第三十八話 先生の門戸が広がるのを待ってたネ 二年A組に生徒として所属する絡繰茶々丸が、実はロボット、正式名称はガイノイド。 むつきの懸念通り、超の部屋を最後にしておいて正解であった。 ただしそれは何か爆発するとか、一腹盛られるとかそう言う方面の懸念でもあったのだ。 だがそれとは異なる驚愕の事実に、各自の部屋を廻るツアーは中断である。 まだ続きがあるのにと、超や葉加瀬が更に部屋の奥を見ていたがなかった事にされた。 しかも、今度こそとばかりに部屋の奥にあったのはエレベーターなのだ。 地下何階あるのかエレベーターの入り口上にある階層を知らせるボタンは多かった。 一先ず、むつきは皆に夕映の引越しの手伝いと、雪広を中心にひかげ荘の現在の見取り図の作成を簡単にだが頼んだ。 他に必要なもの、午前中に雪広自身が言っていた在室、不在を知らせるような掲示板等。 備品が必要だと思ったものをピックアップして欲しいとも。 まあ、慌てる必要はないので皆で遊戯室の充実等、ゆっくりとした作業を頼んだ。 麻帆良祭で疲れているであろうし、優先度は低めである。 その真の目的は、皆を一時的にだが管理人室から遠ざける意味があった。「先生、粗茶ですが」「うん、ありがとうな絡繰。あと、それは自分の家に人を招いた際の台詞な。他人の家で淹れたお茶でそう言うのはちょっと失礼だぞ」「失礼しました。記憶しておきます」「うーん、まだ言語関係の取捨選択に怪しいところがありますね」 管理人室にて、コタツテーブルを挟んで向こう側に超と葉加瀬を座らせている。 他に人がいなかったのでメンテ前の茶々丸を葉加瀬が起動させ、お茶を淹れさせた。 四葉のお茶と比べるとさすがにだが、濃さも上々で美味しいお茶であった。 本当にガイノイドかと疑いたくなるが、彼女の耳など関節部を改めてみれば一目瞭然。 そもそも肌が金属質で継ぎ目があり、静かなひかげ荘で耳を澄ませば各種駆動音がチュインチュイン聞こえる事もある。 こんなにもあからさまなのに、何故長谷川以外誰も気付いていなかったのか。「それでだ。あっ、絡繰も皆に混ざって遊んでこい。お前の親に用事があるだけで、お前自身は何も悪い事はないしな」「お話の前からお小言だと分かるネ。先生、茶々丸はメンテ前だし少し単独行動は怖いヨ。お話は私が聞くから、葉加瀬も行かせてくれないカ?」「あの、私はメンテを受けにきただけで遊びに来たわけでは」「茶々丸が皆に混ざって遊ぶ……これは良いデータが。申し訳ないですが、速攻メンテを終わらせて遊ばせて見たいのですが」 そう葉加瀬にまでお伺いを立てられ、少しむつきは考えて見た。 正直な話、超と葉加瀬とでは迷惑度は桁違いである。 何かと首謀者的に手を回すのが超で、葉加瀬は正直むつきから見ては大人しい。 むつきに対する被害という意味でだが、構わないかと許可をだした。「茶々丸、ちゃっちゃとメンテ終わらせるよ」「あの、マスターのお世話が」 何やら用事がありそうだったので、あまり無理強いはと言ったのだが葉加瀬がどこまで聞いていることやら。 言葉をかけようとする絡繰の声を無視して、手を引き地下研究室へと連れて行く。 子の意見を完全無視とは少々思う所があるので、次回それとなく伝えるとして。 改めて超に向き直り、正座中の彼女と管理人室にて二人きりとなる。 葉加瀬は白衣姿だったが、超は何時の間に着替えたのか。 髪を纏めたシニョンキャップに三つ編みは普段通りだが、朱色のチャイナ服であった。 しかも夏間近の蒸し暑さから水着のように上下が分かれており、胸元も谷間をなんとか作り出し見せ付けるように大きな切れ込みがある。 現在はテーブルを挟んで向かい合って座っている為見えないが、可愛いおへそも見えていた。「あっ、パターン入った。あれだけ、朝倉に注意しておいて要注意人物と二人きりじゃねえか。何故俺は絡繰や葉加瀬を行かせた」「ふふっ、先生。隙だらけヨ。私はこの通り、予測して準備万端ネ」 あろう事か、予想通りだとばかりに正座のまますすっと超が擦り寄ってきた。 両腕で胸の谷間を更に作り、美味しそうな超包子の限定肉まんを見せつけながら。 コタツテーブルの外を周り、額を手で押さえているむつきの隣へと。 白い肌のもちもち、柔らかそうな肉まんを前に涎が出そうになったのは事実だ。 だがさせてなるものかと、むつきも手を咄嗟に伸ばして超の赤丸ほっぺを遠ざける。「話が先だ、もう有耶無耶にさせねえぞ」「やりチンの癖に、先生は意外と細かい事にこだわるネ」「もう今さら過ぎるがはしたない言葉を使うんじゃありません。ガールズトーク中か、彼氏とのプレイ中だけにしなさい。いや、あかんだろ。プレイは、一応中学生なんだし」「そうやって、男と教師の間で揺れるては悩む先生も好きヨ」 これ以上惑わすなと、珍しくヒットしたデコピンで少し遠ざける。 アイタタと笑って額を押さえている様から、わざと避けなかったのか。 尻もちをついてミニスカチャイナ服から延びる白いニーソックスの足が眩しいが。 別にソレはわざとではないらしく、気付きぱぱっとスカート部の裾を直していた。 一応、有耶無耶にし続けるつもりでもなさそうだ。「以前、露天風呂で与太話は聞かされたけど、正直さっぱりだ。俺にはお前が全然見えん。頭が悪いと言われればそれまでだが。漢方の件、お前が俺を調べたとか、A組に押し込んだとか。なんとか君とか。あげく、とんでもない施設を管理物件の地下に造りやがって」「露天風呂での件は失敗。本当は、そこまで喋る予定ではなかったネ。先生には何も気にせず、極々普通の先生としてA組の生徒を摘み食いして欲しかったヨ」「あげて落とすな。今の俺はちょっと手ごわいぞ。お前の心が見えるまで、絶対に思い通りにはいかせんぞ、この野郎」 実際、摘み食いしてしまっているので冗談ではすまない部分もあるが。 なんとか超に喰らいついてその心の一端にでも触れようと踏ん張る。 九十年以上生きて、まだ初恋を追いかけている爺さんの粘着質を分けてくれと願いながら。 そんなむつきの気配を察したのか、超がコタツテーブルの対面に戻っていった。 座り方も女の子座りから正座へと変え、時折何かに思い悩みながら表情を七変化させる。 恐らくは話せる事と話せない事、もちろんそれがあって選んでいるのだろう。 今ここで全て話せとはむつきも言わないし、そうされても恐らくは理解が追いつかない。 最近は馬鹿と呼ぶ事が多いが、麻帆良最強の頭脳なのだ。 彼女が考え選んだ返答こそ、恐らくはもっとも理解し易いだろうと答えを待つ。「先生は、パラレルワールドをご存知カ?」「まあ、漫画で良くあるアレなら。人並みにはな」 何の話だと突っ込みたかったが、それさえ耐えてまずは全てを聞く。「現代のスパコンを遥かに凌駕する世紀を超えたスパコンでシミュレートした事があるネ。本来の私が一年後に起こした行動で未来がどうなるか」「どうなったんだ?」「ある程度、望んだ未来は手に入れられたネ。戦争は結局止められなかったが。多少まともな未来に。けど、そのせいでA組のとある生徒が、クラスメイトと一生のお別れを決断させられたネ」 正直なところ、また与太話かと思わないでもない。 だが以前、超はA組のクラスメイトには幸せになって欲しいと言った。 その超がA組のクラスメイトを名前こそ伏せたが、一生のお別れを決断させられたと、いかにも不幸気に言ったのだから与太話ではすまない。「結局、その生徒も最後の最後で一応は救われた。だがそれは本当に? 彼女は、彼女の愛した少年達に会えたのか。彼女を愛した者達は愛した彼女に会えたのか。パラレルワールド、ここにいる超鈴音は納得できなかった。だから、あらゆる可能性を探りシミュレートしたネ」 さすがにそこまで聞かされれば、むつきにだって想像ぐらいつく。「バタフライの羽ばたき、湖面に投じられた小石。乙姫むつきという存在こそが、最も超鈴音が望んだシミュレート結果に至る一石ネ」「その結果が、二股三股のしかも生徒をセックスフレンドにした変態鬼畜教師ってどうよ。そのスパコン壊れてるだろ。お前が望んだ未来の最終形は怖いから聞かないけど」 超に比べれば、比べるのもすまない悪い頭で情報を整理する。 余計な情報は切って捨て、むつき自身が理解し易いようにとことん単純に。 麻帆良最強の馬鹿がスパコン使って未来をシミュレートした。 何か変えたかった未来は変わったが、それでも気にいらない事はあった。 だからもっとも気にいる未来を探し、その為のキーパーソンとして自分が選ばれた。 うんうんと腕を組んで考え込む事数分、やはりこれしかないかとむつきは答えを出した。「やっぱお前、麻帆良最強の馬鹿だろ」「最近、先生にそう言われるとぞくぞくして嬉しいけど。理由を聞いても?」 ちょっと興奮したように赤丸ほっぺをさらに赤く、コタツテーブルの上に身を乗り出してきた。「いや、なんかお前結構悩んでたみたいだけど。それ、皆する事だぞ。未来の、本来の私はこうじゃない。だからこうなんだって。まあ、実際に行動できる奴は少ないけど。あるいはただの妄想だったり」「私の悩みがえらく身近な、思春期特有のお悩みと同一視されたネ」「実際にお前、思春期だろ。だから自分の出来る範囲で行動して、未来を想う形に作り上げたい。それが、周りの幸せさえ考慮に入れた行動ならなおさら結構。実際の結果がどうあれ、気にすんな。A組の奴らはそんなに弱くない」 以前高畑が彼女達なら大丈夫と職員室で言っていた言葉をちょっと思い出した。「アイツらだって、なりたい自分を目指して頑張ってんだ。宮崎なんか分かり易いだろ。あいつ男嫌い直そうって、結構俺に話しかけて頑張ったり。そりゃ、思う自分になれない奴もいるだろうけど。そこまでお前が責任を取る必要もない」「責任をとる必要はない」「それに、お前のせいで私が不幸になったって詰め寄る馬鹿もA組にはいない。だから安心してお前はお前の思うとおりに全力でやってみろ。ただし、俺もA組の生徒全員と関係持たせられようとしたら全力で抗うが」「そこは副担任として協力してくれないカ?」「するか、馬鹿。お前さ、考えても見ろ。既に美砂とアキラは確実、夕映はまだちょっと微妙だけど嫁にするとして三人だ。二人ずつ子供生ませてみろ。麻帆良の教師が高級取りって言っても所詮は教師だ」 普段からセックス中に子供を孕めと叫んではいても、彼女達自身がまだ子供だ。 むつきとて子育ての経験も、実際いくらかかるかも試算した事すらない。 だが友人の中には既婚者もおり、養育費や日々の忙しさを小耳に挟む事は彼女達よりも遥かに多かった。 そして三人のお嫁さんと子供を抱えたら、金銭的にきつい未来ぐらい想像できる。 実際に考えて見たのは今回が初だが、ちょっとブルーになってきた。 全く意味はないが妊娠プレイはしばらくお預けにしようかと思うぐらいに。「あの、先生……」 そこへ再び、超がすすっと畳みの上を滑り近付いてきた。 赤丸ほっぺが普段以上に赤いのは気のせいか、恐らくそうではないだろう。 恥ずかしそうにむつきの浴衣、最近ひかげ荘にいる時はだいたいこの格好だが。 浴衣の袖をちょいちょいと珍しく可愛らしい女の子の姿で引っ張られた。「絶対に負担はかけないネ。お金儲けは得意ヨ。だからあの……先生の四番目に」「は?」 何言ってんのと、目が点のままにむつきは見つめ返した。「私だって女の子ネ。もちろん、クラスメイトの幸せは願ってはいるが、自分が一番大切ヨ。より良い未来と言う意味では、実は先生よりも良い一石となれる人はいたネ」 確かに先程、超は自分が一番望んだ未来の為にむつきを選んだと。 完全により良い未来を優先したのであれば、そこは皆の為にとか未来の為にと言った事だろう。「え、お前趣味悪くね? 俺に一目惚れ?」「世間一般的な嗜好だと認識しているネ」 お前もかと、以前誰かに顔について評された事を思い出した。 この野郎と赤丸ほっぺを両手で引っ張って苛め遊んでやるが、本人は嬉しそうだ。「だけど、そうかもしれないネ。一石の候補者を色々と見ていて、妙に先生が気になって。そのうち、この人しかいないって思い始めて」「ちょっと止めて、急に純な女の子の告白に移行するな。やばい、誘惑される」「本当は直ぐにお近づきになりたかったけど、恥ずかしくて。告白して断られるのも怖かったし。だから色々手を回して、先生の門戸が広がるのを待ってたネ」 美砂が終電に遅れたり、アキラがプールで溺れ偶然むつきが助けたり。 まあ、さすがにそこまで酷い事はしないだろうが。 大量のお嫁さんが居ても夜が充実するよう漢方くれたり、他に夕映の件は確実に門戸を広げる為に、わざとであろう。 妙にセックスフレンドを強調したり、朝倉との寝取りプレイをと勧めてみたり。 やはり麻帆良最強の馬鹿は、馬鹿であった。 普通の女の子はまずそんな思考はすまい、好きな男の門戸を広げ受け入れてもらい易くしようなど。 ある意味で、確実に勝利する為の戦略家なのかもしれないが。「馬鹿な子程可愛いって、こういう事じゃないと思う。思うけど、ほれ来い。鈴音」「出来れば小鈴って呼んで欲しいネ。ちゃんとか、年下の相手に使う意味ヨ」「この歳で女の子をちゃん付けは……まあ、小鈴ならちょっと格好良い響きだしいいか。おいで、小鈴」「普通の女の子のように一杯可愛がって欲しいネ」 片腕を上げると、そこをくぐるようにして小鈴が体を預けてきた。 そっと目を閉じ、普通の女の子のようにむつきの胸に耳を上げる。 麻帆良最強の頭脳と羨望と揶揄、両方を受けてはいても中学生の女の子だ。 まだまだむつきには計り知れない苦悩等あるだろうが、この腕の中にいる間だけでもと肩を抱き寄せた。 そしてシニョンキャップから伸びる三つ編みをくるくると指先で弄ぶ。「良い匂い。男の人の、憧れた先生の匂い」「美砂も良く人の匂いを嗅ぐけど。俺からしたらお前らの方が、小鈴の方がよっぽど良い匂いだぞ。時々、肉まんの匂いする時もあるけど」「はは、そこは勘弁して欲しいネ。けど、先生限定のお勧め肉まんどうカ?」 照れ笑いを含め、小鈴がチャイナ服の胸元を広げた。 歳相応の手頃なサイズの胸が露となるが、決してスリットから溢れる事もない。 むしろ余白が生まれたせいで谷間が激減し、ふるんと球体をつくるぐらいだ。 ブラジャーもしておらず、覗き込む角度を変えれば桜色のぽっちも見える。 手の平サイズの肉まんに今直ぐにしゃぶりつきたいが、順番は順番であった。 肩の上にあった手をへそだし中の腰に下ろして、ぐっと抱き寄せた。 胸の前にあった小鈴の顔が押し出されるようにむつきの顔の下にまでせり上がる。「そういう律儀なとこ、結構好きネ」「最初だからな。フェラは前にして貰ったけど」「本当はあの後、襲って貰いたかったネ。けど、柿崎さん達が一緒にって言うからしぶしぶ諦めたヨ。これ秘密ネ」「お前、恋愛事に関しては変に臆病だな。宮崎なんかとは別の意味で」 幾ら頭が良くても少女は少女、可愛くて宜しいと唇を奪った。 先程も言ったが最初なのでそっと触れるように、それこそ肉まんを連想させる柔らかい唇を味わう。 緊張しているのだろう、少し体の動きがぎこちなく硬い。 キスをしながら追加で頭を撫でつけては、安心しろとばかりにぽんぽんと叩いた。「んっ」 唇の端から零れ落ちた小さな喘ぎは、緊張が少しでも解れた証拠か。 むつきはより小鈴を抱き寄せては唇で唇を押し上げ、舌を侵入させていった。 狭い隙間をうねる蛇のように、小鈴の唾液を吸いつつ小さな舌をちょんちょんとご挨拶。 ぷるぷる小鈴が震え出したがまだまだこれからと口内を蹂躙していく。 甘すぎる程に甘い唾液で満たされたそこに、肉まんの味でもしないかと探すように。 それこそ奥の奥、親知らずの一本から丹念に、舌の下までくまなく味わった。 そのうち耐え切れなくなったのか、ぽふぽふと小鈴がむつきの肩を叩き始めた。「ぷはぁっ……ち、窒息すると思ったネ。先生に、全部汚されてしまったネ」 ぜえぜえと呼吸を整えながらも、赤丸ほっぺに両手を当てて凄く嬉しそうだ。 時折ちらりとむつきを見ては、続きを凄く楽しみにしているのはまる分かりである。「妙に初心な反応だけど。お前実はこの前のフェラの時、実は凄いてんぱってたろ」「な、なんの事あるカ?」 ツッと泳いだ視線は当然のようにむつきから外れていった。「恥ずかしいだろうけど、答えてくれるとありがたい。それ次第でプレイの内容も変わるし。お前、経験はある? なし?」「諸事情で膜はないけど、初めてネ。特にその、好きになった相手は」 良く分からない言い回しだが、全くないわけではないが豊富というわけでもないようだ。 ならいきなりハードな妊娠プレイも悪いと、隣の小鈴を抱きかかえた。 上半身と腕だけでは正直きついが、膝の上に乗せるまでの数秒の間の事である。 胡坐をかいた上に横向きに小鈴を座らせ、もう一度キスで唇を奪った。 そのまま胸元のスリットに手を差し込み、手の平サイズの肉まんをふにふにと揉む。 あまり刺激が強くならないように、手の中で転がすように揉みしだいた。「ふぁっ、ぁ……頭がふわふわ、数式がぼろぼろ零れ落ちていくネ」「初めて聞いたよ、そんな台詞。小鈴らしくて、いいけど」 これ以上キスは本当に窒息しかねないので、目の前で揺れていた三つ編みを咥えた。 嫌がるかなとも思ったが、毛先をしゃぶっては濡らし、くいくいと引っ張る。「やんっ、先生子供みたいな意地悪はやめるネ」「知ってるだろうけど、セックス中はガキそのものだぞ。おっぱい大好きだし」「手の平サイズで申し訳ないネ。こんな日が来ると知ってたら、もう少し育てておいたガ」「手の中にすっぽり収まるのも悪くない。本当は巨乳派だったんだが、ちょっと主義が変わりそうなんだ。おっぱいに貴賎はない」 そう言って、二人同時に小柄な特定人物を思い浮かべたがあえて口にはしない。 実際、むつきは小鈴のおっぱいを十分過ぎる程に楽しんでいた。 おっぱいまるごと手の平で転がし、コレぐらいならと乳首を指で軽く弾く。 サイズが小さいと敏感と言われるが、小鈴もどうやら例に漏れないらしい。 それこそ指が胸を数ミリ押し潰しただけで、ぴくぴくと体を反応させていた。「先生、そろそろ下の方が切なくなってきたネ」「パンツ、自分で脱ぐか?」「濡れて恥ずかしいから自分で脱ぐネ」 胸を弄ばれながら、小鈴がチャイナスリットに手を伸ばした。 こそこそとスリット内でパンツの隙間に手を差し込み、一度上目遣いにむつき見る。 なんとなく請われたようで、軽く唇にキスをすると決心がついたようだ。 するすると膝を曲げて腰を浮かし太ももへ、ただやはり恥ずかしいのか体を少し丸めた。 膝の瘤をこえてすらりとしたふくらはぎを通り足から脱いでいく。 見えても分かり辛い為なのか、セパレイトのミニチャイナと同じ朱色のそれである。 ぱっとポケットに隠そうとした小鈴の手をむつきが止めた。「先生、私の手を止めるとは。なにカ?」「見せて」「何をカ、主語が抜けていては何の事だかわからないネ」 恐らく分かっているのだろうが、恥ずかしいと視線をそらされた。「パンツの濡れた部分、広げて見せて。愛液で濡れたところ、見たい」「うぅ、変態鬼畜教師の本領発揮ネ。自分で望んだ事とはいえ、恥ずかし過ぎヨ」 そう言いつつも、小鈴はちゃんとむつきの言う通りにしてくれた。 もはら顔全体が赤く、赤丸ほっぺが赤味に消え入りそうな程になっている。 朱色のやや厚手のパンツを両手で広げ、局部に触れていた部分を見せてくれた。 愛液が染み朱色がさらに黒ずみ、されどてらてらと一部光を反射している。 だがさすがにむつきがその部分に舌を伸ばし舐めようとした時には、目にも止まらぬ速さでポケットに隠されてしまった。「なにをしてるネ。見るだけって!」「じゃあ、舐めたい。くんくん匂い嗅ぎたい」 もはや羞恥も限界突破し、目尻には涙さえ滲んでいた。 だが叫んで返す余裕があるのならまだ大丈夫だと、むつきは止まらない。 M気質なんだろと、小鈴を煽るように良い笑顔で無茶なお願いに出さえする。 ううっと唸る事数秒、むつきの笑顔に負けて小鈴がパンツをポケットから取り出した。 ただし、今度は広げるまでもなく、くしゃくしゃに丸められたそれをむつきが奪った。 丸まったパンツを鼻に押し当て、小鈴の濃い匂いを嗅ぎ、ちゅうっと濡れた部分をしゃぶるように吸い付く。「小鈴の匂い、味。絶対もう忘れない」「先生、そろそろ。苛めるのは勘弁して欲しいネ。可愛がって欲しいヨ」 我慢の限界だと、胸元に飛びついてきた小鈴がぐりぐりと頭をこすり付けてきた。 他に胸に抱いた感情の発散方法が分からないとでも言うように。 さすがに苛めすぎたかと、むつきも名残惜しいがパンツをぽいっと背後に捨てる。 そしてごめんと囁くように、抱きつく小鈴の首筋に顔を埋めてキスを落とした。「嫌いではないネ。でも、今は可愛がって欲しいヨ」「俺からしたら、可愛がりの一種だけど。触るぞ」 確認の意味も込めて言うと、無言のままこくりと頷かれた。 相変わらず片腕は手の平サイズの胸を弄びながら、もう片方はミニスカのスリットへ。 忍び込ませこれまた小さなお尻をなぞり、その谷間をくだる。 二段重ねの谷間、その二段目こそが目的地、小鈴の愛液溢れる秘部であった。 陰毛も愛液でしっとり濡れており何度か指先で弄び、お別れして谷間を指先で割る。「くふぅ」 変な笑いのような喘ぎを小鈴が漏らしたが、続ける。 指先を瞬く間に愛液で濡らしながらさらに奥。 愛液の源泉へと続く膣口、洞窟のようなそこへと探検隊たる中指を挿入させた。 諸事情と言ったが、確かに膜はないが使い込まれてはいないようだ。 指一本でもしっかりと締め付け、肉壁で刺激しては搾り取ろうとしてくる。「小鈴の中、温かいよ」「指だけカ? とある理由で治療が終わるまでは子供ができない体ネ。中だししてくれても、全然問題ないヨ」「お前はちょいちょい、衝撃的事実を漏らすな。それも諸事情とか、とある理由とか。まあ、処女かどうかはさほどきにしてないけど」「こっちは気にするネ。何時か、皆が幸せだと私が満足した時にでも包み隠さず伝えるネ」「それも全部、俺次第ってわけか。望むところだ、この野郎。幸せ過ぎて怖くなるぐらい、幸せにしてやるよ」 もう我慢できないと、肩を抱いたまま押し倒して胸にしゃぶりついた。 構うまいと胸元のスリットに噛み付いて引っ張り結び目の糸を乱暴に千切り。 さすがに零れた胸に吸い付き、舌で乳首を転がしては胸を丸ごと頬張ろうと吸いつく。 右手の指も忙しなく、最初は浅くても素早く挿入を繰り返し開通を試みた。 指による擬似的なセックスだが、指先まで抜けかけると行かないでと膣がしまるのがなんとも可愛いではないか。 何処にもいかないよと、再び指を挿入しては少しずつ深度を増やしていく。 繰り返す事で愛液も増えて肉壁がふやけるように柔らかく指先を迎え入れ始める。「んんぁ、こんな。激しっ」「すまんが、止められん。それこそ、諸事情で本番は無しだから。せめて思い切り可愛がる」「なんとなく、想像はつくネ」 増えすぎた愛液を畳みの上に飛び散らせながら、既に指は第三関節に踏み込んでいた。 そこまで来ると挿入だけに飽き足らず、奥まで指を伸ばしては指先を曲げて奥を刺激する。「先生、そこ。そこをもっとネ」「最初からこれだけエロいとやりがいあるわ。可愛いぞ、小鈴」「もっと、可愛いって言ってヨ。普通の女の子みたいに、可愛いって」 やけに普通に拘るのもその諸事情のせいか。 ある意味で雪広財閥令嬢の雪広のように、麻帆良最強の頭脳故の何かがあるのあろう。 それもいつかちゃんと聞きたいと思いつつ、可愛がってやる。 胸も乳首のみならず、外周を一周するように舌でなぞったり、柔らかく突いたり。 正直、浴衣の中で一物が俺も混ぜろと暴れているが、また今度だ。 今は小鈴を可愛がる事にだけ集中し、こいつめと膣壁の中から恥骨を探った。「ぁっ」 かつて美砂がお漏らしをして以来、誰にも試していない禁断の技である。 例え漏らしても小鈴なら涙ながらに受け入れてくれそうなので試せた事もあるが。「先生、そこは。子宮の奥までキュ、んぁ。ぁっ、来る、なにカ」「小鈴、手で隠すな。イクところまでちゃんと可愛い小鈴の顔を見せてくれ」「そ、そんな事を言われたらぅ。駄目、こんな見てはいけないネ。なのにイ、イクッ!」 小鈴の腰が飛び跳ね、更にむつきの指を奥へと受け入れていく。 顔を隠す代わりに、胸にしゃぶりついていたむつきの頭を抱きしめるように。 その瞬間こそ少し見え辛かったが、抱きしめる力も直ぐにふっと消えた。 荒く息をする小鈴が畳みの上にくたりと力なく横たわったからだ。 アレだけ締め付けていた膣も弛緩し、残ったのは柔らかな肉壁の感触のみ。 挿入はまた今度なとマッサージするように入り口を広げてから指を抜いた。「小鈴、おしゃぶり」「んぁ……んぅちゅ」 上から覗き込み、小鈴の愛液で濡れた指を本人に吸わせた。 本人からすれば美味しいものでもなかろうが、一生懸命吸い付いてくれる。 そんな小鈴が可愛くて愛おしくて抱き起こして思い切り抱きしめた。「可愛かったぞ、凄く」「嬉しいネ。こんなに幸せな気分は、久しぶり。これ以上があるなんて、信じられないネ」「教師だからな、教えてやるよ。お前に教えられる事なんてこれぐらいだしな」 そんな事はないと震える声で言ってくれた小鈴をうつ伏せに。 自分もその横で添い寝するように近付き、まだ弛緩する膣へと手を伸ばした。 胸の奥で有り余る感情を他に表現できないと、一方的に二回戦を始める。 抵抗する力もないが、するつもりもないと小鈴が意志をこめて唇を伸ばしてきた。 舌は使わず唇を合わせて、それから何度も何度もむつきは小鈴を可愛がり続けた。 もはやこうやって浮気を報告するのは何度目の事か。「もう、呆れられるかもしれないが。すまん、美砂にアキラ、夕映。本番まだだけど、手出しちまった」 人間変われば変わるもので、小鈴はむつきの右腕に抱きつきハートマークを飛ばしている。 そんな小鈴を連れながら、二階の娯楽室にて遊ぶ面々の前でむつきは報告した。 俺こんなに駄目な人間だったっけと、叱責覚悟で頭も下げたのだが。 反応が返って来ないどころか、きゃっきゃ、きゃっきゃと大騒ぎしていた。 反応になっていないがおかしいだろうと頭を上げてみる。 何処にあったのか元夕映の部屋、現在は遊戯室のはずのそこに巨大スクリーンがあった。 壁にかけられたそれに映るのは、昔なつかしスーファミのマリオカートである。 ただし、最大四人プレイのはずが画面は八分割され、葉加瀬以外の全員がプレイしていた。「ちょっ、絡繰のノコノコまじ強ぇ。誰か赤甲羅持ってねえか!」「あっ、カミナリ取れた。えっと、使っていい?」「アキラ、自分で考えないとあかんやん。けど、ブービーのアキラが使っても上位には食い込めないし。使い時何時なん?」「なんですの、私何処を走っているのですか!? 怪獣さん、真っ直ぐお走りになって」 ゲーム慣れしておらず、ヨッシーでコースを逆走しては彷徨い続ける雪広はさておいて。「マリオって利点が微妙でやる気でないわ。委員長や大河内がいるから最下位はないし」「では死んで頂きましょう。ルイージの下克上の為に。赤甲羅です」「さり気に五月ちゃん長谷川に続いて三位じゃん。意外に慣れてる?」「いえ、そこまでは。ただ、クッパさんに親近感が。頑張ります」 どうやら順位は絡繰、長谷川、四葉、美砂、この辺りまでは割合混戦模様だ。 特に絡繰の指の動きはもはや人間業ではなく、食い下がっている長谷川に頭が下がる。 下位組である五位以降は朝倉、夕映、アキラ、雪広であった。 雪広に対してはもはや、誰か隣でサポートについてやれといいたい。 特にブービーのアキラについている和泉、雪広の方が問題である。 他に余り者の葉加瀬は別途手元のノートパソコン眺め、絡繰に繋げたコードで何かデータを取っていた。「素晴らしい、たかがゲームと侮るなかれ。十分で改造を施したチャチなゲームで、ここまで数値が伸びるとは。これは他のゲームを試して見なければ!」「葉加瀬、あの……マスターの夕食の準備が」 もしかすると、一番ハッスルしているのは葉加瀬なのかもしれない。「ちょっとお前ら、コレが見えねえのか。出しちまったって言ってんだろ、この野郎!」 もはやそれは何ギレなんか、むつきも分からず叫んでしまっていた。 そしてピコンと電子音の後にゲームのBGMも画面の動きも止まった。 全員が全員、空気読めよとばかりに恨めしそうにむつきを見てくる始末だ。「先生、世界一可愛い嫁の台詞じゃないけどさ。超りん、この前なんて言ったか覚えてる?」「この前って言われても心当たりあり過ぎてわからねえよ」「先生が、亜子達に露天風呂で精液かけた時」 もっと他に言いようはないものか、アキラの言葉に当人達はさすがに気まずそうだ。 それで思い出して見たが、たぶんあれの事だろう。 セックスフレンドとしてむつきと何処まで出来るかという朝倉の問いかけ。 長谷川や雪広は割りと純な返答を出し、和泉はやや外れてクンニなど言い出す始末。 その後の小鈴はなんと言ったか、条件次第で本番もと言った。 実質、無条件のようなものだったが。「皆、遅かれはやかれこうなるんじゃないかって思ってた」「それに本番しなかったって、夕映ちゃんの事を考えてだよね。無理矢理とかじゃない、その辺りの気遣いがあるなら問題ない」「正直、私のせいで申し訳なく。あの、私の決心はまだ先なのでお先にというほか」「信頼されてるのか、理解されてるのか。なんていうか、ありがたいけど少しは嫉妬しろよ。倦怠期の夫婦じゃねえんだから」 むつきの台詞もそこそこに、即座にゲームを再開させる始末。 遣る瀬無い気持ちを抱えて、空きスペースに座って小鈴をはべらせる。 胸元に抱き寄せてはキスをし、先程の続きのようにえいっと胸元のスリットから胸を突く。 見せ付けるようにこれでどうだと美砂たちを見るが、視線は巨大スクリーンに釘付けだ。 友達と楽しく遊んでるから仕方がないのかもしれない。 むつきだってダチとマリオカートで盛り上がってる時に彼女から電話があれば無視もしたくなる。 だがそれでも心が折れると、泣きそうになりながら小鈴を強く抱き寄せた。「誰にも文句言えない立場だけど。小鈴、せめてお前だけでも慰めて。後でまた一杯可愛がってやるから」「ふふっ、嬉しいヨ。親愛的」 愛称で呼ぶと、一瞬では聞き取れない発音の言葉を投げかけられる。 こっそり耳元で夫婦間などで使う呼び名の一つだと教えられた。 もう涙が嬉し涙にさえ代わりそうな中で、ピコンと再びスタートボタンが押された音が鳴った。 別に構わんとばかりに、小鈴に泣きつき頭を撫でられていると何か様子がおかしい。 娯楽室内が急に静まり返り、絡繰の駆動音がキュインキュイン聞こえる程だ。「先生、今超りんの事を何て呼んだ?」 何故か美砂が、今にも大魔神が光臨しそうな覇気を出しながら振り返っていた。 さすがに大魔神は美砂だけだが、アキラも夕映も信じられないとむつきを見ている。 だが先程無視された手前、彼女達が何に怒りを感じているのかさっぱりだ。「何って、小鈴。えっと、名前の前に小をつけるとちゃんって意味だから呼んでくれって」「親しい間柄での特別な呼び名ネ」 小鈴が赤丸ほっぺに何やら悪い笑みを浮かべている。「言っちゃ悪いけど、超りん。後から来て、それずるくない。だったら、私もミサミサとか。可愛い愛称で呼ばれたい!」「アキラ、アキラ……えっと、アッキー。あっ、でも偶に先生、人魚姫って」「ゆえゆえ、いえこれはのどか専用の。ではゆえ吉、おのれパル許すまじ」 嬉しくもない仇名を広げた早乙女に怒りを燃やす夕映はさておき。 ちょっとむつきには理解しかねる三人の沸点であった。 別に特別だからそう呼んでいるわけでもなく、呼んでくれと言われたから呼んだまでで。 ただ、さすがにミサミサとかアッキーとか、歳を考えるとちょっときつい。 ゆえ吉と呼ぶのも冗談は兎も角、ベッドの上では本当に勘弁願いたかった。「そんな恥ずかしい呼び名できるか。小鈴は、別に中国語とか良くわかんねえし。普通の名前みたいだから呼んだが」「悔しかったら中国籍用意するネ。柿崎サンは小美、アキラさんは同音の小明? 綾瀬さんはどちらかというと阿夕、カ」 ニンマリ笑う小鈴に美砂たちはぐぬぬと歯を食い縛るので精一杯だ。 頼めば本当に中国籍を取ってくれそうだが、そこまで咄嗟には踏み込めない。 ならばと狙うはまだ攻略のしようがある、むしろチーズの様に穴だらけのむつきである。「先生、ミサミサって呼ぶまでもうさせてあげない。したかったら呼んで!」「人魚姫は他の人も呼ぶし、私も一度で良いからアッキーって」「何一つさせず、望みのみ言うのも悪女で申し訳ないのですが。私も先生が良いと思った愛称で一度」「お前ら、さっきまで俺を無視しといて。ちょっと嫉妬が嬉しいけど、俺の歳を考えろ。蕁麻疹が出るわ!」 雪崩の様に襲いかかれるも、むつきもおいそれとそんな恥ずかしい事はできない。 必死の抵抗を試みては、えいと胸に触ったり割と楽しんだりも。「おーい、お前らマナーは守れ。このままスタートで再開すんぞ。もう言いや、超お前誰かの代わりに入れ」「そうさせて貰うネ。夫婦喧嘩は犬も食わない。葉加瀬も加わるヨ、結果は記録して後で見れば良いネ」「では失礼して……茶々丸、コントローラー二つに挑戦してみる?」「問題ありません」 コントローラー一つで迷走している雪広がいるというのに。 二位で食い下がっていた長谷川はこの野郎と頬を引きつらせていたが。 後方の四人の夫婦喧嘩には耳を塞ぎ、娯楽室はまだまだわいわいと賑わい続けていた。 -後書き-ども、えなりんです。ミサミサっていうと、デスノートを思いだします。それはさておき。だいたいコイツのせい、という便利な言葉。もちろん、むつき自身頑張ってましたが、だいたい超のせい。間違いなく、背中を押したのは超。そんな感じで四番目のお嫁さんが超に決定です。実際、鈴音をちゃんづけすると小鈴なのかは知りません。雰囲気で書いてますので。ただ、夕映をちゃん付けすると阿夕とか、別人でした。次回からやっと期末試験編。エヴァとかたつみーとか、ザジとかでます。それでは次回は土曜日です。