第三十話 セックスフレンドぐらいならいいよ もはやハプニングが起きない事を祈る方が無謀な麻帆良祭。 その一日目を終えて、現在時刻は午後八時の中夜祭真っ只中。 二年A組はスターブックス一店舗貸し切って、夜空に打ち上げられる花火を楽しんでいた。 とは言っても、馬鹿正直に花火を見上げている者など稀である。 話の焦点はもちろん、今日一日にあった濃厚な出来事であり、教師人気投票トトカルチョであった。 今期一番の注目株の、それも原案が二年A組の催しなのである。 テンションが上がるのはまだ良いが、悲鳴を上げるぐらい強く叩くのは勘弁して欲しい。「乙姫先生、やった。やったわ、私」「痛っ、超痛い。おい近衛、翻訳」「あんな、パレードの前に高畑先生から電話あって。お礼にお茶でもって誘われたんやけど。まきちゃん経由で二ノ宮先生から、乙姫先生がフォローを頼んだって」「高畑先生と麻帆良祭デートできるなんて、先生本当にありがとう!」 その程度でお礼を言うぐらいなら、普段もう少し勉強もして欲しい所だ。 このテンションマックスの神楽坂を前にそんな無粋な事は言わないが。 もちろん、言うのは麻帆良祭が終わった後で、今回の件を盾に言うのが吉である。 しかしながら、あの神楽坂にお礼を言われ、思う所がないでもない。 むしろ当初は嫌われていたので実は滅茶苦茶嬉しかったりした。「先生は例のお弁当の彼女は呼んでないの?」 だから今にもラヴ臭がと騒ぎ出しそうな早乙女に尋ねられても、余裕で答えられた。「呼んでねえ。パレードの後は大河内の水泳部のたこ焼き屋、それから佐々木と二ノ宮先生の新体操部、村上の演劇に、ああ……古の中武研のなんか踊るみたいな奴に行ったな。合間合間に見回りして迷子の親捜したり、生徒が落とした財布を一緒に捜したり」「ご苦労様です。コーヒーどうぞ」「ありがたいけど、宮崎、その棒のついたお盆、どっから持ってきた?」 これでこの子も努力してるんだなと、紙コップに入ったコーヒーを貰いお礼を言う。 その距離は六メートルと、五メートルに戻るまでもう少しだ。 意外と早かったと思っていると、後ろから突然誰かに抱きつかれた。 といっても、そんな過激な行動に出る者は限られてくる。「先生、忘れちゃ駄目でしょ。チア部のチアリーディングで私らを嘗め回すように見てたくせに。私、先生のいやらしい視線で汚されちゃった。赤ちゃんできたら責任とってね?」「柿崎……ああ、宮崎との距離がまた」 美砂の過激な台詞のおかげで、また宮崎が店外にまで遠ざかってしまっていた。 幸い、美砂の悪ふざけの産物なので、近衛は今回は変わらずである。 着物の袖口にそっと隠されたトンカチの頭が見えるが、多分、恐らくは。「先生も若いんだし、仕方ないんじゃない。うら若き乙女が見せパンとはいえ、パンツ見せながら生足で踊るんだもん。まき絵、アンタんとこでは変な目で見られなかった?」 チア部のくせにチアリーディングをなんだと思っているのか。 美砂に負けず劣らない釘宮の過激な台詞に、佐々木が上を見上げ人指し指を唇に置きながら考え込んだ。「んー、そんな事はなかったよ。むしろ、踊ってる時は格好良いなって褒められちゃった」「それ、褒めてるの?」「まぜっかえすな、椎名。本人が喜んでるんだからそういう事にしときなさい」 にへらと笑った佐々木に突っ込んだ椎名の口を塞ぎ、黙殺させる。 佐々木もそれには気付かず、ついに私にも大人の魅力がと一人納得していた。 絶対、お前そう思われてないよと周りの視線にさらされながら。 大人の魅力云々は兎も角として、格好良いと思ったのは事実なのだが。 普段の子供っぽい無邪気さがやはり、むつきの視力を妨げているのだ。「乙姫先生、明日は私の馬術部の演目にお付き合いくださいね」「分かってるって。明日は、午前中に鳴滝姉妹の散歩部に雪広の馬術部。午後から近衛達の図書館探検ツアー、レイニーデイのサーカスも」「先生、これを飲んでおくとスタミナが持ちますよ」「五月のスタミナ料理と、東洋医学研究会の秘薬の漢方の配合スープネ」 前半はありがたいのだが、妙に後半部分が怖いのは気のせいか。 スターブックス内で手料理披露とは、持ち込みのような気がしないでもないが。 麻帆良祭だから大目に見てくださいと店内の店員さんに黙礼しておく。 それからスープを口に含んでみると、病人食のようや優しい味付けであった。 歩き回りながらちょいちょい屋台で摘んでいたので胃も疲れ気味である。 コレは少しありがたい一品だと感謝しながら、一気に流し込むように飲み干した。「うし、マジでスタミナついた気がする」 ポパイも顔負けとはさすがにいかないが、みなぎる力を力瘤で表した。 四葉の料理と超の怪しい漢方で元気を貰って、立ち上がった時だ。「やあ、皆盛り上がってるね。乙姫君、残念ながら交代の時間だ」「高畑先生!」 丁度そのタイミングで、見回りを終えて高畑が戻ってきた。 もちろん、それに逸早く気付いてコーヒーを持っていったのは神楽坂だ。 普段は怒りっぽくて乱暴だが、こういう場合は本当に乙女である。 くねくね女の子ぶるのか、ちょっと似合わないと言ってはいけない。「ありがとう、明日菜君。この時間から大学部もお酒が入るから、気をつけてくれ」「了解です。ピンチの時は遠慮なく連絡しますから。荒事には向かないもので」「おっ、パトロールあるカ?」「ふむ、先生にばかり頼るのも忍びないでござる。忍者ではござらんよ? よろしければ拙者らも。刹那や真名もどうでござる」 むしろむつきでは頼りないと言われたようなもので、長瀬が勝手に声を掛け始める。「餡蜜三杯で一時間、後は要相談だ」「私は断る」 後ろからデコピンしようとして見事に避けられながら、むつきの方から断った。「この三日間だけは、学生の本分は麻帆良祭を楽しむ事だ。子供は大人しく、遊んでろ。ほら、高畑先生のコップが空。タバコは申し訳ないが、店外で。非常時までゆっくりしてください」「ほら、皆。一時だけ手と口を止めて」「それでは、乙姫先生行ってらっしゃいませ」 雪広の号令で、行ってらっしゃいと見送られむつきは見回りへと出かけた。 二年A組での主役の座を高畑に渡して。 ただ以前のように嫌な事もなく、一方的にとはいえ腹を割ったかいがあったというものだ。 流石に夜に小さな子の迷子はなかったが、未成年の学生の飲酒を発見したり。 大学部が酔って暴れた場面に遭遇したりしながら、十時頃まで見回りを続けた。 むつきがスターブックスに戻ってきた頃には、もはや八割方が撃沈していた。 元気に溢れているとは言え、前夜祭から続く二連続の夜更かしは堪えたのだろう。 一部の例外としては、責任感の強い雪広や面倒見のよい長瀬。 他に二年A組の肝っ玉母さんこと四葉に、謎の中国人留学生の超ぐらいのものだ。 四人はテキパキとテーブルや床に転がるクラスメイト達に毛布を配って歩いていた。 その様子を前に、今なら大丈夫そうだと煙に気をつけて高畑がタバコを吸っている。「お疲れ様、乙姫君」「クラスメイトのお世話は私達でしますので、先生はごゆっくり」「先生、皆には秘密ですがお酒です。これを飲むと、今夜はよく眠れますよ」「悪いな、四葉。高畑先生もどうぞ」 中国のお酒か、漢字が一杯のラベルが張られた瓶とグラス二つを渡された。 その一つを高畑に渡して、透明ながら濃厚そうな中身を注いだ。 特に言葉が思いつかなかったので、無言でグラスを掲げてチンッとぶつけ合う。「連絡はなかったけど、見回りは大丈夫だったのかい?」「一度酒に酔った麻帆良大と麻帆良工大の格闘部が、また闘争ざた起こしてましたけど。えっと、名前なんだったか。サングラスと顎鬚のダンディな先生と」「ああ、神多羅木先生か」「そうです、その人です。それと桜咲の剣道部の顧問の葛葉先生が、ばったばったとなぎ倒してくれまして。これも仕事だからと連行してくれました」 神多羅木は兎も角、木刀一本でクールビューディが暴れる様は見物だった。 学区どころか、中等部と高等部で殆ど接点はないのだが。 何故か向こうはむつきの事を知っていた様子で、頑張ってくれと何やら応援された。 パレードの最中のあの件を指しての事なら、少し凹むが。「なんかこの学校、武術納めてる教師が多いですよね。俺も何か始めた方が良いんでしょうか」「いや、君は今のままで十分だと思うよ。この子達に慕われているのが良い証拠さ」「偶に、遊ばれてるだけの気もしますけどね」「僕は直接見てないけれど、パレードの件は聞いてるよ。嫌よ、嫌よの例えじゃないけれど。好かれているから悪戯もされるさ。可愛いものじゃないか」 多少心の方にぐさっとは来たが、最終的にはお祭りだからとむつきも許していた。 人気投票の倍率も鰻上りで、上位入賞が果たせればそう悪い事ばかりでもない。 実際雪広や長谷川を筆頭に、極一部は生徒というより友人と見ている始末だ。 生徒間の差別に繋がりかねないので気をつけてはいるのだが。 むつきも人間なので全ての生徒を平等にと、綺麗ごとを実行するのは骨が折れる。 それに目の前の高畑だって、特別な生徒ぐらいいた。 同じテーブルにうつ伏せで寝ながら、高畑のスーツの裾を掴んでいる神楽坂であった。「幸せそうに。フォローありがとうございます、無茶苦茶喜んでましたよ」「何もしてないよ、お茶を飲んだぐらいで。けど、改めて対面でお茶なんて久しぶりで。改めて、大きくなったなって思い知らされたよ」「そんなに小さい頃から?」「明日菜君が小学一年生の頃からね。その頃はタカミチ、タカミチって。高畑先生って呼ばれるようになったのは何時だったかな?」 懐かしそうに高畑が神楽坂の頭を撫でると、にへりとだらしない笑みを浮かべていた。 丁度良いが、目の前のむつきが写メで撮るのはさすがに気まずい。 そう思っていると、カシャリと背後でシャッター音が響いてくる。 誰がと思って振り返ると、携帯電話を二人に向けていた雪広であった。 むつきに気付かれると、気恥ずかしそうに携帯電話を隠して後ずさっていく。「どうせ後で送るんだから、隠さんでも良いのに」「ん、どうかしたのかい?」「いえ、不器用な友情を目の当たりにして、少し微笑ましく」 含み笑いに気づかれ少々不審に思われたが、なんとか誤魔化す。 すると喋り声にて少し起こされたのか、神楽坂が目元を擦りあげていた。 寝ぼけ眼で完全に意識は目覚めてはいないようだ。 そのまま高畑を見上げ、染み付いたタバコの匂いをかいでふっと笑う。 普段のテンションの高い甲高い声はなく、幼い子供がかぎ慣れた親の匂いに笑うように。「タカミチ、トイレ」「おっ、そうかい。ほら、明日菜ちゃん。立って、こっちだよ」「うん……タカミチ、タバコ吸って」「もう君の前じゃ吸えないんだ。我慢してくれ」 無表情ながら唇を尖らせ、精一杯の抗議を見せていた。 普段からあれぐらい素直な感情表現だと、可愛いものなのだが。 行ってらっしゃいと見送り、空のグラスにお酒を注ごうとして瓶を取り上げられる。 飲みすぎと四葉に怒られると思いきや、相手は眠気を全く感じさせない目元の美砂であった。 どうやら、今までは狸寝入りであったようだ。「先生、話長いから何度か本当に寝ちゃいそうだった。アキラも途中まで頑張ってたけど」「だいたい、分かった。雪広、少し野暮用」「了解しました。適当に、気付かれた方はあしらっておきます」 雪広のみならず、長瀬や四葉にも野暮用で押し通して美砂を連れて行く。 酔った上での行動だが、四葉や長瀬ならば無用に騒ぎ立てはしないだろう。 先日、秋までにクラス全員にばれると長谷川にも言われたがその通りかもしれない。 麻帆良祭という事もあるが、バレた相手が増えて少々油断している。 まあ、それも麻帆良祭が終わるまではと考える時点で駄目かもしれないが、美砂を連れスターブックスを離れていく。 中夜祭と言っても、近隣に家を構えている者もいる為、十時過ぎに花火は禁止である。 他にも大きな音が出るような騒ぎは、基本禁止されており静かなものであった。 人気のない麻帆良祭の夜を手を繋いでデート気分で歩いていく。「でも、流石に今からひかげ荘に戻れないし。ホテルなんて行けるわけもなく」「先生、あそことかは?」 美砂が指差したのは、路地も路地。 人一人がようやく通れそうな建物と建物の間の裏路地であった。 両隣の店舗は服飾店とアクセサリショップで既に灯は落ちている。 街灯の光も路地の中には全く届いておらず、声さえ気をつければ問題ないだろう。 最悪、壁に足をついて美砂を抱えたまま上に逃げられない事もない。 酔っている今、かなり危険な行為なので本当に最後の手段なのだが。 美砂を腕の中に抱きしめたまま、細い路地の中を滑るように歩いていく。「流石にこの時期になってくると、密着してると暑いし汗かくな」「お酒のせいでしょ。先生、凄く汗の匂いがする」 昼間からチアコスのままの美砂も、汗の匂いが芳香となって香ってくる。 お互いに忘れられない体臭を、体を抱き合いながら胸一杯に吸い込みあう。 そのうちに、美砂が我慢出来ないとばかりにむつきの胸板に顔を埋めてきた。 ぐりぐりと匂いを擦り付けるようにして、喉の奥を鳴らす。 ちょっと久しぶりの猫モードであった。「いやに甘えてくるな。どうかしたか?」「亜子から聞いた。先生、水泳部のキャプテンにセックスフレンド申し込まれてたって」「あのお喋り。安心しろ、ちゃんと断った。美砂とアキラで俺は凄く満足してる」「本当に?」 余程セックスフレンドの件が尾を引いているのか、絡むように美砂が見上げてきた。 どっちが酒を飲んでいるか分からない行動である。「前はそうでもなかったけど、超りんの漢方飲むようになてから。先生より先に私達の方がばてちゃってる。正直、先生を持て余しちゃってないかって。先生満足しきれてないんじゃないかって」「何処の世界に、女子中学生の可愛い嫁と彼女がいてまだ足りんと言う奴がいる。この前もマットプレイとか、気遣われてるのが嬉しい。幸せなんだぞ、この野郎」 だから満足してるんだとばかりに、美砂の唇をやや強引に奪い取った。 一瞬嫌そうな顔をされたのは、お酒の匂いのせいだろう。 ちょっと失敗したかなとも思ったが、美砂の方から口内を丹念に舐めてきてくれた。 伸ばされた舌に吸い付き、溢れる唾液を美砂の口の中へとだらだら流し込む。 鼻息を荒くしながら、一生懸命その唾液を飲んでくれる喉の奥の音が心地良い。 人間は水分が八十パーセントと言うが、六十パーセントになっても良いのでもっと飲んで欲しくなった。「美砂、まだいける?」「はぁ、ちょっと待っ。ふぅ、んぁぅ」 答えが待ちきれず、もう一度美砂の唇を塞いで今度は手も動かした。 チアコスの裾から手を差し込み、肩紐のない見せブラを外させる。 失くしたり置き忘れるとアレなので、しっかりスーツのポケットにしまいこんだ。 暗がりで良く見えないが、ノーブラとなった胸を弄ぶ。 手の平で支えるように持ち上げ、手の平の中心部分で乳首を円を書く様に転がしていく。「先生、脱がしても良いけど汚さないで。これ洗ってまた明後日も使うから」「どうせ中だしするんだから、汚れねえよ。それとも、ぶっかけ希望?」「中出し、妊娠するぐらい濃いの」 了解と普段通りの中だし希望に、嬉しくなってきた。 一度美砂を百八十度回転させて、壁に押し付けるようにして胸を揉み上げては乳首を引っ張る。 さらに待ちきれないと暴れる一物をスーツの上からだが、美砂のお尻に押し付けた。 ぐいぐいと入りたいと主張するそれで、美砂のお尻を弄んだ。「先生、キスマークも今日はだめ。隠し切れないから」「首筋に一個、一個だけ」「もう、駄目って言ったそばから。一個だんっ」 許可が出るや否や、むつきは少ししょっぱい美砂の首筋に吸い付いた。 汗の匂いといいシャワーは演目の度に浴びているのだろうが、季節柄追いつかないのだろう。 そんな事を考えながら、見る者が見ればはっきりと分かるキスマークを熱く押し付ける。「先生、ちょっと痛いかも」「んっ、これでついたから」 少々痛みを伴なったようで、赤く小さく腫れたそこを丹念に舐めて癒す。「美砂、汗でちょっとしょっぱい」「先生ぱっかり、ずるい。私も先生の事を食べたい」「上の口か下の口、どっちで?」「おまんこ、先生のおちんちんをおまんこに食べさせて」 いやらしい台詞を口にするいけない子だと、むつきはスカートの中に手を伸ばした。 見せパンを狭い路地でイチャイチャしながら脱がせ、これまたスーツのポケットに。「美砂、ちょっと声大きい。誰かに見つかったらどうする」「だって、二人きりって久し振りだし興奮しちゃうの。先生が塞いで」 一瞬、この子は何を言っているのかとも思ったが。 言われるままに後ろから手のひらで美砂の口を塞ぎ、目の前の壁にやや押し付ける。 手の平や指の隙間を通るくぐもった美砂の吐息。 息苦しいのか身じろぎし暴れる美砂を押さえつけていると、なんであろうか。 凄くいけない事をしているような、ぞくぞくとしたものがあった。「んふぅ、んぁ」「やばい、興奮する。美砂を無理矢理レイプしてるみたいで」 我慢ならんとばかりに、急いでスーツのベルトを外してズボンをズリ下げた。 当然、美砂の口は代わらず塞いだままだ。 それから元気な一物の竿をトランクスから取り出し、美砂の中心部目掛けて突き出した。 前戯こそまた十分ではなかったが、この暑い中で狭い路地で抱きあっていたのだ。 互いの匂いや直接触れ合う肌など、愛撫には困らずしっとり濡れ始めていた。 最初の分厚い肉の谷間を分け入っては、その奥に隠された秘密の洞窟の入り口を開く。 ぬぷっと生温かい美砂の体温に出迎えられ、スムーズに子宮を目指して進軍する。「んはぅ、んんぅっ!」「美砂、熱い。美砂の中が蕩けそうだ」 ずんと一度一番奥まで突き上げては、自由な方の手で美砂の胸の乳首をこねる。 興奮しきった喘ぎ声を美砂の耳元で聞かせ、腰を引いてもう一度突き上げた。 溜まらず美砂は腰が砕け始めるが、何しろここは狭い裏路地である。 崩れ落ちようにもむつきが挿入したままでは、倒れる事すら許されない。 むしろ体勢を悪くして倒れ掛かれば、より深くむつきの一物を咥え込んでしまう程だ。 自分で自分を苦しめる行為に、目の前の店舗の壁を手で必死に掴もうとしていた。「気持ち良い、美砂の中は最高だ。ほら、分かるか。ガチガチに勃起して美砂を犯しつくそうとしてる。孕ませようとしてるぞ」「ふぅふぁっく。んんんぅっ!」 パンパンとお尻を突き上げるたびに、ふさがれた口の奥からくぐもった喘ぎが漏れる。 苦しんでいるのか、喘いでいるのか。 言葉からは殆ど美砂の感情は分からないが、一つだけ理解する方法があった。 上の口で喋られないのなら、下の口である。 しかし、改めて問うまでもなくだらだらと愛液を垂らして、むつきの一物を咥え込んでいるのだ。 はやく出してと滑る肉壁で竿を絞り上げてくる。 これで苦痛しか感じていないと言葉を貰っても、そうですかと納得できるはずもない。「美砂、このまま。このままイクぞ。美砂、受け止めてくれ。美砂!」「んぁぅ、んぅぁぁぁっ!」 ガツンと美砂の体が震える程に強く突き上げ、降りてきた子宮口を亀頭で押し叩いた。 乱暴にそれこそレイプのように無理矢理孕ませるように、子宮口を開けさせる。 ほんの少しの隙間でさえも見逃さず、むつきは亀頭の鈴口を合わせてはなった。 美砂が育む卵子へと辿り着くように、ありったけの精液をほとばしらさせた。 びたびたと精液の塊を子宮の壁に付着させ、どろりと壁を滑り落ちらせる。 ピルさえ飲んでいなければ、確実に受精していた事だろう。「まだ出るぞ、今度こそ美砂が孕めるように」「ぅぁ、ぅっ」「美砂、美砂!」 むつきの射精のリズムに合わせ、美砂も受け入れる喜びに体を震わせていた。 そんな美砂の腰のハンドルをシッカリ掴み、むつきはこれでもかと射精を行なった。 一体どれだけの量を吐き出したことか、竿を抜く前に膣口との隙間からどろりと溢れてくる。 狭い路地なので抜いて綺麗にして貰う事もできず、挿入したまま口元から手を離してやった。「良かったか?」「先生の事、久しぶりに変態って思った。こんなレイプみたいに」「嫌だった?」「凄い興奮しちゃった。先生に犯されてるって」 可愛いなもうと、後ろから抱きしめ汗で湿った髪に顔を埋めた。 美砂の全てが愛おしい、丸ごと全てを手にしたいと強く抱きしめる。「先生も興奮し過ぎ。まだガチガチ、私やアキラ以外をレイプしちゃ駄目だぞ」 だから今ここで好きなだけ出させてあげると、むつきの一物を咥えたまま尻を振る。 当然、肉壁がぐにぐにと形を変えては竿を圧迫し、さらなる射精感を促がし始めた。 負けてたまるかと、むつきも同じ体位のまま二回戦に突入していった。 ただし、また腰を振って胸を弄ぶだけでは芸がない。 だからここて逆転の発想である。 腰を振るだけでは芸がないのであれば、むしろ振らなくて良いのではないだろうか。「あれ先生?」「美砂が一生懸命俺を誘ってイカせてくれ。俺はこっち」「やん、悪戯しちゃだめ」「ほら、いやらしく腰を振らないとイカないぞ」 ぱんぱんと美砂のお尻を叩いてから、両手の指をお尻の上で走らせた。 汗をかいたままとは到底信じられない白い肌の上を滑り味わっていく。 その指がお尻の谷間、尾てい骨に達した時、美砂がびくりと体を震わせた。 つつつと動く指先が割れ目を降り始めたからだ。 その先には何がある、到底口には出来ない別の入り口であった。「先生、そこは駄目。お願い、他なら何でもしてあげるから。そこだけは」「だったらほら、俺の気が紛れるようにいやらしく腰振って」「踊る、いやらしく踊るから。待って、待って」 やや慌てた様子で美砂が自分で腰を降り始めた。 むつきが如何したら感じてくれるか、お尻の穴を弄ろうとするのを止めてくれるのか。 気が気ではない様子で、何度も振り返ってはお尻を振った。 時計回りに円を描いたり、縦に横に、それから亀頭を膣の肉壁で擦っても見たり。 あらゆる手段を用いてむつきが快楽に溺れてくれるよう頑張った。「いいぞ、美砂。凄く気持ち良い」「嬉しい、もっと頑張るね」 むつきの手がお尻の割れ目を離れ、丸みを帯びた全体に這わせられた。「美砂の大きな尻が好きだ。安産型だな」「産んで欲しくなったら何時でも言って。直ぐにピル飲むのを止めるから」「今は美砂がいれば幸せだ。美砂のおっぱいも膣も子宮もまだ誰にも渡さない。それが俺の子供でもだ。俺だけの、俺だけの美砂」「こんなエッチな事をさせてあげるの、先生だけだから。私は先生のものだから」 限界が近付くにつれ、むつきは美砂のお尻を指が食い込むほどに掴んだ。 真っ白なお尻に赤い手形がついてしまう程に。 そして休憩は終わりとばかりに、再び美砂を突き上げ始めた。 美砂が振ってくれるお尻の動きに合わせて、合致した時には子宮口をガツンと突き上げられるように。「ぁぅっ、キツイの来た。先生、そこ」「ここだろ、分かるぞ。美砂の事ならなんでも」「先生、もっと体中を先生で染めて」「美砂、イクぞ。俺だけの美砂、卵子に至るまで全部。イクっ!」 二度目の射精は、もはや美砂の膣内、子宮内にでさえ精液の居場所はなかった。 射精したそばから、ぷしゃりと精液と混ざった愛液が噴き出した。 勿体無いと美砂が膣を締めても、竿のカリ首が奥から精液をかきだしてしまう。 いっそ、まん繰り返しでもしなければこの量は受け止められない。 それだけの量の精液をむつきは美砂の子宮へと送り込んでいるのだ。「うぐっ、やばい、これ絶対あの麻帆良最強の馬鹿に妙な薬飲まされてんぞこれ」「溺れる、先生の精液で溺れちゃうっ!」 ついにむつきまでも美砂を支えきれず、壁伝いに座り込んでいった。 それでも執拗に美砂の中から抜かなかったのは意地なのかなんなのか。 もはや強力な磁石の如く、美砂の膣から硬さを失わない竿が離れていかない。 ほんの少しだが、このまま繋がりっぱなしだったら如何しようとさえ思えた。「二連続で、萎えもしねえ。ちんこが萎える前に、心が萎えるわ」「先生、まだ出てる。壊されちゃう、私」「俺の方でなんとかセーブするよ。ほら、こっち。恒例のイチャイチャタイム」「先生、大好き」 繋がったまま持たれて来た美砂を受け止め、抱え込むようにギュッと抱きしめた。 妙な力の入れ具合でまた射精してしまったが、まあ構うまい。 ふるりと体を震わせた美砂を宥め、ちゅっと軽く唇を奪う。 何処かの学生が騒いでいる声が遠くに聞こえる。 流石に冷え込んできた空気の中で、暖め合う様に身を寄せ合った。「でも、本当にこれ萎えないね。硬いまま」「後で超を問い詰める。これ、マジで勝手に肉体改造されてそうだ」「元に戻らなかったら?」 怖い事を聞くなよと思ったが、割と美砂の顔は真面目な表情であった。「多分、この場にアキラがいても結果は同じ。恋人とか、甘いのはちょっとは気にするけど。セックスフレンドぐらいならいいよ」「世界一可愛い嫁なら俺を信じろ、この野郎」「んー、でも私達で発散しきらなくて、先生が他の子をレイプしても困るし」「何処の野獣だ、俺は。信じる、信じない以前の問題だろそれ」 お前から先にレイプしてやろうかとばかりに、精液で溺れそうな子宮を小突く。「んぅっ、だめ。イチャイチャするの」「はいはい」 今一度美砂をギュッと強く抱きしめ、その頭をなでる。「レイプ云々は置いておいて。あまり甘やかすと、付け上がるぞ。先週だって、長谷川達をローターで弄んで。綾瀬なんか放尿プレイとハンカチ越しに大事な部分に触ったんだぞ」「普通、そこまでしたら手を出してる。先生、性的な事になるとびっくりするぐらい自制が利くから。委員長がピル用意してくれるまで意地でも生を拒否して、中だしなんて絶対駄目。そんな先生だからセックスフレンドの一人や二人、いいよ」「いいよと言われても、凄く微妙な心境なんだが……」 元より美砂とアキラの二股状態で、これにさらにセックスフレンドなど。 長谷川のジャッジを受ける前に、雪広に断罪されそうではある。 今さら水泳部のキャプテンにお願いしますとも言えないし。 しばらく、この答えは保留する事で精一杯なむつきであった。 -後書き-ども、えなりんです。今回賛否分かれそうなお話ですが。甘くなけりゃという条件付きですが、許可が出ました。まあ、現状むつきにそんなつもりありませんが。それも何処まで持つのやら。それから、明日菜との関係が一気に改善しました。本来なら一年後のはずの、高畑との麻帆良祭デートにて。明日菜一人懐柔するのに三十話かけてます。まだまだエヴァとか、懐柔すべき相手は沢山います。先は長いですよ。それでは次回は土曜日です。