第二話 うん、イチャイチャしよ先生 大気中の酸素ではなく、お互いの肺にある酸素をむさぼりあうように求めあう。 穏やかで温かみのあるキスなどすっ飛ばし、艶かしく唾液を交換するような大人のキスであった。 キス自体は初めてではないが、ココまでの行為は美砂も始めてである。 軽いパニックに陥りながらも、侵入しては蹂躙してくるむつきの舌を受け入れた。 最初はもちろん、されるがまま。 おずおずと伸ばした舌を絡めとられては弄ばれ、互いの唇の隙間から喘ぎを漏らすのが精一杯。 酸欠に陥りそうだが、今止めてしまえば行為そのものを止められそうで止めてと言えない。 むしろ求めていますとアピールするように必死にむつきにしがみついていた。「んぅ……ぁ、せんッ」「どうした?」 ただ、どうしても我慢できずにかすかに漏らした言葉で終わってしまう。 止めないでと言いたいが、さすがにふしだらな台詞は恥ずかしく思いついた事をそのまま口にする。「ちょ、ちょっとだけ苦かった」「そうか、ビール飲んでたし。考えても見たら組み伏せられるのも怖いわな」 ちょっとだけ良いかと、抱きついている美砂の手を背中から外し、ベッド脇に腰掛ける。 それからむつきは、息を切らせて喘いでいた美砂の体を、抱え込んだ。 脱力して力のない美砂の体だが、多少意志があるだけ駅の時より全然マシであった。 膝の上に横向きに座らせると、胸に抱き寄せて落ち着けるように撫で付けた。「悪いな、怖い思いさせて。お前が安心するまで、待ってる」「全然、平気だけど。うん、少しこうさせてて……」 再びむつきの背中に手を回した美砂が、むつきの胸板に耳をそっとつける。 心音に聞き入るようにしながら、怖がるどころか安心しきる自分を感じていた。「先生……」「おう」「今、凄く……さっきまでよりもっとずっと、先生を好きになりはじめてる。どうしよう、すっごく大好き。元彼と喧嘩したその日に、そんな子嫌い?」 限度を知らず膨れ上がる好意とは裏腹に、不安にもなり始めた。 先程まで一方的に元彼を勝手と罵っていたが、現状は自分もそう代わらない。 まだ正式に分かれる前、勝手に元彼と呼んで、早くも心変わりしている。 しかも、好意に気付いて直ぐ、体の関係を結ぼうとしているのだ。 いやらしい子だと思われたら、嫌われたくないと好意と同じぐらい不安が膨れ上がる。「知ってるか。教師になって三年、生徒を名前で呼んだのは美砂。お前が初めてだ」「嬉しいけど、分かり辛い」「それだけお前が特別って事だ。今さら嫌うわけねえだろ」「うん、先生大好き」 今度は小鳥のようについばむようにキスをし、「今度は私から」 美砂が覚えたからと、むつきの唇の中にまで舌を伸ばしてきた。 ただそこからどうして良いか、むつきの舌や歯に触れては引いて、ちょろちょろ迷う。 そんな美砂を誘うように、むつきから舌を触れさせスパゲティを絡めとるように絡めてやる。 私からって言ったのにと若干不満気にした美砂であったが、観念して手伝って貰う。 手と手を触れ合わせるように、互いの口の中で舌を触れ合わせた。 ずっと口を開けているので溜まった唾液が零れ落ちそうにもなって、指で拭おうとしたが止められる。 どうしてと視線でむつきに問いかけると、悪戯好きそうな普段より子供っぽい笑みを向けられた。「んおっ!?」 思わずキスをしながら、嘘と叫んだのは飲まれたからだ。 溜まった唾液を唇を伝い吸い取られ、大きく喉を鳴らしながらむつきが飲んだのだ。「んーっ、んーっ!」 さすがに恥ずかしさの余り我慢できずに、背中に回していた手をはなしてむつきの胸を叩く。「んはぁ……せ、先生今私の」「甘かった」 先程も見せた悪戯小僧っぽい笑みと言葉に、真っ赤になりながらむつきの胸板をぽかぽか叩く。 恥ずかしくて恥ずかしくて、けれど甘いなんて褒められたのか、ほんの少し嬉しくて。 兎に角、むつきにされる事なす事、温かな陽の感情しか生み出さない。 もはや完全に言葉では言い尽くせない程に大好きで、持て余すほどであった。 そしてまた、美砂が落ち着くまで、胸板を叩くのを止めるまで待ってくれたのが嬉しい。 一際そう大きく感じたせいか、興奮状態でもハッと自分の状態を敏感に察してしまった。「あ、あぅぁ。せ、先生……私、あの私その」「分かった分かった。ちょっとだけ、腰上げろ」 それも難しかったようで、美砂はむつきの首に両腕を回し縋るように腰を持ち上げた。「見ちゃやだからね」「分かってる」 すがり付いてきた美砂を一度ぎゅっと抱きしめ、ワンピースのスカートに手を伸ばす。 性格には、スカートの中にある下着へとだ。 手が太ももに軽く触れると、殊更美砂が抱きついてきた為、首を無理に曲げて首筋にキスを落とした。「大丈夫だ、任せろ」 耳元でそう囁き、スカート部分をたくしあげた。 そのまま尻を伝うようにして手探りで下着を探すように、太ももを撫でる。 絶対に口にはしないが、やはり若さとは武器であると思った。 普段美砂達をクソガキと心で呼び、風俗嬢の舞を神聖化するように比較していたが。 はっきり言って、逆の意味で比べ物にならない。 異常に張りのある滑らかな肌触り、薬品で無理やり引きとめずともそれら全てが満たされていた。 何時までも触っていたかったが、小さな訴えがソレを許さなかった。「うー、セックス始めてからなんだか先生意地悪」「悪い悪い、ただ。まだ始まってもいねえよ」 純粋にむつきは美砂の肌に心を奪われていただけだが、焦らされていると感じたらしい。 首筋に美砂があまがみしながら訴えてきたのだ。 そして今度こそ、美砂の両腰の隙間から下着に指を指しいれ、脱がしていく。 脱がすたびに美砂が抱きつく力を強め、もはや二度と開けてなるものかとばかりに瞳を閉じている。 その訳は、むつきが目で確かめるまでもなかった。 まだほんの少しではあるが、下着の極一部、一番大事な部分を守る場所が濡れていたのだ。「ほら少し足を持ち上げろ」 膝まで脱がし、完全に両足から脱がさせる。 それから改めて美砂の下着を見ようとすると、瞬く間に手の中から消えてしまう。 もちろん奪ったのは美砂であり、ワンピースのポケットが破れる程に強くねじ込んでいた。「み、見た?」「本当、面白くて可愛いなお前」「だって、だって恥ずかしいものは恥ずかしいんだから。あと、可愛いは言って良いけど、面白いは余んっ」 見られたくないのは、下着ではなく濡らしてしまった部分のようだ。 分かっていた事だが、可愛すぎる美砂の行動に我慢できずその唇を塞ぐ。 ただ、これまでより時間はかけない。 だいたい始めてからまだキスしかしておらず、むつきもズボンの中で暴発など洒落にならないのだ。「全部脱がすぞ」「え……このまま、するんじゃ」「濡れたって言っても少しだから、今のままじゃ痛いだけだぞ。それに着替えもないのに着衣なんて出来ねえよ。ゴムもないから外だしするしかない」「分かった……私も脱ぐから、先生も」 はいはいっと足元が少々危うい美砂を立たせ、むつきは服を脱ぎ始めた。 ただやはり女は強かというか、隙がないと言うべきか。 先にむつきが羽織っていた上着とシャツを脱いだ瞬間、脱兎の如く駆け抜けた。 次の瞬間には、部屋のあかりが消え、あたりは全くの暗闇であった。 そして再び脱兎の如くベッドの脇に戻ろうとし、痛みを訴える美砂の声があがる。「痛ッ、うぅ~……」「なにやってんだよ。ほら、って見えねえ」 何処かで足をぶつけたらしく、蹲っているであろう美砂を手探りで探す。 だが、さすがに急に真っ暗になったので視界もゼロである。 仕方なく、先にベッドの頭の方にあった電灯を探してそちらをつけた。 オレンジ色の小さな光がともり、膝を抱えている美砂を見つけられた。「先生、痛い……キスしてくれたら治る」「治るか馬鹿。ほら、先に脱げ。これぐらいの明かりなら恥ずかしくないだろ」 先に脱いで再びベッドの脇に座り込んだむつきは、無遠慮に美砂が脱ぐのを見ていた。 暗闇という安心感からか、観察されているとも知らず美砂は先程までの羞恥が嘘のように脱ぎ始める。 ワンピースの胸元のボタンを外し、一瞬躊躇った後に一気に脱いだ。 ただし、片手だけはすぐさま下腹部を隠すようにし、片腕だけを背中に回しブラのホックを外そうと試みる。(まさか、生徒の脱衣をまじまじと眺める日がくるとはな。麻帆良女子中に就職が決まった時の、アイツらの嫉妬が分かった気がする) 言いようのない優越感に浸りながら、どうせ暗闇だからとニヤニヤ笑う。 ただ片手で事を成そうとする美砂が、上手く行かず梃子摺り始めていた。 そして完全な暗闇でない事を思い出し、むつきへと振り返ってからは殊更に手で必死に体を隠そうとし泣きそうな声をあげる。「先生ぇ……」「子供か」 実際、法的には子供だが、仕方がないとむつきが美砂の手をひいた。 先に自分がベッドに座り、膝を叩く。 同じように横向きに座り込もうとした美砂を止め、「こっち向いたまま」 対面座位、まだ入れはしないがそれを求めて両腕を開いてやる。「だって、そんな蟹股になんなきゃいけないじゃない。さっきの横向きが良い」「実際始めたら、こっちの方が楽だぞ?」「じゃあ、ベッドの上で普通が良い。もう、覆いかぶられても平気だし」「シーツが汚れるのは避けたいんだが」 むつきの言葉で、そう言えばここは普通のビジネスホテルだった事を美砂も思い出したようだ。 喉の奥でううっと唸る事数秒、先生のいう事なら多分正しいと諦めた。 むつきの前で目を瞑っててと頼み、一瞬で膝の上を跨いで座り込んだ。 その時、美砂の秘部にむつきの一物の亀頭部分が重なりあっていた。 危うく挿入という結果は免れたが、秘部の上を滑りそのまま後ろへ美砂の尻を割るように滑り込む。「ひぃっ」「あぶね、落ち着け。ほら、大丈夫大丈夫」 自分でも危うかった事を感じた美砂が小さく悲鳴を上げていた。 本当に手間のかかると、折角和らいだ緊張がぶり返した美砂を撫でてやる。 先に外れかけのブラをとってしまい、縋ってきた美砂にまたキスを落とす。 ただし今度はそれだけに留まらず、さえぎるもののなくなった胸に触れる。 Cとサイズを誇ったそれなりの大きさの果実を支えるように、手の平で包み込んだ。 最初から過激な事はすまいと、軽く持ち上げたり、マッサージの様に揉みあげた。「はぁ、ふぁ……先生、キスと同じぐらいふわふわする」「これぐらい序の口。少しレベルをあげるぞ」「え、うそ。んっ、体がキュってした」 時折キスをしながら、人差し指で乳首を軽く弾く。 美砂が評したように一瞬体を強張らせ、今度は逆に弛緩させる。 ソレが自分でも分かったのか、膝の上から落ちないように首に腕を回してきた。「先生、もっと……もっと触って」「ああ、お望み通り」 嫌がる様子がないならと、弾いた乳首を指先で転がしたわたな乳房に埋める。 何かアクションを起こす度に、美砂が面白いように反応を返してくれた。 摘めば体全体がそうされたようになり、こねればむず痒さをあらわすように体を擦り付けては甘い声を上げる。 ただされるがままと言うわけでもなかった。 美砂なりに気持ちよくなろうとしたのか、むつきを気持ちよくさせようとしたのか。 自分からキスを求めたり、拙い動きではあるが腰を動かしていた。 愛液が増し、滴るほどになった秘部を、股座から尻の割れ目まで伸びる竿にこすり付ける。 少々加減があやうく落ちそうになるので、乳房を弄っていた片手を尻に添えてやったが。「先生の手がお尻に。凄い、怖いぐらいに気持ちいい」「ああ、俺も気持ちいいぞ」 美砂の愛液が止め処なく流れ落ち、潤滑油には事欠かないほどであった。 にちゃにちゃと卑猥な音が響き、さらに美砂の体を高ぶらせる。「あぁ、先生、先生……エッチになる。エッチになる自分が止められない。先生、好きって言って。エッチな私を嫌わないで」「嫌うかって、大好きだこの野郎。今のお前は凄い綺麗だ。綺麗でエッチって、お前。男からしたら最強の女だぞ。もっとエッチになってくれ。お願いしたいぐらいだ」「なっちゃう、先生が望んでくれるならもっとエッチになる。気持ちいい、おっぱいも。あそこも、先生が触ってくれる全部がんんっ!」 理性から解放されるように、美砂が場所も構わず気持ちのままに声をあげる。 少々声が大きいと唇で塞いだのだが、それが切欠になったようだ。 むつきの腕の中で殊更美砂が体を小さくし、反動でビクンと大きく体を震わせた。 大きな波を一つ乗り越えたようで、縋りつくのではなく、くたりともたれかかってくる。「もしかして、美砂。お前凄くね?」「はぁ……ふぅ、なんか今凄かった。頭真っ白で」「処女でイクとか、お前。どんだけ最強なんだよ」「あっ、凄く先生の硬い。それに熱い、お尻火傷しちゃう」 いったばかりだというのに、美砂がいとおしげに腰を動かし尻でむつきの一物を押す。 硬いと評された通り、美砂の尻で押されても一物は反逆するようにそそり立つ。 理性などもはや殆ど二人にはなく、体をさえぎる着衣もない。 濡れた女の秘部と、そそり立つ男の一物があれば、辿り着く先は一つしかない。「先生、いいよ。して?」 発情し、涙で潤んだ瞳での美砂のお願いに答えないはずがない。「少し痛いかもしれんが、暴れるなよ。どうしても我慢できなけりゃ、俺の首筋でも噛んでろ」「うん、そうさせて貰うね」 弱々しい力で再び抱きついてきた美砂のお尻を、両手で抱え込むように持ち上げる。 股座から尻の間を割った時とは逆に巻き戻すように、尻の間を滑り秘部へと亀頭が移動した。 最後の確認をするように、むつきは美砂を見下ろす。 美砂も小さく頷き、首を伸ばしてむつきの唇へとキスをねだった。 もはやこれ以上ない程に二人は全身を密着させ、密着の更に上を目指した。 持ち上げた美砂の体を落とし、ピッタリと閉じた割れ目を亀頭でこじ開ける。「んっ……」 自重も加わりゆっくりとだが、むつきの一物が美砂の秘部を潜り始めた。 密着以上、むつきが美砂の中に入り、完全に一つとなろうとする。 それを邪魔するものは、もはや誰もいない。 いるとすれば美砂自身、秘部の中の本当の入り口、膣口の先にまつ門番、処女膜だけであった。 僅かな抵抗感でむつきは、そこに辿り着いた事を感じ、美砂を見下ろす。「いいよ」 かすかに消え入りそうな声だが美砂の覚悟の声と共に、むつきはソレを実行した。 美砂と一つになる為に、邪魔者を力ずくで排除したのだ。 美砂を通してミチミチとそれが破れる音を幻聴しながら、突き破る。「痛ィッ」 再びの小さな声であったが、すぐさま続けてと懇願される。「くっ……私、一杯先生に気持ちよくしてもらったから。今度は先生が、私で気持ちよくなって。私でイッて?」「ああ、分かった。ただし、お前も一緒にな。ある程度入れたら、小休憩だ」「ぅぁ、入って……先生が私の中に。くぅ、痛いけど嬉しい。先生の女になれたから?」「可愛い事を言うなよ、我慢できなくなるだろ。もう少し、全部は……無理か。だが十分だ。良く頑張ったな、美砂。撫でてやりたいが、我慢してくれ。両手を放すと、一気に深く刺さるからな」 じゃあこっちで褒めてと、何度しても飽き足らないというふうにキスをねだってきた。 唇が磨り減るかと思う程にキスを繰り返し、痛みをできるだけ和らげ忘れさせようとする。 ただそれもどこまで効果があったものか。 美砂の瞳には涙が滲んでおり、顔はこわばり、キスをしている間ずっと唇が震えていた。 なんとかしてやりたいが、なんともしてやれないもどかしさ。 先程から美砂ばかり自分から好きだと言って、むつき自身は好きと言ってとねだられてからしか言わなかった。 だが本当に今さらだが、美砂の事が好きだと感じられた。「好きだ。ねだられたからじゃない、俺がそう伝えたい。好きだ、美砂」「嬉しい、先生」 破瓜の血が零れ堕ちる秘部から、それを押し流すように愛液が溢れてくる。 もっと、もっと愛し合いたいと美砂の意志を体がくんだように。 美砂自身、多少の痛みが気にならなくなる程に、求めて欲しいと思った。 自分の体でむつきに気持ちよくなって、あの間隔を一緒に味わいたいとさえ思った。「先生、もう我慢しないで。先生のしたいようにして。私はもう大丈夫だから」「馬鹿、もう少し慣れるまでいいんだよ。お前の中にいるだけで十分気持ち良い」 言葉通り、むつきは美砂の中にいるだけで十分に満たされていた。 風俗嬢などもはや比べ物にならない、比べようとする事が失礼だ。 こんな最高の女には今まで出会った事はないとさえ思えた。 膣の中に無遠慮に侵入したむつきを、たっぷりの愛液で向かえ、肉壁が圧迫してくる。 美砂が喋る度に、むつきを意識する度に、それこそ美砂の心臓が鼓動を叩く度に。 全てを受け止めてあげるとばかりに、締め付けてきた。 気を抜けばこのまま中で出てしまうと不安になるぐらいに。「違うの、我慢してるわけじゃない。先生が言ったんでしょ。一緒にって。これは私の我がまま、イキたいの。先生と一緒に、イキたいの」「お前はこの野郎、本当に……」 美砂の我がままとやらに、もはや胸が一杯で言葉にならなかった。 代わりにベッドのスプリングを軋ませ、ゆっくりと美砂を突き上げた。 慎重にあまり強い刺激にならないように、思いやりながら。「あっ」 より深く貫かれたのが分かったのか、自然に美砂が喘ぎ声をあげた。 美砂の体を持ち上げては深く刺さった一物を、ぬちゃりと音を立てながら少し抜き、貫く。 膣の中の愛液から空気が抜けるじゅぶりと下品な音があがる。「んっ、深ぃ」 もう一度、今度は美砂より先にベッドに落ち、スプリングを縮こまらせる。 二人の距離を慌てて縮めるように落ちて来る美砂の体。 スプリングの反動で浮いたむつきの体が抱きとめ、スパンと肌がぶつかる音が響く。 やや甲高い音に秘部であふれる愛液の音はかき消されたが、より強くより深く美砂の体にむつきが埋もれていく。 繰り返し繰り返し、むつきは自分の分身を美砂に打ち込んでいった。「美砂、お前は最高だ。こんなに気持ち良いのは初めてだ」「先生、私もこんなの始めて。はぅ、ぱんぱんもっと」 むつきだけではなく、美砂も能動的にこの行為を楽しんでいた。 破瓜の痛みなどもはや遥か彼方のようで、つい先程処女を喪失した事を思わせない。 長い髪を振り乱しては、体に浮き上がる珠の汗を振り払う。「ぁぅ……はっ、奥にもっと私の奥まで来てぇ」 当初、むつきの竿が余っていたはずが、根元までずっぽり埋め込まれていた。 膣の最奥まで蹂躙しては、ここは俺の居場所だと形を覚えさせようと往復する。 美砂も必死にむつきの形を覚えようと体が反応し、より深い到達点を差し出そうとしていた。 膣の終着点、好意の目的、あるものを受け入れる為の肉壷。「あんっ」 膣の奥に子宮口が現れ、むつきの一物の亀頭とぶつかり合った。 目の前がちかちかするような衝撃を受け、美砂が体を震わせる。 自分の最奥までむつきのものになるのだという期待、それと少しの不安。 小さな不安は瞬く間に期待と快楽に押し流されていく。「先生……ぁぅ、今までより凄いの。ごちんって」「分かるか、美砂。この一番深いところ。くそ、ゴムさえあれば、もっと凄い事をしてやれるのにな」「もっと凄ぃっ、したい。もっと気持ちいぃぅ、ぁ。だめ、先生もう。私、イクかも」「俺もそろそろ限界だ。イクぞ、イクぞ美砂!」 これまでで一番大きく腰を打ちつけ、射精の前に美砂を打ち上げる。 痙攣し、コレまで以上にうねり精液を搾り取ろうとする美砂の中から抜け出す。 叫び声を上げようとする美砂を抱き寄せ唇で口を塞ぎ、再び密着する二人の間でむつきの一物が大暴れ。 二人の間で何度も震えては、白濁の液体をお腹に撒き散らす。 しばらく二人共きつく抱き合い、息を整えながら力尽きるようにベッドに倒れこんだ。「はぁ……はぁ、やべ。すげえ出てる。てか、大丈夫か? かなり激しくやっちまったけど」「凄かった、頭真っ白になって。これが、先生の精液……えい」「あ、こら」「うっ……えほっ、ぐえ不味い」 好奇心は猫をも殺すという言葉通り、お腹の上の精液を指ですくった美砂がそのまま口に運んだ。 当たり前だが、その味、その匂いに耐えかね舌を出して顔も崩れている。「たく、余韻が吹き飛ぶような事するなよ」「だってぇ」 むつきの胸の上で頬を膨らませ、聞いてた味と違うと勝手に拗ねる。 どこで聞きかじった情報か知らないが、まあ中学生という事だ。 今度こそ情事の余韻を楽しむように、しっとり抱き合い息を整えようとする。 したのだが……「先生……」「すまん」 二人の間で力を失っていたはずの一物が、早くも力を取り戻し始めていた。 余韻どころか、今からでも十分に二回戦に突入できそうではあった。「もう一回、する?」「したいが、さすがに精液まみれのコレを突っ込む勇気はないな」 少し体を起こせば二人の間で硬さを取り戻したソレを見ることができる。 押し込められた肌と肌の間で暴れたため、にちゃりと精液が糸を引く。 それを吐き出した張本人は、自分自身をも白濁で汚していた。 もっとしたかったと美砂が眉根を潜めるのを見て、むつきはならと思いついた。 美砂共々、上半身を起こし、そのまま彼女を横抱きに抱きかかえる。「え、先生……この格好、ちょっと嬉しいけどなに?」「さすがにゴム無しはこれ以上無理だが。風呂でシャワー浴びながらイチャつこうぜ。多少洗えば、できなくもないだろうし」「うん、イチャイチャしよ先生」 大歓迎とばかりに美砂がむつきの首に手を回し、レッツゴーと風呂場を指差す。 この後、風呂場が狭い事を良い事に、シャワーを浴びながら素股で一回。 溜めた湯船の中でイチャイチャしながら、手コキで一回、美砂だけ別途三回と二人は大いに初夜を楽しんだ。 全てを思い出したむつきは、とりあえずの結論を出した。「悪いの全部、俺じゃねえか」 生徒に誘われ、先生が手を出した。 生徒と先生でそれぞれ一藩、未成年と言う事でさらに一藩。 生徒に酒を飲ませ一藩で満貫、だが美砂はむつきの管理下にあったはずで管理不行き届きが加わる。 他にもここがビジネスホテルだったり、他にもあるかもしれないが跳満は確定だ。 一万や二万を惜しんでタクシーで送り返さなかった結果がこれである。 しかしながら、あの時に戻れたらと聞かれたらこう答えるだろう。 もう一度、美砂を送り返さずに同じ事を繰り返してやると。「酔ってた事は酔ってたけど、嘘つきになるわけじゃねえ。むしろ本音が出やすくなるんだから、嘘偽りはない。なら、後は俺がどうするかだけだな」 むしろ、昨晩の事を後悔してたまるかと思っていると、シーツの奥から美砂がひょっこり顔を出した。 そのまま起きるかと思ったが、また再びずるずるとシーツの奥に潜ってしまう。「なにしてんだ、お前?」「とって」 くぐもった声でそう言われるが、直ぐにはピンと来ない。「私の服、今の私は裸なんですけど」「ああ、そういう……へいへい」 流石に素面ではこんなものかと、ベッドを抜け出し立ち上がる。 その瞬間、美砂が小さく悲鳴を上げたが、当然の事ながらむつきも裸だ。 シーツの中で開いた視界の中で、むつきの下腹部を見てしまったのだろう。 取り乱したり、大きな悲鳴を避けたりと記憶はしっかり残っているらしい。 元々、一緒に風呂に入った時点で、酒気も半分以上は抜けていたであろうし。 美砂の服をかき集めるのと同時に、自分の服も手元に寄せておく。「服着れるか? なんなら、後ろ向くか何かするが」「大丈夫」 器用にもぞもぞシーツの中で動き、やがて衣服を纏った美砂が出てくる。 当然、男であるむつきの方が早く、待っていた状態であった。 美砂の方は身なりを整えるにもシーツの中では限界があり、さすがに髪は乱れている。 ベッドを降りると、むつきに目を合わさずまずは服を軽く払ったりして皺を伸ばす。 それっきり何かを迷うように、黙りこくり、思いつめたように顔を上げた。「あのさ、先生」「その前に、俺からだ」 そんな美砂の行為を目前で止め、こういう時は男からだと言った。「俺は昨日の事を後悔しない。むしろ、なって良かったと思ってる。俺と付き合ってくれ、美砂」「あっ……うん、先生!」 一番美砂が恐れていたのは、常識という壁からなかった事にと言われる事だったのだろう。 そう言われるぐらいなら、自分から一時の気の迷いと言い出そうとしたところに付き合ってくれという言葉である。 嬉しい不意打ち、望んだ言葉を率直に与えられ、感極まるように飛びついていた。 そんな美砂を正面から受け止め、抱き返す。 間近で向けられたこの笑顔を前に後悔してたまるかと、気持ちを新たにむつきはこれからを考え始めた。 -後書き-ども、引き続きえなりんです。まあメインヒロイン回と言うわけで。色々と波乱万丈なメインヒロイン回でもありましたが。元彼と別れるのも意外とあっさり、その後の無茶もA組らしいかなと。でもまだ主題のひかげ荘は影も形もwあっ、言い忘れていましたが。このお話はラブひなとも若干クロスしています。主人公は乙姫むつみの従兄弟ぐらいの血縁者です。実は思いつきで主人公を乙姫むつきって考えてたら、そういえばと乙姫むつみの存在を思い出したわけですが。たぶん、頭の片隅でむつみを覚えていて、間違ってむつきと名づけたんでしょう。ラブひなを知っていれば、ひかげ荘がひなた荘と対になっている事ぐらいは想像つきそうですが。その辺は次回以降、おいおいと。次回更新はできれば水曜です。最近、ちょっと忙しいもので多分、おそらくは。それではえなりんでした。