第十八話 世界一可愛いお嫁さんを忘れんな! 若い男女が密室にて密着していれば、後はもう自然の流れであった。 例えそれが教師と生徒、それも生徒が複数であても。 アキラと繋ぐ手とは逆、右手で膝の上にいる美砂の腰を抱き寄せる。 意図を察した美砂が、嬉しそうに瞳を閉じてから唇を突き出した。 もう本当に何度繰り返した行為か数えるのも馬鹿らしいが、お互い一向に飽きる事はない。 そっと口付け合い、それがより濃いキスになるのに時間はかからなかった。 顔を互いにクロスさせるようにしねぶるように吸い付いていく。「ふわぁ」 驚きの吐息を上げたのは、濃厚なキスを間近で見せられたアキラであった。 経験者ではあるのだが、他人の行為を見る事なんて初めてなのだ。 ドキドキとする心音を手から伝えるように、むつきの手をギュッと握り締めている。 そして見られている側の美砂も、少しだけ気分が高揚するのが普段より早い。「んはぁぅ。先生もっとぉ」「美砂、飲んで」 食い入るように見つめるアキラへ見せ付けるように、むつきがやや首を伸ばし上から覗き込むように。 そのまま美砂の口内を犯すように唾液を垂らした。 受ける側の美砂も、頬を紅潮させながらこくこくと喉を鳴らす。「わっ、わわわ」 互いというよりは、アキラの反応を楽しむように続ける。 唇の距離を開けてわざと見えるようにして、舌を絡ませあう。 最後には美砂の背中を手折ってしまうかのように強く抱きしめ、長く長く。 唇が離れた時には互いに酸欠状態で、荒い息をつく唇の間に唾液の糸が見えた。 美砂は濃厚なキスがご満悦であるようで、むつきの胸の中でごろごろと甘えている。 女の子である美砂よりも体力のあるむつきは、その間にとアキラへ振り返った。「アキラもおいで」「うん、先生。お願いします」 美砂にしたように今度は左手をアキラの腰に回し、抱き寄せる。 その力には逆らわず、けれど美砂が胸の中にいるので手のやり場に困りつつむつきの肩に。 ちゅっと可愛らしい音の後で、強引にそれこそ陵辱するように吸い付く。 苦しげにアキラがむつきのスーツを握り、皺を寄せさせる。 唇を完全に塞がれ、必死に呼吸しようとする鼻息がこそばいい。 気がつけばアキラはむつきの舌を受け入れており、口内を嘗め尽くされた。 舌の裏と表も、歯の一本一本、磨かれるように執拗にだ。 ようやく唇が離れた時には、軽くイッた後のようにぽうっと瞳を潤ませていた。「先生、アキラにまだあまり激しくしちゃだめだってば。先生の愛と性欲に溺れちゃう」「そ、そうか? アキラ、大丈夫か? 激しい時は言ってくれ、なんとか優しくするから」「ううん、激しいのもちょっと好きかな?」 言わなければ良いのに、むつきを奮い立たせる一言を放ってしまっていた。 息も整わぬうちに再び唇を塞がれ、むつきの腕だけではと自分でも反対側の肩に腕を回す。 腰を基点に反り繰り返り、むつきへとしっかり抱きついた。「先生の唇とられちゃったか。なら、仕方ない。うん、仕方ない」 美砂が何事か呟きながら膝の上から降りて、むつきの正面にしゃがみ込んだ。 スペースが空いたので、むつきもアキラを抱えなおし腕の中で締めるように抱きしめた。 もちろん、唇は相変わらずアキラの口内を蹂躙しながら。 むつきだけでなく、アキラの口からも唾液があふれ、唇の端から溢れ流れていった。 激しい事でと笑った美砂は、むつきのベルトを外して目的のものを取り出した。 アキラとの濃厚キスで半勃起状態のむつきの一物である。 以前、フェラチオの後はキスしたくないと言われたが、今日はアキラがいるので問題ない。 いただきますと、美砂は顔の前に垂れる髪を耳の後ろに流しつつ、大きな口を開けてまだ柔らかい一物を口に含んだ。「んほっ」「んぅーっ!」 唇同士を溶接されたかのようにキスしていたむつきが、唸った 一物をあまがみされ、手では袋を転がされ、一杯出してねと美砂に弄ばれる。 ただ意地でも唇は放さないつもりらしく、アキラは大変苦しそうだ。「アキラも、先生の唇と唾液で溺れられれば本望かな?」「んっんぅっ!」 助けてと伸ばされた手を美砂がひょいと交わし、フェラチオを続ける。 ある程度膨らんできたら、口に含むばかりでなく、裏筋を丹念に舐めたり。 他には半被りの皮を剥いてあげて、カリの部分を舌の先端でなぞったりもした。 こういう時の為に色々と勉強してきたのだ。 末端部を刺激する場合は、ちゃんと手で竿を擦り上げ先走り汁ですべりを良くもさせる。「ぷはぁ、もう駄目だ。アキラの唇が美味しいし、美砂の舌が気持ち良いし」「はぁ、はぁ……やっと解放され。潜水より、辛かった」「じゃあ、もうしたくない?」 意地の悪い美砂の言葉に、アキラは一瞬答えるのを躊躇した。 もっとしたいと言えば、またむつきに窒息させられる程のキスをされかねない。 かと言って、したくないなんて口が裂けても言いたくなかった。 最終的に困った挙句にうーっと唸るのが精一杯である。「悪い悪い、ほら優しいキス」「んっ、こっちも好き」 逃げ場を与えたのは、事の発端とも言えるむつきであった。 触れる程度のキスを息も絶え絶えのアキラに与え、頭をぽんぽんと叩いて安心させる。「もう一押しかな」 一方美砂はむつきの一物の具合をふにふに指先で弾力を確かめる。 まだ完全勃起とは言えず、あっちえふらふら、こっちへふらふらと忙しい。 そのもう一押しの為に、むつきの腕の中で幸せそうなアキラをつんつんと突いた。「あ、ごめん。すぐどくね」「はぐらかさないの。ほら、ちゃんと履いて来たでしょ」「やっぱり、するの?」 気の進まなさそうなアキラを起こし、むつきの一歩手前に両隣で立った。 これから何が始まるのか、突然置いてきぼりにされたむつきは眉を潜めている。 そんなむつきの前で二人は、少しずつ制服のスカートをたくし上げ始めた。 悲しい男の性で、露となっていく太ももを見つめてしまう。 しかも二人の美少女が、同時にたくし上げてくれているのだ。。 思わず身を乗り出し、食い入るように見つめてしまっても誰も責められない。「じゃーん」「くぅ……こんなの」 楽しそうに美砂が見せたのは、あの赤い下着であった。 既にその機能を知っている為、準備も万端。 予め穴あきの部分を広げておき、蜜が珠となる秘所の谷間が見えていた。 手を伸ばして指先でその甘露を簡単にすくえる距離だ。 エッチな下着を楽しそうに見せ付ける美砂と対称的なのがアキラである。 それもそのはず、美砂よりもよっぽど恥ずかしい下着であった。 一応色は黒だが、もはや色なんて関係ない。 腰を一周して下着の基点となる場所をつくり、そこから幾重の紐が秘所に向かっている。 本当にそれだけ、秘所の谷間で紐が一つに束ねられ、股座を通って恐らく腰の背中にあつまっているのだろう。 もしくは束ねたまま広がらず、Tバックのようになっているのか。 どちらにせよ、もはやこれを下着と呼んでよいものかどうか。「えっと、美砂のは前にもみたけどアキラさん。それ、買ったの?」「先生、アキラだけさん付け」 美砂に笑われ、どれだけ喜んでるのと苦笑いである。「ううん、私が買ってアキラにあげた。さすがにこれ、恥ずかしいし」「自分で恥ずかしいと思った下着をアキラに、悪魔か」「ふぇ、先生もうスカート下ろしていい?」 アキラは今にも涙が零れ落ちそうで、よっぽど恥ずかしいらしい。 俯き加減の顔は真っ赤で、声もそれはもう小さく、震えていた。 それはそうだろう、まともな精神じゃこんな下着つけるだけで恥ずかしいはずだ。 だが履いているのはアキラであって、当たり前だがむつきでも、美砂でもなかった。 恥ずかしいのはアキラ一人。 紐が食い込んだ秘所の谷間や丸見えの陰毛など、見ている分には興奮してしょうがない。 美砂の手のひらの上だなと思いつつも、悪魔にならざるを得なかった。「そのまま見せてくれ。いや、こっちに来てもっと近くで見たい」「そんな……」「ほら、アキラ。先生がもっと見たいって。はやく、はやく」 美砂に背中を押され、アキラが無理やりむつきの目の前に立たされた。 もはや羞恥心は最高潮のようで、俯きがちにきつく瞳は閉じられている。 スカートを持つ手も震えており、今にも下着への視界が閉ざされそうだ。 けれどアキラは見せたくないものを必死にむつきへと見せていた。 そのアキラへと悪魔の申し子が、さらなる囁きで背後からアキラを惑わせる。「アキラ、先生が見てる」 耳元に吐息を吹きかけるように、まさに悪魔の囁きである。 キュッとアキラが身を縮こまらせるように小さくなった。「食い入るように見てる。ほら、アキラも見て。先生のアレ、ガチガチになってる」「ぅ、本当?」 きつく閉じていた瞳を薄く開け、アキラはチラリと覗き見る。 勃起以前に、スカートの中を食い入るように見ていたむつきがいた。 見られている、大好きな人にこんなはしたない下着を履いているところを。 ついに羞恥心は限界突破を果たし、ぶるぶるとアキラが体を不自然に震わせた。 背後の悪魔がにやりと笑い、もう一人の悪魔がさらなる心の隙を見つけてしまった。 その隙とは、捩じれ一本になった紐から滴る一滴の雫だ。「アキラ、俺まだ何もしてないぞ。これ、なに?」 雫を指先で掬い取ったむつきが、人指し指と親指の腹でにちゃにちゃとこねる。 アキラの目の前でよく見えるように、ねばつく糸をつくりながら。 視線がゆっくりそらされていっても、追いかけては見せ付けた。「あ、愛液です」「おかしいな、俺まだキスぐらいしかしてないけど。なんで?」「それは、先生が……」「私の大事な所を見るから。見られて感じちゃった?」 途中で途切れた台詞を継ぐように、美砂が代わりにそう呟いた。 アキラは唇を真一文字に引き締め、零れ落ちそうな涙を必死に絶えている。 恥ずかしい下着を履かされ、まるで自分が淫乱かのように言葉責めされて。 けれど見られて感じて、軽くイってしまったのもまた事実で。 ついに耐え切れないように大粒の涙が零れ落ちそうな、その時であった。「はい、羞恥プレイはここまで。良く頑張ったな、アキラ。よしよし、もう我慢しなくて良いぞ」「先生、先生。恥ずか、恥ずかしかった。ばか、先生のばか」 本当はもっとあの黒い紐を引っ張ったり、ソフトSMチックな事もしたかったが。 苛めはしたいが泣かせる趣味などありはしない。「ありゃ、ここでアキラがエッチに目覚める予定だったんだけど」「なんの予定だ。罰として、お前後な」「先生だって、のりのりだったじゃん。アキラを言葉責めして楽しそうだったし!」 何故目覚めさせようとしたかは置いておいて、美砂にそう言いつける。 不満そうにしながらも、ちゃんと美砂はコンドームをつけてくれた。 最近、社会科資料室の使用率が高い為、厳重に隠してるのだ。 むつきの股間に今一度しゃがみ込み、美砂がこそこそ着せてくれている間にアキラの空いてである。 まだ腕の中でぽかぽか叩いて来ており、顎に手を掛け上を向かせ、唇を奪う事で止めさせた。 現金なのはお互い様、甘いキス一つでアキラも大人しくなっていく。「ほら、入れていいぞ」「うん……先生、好きだよ」 そのアキラを一度立たせると、むつきの膝を対面座位になるよう跨がせる。 胸の割りに小さめのお尻を両手で支え、少しずつ座らせていく。 真の意味で紐パンを指先でずらし、隠すに隠せなかった秘所の谷間に亀頭を添えた。 ゆっくりとアキラが腰を沈め、膣の中にむつきの一物を収めていった。 まだまだむつきの形が覚えられていないので、抵抗感が甚だしい。 それでも着実にアキラはむつきの一物を飲み込み、お尻が足の付け根に着地した。 一仕事を終えて、くてりとアキラがむつきの胸にもたれてくる。「はぁぁ、深い。それに熱いよ、先生」「良く頑張りました。アキラの中も狭くて熱い」 力をなくしたアキラを抱きしめ、ポニーテールの頭を撫で付ける。 背中に流れるポニーテールをつかみ、なんとなくあの匂いをかいだ。 陶酔的な麻薬のような香り、アキラの香りを。「先生、くすぐったい。あっ、笑うと余計深くに」「大人しくしてなさい、良い子だから」「だったら、耳に息をかけないで」 イチャイチャとむつきが悪戯を仕掛ける度に、アキラがそれは駄目と叱る。 それはそれで正しい恋人の姿だが、忘れてはならない。 恋人ではあるが、二人だけではないのだ。「あのぉ、世界一可愛いお嫁さんがほったらかしなんですけどぉ」「わ、忘れてたわけじゃないぞ?」 準備してあげたのにと、頬を膨らませている美砂である。 ちょっとどもったその言葉は、半分は嘘だが。「ただ三人でなんて俺も初めてで、ほら指でしてやるから機嫌直せ」 多人数が慣れていない等という言葉は本当であり、ごめんと謝りつつ手招いた。 少しむすっとしながら、最初にアキラが座っていた隣の椅子に美砂が座った。 正妻と妾の位置が逆転しているが、まあしょうがない。 むつきは椅子の上でとんとんっとリズムを刻んでアキラを突き上げながら、左手を伸ばした。 隣のパイプ椅子に座る美砂のスカートの中に手を伸ばし、太ももの感触を楽しみながら奥を目指す。 手に触れたレースの覆い生地は恐らくあの下着だ。 直接確認はできないが、その生地の上をなぞっていくとやはり辿り着いた。 四方を生地で囲まれながらも、ぽっかりと空いた肌に続く道。 そこだとばかりに、左手の中指をむつきは埋もれさせていった。「んっ、そういえば私。あまりこれ経験ない」「じゃあ尚更、やってあげないとな」 赤い下着の穴から秘所の割れ目を探し出し、さらに奥へ。 指をうねらせ膣口を見つけると、まずは第一間接まで埋めて挿入を繰り返す。 美砂はパイプ椅子の座席の後部に両手をつき、腰を浮かせていた。 浅い挿入がもどかしいのか、もっと奥までと誘うようにいやらしく腰を振る。「先生、こっちも」「はいはい、よっと」「ぁん」 アキラにも強請られこれは忙しいと、混乱してしまいそうである。 例えていうなら右手と左手を全く別の動きをさせるかのようだ どちらかに集中すると、もう片方の動きが止まってしまう。 美砂とアキラ、二つの膣の違いを楽しむ余裕もない。 一生懸命腰を振ってアキラを突き上げ、指先で美砂の膣を拡張する。「先生、私……んっ、少し頑張る」 そこで助け舟を出してくれたのは、アキラだった。 むつきの両肩に手を置いて、自分から飛び跳ねては挿入を繰り返す。 途中何度かずり落ちそうになり、腰が横に動くのがまたアクセントとなって良い。「先生、指だけじゃ。フェラしちゃったけど、良いよね?」「ああ、もうなんか良いや。美砂の唇をくれ」 二本に増やされた指でも我慢できなかったらしく、美砂が椅子から立って近付いてくる。 手の角度が無理だったので、一度入れなおしてもいた。 上から落ちるように押し付けられた美砂の唇を思いっきり吸った。 ギシギシと鳴るパイプ椅子、ぐちゅぐちゅと接合部が愛液で泡立つ音が聞こえる。 乱れた喘ぎ声はアキラのものだ。 ポニーテールを振り乱し、自分でむつきの上を飛び跳ねる。「んぁ、好き。先生、大好き」「美砂、もっとくれ」「わ、私もちょっとだけ」 指でされながら美砂が唇をつけていたが、アキラも混ざってきた。 三人で舌を伸ばし唇を突き出しながら、誰が誰とキスしているのか分からない。 美砂やアキラの膣口付近で愛液が立てる音に負けず、唾液を絡ませ吸い付いた音を立てる。 この時になって、ようやくむつきも余裕が出てきた。 いや、むしろなくなったのか。 パイプ椅子が悲鳴を上げる程に、腰を突き上げアキラを打ち上げる。「んぁ、はっ……ぁっ」「アキラ、もう少し。もう直ぐだ」「うんぅ、いいよ。先生が好きな時に」「先生、こっち」 イク事をアキラに告げていると、美砂に無理やり首を向けさせられた。 アキラにした濃厚窒息キスを、今度は美砂からされる。 腰を使いながら、運動しながらなので酸素の消費が激しい。 苦しくて呼吸をしたいが口はぴったり美砂が押さえつけている。 鼻息で美砂の頬を叩きつつ、その時は訪れむつきは無理やり美砂をはがした。「はっ、ぐ。出た、アキラ。出たぞ」「ぁっ、分かる、分かるよ先生。コンドーム、私の中で大きくぅっ!」 アキラへと抱きつき、制服の上からその胸に顔を埋めながら射精する。 何度も何度も、コンドームが破れて精子が溢れるのではと不安になるぐらい。 しばらく二人でイッた余韻に苦しみ喘ぎつつ、抱き合い続けた。 むつきは極自然にアキラを撫でつけ、当人もそっとむつきの胸板に頬を寄せる。 互いにイッた後の気だるいが甘い時間を過ごし、やがて見合ってはキスをした。「ふぅ……アキラ、動けるか?」「ちょっと、無理かも。椅子に、そこに座らせて先生」 腰がぬけたようで膝の上のアキラを、挿入したまま抱き上げた。 駅弁スタイルでより膣を抉り、またアキラが小さく震える。 そして言われた通りに隣のパイプ椅子に座らせ、ずるりと一物を抜いていく。 膨らまされた風船のようにコンドームは精液を溜め込んでいた。 口を縛って漏れないようにすると、それをアキラの目の前で見せつける。「ほら、アキラへの愛の証」「うん、私で興奮して出してくれたんだよね。嬉しい、かな?」「アキラ」「先生」 情事の余韻冷めやらぬ中で、ちゅっちゅと可愛いキスを繰り返す。「だーかーらー、世界一可愛いお嫁さんを忘れんな!」「痛ぇっ!」 目の前でイチャつかれ、普段の自分を棚にあげて美砂がむつきの尻を殴った。 気がついてみれば、美砂は床の上に女の子座りで座っていた。 お前なにやってんのという言葉を寸前で飲み込めたのは、ファインプレイだろう。 何をしているのかもなにも、むつきが吸い付く美砂を引き剥がしたのだ。 指で弄られ足腰が震えていたので、座り込むしかなかった。「悪い、謝るから。機嫌直してくれよ」「いやだ、甘々なのしてくれなきゃいやだ」「あっ、するのは前提なんだ」 初夜はまだしも、また独り占めしてと美砂がアキラを睨む。「ほら、喧嘩はNG。よっこいせ」「乙女を抱き上げるのによっこいせとか言うな」「わぁ、美砂って羽根みたいに軽い」「当たり前でしょ。全然、褒め言葉じゃない」 美砂の両脇に手をさしこみ抱き上げ、多少本人にも手伝って貰って膝の上に座らせた。 まだまだ酷使されるパイプ椅子の上で、背面座位の体位で座る。 少々わざとらしかった言葉で、世界一可愛いお嫁さんはご機嫌斜めのままだ。 これは言葉だけでは足りないかと、アキラに視線を送る。 疲れてる所悪いけど、手伝ってくれと。 それから美砂の髪を鼻先でかきわけ、首過ぎにちゅっとキスして頼む。「機嫌直してくれ」「もっと、もっとしてくれなきゃいや」 ならと、長い髪に隠れたうなじなら見つからないとキスマークをつける。 白かったうなじが全体的に赤味を帯びて見えるぐらいにまで。「先生、二人同時にちゃんと可愛がる方法を勉強しておいて」「普通に考えるとありえん言葉だが。分かったよ。アキラ、悪いけどコンドーム付けてくれ。美砂を抱きしめてて手が届かない」「分かった。けど……」 首筋はもうキスをし尽くしたので、振り返った美砂の頬に口付ける。 今の良い、凄く良いと言われ反対側にも。 更に耳をあまがみしては、性交の穴かとばかりに耳の奥まで舌を伸ばす。「あはは、くすぐったい。先生、それくすぐったい」「だから、暴れるなって。アキラ?」「えっと、ごめんなさい。上手く付けられない」 やけに時間がかかると思って見れば、アキラは精液で汚れた一物を握ったままであった。 一応、コンドームは袋から取り出していたが、どうつければ良いのか迷っていたのだ。 初夜の時につけ方は見せてあげたが、覚えられなかったらしい。 その間ずっと一物は握られており、次第に元気を取り戻したから怪我の功名だが。 ただ今は美砂を抱えるのに手一杯で、笑っている美砂に教えてあげてと頼む。「本当は生の方が気持ち良いんだけど。こうやって、邪魔なコンドームを」「おい、なんつう怖ろしい教育をかます。アキラ、信じるなよ」「えっ?」「驚くな、違うのって小首を傾げるな。今週の土日はコンドーム教室だこの野郎」 言葉とは裏腹に、付け方はまともだったが、お仕置きとばかりにきつく抱きしめる。 痛い痛いと美砂は笑っていたので、効果のほどは知れないが。 美砂の膝下に手をさし込み、蟹股以上の格好で持ち上げた。 目の前に座っていたアキラが咄嗟に目をそらしたのは、見てしまったからだろう。 美砂のお尻を包む赤い下着、そこに空いた穴から見えた割れ目を。 何しろむつきが弄りまくったので縦筋が筋ではなく、やや開いて中が見えたのだ。「アキラ、俺のものを垂直に立てて」「う、うん。こう?」「殆ど見えないから、手の感触で感じるしかないけど。多分そう」 アキラが打ち立てた肉の杭へと、美砂を降ろしていく。「んぅ」 つぷりと先端の亀頭が秘所を割り込み、膣口へと添えられた。「アキラ、意地悪の仕返しチャンスだぞ」「え、なに?」 突然のむつきの言葉にうろたえたのは、美砂であった。 ただでさえ間抜けな格好なのに、その股座にアキラが座り込んでいるのだ。 それにあっと気付いて、暴れようとするが、むつきにがっちり押さえ込まれている。 何しろ、小さな子が親におしっこをさせる格好なのだ。 普段なら絶対こんな格好は嫌だが、油断していた。 予め、甘々なセックスを要求しただけに、これも甘々の一環だと思ったのがいけなかった。「変態鬼畜教師の言う事なんかきかないで」「アキラ、いまどうなってる? 美砂の大事なところがどうなってるか、俺に教えてくれ」「あぅ……あの、濡れてる」 簡潔な、見たままの感想でもあったが、美砂がカッと頬を赤らめた。 元々興奮していたが、そうではなくて羞恥の赤さだ。「それで?」「それでって、あの。先生のアレの先端が、出たり入ったり」「んーッ!」「あっ、愛液がどんどん出てきた」 素直なだけなのか、それとも狙っているのか。 見たままをアキラがどんどん説明し、美砂の顔はもう真っ赤だ。 最近セックスに慣れだし、なかなかお目にかかれない顔に興奮する。 これはアキラを羞恥責めした罰だと、自分に言い聞かせながら促がす。 一番アキラを苛めたのが自分のくせに。「アキラ、説明は的確に正しい言葉で。テストでもそうだろう。美砂の大事なところはおまんこ。俺のはおちんちん、先端は亀頭だ。ほら、もう一度」「お願い、甘々なのがいいの。甘々セックスがしたいのに」「柿崎、可愛い」 どうやら美砂の懇願が、アキラの閉まっていた扉を開いたらしい。 これまでのように戸惑いながらではなく、嬉々として説明を始めた。「柿崎のおまんこ、先生の亀頭が出たり入ったりして愛液がどんどん溢れてくる。おかげで穴あきのエッチな下着が染みて色が濃くなってる」「いいぞ、その調子だ。ほら、状況が変わるぞ」「ぁっ、ぁっはぁぅ」 抱え上げていた美砂を降ろし、膣の奥に滑り込ませていく。 アキラが説明したとおり、潤滑油である愛液は十分で、ぬるぬる入っていった。 一ヶ月の差は大きく、美砂がそれだけむつきの形を覚えているとも言えた。「凄い、先生の太いおちんちんをなんていうんだろう。一口で、柿崎のおまんこが一口で飲み込んじゃった。ここまで入るんだ。お腹、凄い奥までぽっこりしてる」「んんっ!」 アキラがここまでと膨れたお腹に触れると美砂がイッた。 言葉責めだけで、まさかアキラが触れるとは思わなかったのだろう。 思わぬ不意打ち、それに外から中を刺激されたのもある。 これにはむつきもうっかりいきかけた。 美砂の中からアキラの指先の動きを感じるなど、卑猥すぎる。「ほら、美砂。こっちむいて。ここからは甘々セックスだ。ただし、アキラも一緒にな」「甘々、ん。先生、キス」 振り返るようにして伸ばしてきた美砂の唇を吸ってやる。 抱え上げていた足も下ろさせ、両手は美砂の腰にそえて軽く上下させた。 もちろん腰も使って打ち上げるが、あくまでこれも軽く。 激しくしないのには理由があった。 美砂とキスをしながら、いいなと見上げてきていたアキラに目配せする。 ふわふわと上下するたびにたなびく美砂のスカートをつまみ持ち上げ、ここだと。 むつきと美砂が結合した部分をアキラに見せ、後は瞳で語った。「わかった」 どうにか通じたようで、アキラが美砂のスカートの中に頭を突っ込んだ。「えっ、アキ」「美砂はこっち」 驚き振り返ろうとした美砂の顔を固定し、キスを続ける。 激しく突き上げなかったのはこの為、アキラに結合部を舐めさせる為だ。 ちろちろと、アキラが竿の付け根を舐めてくれた。 時々その感触がなくなったりするのは、美砂の方も舐めているからだろう。 快楽の声を上げたそうな美砂の口はむつきが完全に塞いでいる。 喉の奥で何かを叫んでいるが、二人共お構いなしだ。 その美砂が突然暴れるように痙攣し、足もピンと伸ばして震えた。 むつきでさえ突然の事に驚き、思わず唇を放してしまった。「美砂? おい、しっかりしろ」「らめ……あひら」 完全にとろけた瞳と言葉で、意志の疎通が殆ど出来ない。 ただ辛うじて聞き取れたのはアキラという名前だけ。 それで十分だったかもしれない。 見下ろしてみれば、アキラがこそこそと美砂のスカートの更に奥に隠れようとしていた。 なんとか手を伸ばして、ポニーテールを引っ張り引きずり出す。「先生痛い、痛い」「頭隠して尻尾隠さず。怒らないから、何をした?」「えっと、皮を被ったお豆さんみたいなのがあって。先生のは剥けてるし、剥いた方が良いのかなって」「そりゃ、クリトリスだ。この野郎」 知らなかったとは言え、限度があるだろうとお仕置きを言い渡す。「パイプ椅子をそっちに持っていって、後は見てなさい」「ごめんなさい」 しゅんとしたのは可哀想だが、慰めるのは後回し。 ぺちぺちと美砂の頬を叩いても反応は薄く、これならいっそと体位を変える。 背面座位から対面座位に、美砂の足を巻けたり体をそらさせたり、苦労しながら。 挿入したままなので膣内の肉壁が多少ねじれたのか。 奇妙な感覚に美砂が気付けられて、意識を取り戻していった。「なんか、凄いのが来た。先生、私またお漏らししてない?」「アキラがうっかりクリトリスいじってな。もっと慣れてからのつもりだったんだが」「凄すぎて、もう一回って言えない。アキラ、今度してあげる。本当凄いから」「い、いい。大丈夫、先生とキスしてる方が好きだから」 さすがに自分のせいとはいえ、美砂の感じ方に恐怖を感じたらしい。 パイプ椅子ごと後ずさり、断りをいれてきた。「じゃあ、今度こそ甘々のセックスだ。嘘偽りはなし」「ごめん、先生。全然力はいらないから、シェフのお任せで」「だったら美砂の踊り食いがお勧めだ」 言うや否やむつきが美砂の唇に吸い付いた。 といってもコレまでのように激しくはない。 本当にかるくねぶるように吸い付いては、ついばむようにもキスする。 それから美砂のお尻に手を添えて、持ち上げては落とす。 クリトリスへの刺激のせいか、子宮口が降りてきていたようだ。 コツンとぶつかり、ぶるりと美砂が震えた。 あまり強くなり過ぎないように、石臼をひくように腰を掴んでまわす。「美砂、好きだ。凄くお前を孕ませたい」「うん、なんどこのやり取りしても飽きない。いいよ、孕んであげる」 その一言でむつきの一物が一度射精しているとは思えない程に硬くなった。 第二射は弾丸の補填も十分で、何時でも発射ができる。 だがこの甘い時間を直ぐには失いたくないと、必死に我慢していた。「孕んでって言ってから、凄く締め付けてくるぞ」「嘘じゃないから。先生の事が大好きだから」 社会科資料室で二人きりのように、周りが全く見えないまま愛し合う。 だがこの場にはもう一人いるのだ。 むつきを好きになった女の子がもう一人 今度は忘れたわけではなかったのだが。「先生、ごめんなさい。謝るから、一人にしないで。手を放さないで。どんな事でもするから、どんな事でも」 最初は二人の行為を見て自分で慰めるだけだったが、耐え切れなくなったらしい。 二人が愛し合うパイプ椅子の正面で、そのどんな事を見せる。 足を下品なぐらいに開いてスカートをたくし上げ、紐パンの紐を引っ張った。 先程愛してもらったばかりの秘所の谷間で紐を引っ張り割れ目を見せ付けた。「いいよ、そこまでしなくて。一緒にしよ、アキラ。先生も、ね? 反省してるみたいだし」「まあ、お前がそう言うなら。アキラ、おいで。キス、しようか」「ごめんなさい、先生。柿崎も」「ほら、泣かない。先に私とちゅう」 驚いた事に美砂がアキラにキスをねだり、美少女同士のキスが展開された。 ねっとりと歳若い少女達がいやらしく唇を合わせ舌を絡めあう。「そのまま、凄く良い」「女の子同士のキスで先生また大きく。本当に変態なんだから」「私達もだよ、たぶん。柿崎、もっと」 我慢できるわけないだろうと、甘々セックスを早々に止めてしまった。 目の前で行なわれる倒錯的な光景を前に、燃え上がるままに突き上げる。 そのせいでかなり二人はキスがしにくそうだが。 触れたり離れたり、必死にキスしようともがく光景がたまらない。「美砂、イクぞ。美砂の中に」「いいよ、先生。私が子宮で孕んでぅ、んっ。そのままアキラに、口移し」「うん、私が口から先生の赤ちゃん孕んであげる」 もはや快楽の前に理屈など消し飛んだ世迷いごとを口にし始めている。 だがそれで二人同時に孕ませられるならと、むつきは思い切り吐き出した。 美砂からアキラまで、二人にまで精液が十分に届きうるようにと。「きた、きたよ。先生の精液。アキラ、私から吸い取って!」「うん、貰うね。先生の精液」 コンドームの中に全てを吐き出したむつきは、パイプ椅子にぐったりともたれかかった。 その目の前では精液のやり取りをするように美砂とアキラがキスしていた。 ちょっとばかり嫉妬してしまう程に、二人仲良くだ。 それも時間が経つにつれ興奮がさめ我に返り、照れくさそうに離れていった。 そして恥ずかしかったとばかりに、二人同時にむつきに抱きついた。「凄く可愛かった。可愛かったぞ、お前ら」「なんだろこれ、凄く恥ずかしい。ベッドがあったら、絶対ごろごろしてる」「そうだね、なんだかごろごろしたい」 その気持ちは、今一共有できなかったが。 胸板に額をぐりぐりしてくる美砂を少し離し、両脇に手を差し込んで持ち上げる。 滴る愛液と共に萎えた一物と、それに被さるコンドームが出てきた。 それを外して口を縛り、もう一滴も出ないとぐったり椅子にもたれる。 パイプ椅子なので体が痛いがそれでももたれたい程に疲れ果てた。「二人一度はやっぱきつい。漢方薬か何か飲もうかな」「超さんとか、何か持ってそうな気がする」「でも説明できないって。彼氏が元気になる漢方頂戴ってさすがに私でも言えない」 だよねと見合わせた美砂とアキラが、何か思いついたようにむつきを見上げた。「先生ならエッチしてもおかしくない年齢だし、頼んでみる?」「お前、あの完璧超人に何が悲しくてセクハラせないかんのだ。社会的に抹殺されたらどうする。精々、コンビ二とかの赤マムシだろ」 馬鹿言ってんじゃないと、二人の可愛いお尻を軽く抓る。 痛いと訴え甘えるように二人が抱きついてくるが、ここは学校でお昼休みだ。 そういえば今何時と時計を見上げてみれば、十三時五分とお昼の授業が既に始まっていた。 何時チャイムがなったのか、全然気がつかなかった。 まさかと議論する暇も惜しい。「お前ら、さっさとその卑猥なパンツ履き変えて授業行け。俺も急がねえと」「アキラ急いで、私の制服変に乱れてない?」「私も、たぶん大丈夫。行こう」「待て待て、そのたぷたぷしたコンドーム置いてけ。教室に何を持っていこうとしてる。大事件じゃねえか!」 このアホどもと、精液に満ちたコンドームを取り上げ、むつきは二人を蹴り出すように追い出した。 -後書き-ども、えなりんです。主人公、初の3Pにたじたじの巻き。普通に考えて、そう言う状況を妄想はしても経験ないですしね。複数人では、美砂達と同様にお勉強中です。あと、ちょっと美砂達をもてあまし気味。二人一辺に満足させる程、精力あるわけでもなく。その辺はこれから改善していきます。それでは次回は水曜です。