない先生だ」 最初は戸惑っていたものの、少しは龍宮にも余裕が出て来たらしい。 ぐにぐにと背中の上で形を変える乳房が、高給スポンジがへの河童に感じる程の柔らかさだ。 あの褐色肌の上に実るピンクの突起が背中にこすれると想像が掻き立てられて良い。 リズムよく乳房が背中で踊りながらも、彼女はハスキーボイスで耳元にささやいて来る。 狙ってやっているかは不明だが、彼女もなかなかのやり手のようだ。 女子中学生としてそれはどうだとも思うが、このマシュマロの為なら倫理観なんてくそくらえであった。「真名も調子を取り戻したところで、拙者も出陣でござる」「長瀬そんな、目の前で立たれたら見え。あっ」「お爺とお婆以外は先生が初めてでござるよ」「馬鹿、そんなところに座ったら」 あろうことか、目の前でしゃがみ込み胸の谷間を見せていた長瀬が立ち上がったのだ。 おへそまで流れたボディーソープどころか、濡れた茂みと混じるところまで。 まだまだ長瀬の快進撃は止まらない。 軽くよっと声を掛けるように足を上げて彼女はむつきの膝の上を跨いていった。 がに股気味に、むつきの目の前でそうすれば自然と手を使わず割れた割れ目が目の前でくぱあする。 そのまま見せつける様に長瀬はむつきの股間の上にパイルダーオンしてしまう。「あれ、やっぱおかしい。お前らの魅惑のボディに思考が停止してたけど、なんで? そういや、俺お前らがひかげ荘でだらだらしてる理由知らねえや!」「先生、美女が二人。蠱惑的に先生の体の上で舞う最中に無粋なことは不要でござるよ」「馬鹿、乳首と乳首がこんにちは。俺の男の子とお前の女の子もこんにちはして」「くノ一は殿方の籠絡のプロでござるよ」「あっ、言われてみれば。このやり口、ソープの舞ちゃんそっくりだ!」 あれだけ余裕しゃくやくだった長瀬が、対面座位で腰を振る様な動きをぴたりと止めた。 やばいとむつきが失言に気づいてももう遅い。 よりによって生徒の真心を、言っては悪いがソープ嬢と同一視してしまったのだから。「真名……」「ああ、今のは流石の私もカチンと来た。見せてやろうじゃないか、私たちの実力を」「待って、ごめん。謝るから、お前らの方が断然綺麗。比べもんにならない、勃起できれば十万回孕ませてる。結婚しよう、真名。楓も」「そんなその場を取り繕うような求婚は逆効果でござる!」 霞のように膝上から消えた楓が、むつきの膝を掴んで横に弾く様に滑らせ回す。 くるりと椅子の上で半回転したむつきは、目くじら立てる真名とのご対面であった。 思わずごめんなさいと言おうとしたが、とんっとまたしても楓に背中を押された。 その前も軽く触れられただけに感じたのに抗えない程に体に力が入らずされるがままだ。 鉄砲の弾丸のように楓というハンマーに叩かれ真名の腕の中にすっぽりおさまった。 かと思えば受け止めきれなかったように真名が背中からころんと倒れ込んだ。「今ここで私が悲鳴をあげたら、どうなるかな?」「止めてください、死んでしまいます」 露天風呂の床で仰向けになった真名の上で、覆いかぶさる様な格好である。 お互い生まれたままの姿で他にどのような言い訳があるだろうか、いやない。 さらには駄目押しをするように、先程とは前後を逆にした形で楓がむつきの背中から覆いかぶさった。 上半身だけでなく下半身も、さらに腕、足にと二人の美女が余すところなく絡みついて来た。 しかもローション代わりに二人の体はボディーソープまみれ。 ぬちゃぬちゃとヘビの交尾のように全身でむつきに絡み、触れ合わぬ場所がない程に肌を重ね合わせる。「お、おぅ。ぁっ、お前ら処女のくせにこんなのどこで。はぁん」「いや、私は割と年相応だが。楓は中身が古臭くて、仕込まれてるんだよ」「何もできないマグロの真名に言われたくはないでござる。この程度、嗜みでござるよ」「お前ら、俺の上と下で喧嘩すんな。小娘に良いように、悔しい。でもぉ!」 真名と楓は言葉を、むつきには体だが、ぶつけ合いながら止まらない。 むしろちょっと調子にも乗り始めているだろうか、なにせ二人ともこれが初めてだ。 こんなにも密接に異性と肌を密着させることなど。 むつきのあの言葉で多少頭に血が上っていたり、のぼせあがっていることもある。「先生、思っていたより良い体しているじゃないか。超のプログラムか?」 むつきの体の下で少し体をずらした真名が、大胸筋辺りに唇を這わせてくる。「惜しいでござるな、幼少から鍛え続けていれば。締りとたるみの中間の筋肉でござる」 大絶賛でこそないが、むつきのわき腹や腕、太ももに手を這わして褒めてくる。 いや、褒め言葉としてはかなり微妙だったかもしれないが。 ただ二人の美女に上から下から攻めたてられながらも、反対にむつきは落ち着く始めていた。 そこまで深い間柄ではない二人にソープごっこされ舞い上がっていたのだ。 しかし時間も経ち、さらに名前呼びすればむつきの中で彼女たちは嫁かセックスフレンド決定。 だったらこれも可愛い恋人たちとの触れ合いの一つであり、大きな問題が肩にのしかかる。 立たないのだ、これだけ体に快楽を感じてもピクリともしてくれないのだ。「悪い、真名。それに楓も、ちょっとストップ良い?」 ダウナーなむつきの言葉を聞き、真名も楓もちょっと調子に乗り過ぎたかなと我に返り始める。 そっとむつきの顔を覗き込めば、傷ついたというより落ち込んだ表情であった。 それで自分たちが傷つけたわけではなかったかとほっと安心もできない。 思い出してみればガールズトーク中にもむつきの勃起不全は話題になっていた。 真名は見えないが、楓が手探りで確認してみればやっぱり勃起はしていない。「まだ恋人でもないのに、奉仕させて悪いけど。ここまでで良いや。サンキュー」「先生……」「いやさ、落ち込んでるけど。そういう姿を見せるのは嫁だけって決めたんだ。今ちょっと手を出しちゃったけど、生徒の前では普段の俺でいないとな」 まだ馬乗りにされたままだが、心配そうに真名が声をかけても寂しげに微笑まれるだけだ。 さらに、弱気を見せて愚痴るのは嫁だけだと、明確に告げられてしまう。 やっと、やっとここで真名も自分を偽ることを止めようと腹を括れた。 厳密な意味で真名はむつきには恋はしていない。 けれど、超を含め彼女たちと平和を謳歌し、明るい未来を描こうとする姿は羨ましく思えていた。 自分もその中に入りたいと、過去ばかり振り返り止まった時間の中に取り残されるのは嫌だ。 かつての恋した男は男、忘れる必要はないが過去と割り切って新たな恋ぐらいしたい。 そうやって腹が決まれば龍宮真名、幾戦の戦場にて生き延びて来た百戦錬磨の女葉柄である。 例えそれが男女の戦場であろうと、負けるわけにはいかないのだ。「て、おい真……龍宮」「先生、今日から私は真名だ。先生のセックスフレンドの真名、次の良い男が見つかるまでの繋ぎにさせて貰うよ。だから先生も、都合の良い女として触れてくれえればよい」 離れようとしたむつきを逆に抱きしめ、一気に嫁と言わなかったのは彼女なりの照れ隠しだろう。「たく、女子中学生のくせになんて考えだ。言っておくが、俺はちょっとばかり嫉妬深くてな。仮にお前が他所を向いたら、全力で振り向かせるぞ。言葉だろうが、体だろうがあらゆるものを……ものを」 使えねえよと、早速真名に弱気を見せたむつきだが忘れてはならない。 ここには知識だけならもしかすると、ひかげ荘一の処女忍者がいることを。「楓、私がお前に依頼する。なんでも良い、先生が少しでも自信を取り戻す何かはないか?!」「んー、しばし……ふむ、あれなら」「なにかあるのか?!」 藁にもすがる気持ちで楓に振り返ったのは、尋ねた真名ではなくむつきであった。 かつて馬鹿レンジャーに在籍していた楓であっても、お前忍者だろうとばかりに。「拙者を信じ、全て任せて貰えるでござるか? 多少の羞恥は、耐えられると」「頼む、俺は男としての自信を取り戻したい。なんでも良い、尻に指突っ込まれても我慢する!」「では新たな恋人たちは絡み合うでござるよ。拙者はその準備を」 むつきの気概のある声を前ににんにんと頷いた楓は二人の股座が見える位置にしゃがみ込んだ。 二人の太ももを跨ぎ、その間にお尻を落とすように。「真名、覚悟しろよ。絶対復活してあんあんいわせてやるからな」「楽しみにしているよ、先生。けれど、私より先に予約済みの子がいるんじゃないのかい?」「復活したその日に全員処女奪ってやるから安心しろ。真名、キスしようか」「優しいな先生は、良いよ。ラブでなくライクでもするには十分だ」 それを絶対にラブに昇華させてやると、むつきは真名の唇に自分の唇を重ね合わせた。 真名の恋愛事情はしらないので最初は触れ合わせるだけ。 そんな優しさが隙を生み出すように、真名の唇から舌が伸びて先手を許してしまった。 真名もそういう攻撃的なタイプかと、だったら掛かって来いとばかりに受け入れる。 荒々しく舐ってくる舌に応戦するように舌を絡ませ、また同時に体も。 少しボディーソープが渇き始めていたが密着した個所は健在で、ぬるぬるとぬめり合う。 愛液よりもよっぽど滑りが良く、黄色と褐色の肌の上で白い泡をたてあった。「真名、真名の体すげえエロイ。いつか言われた通り、俺の精液で白く染め上げたい」「おっ、お。背中がぞくぞくと、私を震え上がらせるなんて先生もなかなかやる」 二人の絡み合いを股座で見つめていた楓もそろそろ動き出す。 右手で上にいるむつきの玉袋を、左手で舌にいる真名の割れ目にそっと触れた。 特に慣れない真名は敏感で、信じてはいても咄嗟に股を閉じて楓の手を止めてしまった。「真名……拙者が信じられないでござるか?」「それとこれは別だ。最初に触れたのが終生のライバルとは、お前の時は覚えていろ」「拙者はまだ、なのでござるが。今は……」 怯える様にゆっくり震えた膝が開いていくのを待って、楓は今度こそと手を伸ばした。 右手はすでにむつきの玉袋を刺激するようにも見上げ、手の平の上で転がしている。 丹念にゆっくりと射精の為の精液の製造率をあげるように。 こっちも遅れてはと、逆利きの左手を器用に動かしまずは真名の縦筋をそっと指でなぞった。「くぅ」「真名、こっちに集中するんだ。俺を見ろ、楓はあれだ。設樂焼のたぬき的な、痛ぇっ!」「おっと失礼」 誰がたぬきかと一瞬刺激を強く送り過ぎたが、軽く謝罪してむつきへの愛撫を続けた。 また真名の方はかなり優しく、何度も丁寧に立て過ぎを指先でなぞり続ける。 女尊男卑でござると笑みを深めつつ、お湯でもボディーソープでもないものが滴るのを待った。 弱弱しい刺激だが、今現在真名の体の上ではむつきが踊り狂っているのだ。 かゆくなる程度の刺激でもやがて楓が待っていた愛液が真名の割れ目から石清水のごとく垂れて来た。「真名、息んではいかんでござるよ」「うるさい、あぅ」「真名、こっち。俺の瞳を見ている間に終わるから」「ブラックコーヒーが欲しいでござるな」 ご馳走様と冗談を言いつつ、キスに忙しい二人の股座で楓は作業を続ける。 むつきへの刺激は変わらず、愛液が染みて来た真名の割れ目に中指を淹れてさらに奥へ。 なにぶん知識が先行しているだけなので文字通り手探りの部分もあるが探し当てた。 真名の大事な部分への入り口、膣口を探し当てその入り口を指でなぞった。 愛液を万遍なく塗りたくるように、丁寧に指先を一本の筆に見立てて輪郭をなぞる。「んぅ、んっ。先生、先生も抱きしめて」「怖くないぞ、真名。皆通り道だ、怖くない」「私に怖い物なんて、ぁっぁぅ。あったかもしれない!」 楓の中指が膣へと潜り込んだ瞬間、真名があっさり前言を撤回してきた。 可愛いなもうとキスのあらしを見舞うむつきに対し、楓は弱点発見と鼻歌まじりだ。 もちろん、楓もただ真名を虐めているだけではない。 指に時折ひっかかる彼女の処女膜を破らぬよう、気を付けて中指で彼女を貫く。 これから勃起していないとはいえ、むつきの一物を彼女に挿入するのだ。 やわらかいので処女膜は大丈夫だろうが、せめてその時は正常にと間違って破らぬように。「もう良い、キスは。んふぅ、ぁっ。先生!」「まだ、もうあと千回。唇が擦り切れるまで。真名が俺に惚れるまで!」「んーッ、楓急げ。窒息、先生にキスし殺ッ!」「ちと早いでござるが、真名が限界でござるか。戦場で真名を恐れる輩に見せたいでござるよ。意外に男女の戦場ではへっぽこでござる」 たわいもないと終生のライバルに生暖かい視線を送りつつ、楓は最後の仕上げに取り掛かった。 丹念に真名の膣を愛撫し指で広げたので多少なら、処女膜を破らず強引に広げられる。 今回楓が行うのは、お婆に習った手法を二つ使う。 一つは老齢の下が役立たずとなった男を肉体で籠絡する為に、無理なく射精させる術。 それから真名の肉体を使って、疑似的にガバまんを作り上げる術。 こちらは若干用途が違い本来は締りを良くする為の術だが、筋肉を緩めてしまうのだ。「二人とも、少し暴れるのは勘弁願うでござる。大人しく小鳥になるでござるよ」「馬鹿、今の先生に」「真名、真名ぁ!」「んっ、いや。先生、キスは」 本当に男女の戦場ではと忍び笑いしつつ、楓は実行に移した。 中からではなく外、お腹から真名の膣を刺激し麻痺させ緩ませる。 むつきの袋も長い時間かけて刺激したため、水が一杯入った水風船のようにたぷたぷだ。 勘違いしやすいが、勃起不全だからといって射精ができないと同じ意味ではない。 立たなくても袋を刺激し精液を貯め込んで、一物を刺激すれば最低限の射精はできるのだ。 だから緩ませた真名の膣を指でくわっと開かせ、むつきの一物を誘導してふにゃった竿を設置した。 勃起しなくても元々がサイズ的にも強化されたむつきの一物である。 楓が手をはなせば真名の膣の緩みが戻り、むつきの一物をやんわりと咥えこんだ。「こ、これうぁ!」「何か、私の中に!」「激しく腰を動かしては抜けてしまうでござる。先生、小刻みに。拙者も手伝うでござる。真名はできるだけ動かず、ただ先生のものを感じるでござるよ」 楓に言われ自分たちの性器がどうなったか、二人ともしっかりと覚った。 どうすれば良いか言われずとも、特にむつきは数日ぶりの挿入に感動して動けない。 何度も感じた喪失感、どれだけ誘惑されても駄目だったのに、挿入することができた。 完全な形ではなく、楓の秘技を借りてだが真名の柔らかく滑る膣の中に確かに自分がいる。 また真名も処女膜が無事なままの初セックスに完全に腰が抜けそうになっていた。「これがセックス、先生が私の中に」「真名、ぐす。真名ぁ、絶対逃がさないからな。監禁してでも、逃がさないから」「先生、なにを泣いて。嬉しく思う私もどこか壊れている」「では最後の総仕上げ」 二人の股座に座るだけでは足りないとばかりに、楓が二人の股座に伏せる形となる。 おお卑猥、卑猥とばかりに二人の結合部に目をやり、普段は閉じている瞳をちょっとだけ開く。 失敗は許されんと己を叱咤しながら、大きく口を開けた。 忍びならば己の心を殺せとばかりに、舌を伸ばしぱんぱんに膨らんだむつきの玉袋に下から添える。 変わらず口元を近づけながら、舌で手繰り寄せては皺がれた果実を口にぱくりと含んだ。「おふぅ、か……楓」「うぇっわのわを」「分かった、分かったから。咥えて喋んな。真名、ごめんよ。抱いてる最中に他の子の名前を呼んで。お前だから、今俺が抱いてるのはお前だから」「先生、もっと。楓より、私を私の名を」 何故か妙に対抗心の強い二人だが、そんな疑問は後々とむつきは真名の名前を呼ぶ。 真名の中で暴れられないまでも挿入したまま、せめてと彼女の唇を求めキスを繰り返す。 真名も今度はその繰り返されるキスを拒まず、むしろ抱かれているのは私だと答え返していた。 しかしながら、楓の舌技も侮れず玉袋がはち切れそうなぐらいである。 懸命に舌で転がされ頬肉と唾液で揉みあげられ、破裂するか射精かの二択を迫られていた。「爆発する、ちんこ爆発する。真名、もっと締めてくれ。お前の中で、中に出したい」「私が、がばがばみたいに。こう、こうか、先生?」「んーッ!」 むつきのお願いに懸命に応えた真名であったが、それは悪手だと楓が叫ぶ。 しかし玉袋を咥えながらでそれは難しく、折角の苦労が水の泡になろうとしていた。 真名が膣を絞めようと力を込めれば、勃起していないむつきの一物が圧迫を受け押し出されていく。 お互いそれを察知したらしいが、真名がだめだと力めば逆にそれは加速する。「先生、だめだ。私の中からいなくならないでくれ」「だめだ、逆らえない。嫌だ、出たくない。どうせ出るなら、真名の中に。ぁっ」 叫んでいる途中でむつきが気が抜けるような声をあげた。「ぁっ、んぅぁっ!」 言葉にならない奇妙な悲鳴を上げながら、むつきの腰がぶるぶると震えていた。「出て、私の中に熱いものが。先生、私の中に」「出たぁ!」 悦びを伴う最後の息みで、ついにぷるんとむつきは真名の膣から追い出されてしまった。 ぶらんと外気に触れて揺れた一物は剛直さこそないものの、白い液体をまき散らしている。 確かに真名の中に射精したことを示すように、吐き出された後も真名の褐色の肌を白く染めていく。 勢いは最初だけで最後の方は真下にとろとろと吐き出すだけだが。 玉袋を吐き出した楓が竿を支えて角度を決め、唾液にまみれた玉袋を握ると二射、三射と飛び出した。「はは、出た。勃起は出来なかったけど、ちゃんと射精できた。俺まだ、男として死んでねえ」「先生、なんていうか。激しくはなかったけど凄かった、確かに先生に男を感じたよ。やるじゃないか、私は先生の下で喘ぐしかなかった。完敗だ」「真名、俺絶対勃起できるまで諦めないから。次こそ、お前が絶頂するまで頑張るから」「期待しているよ、マイハニー」 泣きながら胸に顔を埋めてくるむつきを受け止め、気取った呼び名でその頭にキスをする。「楓も、気恥ずかしいが。良かったよ」「依頼でござるからな、忍者の任務達成率は百パーセントでござる」「ふん、私が協力的だったからさ。楓一人では無理な任務だ。私の蠱惑的な肉体があればこそ。逆の立場ならどうなっていたことか」「それは聞き捨てならぬでござるな。拙者が真名に劣ると?」「おっと、そう聞こえたかな。まあ、事実だが。マイハニーは、私に首ったけだ。私の名を呼びながら果てるその顔は、可愛いじゃないか。甘いはちみつ、良く言ったものだ」 胸の先端にかかるむつきが放った白いはちみつを指で掬い取り、舌で舐めては真名がそう呟いた。 勝ち誇ったその笑みは、女として一人の男を受け入れ癒した自信に満ち溢れている。 確かに楓の技がなければ不可能だったが、女として肉体で受け入れた真名の功績も大きい。 男と女の戦場で肉体の処女ではなく、精神的な処女を切った。 だから私の方が上だと、真名は自信を持ってしゃくりあげるむつきを抱きしめる。「まだ一戦終えたばかり、次の戦いでは拙者が先生を受け止めるでござる!」「ふふ、かかったな楓。先生、次は楓が癒してくれるそうだ。女の体という、私たちという戦場を好きにかけめぐると良い」「はっ、はかられた?!」「ううぅ……楓ぇ!」 口車に乗ってついつい楓も体を許すような発言をしてしまった。 真名の体で泣いていたむつきも、少し落ち着きもう一人の功労者へと鼻水を垂らしながら振り返る。 ゆっくりと真名にも支えられ立ち上がれば、垂れた一物からまだ精液がぽたぽたと滴り落ちていた。 それだけでも普通引くのに、今のむつきは感動と感謝のあらしで顔が体液という体液にまみれている。「先生、ちょっと待つでござる。いかん、教師と生徒という以前にその顔は……」「楓にもやくぞくずる。おではおでは!」「なに弁でござるか、いや。近づいては、いやぁ!」 ぶらぶらしながら駆け寄ってくるむつきに、女の子らしい悲鳴とともにビンタが炸裂する。 それでも幸せそうな笑みを浮かべながら、むつきはざぶんと露天風呂に落ちた。「いやあって、あの楓が。気弱な少女のように、いやあってビンタ、ひぃ。さすがマイハニー、私にさえ不可能なことをしてくれる。お腹痛い!」「あ、あれは。真名こそ、先ほど先生にキスされた時に、言っていたでこざるよ!」「何時私がお前の様な軟弱な、何時何分何秒!」「何処の小学生でござるか。決着、つけるでござるか?」「マイハニーの精を中で受けたこともないくせに、勝てると思うなよ楓」 二人ともいつもの調子で武器を取り出すのは良いが、そのマイハニーことむつきは温泉に沈んだままだ。 彼が二人に思い出して貰え助け出されるのは、もう少し後のことであった。 -後書き-ども、投稿続きます。