第二十二話 独り占めしておけばよかった 見事と言うべきか、ひかげ荘のメンバーの中間テスト結果は良好であった。 一番良かったのが学年トップクラスの実力を持つ雪広である。 学年三位を取得し、A組は超、葉加瀬、雪広でトップスリーを独占だ。 次が和泉で初の全教科平均越えで三百位圏内と百五十位以上順位をあげた大躍進。 肝心の美砂とアキラだが、それぞれ順位を五十位、百位と上げることに成功した。 ある意味で、本人達より注目株だった綾瀬は、見事バカレンジャーを卒業。 新たにその地位についたのは、ザジでありホワイトの名を冠する事となった。 古と楓は社会科こそ平均点以上を取ったが、他の教科が大きく下がり変わらず。 最後に長谷川は現状維持と、この野郎と拳を握るむつきの前でけけけと笑っていた。「先生、そろそろ機嫌なおして、ね。ほら、凄い綺麗な景色」 結局、クラス単位の成績も数名が成績をあげたぐらいでは変わらず、学年最下位。 それはもちろん惜しいが、むつきが不機嫌なのには別の理由があった。 現在、ひかげ荘メンバーは空の上の人となっていた。 雪広財閥が所有するセスナにて、個人所有の南の島に雪広が招待してくれたのだ。 そのセスナの座席に座っているむつきは、肘掛に頬杖をついてむすっとしている。 美砂が窓の外を指差しはしゃぎ、アキラが何も言わず手を握ってもなかなかその機嫌は直らない。「相変わらず、人間が小せえな先生」「うるせえぞ、この野郎。俺だって、車レンタルして旅行とか色々考えてたんだ」 後ろの座席から、枕部分をガスガス叩いてくる長谷川にぶっきらぼうに返す。 そう、それは美砂とアキラが頑張った時のご褒美の件だ。 必死に考えた結果、雪広の誘い一つで計画が移されれば不機嫌にもなる。「万が一という事もあります、ご容赦を」「そりゃ、危険は避けるに越した事ねえけど……」 機嫌は兎も角、計画変更をむつきが受け入れたのは雪広の言葉であった。 旅行先で誰か知り合いに見つからないとは絶対に言えないと。 むしろ、偶然そこでという言い訳が出来ない分、危険度は増すのだ。「先生、不満はしゃあないけど。不機嫌撒き散らして台無しにするのは違うんやない?」「そうですね。窓の外は白い雲と青い海。ある意味でファンタジックな世界観が、先生の不機嫌オーラで台無しです」「分かったよ、俺も大人だ。五年、せめて二年か……長いよなぁ」「それを承知の上で、お付き合いしているのでしょう。それと、先を思うよりまずは身近な両側を見るべきでは?」 情けない事に、和泉、綾瀬、それから納得しても雪広と。 次々に注意され、ようやくその両側を見る余裕ができてきた。 むつきの右腕を抱きしめるようにしている美砂と、左で恋人繋ぎをしているアキラだ。 その二人を胸元に寄せるようにして、抱きしめる。 ようやく機嫌を直したむつきに、美砂は笑いながらキスをし、アキラが瞳を閉じてそっと体を預けた。 むつきの機嫌も直ったところで、楽しい旅行の仕切り直しとばかりに。「おい、今ここでギシアンするなよ。セスナが落ちる」「お前、中間テスト結果といい。色々と台無しにし過ぎだろ」 本当にしてやろうかとも思ったが、そんな度胸がむつきにあるはずもなく。 せめてもと、二人と精一杯イチャイチャして、セスナの中を甘ったるくしてやった。 今さらその程度と、もっと甘い時間を知られているので効果は薄かったが。 七人を乗せてセスナはそれから一時間程で目的地へと辿り着いた。 空から見たその島は小島と言うには大きな直径三キロはありそうな島であった。 島から伸びる桟橋の先端にセスナが止まると、運転手がテキパキとセスナと桟橋の間に渡り橋を掛けてくれた。 少々揺れたが、危なげなく全員渡っては南国の日差しと風に出迎えられる。 沖縄出身のむつきにとっては懐かしさ、郷土の香りを感じさせるものだった。 まだ先の話だが、いつか二人を連れていかなければなと感慨深く思ってしまう。 そんなむつきの感傷を吹き飛ばすように、美砂達が桟橋から直接海に飛び込んだ。「海だー!」 桟橋はビーチの砂浜から伸びているのだが、そこまで待ちきれなかったらしい。 美砂と和泉が激しい水しぶきをあげ、アキラは綺麗な飛び込みフォームで。 長谷川と綾瀬は、やれやれとばかりにそれでも楽しそうに海に飛び込んだ。「先生、こっち早く。気持ち良いよ!」「先生、一緒に泳ごう」 世界一可愛い嫁と彼女が水面から手を振って誘ってくるがそうはいかない。 荷物をとセスナに振り返ると、運転士の人が全てを運び出した後であった。 しかもお任せくださいと、セスナから取り出した台車で運んでいく。 雪広が当然そうに、何も言わないのでそういうものなのだろう。「もう少し、待ってろ」 先に泳いでろと二人に言うと、むつきは隣にいた雪広に尋ねた。「至れり尽くせりだが、お前は良かったのか?」「なにがでしょう?」 南の日差しと風の中で微笑まれると、一瞬ドキっとしてしまう。 セスナ内の個室で水着に着替えた他の面々とは違い、雪広は白のカジュアルドレスだ。 白いドレスが風にたなびき、同じくさらわれそうな金髪の髪を手で押さえていた。 本人は嫌がるかもしれないが、本当にお嬢様という言葉が似合う。 はしゃぐ皆を微笑ましく見守る表情は穏やかで、ここに十人男がいれば十人は惚れる。 むつきも、美砂とアキラがいなければ、危ないどころかそうなっていただろう。「俺や美砂、アキラは気兼ねなくデートとかできるけど。ここ雪広財閥所有の島だろ? お前、前言ってたじゃねえか。ここ雪広財閥令嬢でいなきゃいけない場所だろ?」 雪広自身、財閥の令嬢である事が嫌で嫌で仕方がないわけではない。 ただそれでも、偶にはそれを重荷に思う事ぐらいある極普通の少女だ。「それこそ、以前相談に乗っていただいた時に言いましたわ。私は次女ですから、重荷はそれほどでもと」「聞いたな、確かに」「柿崎さんも大河内さんも、何も言いませんが。外で会えないストレスは不明です。その解消の為もあります。お気になさらず、私からのご褒美だとでも思ってお楽しみください。まあ、ご褒美はここへ連れてくる事だけではありませんが」「まだあるのかよ。ただそういう理由なら、そうだな。美砂とアキラの為に、楽しむとするか。ありがとな、雪……っておい、馬鹿止めろ!」 何を思ったのか、急に雪広がカジュアルドレスの止め紐を解きするりと脱ぎ始めた。 脱いだというのは少々間違いで、カジュアルドレスが重力に惹かれるようにするりと落ちたのだ。 するすると、肌の上を滑り一切の引っ掛かりを見せず。 思わず手で顔を覆ってそっぽを向いたむつきだが、やはり男なのでちらりと見てしまう。 ちょっとは期待したが、やはりそんな事はなく雪広はカジュアルドレスの下に水着を着ていた。 布地の表面積が限りなく小さい白と黒のストライプのビキニである。 自慢かどうかは不明だが、巨乳がその小さなブラに押し込められそれはもう窮屈そうだ。 雪広は悪戯っぽい笑みを見せて、また遊ばれたと苦笑いのむつきを前にくすくす笑っていた。「お前、俺をからかって楽しいか?」「ええ、とても。友人ですから」 そう最後に微笑んで、アキラ並みに綺麗なフォームで雪広は海に飛び込んでいった。 和泉や綾瀬が泳いでいる場所まで、合流しようとこれまた綺麗に泳ぐ。 残されたむつきは茫然と、雪広の珍しい悪戯っぽい笑みや、友人発言に心を奪われていた。「ちょーしこいて雪広に手を出そうとして、遊ばれている件について」「長谷川、てめえこの野郎!」 その淡々とした声は、桟橋の真下から。 思わず足を叩きつけ威嚇するも、すーっと気にした様子もなくどこかへと泳いでいく。 その背中を見て、絶対にいつか口喧嘩で勝ってやると心に誓う。 ただ勝てるかな、勝てるといいなと直ぐに弱気になってしまったが。 珍しくそれで落ち込まず、むつきも羽織っていたパーカーを脱ぎ捨て海に飛び込んだ。 沖縄出身だけあって、むつきは泳ぎには少し自信があった。 以前、アキラを助ける為にプールにスーツで飛び込めたのも、少しはそこが関係している。 本職であるアキラに勝つ事はさすがにできないが、食い下がる事ぐらいはできた。 アキラもそれが嬉しいのか、こっちと手を伸ばしながら先をどんどん泳いでいく。 透明感のある青い海の中を水面から水中にまで自由自在に。 麻帆良の人魚姫の看板に偽りは欠片もない。 ただ、そんな二人とは裏腹にチア部でそれなりに運動しているものの美砂は畑が違う。 やや距離を離され、追いかける事を諦めそうになっていた。「アキラ、ストップ」「え……あっ」 むつきに呼ばれアキラもそれに気づいたようだ。 置いていかれた美砂は、ちょっと悲しそうにビーチに戻ろうか迷っていた。 途端に調子に乗りすぎたとしゅんとしてしまう。「俺、ちょっと美砂をビーチに連れて行く。結構疲れてそうだ」「うん、だったら私も」 そう言ったアキラの頭に手を置き、むつきは笑いかけた。「こんな綺麗な海で泳げる事なんて滅多にないぞ。後でまた付き合ってやるから、楽しんでろ。それじゃあ、また後でな人魚姫」「んっ、うん。王子様、また後で」 軽くキスをすると、照れた顔を隠すようにちゅぽんと海の底へと潜っていく。 本当に人魚姫だなと思いながら水中に顔をつけて、最後に手を振ったアキラを見送った。 それからむつきは、諦めてビーチに戻り始めた美砂を追いかける。 相当疲れていたようでその進みは遅く、直ぐに追いつく事ができた。 後ろから近付き、その肩を抱き寄せるようにしてビーチへと連れて行く。「あれ、先生。アキラは?」「人魚姫は海の中で遊んでる。お前これ、一人で戻れたか? 全然手足に力ないぞ」「だって、先生とアキラが凄く早いし。色々、悔しかったから」 少々視線を反らされ呟かれ、むつきは少し方向を変えた。 ビーチでは和泉達がビーチバレーに興じていた為、二人きりになれる場所を目指す。 泳ぎながらそれをさ探すと、それは直ぐに見つかった。 ビーチの外れに岩場があり、他から視界を遮るような入り江となっている。 あそこならと、五分ほど美砂を抱えて泳ぎ入り江へと辿り着き、膝下の浅瀬にあった丸みのある岩に座らせた。「あー、地面に足がつくのって安心する。アキラ、凄いよね。あのまま何時間でも泳いでそう」「楽しくて時間を忘れそうだから、程ほどに迎えにいかないとな」「はあ……」 かなり距離はあるが、一度水面に出てまた潜っていくアキラを見つめると溜息が聞こえた。 ここにはむつき以外に美砂しかいないので、当然ながら彼女の溜息だ。「どうした、美砂。本当に……」「敵わないなって、アキラに。料理も勉強も、さっきだってアキラどころか、先生にもついていけなくて。悲しくなって、ちょっと後悔しちゃった。独り占めしておけばよかったって」「すまん、俺があの時」「たきつけたのは私だから。それにアキラの事は私も好きだよ。一緒に先生に愛されるのも。だけど今だけは、独り占めしたい。先生ここでして?」 見上げながら言われ、何を馬鹿な事をと言う前に、むつきは周囲を確認していた。 和泉達がいるビーチは入り江からは全く見えず、向こうからも同じだろう。 アキラは水面に上がれば気付くかもしれないが、見られたからといって別に構わない。 しかしながら、今現在は当然の事ながらコンドームなど持ってはいなかった。 美砂もそれは承知なのだろうが、見上げてきている笑みが何処か儚げだ。 今ここで断れば、そのまま美砂が消えてしまいそうな不安さえ抱いてしまう。「美砂、今じゃなきゃ駄目なんだな?」「うん、今して欲しい。それに安全日とかじゃなくて、別の意味で大丈夫だから」 別の意味でとは不明であったが、今の美砂は手放せそうになかった。 手を差し伸べ、繋がった瞬間に強引に立たせて抱きしめると同時に唇を奪う。 ハイビスカスが描かれたワンピースタイプの水着の上から腕を回して腰を抱く。 美砂もむつきの背中に腕を回して抱き返してきた。「ん、美砂」「先生、れぅぁ」 優しいキスから瞬く間に、大人の舌を丹念に使ったキスへと変える。 海に潜ったせいか、唇周りがちょっと塩辛い。 美砂が少し眉をしかめているのは、そのせいだろう。 ただそれも程なくして、唾液に洗い流されお互いの味だけが残っていった。 それでもまだ足りないとばかりに、三分ぐらい時間を掛けてキスを続けた。「はぁ……先生、ちょっとストップ。足が」 元々泳ぎ疲れていた事もあり、美砂が先にギブアップの声をあげる。 震える足は全くの役立たずでむつきにしな垂れかかるも、今にもずり落ちそうであった。 その美砂を支える為と自分も楽しむ為に、両手をお尻に伸ばして抱え上げた。 お尻の大きさは美砂の勝ちだと、内心思いながら。「もう少しだけ頑張れるか? まだちょっと、コレで支えられない」 水着の生地に包まれた尻肉を揉みながら、下半身を押し付ける。 同じく水着の中で膨らむ途中のむつきの一物を。 どういう体位をむつきが考えているのか察した美砂が頷く。 縋りつき、引けそうな腰はむつきが尻を抱える事で引き戻し、美砂はむつきの肩に手を置いてしがみ付いた。 それからせめてこういう事ぐらいはと、動かない手足の変わりに舌を使い始める。「先生、唇だけじゃなくて全部塩辛い。頬も首も、鎖骨も。はむ……うぇ、から」「塩分取り過ぎるなよ。それにしても美砂の尻、良い手触りだ。この水着の生地との対比もまた、なんとも言えない」「相変わらず、変態なんだから。どんどん硬くして」 少しは動くようになった手で、美砂がむつきの一物をまさぐった。 ただ海に潜って冷えたせいか、普段よりも硬くなるスピードが遅い。 ちょっと待てないかもと、美砂がいきなり切り札を切った。「先生、委員長から聞いてる? ご褒美の件、ぁっ」「この南の島の他にも、何かある程度にはな。いつもより、ちょっと温度低いな」 美砂のお尻を弄っていた手、指先が水着をずらして美砂の秘所へと入り込んだ。 後ろから手を回している為、挿入度は浅く、くにくにと入り口を広げるように指が動く。 今度は別の意味でずり落ち始めた為、逆側の手で改めて美砂を抱える。 そして、息を乱し始めた美砂の耳元に、そのご褒美を知っているのか尋ねた。「先生、待って。その前にもっと奥に。浅いとこばかりで切ないから……」「ちょっと待ってろ。一旦、さっきの岩に俺が座る」 再び両手で美砂のお尻を持って支え、丸みのある岩の上に座った。 それから対面座位の格好で膝の上に美砂を座らせた。 そのまま挿入できそうだが、正直言って硬い岩の上では尻が痛すぎる。 ここで出来るのはやっぱ前戯だけと、早々に見切りをつけてから再開した。 ただし、今度は肩に掛かる水着の紐を外し、肌蹴させて左手で現れた乳房を揉みしだき、右手は再び美砂の中に潜る。 南国の日差しのしたでみる美砂の乳房もまた格別だが、会話の途中であった。「それで、ご褒美って?」「委員長が私とアキラに調整した専用のピルくれたの」 その一言だけで、一物が大きくぴくりと反応してしまった。「先生、中に出していいんだよ。私の中に、子宮の奥まで」「待て、本当かそれ。お前、最近生でしたがってたし痛ッ!」 一瞬、以前にアキラにもされたと思い出したが、美砂にはっきりと跡が残るぐらい強く鎖骨を噛まれた。「先生にそんな嘘つかない。というか、生でするだけならまだしも。中だしとか、さすがに私も分別ぐらいある」「分かったから、噛むの止めろ。ちょっと萎えたじゃねえか。これ、変な跡残らないだろうな」「私達にはいつもキスマークつけるくせに。あれ、時々痛いんですけど」「要はうっ血させてるだけだからな」 一時話はずれたが、戻す。「改めて聞くけど、本当にピルを飲んだのか?」「うん、副作用とかもまったくないわけじゃないけど。ちょっと生理が重くなるぐらいって。委員長が用意してくれたものだから信用できる」 いくら大丈夫だと言われても、男としては疑惑はつきない。 僅かな可能性でも、本当に飲んでいるのか、効果はあるのか。 ただそれは、美砂もかわらない。 もしできてしまったら、今ここでこうしていられる人生が全く変わってしまう。 だがその危険を考慮した上で、中にと言ってくれた美砂にも応えたかった。 もちろん、男として自分の女の子宮の奥まで汚したい欲望も確かにある。 その欲望に一番忠実な場所が、瞬く間に熱膨張を始めた。「先生、体は正直だね」「それは男の台詞だ、この野郎」「やん、先生急に激しい」 乳房の上にピンと立っていた乳首にかぶりつき、吸い上げ舌で弾く。 のみならず、止まりかけていた右手の指も美砂を深々と貫かせた。 美砂もむつき同様に中だしに期待していたのか、潤いが随分と増している。 これならと指を二本に増やし、奥に潜らせるだけではなく、膣内を広げたりもした。「先生、同時とか。ぁっ、壊れちゃう。そんなにぅ、私に中だししたかった?」「当たり前だろ、あの馬鹿はいつも豆腐メンタルって言うが。自制心だけは人一倍だぞ。いつもコンドームつけて、俺だってできれば生で。中だしだって」「そうぅっ、だったんだ。いいよ、先生。中でっ、出しても」 足元でさざめく波間よりも激しく、美砂の膣をかき回して水音を立てる。 とろとろと絶え間なく溢れる愛液は、むつきの腕を垂れて肘まで到達するほどだ。 だが初めての中だしならば、もっと最高の状態に持っていきたい。 調理前の肉を柔らかくする為に、工夫するがごとく。 乳房を刺激しては愛液を出させ、それがソースの元だとばかりに指でかき回す。「先生、まだ? イク、イッちゃう。入れて貰う前に」「寧ろ、一度イかせるつもりだ。遠慮するな、美砂が一杯イけばイク程、俺が後で気持ち良い。ほら、イクか。もうイクか?」「イク、飛んじゃう。先生、先生!」 暴れ馬にでも乗ったように、美砂が激しく暴れ海水に濡れた髪を振り回す。 もう今にも美砂がイキそうな時に、むつきはある事を思い出した。 美砂が腰を振って乱れ、水着が邪魔で見辛いがそれはほんの少しだけ顔をだしている。 届くか、挿入を少し甘くし、親指を伸ばして爪で弾くように被った皮を剥いた。「イクゥッ!」 精一杯むつきにしがみ付きながら、思い切り美砂は叫び上げる。 これはビーチにまで聞こえたのではと不安になるぐらいだ。 そのまま体をそらし、海に仰向けに落ちていきそうなところを慌ててむつきが抱えた。 自分の胸へと抱え込むようにし、まだ小さく痙攣し続ける美砂の背を撫でる。 ただ余程敏感になっているのか、その撫でる手つきで一度軽くイキもした。 しばらく抱きしめていると、長い時間をかけて美砂が戻ってきた。「先生、中だしってこれより気持ち良いのかな。私、先生に殺されちゃうかも」「そこまで言われると男冥利につきるが。美味しそうにできあがったな」 一度キスをしてから、美砂の膣を挿入した二本の指を開いて広げた。 まだ使い込むという程経験もしていないので、少女特有の硬さは残る。 ただそれでも、十分に柔らかい。 それに対し、もうむつきの一物は水着を破りそうな程に元気であった。 美砂の肉壷は柔らかく、むつきの肉棒は硬く。「美砂、もう我慢できない。いいか?」「もうちょっと休みたいけど、いいよ。先生の、さっきからずっとお尻にあたってた。苦しそうだから、自由にさせてあげないと」 美砂を左手で抱えながら、少し腰を浮かして自分の水着を脱いでいく。 中途半端に脱ぐとこける心配があるので、全部脱いでしりの下に押し込んだ。 それから改めて美砂のお尻を持ち直し、持ち上げた。 そそり立つ自分の一物の高さより高く。 もう直ぐ入れられると、美砂は露となった胸をむつきの顔に押し付けるように抱きついた。 思わずしゃぶりついてしまったむつきだが、主役が違うと直ぐに止める。 美砂を少しずつ降ろしていき、亀頭が滑る美砂の秘所の割れ目に当たった。 ビクンと美砂がイキかけ、抱きついてくる力を強めた。 そして、挿入が開始される。「んっ、んんぅ。はぁくぅっ」「柔らけえ、美砂。一気にいくぞ、一気に」「駄目、本当に死んじゃう。気持ちよ過ぎてェッ!」 もう待てないと、むつきは美砂を一物で貫きながら立ち上がった。 挿入によって腰が打ち付けられた衝撃だけでなく、むつきが立ち上がったことで体がずり落ちもう一度貫かれる。 二度も連続して深く貫かれ、美砂は息も絶え絶えに青い空を見上げていた。「はっ、ぅぁ」「ほら、しっかり足をからめろ。落っこちるぞ」「はぁはぁ……先生、中だしは今度にしない?」 息を整えての第一声が、小首をかしげて努めて可愛らしくしての懇願であった。 あまりの気持ちよさに、怖くなってきたらしい。 二度に渡る初夜以来のコンドーム無しのセックスだ。 その上、他の誰に気兼ねする事なく、燦々と照りつける太陽の下での青姦であった。 念願の生、初めての青姦、そして中だしがまっている。 お願いと改めて可愛くお願いされたが、それは自殺行為だ。「あの……先生、どうしてさらに大きく」「美砂が可愛いから」 端的に応えて返すと、腰を引いて打ち上げた。 腰を引けば当然美砂は支えを失い落ち始め、強かに腰を打ちつけられる。 むつきが一気に立ち上がった時ほど強くはないが、今度は連続だ。 一瞬で過ぎ去る快楽ではなく、何時まで経ってもそれが終わらない。 体が浮遊してはお尻を叩かれ、膣の中を奥まで抉られる。「せ、せん……気持ち、けどぅぁ。しる、本当に」「俺も気持ち良いぞ。冷えた体が暖まる。美砂は最高の嫁さんだ」「うん、およめさんに。んぁっ、んんっ」 腰の動きはそのままに、体を丸めるようにしてむつきが唇を塞いだ。 塞がれた口からの、喉の奥での喘ぎ声以外の声は全て封殺された。 意味のある言葉を失い、原始人のようにむつきが腰を振り続ける。 場所が浅瀬の海の中で入り江となった岩場である事からもそうとしか見えない。 むつきは全裸であり、かろうじて二人が現代人と分かるのは肌蹴られた美砂の水着のみ。 その水着も器用にさらにむつきが脱がしていくが、今二人は深く繋がっている。 完全な原人に戻る事は、どうにか避けられた。「むぁ、美ぅ」「んんぅ、ぁぅ」 美しい小波の音を喘ぎ声と、腰を打ちつける音で台無しにしながら高まる。 開いた口が塞がらなくなったように美砂の膣からは愛液が漏れ出していた。 むつきが一物でふたをしているのにも関わらずだ。 溢れる愛液を掻きだされ空気を混ぜさせられ、じゅぶじゅぶと音を新たに追加する。「美砂」 放っておけば死ぬまで腰を振り続けそうだが、当然だがそうはならない。 僅かに残った理性を総動員して、むつきがみさを見下ろした。 唇を放し、目がとろけ口も半開きな美砂へと言った。「出る、もう……美砂の中に、本当に。奥まで子宮の中まで」「いい、よ。ひぅ、先生なら。私の中、子宮まで」 最後の意志を確認しあい、またしても言葉を失う。 ブラジルのダンサーも顔負けに腰を振り続け、むつきが美砂を犯す。 ふうふうと原人らしく、唸り声をあげながら。 そして一際大きく美砂を突き上げた時に、それは来た。「うがぁっ!」 長谷川がこの場にいたら容赦なく、原始時代に帰れと言いそうな唸り声であった。 これまでずっと果たせなかった欲望の迸りを、美砂の膣の中で行なう。 最奥、子宮口にピッタリと亀頭、それも鈴口を合わせて流し込む。 体を痙攣させるたびにびゅっびゅと射精を繰り返し、子宮内部を染めていく。 孕め、孕めと願うように子宮内部で卵子を捜してむつきの精子が暴れる。「あっ、あぁ……温か、先生が」 美砂も初めての感覚にうわ言のように呟いている。 お互い、体に跡がつきそうな程に抱きしめあい、長すぎる射精に耐えた。 それだけ、普段からむつきが自制していたのだ。 このチャンスを逃さないとばかりに、ありったけの精液を流し込む。 それも一頻り終えると、崩れ落ちそうな足を何とか支えてむつきが息をついた。「ぁ……はぁ、すげえ出た。これコンドームあったら、破けてるだろ。マジでそれぐらい。美砂、大丈夫か?」「はぅぁ、待って」 まだ息は整わず、声も絶え絶えの美砂を抱えなおす。 まだ繋がったままなので、またイッたようだが仕方がない。「先生」 そして息が整うや否や真っ先にむつきに抱き付いてきた。 元から腕はむつきの首に回し、足は腰に回してしがみ付いていたが。 まだ距離がありすぎるとばかりに、首元に頭をこすり付けて甘えてくる。 猫のようなこの仕草は、癖なのかもしれない。「不安、全部吹き飛んじゃった。先生が、私の中にいる。本当に奥の奥まで」 甘えながら片手を放してお腹の上から子宮の辺りをさする。「たぷたぷしてるの分かる。一杯、出してくれた」「美砂の体、最高だったからな。ご機嫌ついでに、こういう楽しみもあるぞ」「え、ひゃ。ぐりぐり、なすりつけないで。先生の匂いが染み付いちゃう」 角度を変えて、子宮内ではなく精液にまみれた一物を膣の肉壁になすりつける。 キスマークとはまた違う、体の中に行なうマーキングだ。 これは俺の女だと、美砂が言った通り染み付かせていく。「休日明け、教室で先生の匂いがするって気付かれちゃう」「南の島でセックスして、中だしして貰ったって言うか?」 もちろん、言えるわけはないが美砂の膣がキュッと締まる。「言っていい?」「だめ、代わりにもっとしてやるから」「こっちにも先生の匂いちょうだい」 美砂の膣の肉壁に、精液がない場所がない程に竿でなすりつける。 同時にキスで唾液を流し込み、両方の口にむつきの体液で匂いを染み付けさせた。 そのまましばし、マーキングを行ってから気付く事になる。 もはやお約束のように、岩場に置いたはずのむつきの水着がずり落ち流されなくなっていた事に。 -後書き-ども、えなりんです。一足先に、南の島へ。あと生解禁。以上。