第百十六話 和美さんの巨乳で癒してあげる 奇跡の復活を遂げた翌日、金曜日の放課後のことである。 水泳部の監督室には監督であるむつきと、正式に水泳部員となった神楽坂、そして何故か報道部の和美の姿があった。 来客用テーブルを挟み、長椅子の一片にむつきと和美が、反対側に神楽坂という配置だ。 まだ着替え前の神楽坂は制服姿で、少々和美を睨む様に半眼で見ていた。「なんで朝倉がいるわけ?」「私がいる理由なんて取材以外にある? 全国大会に出場した水泳部は、女子中等部でも強豪部だし。その新体制に加え明日菜の加入。これは取材するっきゃないでしょ」「むー……」 こう堂々と取材と言われてしまえば、まだ水泳部では新参の神楽坂にどうこう言えない。 監督室にまで踏み入っているということは、むつきが許可を出したということだ。 恐らくはアキラや亜子も、それでも納得はできなかった。 だからせめてもの抵抗と明日菜は不満げな視線を向けたのはむつきである。 大事な話があると言ったのに、そこに和美を連れて来たむつきへと。「すまん、どちらかというとこっちが先約でな」「いいわ、無理に時間作って貰ったのはこっちだし。ただし、朝倉。これから私が言うこと、記事にするにしても全部終わってからね。それぐらいした方が、私も踏ん切りつかないでしょうし」「珍しいじゃん。明日菜が自分から記事にしてもなんて」「それぐらいしないと、また逃げちゃうから……」 神楽坂の口ぶりに、これはただ事ではないとむつきも朝倉もお互いを見合った。「まさか、今更水泳部止めるとかじゃねえよな?」「それこそ、まさか。私が決心したのは、高畑先生に告白しようってこと」 不安げに尋ねたむつきの言葉を否定し、神楽坂はひざ元に置いた手をキュッと握りしめ言った。 普段の様にその場だけのテンションに任せ、後で萎んで逃げ出すような言い方ではない。 今ここに高畑がいたとしたら、そのまま告白できそうなぐらいの決意がその瞳には見える。 その意志を前に、茶化してはいけないことだと和美も手にしていたメモを目の前のテーブルに置いた。「えっ、マジで?今までみたいな、夏祭りとか、麻帆良祭の今度こそとかイベントがらみでもなく?」「今までみたいな、半分妄想が入ったのとは違うわよ。決めたの」 和美の再確認の言葉もまた否定し、神楽坂がチラリと伺う様に見たのはむつきだ。「先生、今まで色々とありがとうね。私今度こそ、絶対に告白する」「そうか。時期やタイミングは?」「まだ、一応先生から高畑先生のスケジュール貰ってるけど、それも絶対じゃないし。でも、そんなに先には伸ばさないつもり」「分かった。なら……」 神楽坂の決断をどうこう言わず、むつきはただ黙って懐から携帯電話を取り出した。 突然のむつきの行動に小首を傾げる二人に、しっと唇に人差し指を当てて静かにのポーズである。 むつきの耳にだけ携帯電話のコールが響き、ぶつりと繋がった音が鳴った。「はい、高畑だけど。どうかしたのかい、乙姫先生」「緊急ではなく、半分は私信です。ちょっと高畑先生のスケジュールで確認したいことがありまして」 これに慌てたのは、今度こそ一人でとむつきに頼ることを止めようとした神楽坂だった。 なんでどうしてと自分の決断に水をさされた気分で、涙目になりながら電話を切ってと手を振っている。「実は生徒の一部が、気の早いことに今年のクリスマスについて話してるのを小耳に挟んだんですよ。どうせなら盛大にクラスでパーティしたいと。それなら高畑先生のスケジュールも確認しておこうかなって。まだ三ヶ月近くありますし、今からなら空けられそうですか?」「まだ文化祭だって、本当に気が早い。うん、わかったよ。学園長にもお願いしてみるよ」「高畑先生が参加してくれれば、あいつら皆が喜びますよ。お願いします」「僕は独り者だからね。それこそ君は、エ……アタナシアは大丈夫かい?」 僕らの本番は夜からなのでと、大人の会話で笑い合いむつきはそれではと電話を切った。「先生、どうして……私は」「ん、別に俺は高畑先生にクリスマス空けておいてくれって頼んだだけだぞ。お前はそれに合わせるもよし、それこそ明日告るもよし。なにか問題あるか?」 あくまでむつきはクリスマスパーティをすると、今はまだ計画さえされていないことを知らせただけだ。 その日に告白しろと神楽坂をたきつけているわけではない。 それこそ三ヶ月も先のことなのである。 告白すると決心した神楽坂にとっては、準備期間にしては長すぎるといえなくもない。「明日菜、今回は本気みたいだしその勇気は賞賛する。けどさ、思い上がって勘違いはいただけないよ」「思い上がってなんか。私はただ一人で全部、先生にこれ以上は頼らずに」「それが思い上がり。私らはただの中学生だよ。明日菜はクラスでも自立してる方だけど。一人でってことは、同室の近衛にも、委員長にも頼らない?」「当たり前でしょ、ちゃんと一人で」「当日に、自分の格好が変じゃないか聞いたりしない? 流行りの格好で行く? それとも、高畑先生の好みで? そもそも高畑先生の好み知ってる? 告白する日の段取りは? そもそも高畑先生のスケジュールは、先生から貰うんでしょ?」「うっ……そんなの」 きっと当日に、いやそれこそ前日、一週間以上前からあれこれ聞きたくなるに決まっている。 矢次に繰り出された和美の言葉に反論一つできない。 いや、感情的に返さないだけ成長したと言えるが、今の神楽坂はそこまでは気付けなかった。 そんな神楽坂に助け舟を出すのは、やはりむつきである。「すまん、良かれと思ってやったが。神楽坂は一人でちゃんと告白したかったんだよな」「そんな、先生が謝らなくても。朝倉が変なことを言うから……」「私は記者として中立な立場から助言しただけだけどね。じゃあ、ここからは友人として」「友人ってなによ、突然気持ち悪いわね」「それちょっと、酷くない?」 普段の自分の行動に対して胸に手を当ててみろと言われ、苦笑いしながら和美はつづけた。「今の明日菜、ちょっと可愛げないよ。まだ、普段の妄想混じりに暴走してる方が可愛げある。良いじゃん、頼っても。けじめさえつけてれば。好きなのは高畑先生、乙姫先生は頼れる大人、でしょ?」「一人でなんでもしようとするのは、可愛げない?」「今はまだギリセーフ。だけど、さっき私が言ったみたいに応援してくれる人にまで、一人で出来るからってトゲトゲするのはね」「き、貴重な忠告として受け取っとくわ。友達の応援の声まで煩いなんて、跳ね除けたりなんかしないわよ」 ふんっと鼻息荒く和美から顔を背け、そっぽを向く姿は普段の神楽坂であった。 なにか思いつめて一人でと言うよりは、確かに可愛げがあって結構である。「男の意見としては、確かに今の神楽坂の方が可愛いな」「かわ、可愛いって?!」「なに照れてんのさ。可愛い、可愛い明日菜ちゃん」「朝倉、後で覚えときなさい」 真っ赤な顔ながら半眼で和美を睨むという器用なことをしてみせる明日菜。 少しばかりむつきをチラ見して、大きく深呼吸し、口調を速めて言った。「兎に角、告白するって決めてから。それを先生に言っておきたかったの。今まで一杯お世話になったし、もう今までみたいに逃げ出さない為にも」「おう、頑張れよ神楽坂。俺で良かったら、幾らでも応援するし協力する」「大丈夫、ちゃんとするから。どうしようもなくなったら、また頼っちゃうかもしれないけど。できるところまで一人でやってみたいの。けじめは、大事だから。それじゃあ、練習行くから!」 傍らの水泳道具の袋を引っ掴み、神楽坂は駆け出す様に監督室を飛び出していった。 半開きとなった扉をむつきが閉めに行くと、和美は反対にマジックミラーとなっている窓に近づいた。 飛び出した時の勢いそのままに、神楽坂は更衣室へとむけて走っている。 当然、プールサイドを走るなと小瀬に注意され、ペコペコ謝っていた。 そんな神楽坂の様子に、監督室で一体何がと水泳部員の数人が監督室を見上げていた。 もちろん、マジックミラーなのだから、表側からは監督室内を覗き見る事などできない。 むつきと和美の二人きりとなった監督室内で、これから何が行われようとだ。「和美」 監督室の扉を閉め、しっかりと鍵をかけて来たむつきが、窓辺にいた和美を後ろから抱きしめた。 後ろでまとめた跳ねた髪が顔をチクチクしたが、構わずうなじに顔をうずめていった。 薄らと香るのは香水だろうか、キツイ匂いはなく和美の体臭と混ざり合い男をたぎらせる。 事実、むつきの男が激しく膨張し、和美のお尻をぐいっと持ち上げるほどだ。 数日前まで完全に役立たずだった時とは違い、男の役目を十二分に発揮できる力強さであった。「先生、お尻当たってる。もしかして、明日菜がいる時から?」「元々、神楽坂の方は後からだったからな。一応冷静に対処はしてたけど、我慢できなかった」「硬いのがぐいぐい。先生、本当に治ったんだ」「ああ、アタナシアのおかげでな。これで、今日。今から、和美の処女を喰うからな」 今までの様な軽度のセックスフレンドとしての触れ合いにとどめない。 むつきは今日この場で美味しく頂くと決め、和美もそれを了承してやって来ていた。「場所は少し不満だけど。最初に選んでくれたから、許してあげる。和美さん、ひかげ荘の撮影係だし。他の子の処女喪失シーンはカメラに納めないとね」「悪い、治りはしたが不安なんだ。何時また再発するか。だから、和美も。桜子も古も、俺の傍に居たいって言ってくれた子は全部抱く。抱きたいんだ」「身体は治っても、心が治りきってないんだ。先生、一度放してくれる?」 和美からのお願いに、少し躊躇してからむつきは抱きしめる為に力を込めた腕の力を抜く。 その腕の中でくるりと回り、向かい合うだけになったことに少し安心した。 もしもこの腕の中から和美が抜け出そうとしたら、拒否していたかもしれない。 そんな不安が顔に出ていたのだろう、和美が笑みを浮かべる。 普段の悪戯っぽいそれではなく、女性らしい慈愛に満ちた表情でむつきへと微笑みかけたのだ。 背伸びしてむつきの首に腕をまわし、和美は少しだけ後ろに下がって窓枠に尻を乗せ、窓に背を付けた。「先生、おいで。和美さんの巨乳で癒してあげる」 誘われるまま、制服のシャツがはち切れそうな和美の胸にむつきはそっと顔を触れさせた。 ブラジャーの感触が少し硬かったが、抑えきれない重量の乳房がむつきを包み込んだ。「和美のおっぱい、大きくて良い匂いがする」「こういう先生も可愛いって思えちゃうのは、手遅れなんだろうね」 和美は十歳以上年上のむつきを受け入れ、あやす様に撫でつけた。 それこそ迷子の子供がようやく母親を見つけたような、安心しきったむつきを。 なさけないと思われても文句が言えないむつきを前に、言葉通り可愛いと愛おしさがこみ上げる。 自分が癒してあげなければという使命感さえ胸に抱いてしまう。 美砂と同じように、以前彼氏がいただけに、向ける感情が明確に違うことが和美には分かった。 イケメンだったから、恰好良かったから、自分の自尊心も満たされたから付き合っていた。 中学生として大きく間違った理由ではないが、今回の恋は違う。 こういった弱さも含め、乙姫むつきという一人の男を愛おしく思い、恋してしまったのだ。「よしよし、気弱になったらいつでも言って。和美さんのおっぱいをいつでも貸して、ううん。和美さんのおっぱいは先生のものだから。好きにして良いから」「おう、もう少しだけ。和美、両側から少し圧迫して貰ってよい?」「こんな感じ?」 鼻先を動かし谷間に埋もれていったむつきが、さらに注文を出して来る。 その声から少しだけ気弱さが消え始めていた。 もう少しかなと、戻ったら意地悪になっちゃうんだろうなと思いつつ、言われた通りにする。 むつきがうずもれた胸の谷間を押し上げる様に、和美は自慢の胸に両手を添えて持ち上げた。「先生、気持ち良い?」「超気持ち良い。ブラが邪魔だけど」「外そうか?」「いや、それを外すなんてとんでもない」 この人は一体何を言っているのか。 これからナニをするのにと和美が思っていると、むつきが胸の谷間から顔をあげた。「うし、元気出た。折角の和美の初夜が、気弱な俺で占められたらプライドが許さないからな。今からは俺が頑張る番だ。というわけで、ちょいと拝借」「あっ、ていうことは……」 キビキビと動き始めたむつきが借り受けたのは、和美が持っていたデジカメである。 今更一体何の為になどと、考えるまでもなかった。 基本的にむつきと和美のプレイでデジカメが登場しなかったことなどないぐらいだ。 近頃はむつきがデジカメを手にしているところを見ただけで、和美は下腹部がキュンとする。 それは条件反射に近く、和美は今日はどんな自分が撮影されるのか期待に胸が膨らんでしまう。「和美、そのまま動くなよ」 そう言ったむつきがデジカメを構えながら、数歩下がって和美をフレームインさせる。 窓枠にお尻をのせた和美は、制服の胸元が少し乱れていた。「胸元のボタンを二つぐらい外して」「あと足はこんな感じ?」 言われるままに和美は胸元のボタンを外し、オレンジ色のブラジャーがチラ見できるようにした。 だがそれだけで終わる和美ではない。 手元にカメラがなくとも、むつきが覗き込んだフレームは大よそ想像がついていた。 もちろん、むつきがどういう風に撮りたいかも。 だから自然とそれに合わせる様に、片足を持ち上げたたみ、足を窓枠に掛けるように持ち上げた。 スカートの奥がぎりぎり見えない範囲で、暗がりの奥にあるパンツを撮影者に想像させるように。「良いね、和美。エロ可愛い」「当然」 パシャリとむつきが一枚撮影し、次を撮られる前に和美は舌を出して何かを舐めるような仕草を見せた。 二、三枚撮ったらまた一つボタンを外す。 鎖骨が見えるぐらいに胸元を肌蹴け、胸の谷間を強調するように腕で持ち上げ寄せ上げる。 前かがみになることも忘れず、さらに次の一枚では意味もなく携帯電話を胸で挟んで見せた。 その度にエロイ、可愛いと褒められ、和美の気分も乗ってくる。 自分を撮っているカメラマンはただのカメラマンではなく、惚れた相手なのだ。 悪い気がしないどころか、その一言一言に全身が震え、体中で私を撮ってといいたくなった。「女の顔になって来たぞ」「そう?」 まさか言葉なく伝わったとは思わず、むつきに言われ和美はどきりとした。 直接的な触れ合いこそないが、フラッシュをたかれる度に言葉を交わしセックスしているようだ。「じゃあ、次はブラを外して。あっ、でもまだシャツはぬぐなよ?」「先生そういうの好きだよね。見ちゃだめだから」 言葉にすると真逆を呟いてしまうと、照れ笑いしながら和美はブラジャーに手をかけた。 素直じゃないんだからとこみ上げるおかしさを堪えつつ、むつきに見られないようシャツの中だけで器用にブラジャーを脱いだ。 和美ぐらいになると押さえる役目もあり、胸が開放感からふるんと揺れていた。 シャツのボタンを半分近く外していたので、飛び出しそうになって慌てて胸元を閉める。「おっ、シャッターチャンス」「露出度減ったけど?」「逆にそれが良いの」 理解しているようで時々わからない。「先生、今のちょっと見せて」「ん、ほら」 再び隣に戻って来たむつきと窓を背に並び、和美はその手元を覗き込んだ。 デジカメの液晶の中に、青春の一ページを切り取られた和美が慌てた様子で映り込んでいた。 カメラを意識していない自然体、慌てて胸元を絞め、肩は竦み小さくなったようにも見える。 そして改めて画像で見て気づいたが、押さえこまれた胸は真っ白なシャツに張り付いていた。 和美自身意識したわけではないのだが、ピンク色の乳首が薄らと透けている。 確かに可愛くてエロイ、と自画自賛したくなる程のモデルぶりであった。「これ俺の嫁、朝倉和美って言うんだけど。超可愛くてエロイだろ?」「本当、果報者だよ先生は。ねえ、夜はどんなキスからセックスするの?」「こういうキスから」「んっ」 歪曲なおねだりを受け、むつきは和美の肩を抱き寄せ瞳を見つめながら口づける。 優しい恋人のキス、自然と瞳を閉じた瞬間にカシャリとデジカメの撮影音が耳に響いた。 上手く撮れたか和美が気にしていられたのは、数秒のことであった。 忍び込まれたのだ、唇の間を割くようにしてむつきの舌に。 魂ごと吸い寄せられるように唇を吸われ、思わず逃げようとしてしまっても後頭部を押さえられた。 強引に荒々しく、口内を蹂躙され、しかも時折シャッター音が聞こえてくる始末。 だがそこでやられっぱなしは性に合わないと思えるのが和美であった。 引き離すのではなく、逆に和美はむつきに抱き付き、蹂躙しにきた舌を迎撃するように舌を伸ばした。 舌と舌が絡みにちゃにちゃと唾液が絡み、唇の端からあふれ出した唾液が涎となって落ちる。「んぅ、ふぁ。先生……」 ちゃんとできてると聞いたつもりが言葉にならず、されどシャッター音で問題ないと返される。 処女喪失までメモリと電池が足りるのか、少しだけそんなことを考える余裕が出て来た。 むつきの顔に手を添え、逆に舌を忍ばせながらチラリとシャッターを切り続けるデジカメをみた。 きっと後でその画像をひかげ荘の皆で見るのだろう。 だから羨ましいだろうと、挑発的な瞳で勝ち誇ったような笑みを向けて微笑んでやった。「ふう……じゃあ、続きするぞ? 大丈夫か、和美?」「ちょっと酸欠気味だけど。次はどうするの?」「向こう、窓の外むいて。窓に両手を突いてくれ。こう、立ちバックする感じで」「こんな感じ、ぁっ」 完全に出来上がった、上気した顔で言われた通りの格好をした和美は気付いた。 今自分がどんな状況であったかをだ。 金曜の放課後、むつきのテリトリーである水泳部の監督室でセックスをする。 それ自体は問題ない。 問題なのは、今自分が両手をつき、あまつさえ胸を押し潰す様につけている窓であった。 その窓から見下ろせる光景、それは水泳部が青春に汗をながす日常の光景だ。 亜子が笛を吹くと飛び込み台に並んだ水泳部員が一斉に飛び込んでいく。 アキラが誰よりも早く泳ぎ、それに追いつこうと神楽坂も懸命に泳ぎ、小瀬が声を張り上げる。 まさに青春の一ページ、そのすぐ傍で自分はなにをしているのか。(男と二人で、胸を肌蹴てブラ脱いで。今も、お尻を突き出してセックスアピールしてる) 日常と非日常の境は、押せばたわむ程度の頼りない窓一つ。 マジックミラーと分かってはいても、想像してしまう。 もしや向こう側からもこの監督室の光景が見えてしまっているのではないかと。 不安に思う必要がないはずなのに、不安はつきない。 それこそ今あの子と目が合った、今こちらを見なかったかと不安が後から後から湧き上がる。「先生、待って。少しだけ」「だめ」 和美の助けを求めるような声は、とても楽しげなむつきの声で却下された。 それでまた和美は理解する、むつきは和美がこうなると分かっていて今このタイミングで外を意識させたのだと。 今抱かされている不安な気持ちさえ、セックスのスパイスにしようとしているのだ。「和美、脱がすよ」 嫌だと言っても止めてくれない、きっとそうだと思いはしても首だけはむなしく横に振った。 やはりと言うべきか、耳元でささやいたむつきは、手探りでスカートの中に手を突っ込んできた。 パンツに包まれた尻を撫でまわし、肌とパンツの隙間に指を差し込み丸めるようにしながら擦り下していく。 皆が見ている前で、皆が部活に勤しむ前で男にパンツを脱がされる。「だめ、先生本当に待ッ。え?」 ついに耐え切れず片手で空気にさらされたお尻を隠した。 だがなんて残酷な結果なのか、その手にとろりと何かが垂れ落ちて来たではないか。 一体何か、分かっていたはずなのにそれを見る為に、目の前に手を、その指先を掲げてみる。 濡れていた。 ディープキスによる唾液を拭ったように、溶かした砂糖を絡めたように、蜜が滴っていた。 和美の秘部から垂れた愛液が、待ってと止めに入ったはずの手を濡らしていたのだ。「和美、何か言ったか?」「?!」 分かっていて和美の耳元でささやくむつき。 なにか言わなければと振り返った瞬間に、耳慣れたシャッター音が響いた。 いや今更写真が増えたところでと思ったが、その音が響いて来る場所が問題であった。 今までとは明らかに違う、足元のように低い場所から聞こえてきている。 それもストロボのように一定間隔で絶え間なく。 その場所に気づいた瞬間、和美は再び自分の股座から愛液が溢れるのを自覚した。「ぁっ、撮られてる。先生、私の……」「私の、なんだ?」 まるで電車ないで盗撮するように、むつきは和美の股座をそのままデジカメに収めていた。 肩幅に開いた両足、パンツは丸まりながらも開いた太ももに伸び放題にされている。 突き出されたお尻は短いスカートでは隠し切れず、とろとろと割れ目から愛液を流していた。 そんな光景を至近距離から、愛液の滴りがわかるぐらい精密な連続画像で。「ほら和美、自分で開いてごらん。処女喪失したら、もう二度と撮れないぞ。和美の処女膜もちゃんと写真で残しておこうな」「うっ、こうで良い?」 指示ではなく命令を聞いたように抗えず、和美は両手を後ろに回して尻肉を選り分ける。 その先の秘部され両手の指でさき、未通の乙女の穴に指をかけて少しだけ開いた。 ああ、また愛液の量が増えたと自分の淫らな体に驚き、興奮しながら。 しゃがみ込んでデジカメを構えたむつきへ、早くとお尻を軽く振って促す。 早く撮ってというよりは、そんなことよりもアレが欲しいとばかりに。「こら、揺らすんじゃない。見えた、白っぽい膜が」「んっ!」 再びのストロボ、膣の中まで連続でカメラに収められ、和美は軽くイクのを感じた。 もっと言うならストロボのタイミングに合わせる様に何度も何度も。「先生、もう我慢できない。はやく、セックス。私の処女奪って、お嫁にでもなんでもなるから」「これだけ濡れてたら、もう大丈夫か。ごめんな、意地悪ばっかりして」「それは良いから、先生のおちんちん!」 処女なのにエロイことと、和美の焦りとは裏腹にむつきは忍び笑いをする余裕である。 直前まで不安げに和美に慰められ、よしよしと頭を撫でて貰っていた印象はどこにもない。 焦らすようにカチャカチャと時間をかけてベルトを外し、スーツのズボンを足元に、トランクスは和美とお揃いで膝より少し上まで下すだけ。 多少はむつきも焦っていたのか、たらたらと愛液滴る和美のすまたに一物を擦り付けた。 竿に万遍なく愛液をつけてすべりをよくするように、卑猥な言葉でねだられても和美は処女なのだ。「和美、愛してるよ」「私も、先生。ぐっ」 それだけは間違いないと、率直な殺し文句を呟きむつきは和美の膣口に亀頭を添えた。 返答を期待したわけではないが、きっちりその言葉を受け取り和美を後ろから犯していく。 ミチミチとまだ狭い膣の肉を選り分け、和美の穴にむつきの棒を埋め込んでいった。 ブチりと何かが千切れた感触を亀頭が生み出した瞬間、和美の体がイク時とは別の意味で震えた。 人生に一度だけの処女喪失、少女から大人へ変わる一瞬。 和美の太ももで丸まったオレンジ色のパンツに、より濃い赤の染みがぽたぽたと落ちていた。「痛っ、はは。和美さん、女になっちゃった。先生のおちんちんで」「おめでとう、和美。それからありがとう、受け入れてくれて」「うん、でもまだ序の口でしょ。最後まで、奥まで入れて」「ああ、ゆっくり」 ぐにぐにとうねる和美の膣内を愛液と破瓜の血を潤滑油に、むつきは蹂躙していく。 復活直後にアタナシアとしたとはいえ、この数日の間ずっと射精もおぼつかなかったのだ。 気を抜けばすぐにでも射精してしまいそうだが、歯を食いしばってそれに耐えた。 むつきは和美の膣を味わい快楽を得るだけだが、和美は破瓜の痛みを伴っているのである。 気持ち良かった、出た、じゃあ終わりとはできるはずもない。 それこそ直前に甘えさせて貰った手前、今度は逆に和美を甘えさせるぐらいでなければいけなかった。「半分入ったぞ、まだ頑張れるか?」「大丈夫、痛いけど。最後までちゃんとセックスしてね。ピルはちゃんと飲んでるから、一番奥で先生のをビュッてしてよ」「頑張り屋さん、和美が嫁になってくれて良かったよ」「ぁっ、だめ。頭撫でんきゅぅっ!」 後ろから抱きしめ頭を撫でたら、突然和美の中がキュッキュと収縮した。 先程から小さくイッてはいたようだが、少し大きなのがきたらしい。 目じりに涙を浮かべ涎を垂らしながら、振り返った和美が違う意味でおねだりしてきた。「お願い、先生。イキ、安くなってるみたい。一気に、一気にいれて」「でも痛いだろ?」「でも、あんまりもたない。たぶん、このままだとイキ続けて。最後までする前に」「了解」「ひゃぃッ!」 和美の言葉が終わらないうちに、むつきは腰をお尻にぶつけて一番奥まで貫いた。 目視はできないが、愛液か破瓜の血が膣からあふれ、互いの太ももに流れて来たのがわかった。 みっちりと膣の中をむつきの竿が埋め尽くし、子宮口をこんこんと亀頭でノックする。 むつきにはそのつもりはなかったのだが、お互い身長が違うのだ。 和美は突き上げられた高さに合わせてなんとか背伸びしているが、あまり意味はない。 むしろ震える足で立っている為、気を抜くたびに背伸びが低くなり、自分でノックしていた。 体重の殆どはむつきが預かっているが、窓に爪を立て必死に耐えているようだ。「うくぅ、はぁ……ぁっ、んぅ」 痛みと快楽、両方に健気に耐えるその姿が、普段の奔放さを知るだけに愛おしくなってくる。 クラスでも有数の自由人の和美が、むつきの為だけにある意味で苦痛を耐えてくれているのだ。 そんな和美のお尻を撫でまわし、頑張ったねとねぎらい、口元の涎を舐めて綺麗にしてあげた。「和美、分かるか。これが子宮口だ、こっちからも」「今、敏感だから」 ノックする瞬間にぐりぐりと子宮口に亀頭を擦り付け、お腹の上からも撫でてやる。 ここが俺の子を孕む場所だと、処女膜さえ失い乙女としての最後の砦だと。「気を、まぎらわせ……明日菜、頑張ってるじゃん。先生、カメラ返して」「はいよ」 今にも落としてしまいそうな震える手にデジカメを返してやる。 すると和美はむつきに貫かれながらも、ガラス一枚隔てた向こう側をデジカメに収めていった。 主役は主に神楽坂、彼女の初恋がこんな風に叶うと良いねとでも願う様に。 自分は初恋でこそないが、男に貫かれこうして包み込む様に抱きしめられ幸せだと。 少しだけ先輩面して、姉の様な視線で頑張れとクラスメイトの恋を応援する。 そんな和美を見て、俺の嫁は良い子とむつきがまた彼女の頭を優しく撫でた時のことであった。「ひぃっ?!」「おっと、あぶね」 イッたわけではなく、何かに驚いたように和美が愛用のデジカメを手の中から落としてしまった。 危ういところでむつきがキャッチしたが、一体なにに驚いたのか。「せ、先生……あっちからこっちって見えてないよね?」「当たり前だろ、見えてたら大惨事だよ。俺と和美のラブセックス、公開されちまう」「今、明日菜こっち見なかった?」 一体この子はなにを言っているのか、そんなことがあるわけないと和美の視線に合わせた。 その神楽坂はというと、現在プールを泳ぎ切り、アキラと何か言葉を交わしているところだった。 技術的なことだろうか、時折水の中でもないのにクロールの真似事をしている。 真面目に水泳に打ち込んでいる光景だが、時折ふと確かにこちらを見上げて来ていた。 もちろん、見えているわけではない。 表からは鏡張りで、マジックミラーとなっているのだから。 それでも見上げてきているのは、恐らくこの部屋にむつきがいることを知っているからだろう。 だからといって何故神楽坂がそうするかはさておき。「見てるな、見えてるんじゃないか?」 あえて和美の不安をあおる様に、むつきは彼女の耳元でそっとそうささやく。 嘘だよねと尋ね返す様に、和美の膣内が不安とある種の期待からむつきを締め付けて来た。「またまた、先生……」「和美、そろそろ俺も限界だから。痛いの少しだけ我慢してくれ」「う、うん」 痛みに耐えようとキュッと体を縮めた和美を抱きしめ、むつきは大きく息を吸って言った。「和美の中、暖かくてぬるぬるしてる。気持ち良い、俺の嫁は最高だ!」 それはもう、監督室が声の大きさで震えるぐらいに大きな声でむつきは叫んだ。 もちろん、腰をグラインドさせて和美を貫きなおしたが、彼女はそれどころではなかった。 今しがた、神楽坂に見えているのではと不安をあおられたところである。 それに加えていきなりむつきが、和美の体の良さを大きな声で叫んだのだ。 何してるのとその口を閉じさせたくなったが、許されるような状況ではなかった。「和美、和美のおまんこ気持ち良い。ほら、聞こえるか。いやらしい音がしてる!」「んぅ、痛。気持ち良い。待って、奥が。途中がこすれて!」 マジックミラーの窓に体ごと押し付けられ、両手は窓に張り付く体を支えるので精一杯。 上半身だけでも振り返りむつきの口を閉じさせるなんて、夢のまた夢だ。「先生、声が大きい。気づかれちゃうってばぁっ!」「構わねえ、皆きっとわかってくれる。祝福してくれるさ。おめでとうって、結婚おめでとうって!」「結婚、ぁっ。だめ、違う。今の違う、キュンってしてない!」「いや、した。想像して、キュンキュン締め付けてくる」 嘘、いやしたとお互いに否定し合い、監督室の中は途端に騒々しくなっていった。 二人の周囲を気にしない大声にとどまらず、二人の肉体がぶつかり合う音もである。 ぱんぱんと和美の尻を叩きながら、むつきはうなじに舌を這わせ、両手でぶるんぶるん震える胸を鷲掴む。 そうしたいという欲求は確かにあったが、巨乳が暴れすぎて痛そうだったのもあった。 破瓜の直後の膣を乱暴に扱っている負い目もあったかもしれない。 なのに大声で和美とのセックスの良さを叫び、和美の不安を煽るのだから自分でも良く分からない。「やだ、明日菜だけじゃない。大河内が、和泉が。皆、見てる」「俺たちのセックスを皆が見てる。胸を揉まれて、尻をぱんぱんされながらよがってる和美を」「見ないで、先生とセックスしてる私を。ぁっ、来る。大きなのが、白いの来ちゃう!」「もう少し、和美。もう少しだけ」 和美の尻をタンバリンと勘違いするぐらい叩き突き上げ、むつきは射精感を手繰り寄せる。 本当はもう少ししていたいのだが、和美の方が限界ならば仕方がない。 今日の夜は長いのだ、和美がここでバテてしまっては、最初に処女喪失した意味がなかった。「だめ、もうだめ。イク、イッちゃう。こんなの無理ぃ!」「イクぞ、和美。出すぞ、お前の中に」「出して、先生。私の中に!」「初体験でそのまま孕め、和美!」 いっそ目の前のマジックミラーを突き破る勢いで、むつきは和美の子宮口を突きあげた。 亀頭の先をさらに奥へねじ込む様に隙間一つないぐらいにピッタリと。 ぐりっと一際大きくねじ込まれたその時、亀頭の先からむつきの分身が噴き出した。 竿を脈動させ一斉に数千数万の精子が、和美の中の卵子めがけて飛び出していった。 着弾ポイントは様々ながら、子宮内の至る所に拭きつけられていく。「ぁっ、ぁぁっ。熱いのが、ねばねばしたのが。私のお腹に、射精されてるぅ!」「子宮内が真っ白になるまで、ほら孕め。俺の子を孕め!」「分かった、産むから。産むから突くの、止めて。お腹熱いの!」 あれだけ見られている、気づかれると言っていた和美もまた叫んでいた。 生まれて初めてのセックス、さらに雄の濃い精液を子宮の中で受け、それしか頭になかった。 子宮が真っ白になるまで、そんな言葉に踊らされ、次はこの角度でと腰を振って誘うぐらいに。 しかし、いくら数日間射精しなかったにしても、一度では量も限られてくる。 むつきから伝わる脈動、与えられる熱い精液が途絶えるにつれ、二人の興奮もある程度収まって来た。「はあ、うぅ。まだ、ちょっと出て。底なし、もう。そんなに産んで欲しいんだ」「和美、もう少し。まだ出るから」「だめ、もう限界。疲れちゃった」 一度の射精が終わっても腰を振り続けていたむつきだが、先に和美に限界が訪れたようだ。 元から体重のほとんどをむつきに預けてはいたが、ずりずりと窓の上を滑り落ちていく。 さすがに床の上は可哀想かと、むつきがやや意識をもうろうとさせながらも和美を抱え上げた。 背面座位の格好でよたよたと歩き、床を精液や破瓜の血で汚しながらソファーまで歩いていった。 身だしなみを整える余裕などあるはずもなく、ソファーもまた汚れてしまえとそのまま座り込んだ。「んぅ、またちょっと出た。先生、キス。あと撫でて、頑張ったねって」「少しだけ腰浮かせて、半回転」「やん、お腹よじれる。先生のおちんちん、感じちゃう」 背面座位ではいちゃつきにくいと、和美の砕けた腰を支えながらソファーの上で体位を変える。 和美の体に力が全く入っていないので苦労したが、対面座位になるや否や、和美には大いにもたれられた。「先生、ふぅ。和美さんの処女の味はどうだった? 最高?」「ああ、最高だ。けど、夫婦の営みは一生続くぞ。続けるぞ。まだまだ、これから。頑張れよ」「うん、色々覚えてく。和美さんも、正妻狙ってるから。柿崎にも、アタナシアさんにも負けないよ」「良い子だ。そうじゃなきゃ、俺も頑張りがいがないってもんだ」「もう、ナニを頑張ろうと……硬くなって、硬いまま?」 しかしいくらむつきが大丈夫でも、和美は殆どダウン状態、いわばマグロのようなものだ。 今日はここまでかと、二人は水泳部の練習が終わり、アキラたちが迎えに来るまで繋がったままイチャついた。 -後書き-ども、えなりんです。お盆休みが暇過ぎて書いた。同じく暇で苦しむ同志たちへ。ちなみに以降は怒涛のエッチ回。割としんどいが他にすることないので。では続きもお楽しみください。あと推敲殆どしてないのでいつも以上に誤字あるかも。