第四十話 まさか平日にチャンスチャンス? 何故私がこんな目に、彼女の頭の中はその言葉だけに占められていた。 女性教師用の寮で部屋をひっくり返し、大切な物を旅行バッグに詰めている間も。 以前に謹慎処分を受けた理由の顧問としての監督業務さえ放り出し。 身の回りの最低限の荷物と金品だけを手に持って彼女は寮を飛び出した。 通りすがりの顔見知りの教師や、外に出てからは生徒に出会っても顔も見ない。 ただ一目散に、心中で悪態ばかりを繰り返していた。 数々のすれ違った知り合い達が彼女の形相にぎょっと目を見張った事さえ気付かない。 焦りと不安、何よりも怒り。 それだけを胸の内で激しく焦がしながら、最寄り駅を目指して走った。 そのスピードは時折原付きバイクや車さえも追い越し、風を巻き起こしさえした。「何故、私が。アイツさえ、アイツさえ!」 疾走する手足が忙しなく動く中で、思考だけは怒りをトレースして思い出させる。 たった一度の過ち。 いや、あれは過ちなどではない。 限られた普通の部活動と同じだけの時間を練習に用いてどうして強くなれる。 他よりも多く、濃密な練習を繰り返してこそ、だからこそ見て見ぬ振りをしたのだ。 周りから強豪とまで言われるようになったのは誰のおかげか。 一体誰が安い給料で時間と身を削り、教え導き、今の体制を作り上げてきた。 それ程までに愛を注ぎ、厳しく指導をしてきた生徒達さえ奪われた。 素人が顧問になって一体何が出来る、何をしてやれる。 乙姫むつき、いてもいなくても同じ、担当クラスさえ貰えない若造が。「あと一歩だったのに。あの小娘が触れただけで、私の念動力の魔法が破壊されるなんて。あげく、見られた。よりによって闇の福音に!」 学園長の懐刀とも噂される学園最強の人物に見られた。 姿こそ見咎められなかったが、そんなものは恐らく関係ない。 残照する力、発汗する匂い、生徒達の目撃情報。 彼女が少し動くだけでそれら全ての情報が統括され、答えを丸裸に導き出す。 だから少しでも早く遠くへ、せめて麻帆良の外にと駅に辿り着いた。「一先ず東京、人ごみでまいて。海外、出来れば高飛び。無理なら中国地方、対馬から中国へ大陸に渡ってしまえばなんとでもなる」 切符を買って構内の階段を登っていくが、相変わらずすれ違う人々がぎょっと目を丸くする。 一体何がそんなにおかしいと不満を露に睨みつけ、早く来いとやって来るであろう電車を眺めた。 駅に近付くにつれ徐々にブレーキをかけては、減速し始める電車。(馬鹿、ブレーキなんてよい。むしろ通過しろ、私ならそのまま乗れる。一度ついたスピードを消さなくてっ……消さ、消す。スピードを、エネルギーを、魔力を) 脳裏に走る不可解な減少の光景、電車が減速するのを見て何かが頭に走った。 加速した電車を減速させるブレーキ、魔力により得た念動力を消す力。「まさか、あの娘。魔法無効化能ぅっ!」 そんな時であった、無音のままに何か小さく鋭い何かがパシンとこめかみを打ち抜いていった。 目でソレを追うと、足元にカツンと小さな小石のようなものが落ちているのが見えた。 子供騙しの玩具の弾丸、一瞬それがBB弾にも見えたが違う。 足元に落ちたそれは、最初から存在しなかったかのように砂のようなものになって崩れ落ちては消えていく。 魔力は感じない、本当に砂を硬く固めた何かだったのか。 まさかそんなものでと思いつつも足元は確実に揺れている。 自分の意志に反してふらふらと、こめかみに走った衝撃に押されるように線路へと近付いていく。「あぅ、ぁ……」 脳震盪を起こしたように言葉が言葉にならず、直前の閃きも薄れ消えていく。 今はただ助かりたい一心で、せめてと手を伸ばす。 誰かこの手をと、握って線路とは逆側に引き込みなさいと。「間もなく、電車が到着いたします。白線の内側をお通り下さい」 頭上にあるスピーカーからは、お決まりの文句が響き流れている。 だが無情にも誰も彼女の手を取る者はいなかった。 一人、二人は確実に目があったのにおびえたように目をそらされた。 何故手を、助けを求める人間の手を取らない。 この麻帆良を守ってきたのだから、その程度を返す事もできないのかと。 クズが、誰も彼もが分かっていない、学園長でさえ、我々特別な人間の尊さが。 恨み辛みが普段は心の奥底に溜まっていたへどろのような心情を漏れさせた。 そして時は訪れる。 警告を与える汽笛のラッパを鳴らす電車がホームに突入してきた。 ふらつく体は白線の外側、のみならずついにその足がホームを踏み外して線路に落ちる。 上がる悲鳴、連続でならされる汽笛のラッパ、無情にも電車は従来通りにホームを横切っていった。 その光景を遠くの建物の屋上からスコープで見ていた人物は冷めた表情で呟いた。「逃げる前に、鏡を見るべきだったな。如何に自分が醜い顔をしていたか。貴方の心が汚れていたか。因果応報。結局のところ、貴方を殺したのは貴方自身だ」「くだらん結末だ。ありふれた嫉妬と妬み、魔法使いも所詮は人間。おい、これで三億は貰いすぎだろ。情報提供者の私がいなければこの話はなかったんだ。半分寄越せ」「闇の福音がけち臭い。みっともないとは思わないのか」「やかましい。適齢期の同窓生が多いんだ。結婚しては、ぽんぽん生みよって。その度にご祝儀を出さなきゃいけない私の身にもなってみろ」 十五年も中学生を繰り返していればそれも当然で、沖田もその一人である。 彼女は特に特別、初めての一般人の友達で卒業と同時に魔法の世界へ。 エヴァちゃんの吸血鬼を治すんだと魔法医学を習い、やがて挫折して今の夫と出会った。 ぼろぼろと涙を零し、何度もごめんなさいと謝られた夜はまだ覚えている。 彼女の結婚式ではこっちがボロ泣きし、他の同窓生からコスプレかと制服姿を笑われた。 その後で着せ替え人形にされて、フラワーガールをさせられたのは良い思い出だ。 何故かそれ以降、同窓生の結婚式では必ずフラワーガールをさせられるようになっても。「私の時のご祝儀に二億くれるなら一億渡そう」「何をありもしない夢を見ている。喜んで商談成立と言わせて貰おうか」 ちっと互いに商談不成立に舌打ちし、生温い梅雨の風を浴びながら呟く。「貴様、自分の身一つを守れん男の為に怒り、三億出せるか?」「恐らく今頃、三億とケチった自分を心で責めてるだろうな」 なんとも羨ましい事だと、そこまで誰かを愛せる小鈴に二人は心中でのみ羨望を覚えた。 女性教師用の最寄り駅で大事故が発生している頃、むつきはその目を覚ましていた。 場所は麻帆良女子中の少し消毒液の匂いがする保健室、そのベッドの上でだ。 少しぼうっとする頭で天井を見上げていると、ふいに胸が苦しくなった。 理由は不明なのだが締め付けられるような、美砂達と一緒にいる時のそれではない。 誰かに直接心臓を握られたような命を握られたような感触。 理由はわからない、何故自分がここに寝ているかも含め。 ただただ、底知れぬ恐怖と心細さで涙さえこぼれ、シーツを目深にかぶって逃げ込む。「もう、大丈夫ヨ。親愛的」「小鈴?」 頭を撫で付ける手と優しい声に導かれ、シーツを少し捲くりその人を見上げた。 校内で思わず愛称を呼んでしまう程に動揺している自分に気付いたが。 それでも普段の様に学校だからとか、そういった言葉は出てこない。「今は安心して眠ると良いネ。柿崎サン達にもメールしたから、気付き次第」「先生!」「来た、みたいネ」 真っ先にやって来たのは部活中だったのか、チア衣装で汗だくの美砂であった。 一体何と知らされたのか血相変えて、寧ろその顔は青いくらいだ。 小鈴に頭を撫でられているむつきを見て、安心したようにへなへなとその場に座り込んだ。 続々とやってきた夕映や、和泉に付き添われたアキラも動揺であった。 さすがにアキラは水着から着替えていたが、夕映も図書館探検部の活動の為に体操服姿である。 全員が全員、むつきの無事な姿を確認してはへたり込む。 ただし、身に覚えのないむつきは皆の姿を見て安堵するにつれ疑問に思った。「俺、なにしたの。なんで寝てるの? ちょっと頭痛いけど、また風邪?」「ああ、それはエヴァンジェリンがまほ。もとい」 何やらマグダウェルの名前を出して、小鈴が言い直した。「放課後の日本語特別授業の為に、サボタージュのエヴァンジェリンを呼びにいった時、急いで階段を降りてすっ転んだネ」「で、小鈴が見つけて保健室に直行? 格好悪ぃ……」「悪いじゃない!」 俺何してんのと再びシーツに潜り込もうとして、ベッドの上に身を乗り出した美砂に怒られた。 心配したんだぞとその表情は言っており、目尻には涙さえ浮かんでいる。「そうやよ、先生。水泳部のアキラは部活終わるまで気付かないからって私にメールが来て呼びに行ったんだけど、教えた瞬間また溺れかけたし」「亜子、それは秘密にしてって。先生が大丈夫なら、私はそれで。心配はしたけど」「期末が近く、はりきって転ぶなど。子供ですか。心臓が止まるかと思いました。もう少し落ち着いた大人の行動を見せて欲しいです。未だに非常に惚れ難いのです」「ごめんなさい」 今度は別の理由で、恥ずかしくて情けなくてシーツの奥へとむつきが沈み込む。 心臓を握りつぶされる感覚がだんだんと小さくなるのはありがたいのだが。「まあまあ、先生も反省してるネ。それよりも、何か気付かないカ?」「言われて見れば誰もいない。保険の先生も……ベッドに寝てる先生、ちょっと弱り中。まさか平日にチャンスチャンス?」「正解ヨ、柿崎さん。しばらくこの保健室に人が来ないよう細工は流々」「でも部活とかで怪我した子とか」「流々と言ったネ」 ニッコリ笑って美砂やアキラの意見を退け、問う。 美砂の言った通り、チャンスですよと。「何を怖ろしい相談しとる。それに、レイニーデイとかの特別授業が」「委員長サンと葉加瀬が対処中ネ。親愛的の小鈴に抜かりはないヨ。それともこんなにお嫁さん候補がいてまだ足りないと。次のターゲットはザジサン、古、エヴァンジェリンの異国の青い果実というならば」「お前なあ、ちゃんと貰ってやるからそれ止めろ。本当に、家計崩壊が目に見えてる」「言われて見れば……」 ついぽろっと漏らすと、割と冷静な部類の夕映が確かにと呟いていた。 むむむと悩む仕草を見せるが、さすがにそれを理由に辞退は勘弁して欲しい。 仕方がないので、もう小鈴の思惑に乗るしかなかった。 未だに弛緩したように動かぬ体を大の字にひろげ、食わらば食えと死に体だ。「俺も男だ、覚悟は決めた。ぶっちゃけ、まだ怖くて寂しくて泣きそうなので慰めてください」「じゃあ、私フェラしてみたいかな」 そこで真っ先に希望を述べた恋人ですらない和泉はなんなのか。「亜子、そんな無理しなくても。苦いよ?」「無理して言わないやんね、普通。単純な興味やて。先生も気持ち良いやろし」「亜子さん、先生のセックスフレンドを爆走中です。いずれこのままだと、本当の意味でセックスフレンドになりかねないです」「だって私の背中の傷、先生みたいな大人が相手やないと受け入れて貰えへんし。それって外見重視の中学、高校生じゃ無理やん? せめて大学生ぐらいにならな」 自分よりよっぽど肉体関係だけは進む和泉に、割と焦りながら夕映が言った。 その言葉を受けて、和泉は改めて自分の思いを語っていた。 ただ、親友の乱れたお付き合いを目の当たりにしているせいか、付き合うとセックスがイコールで結ばれているようにも思える。 中学生で元彼とそうなりかけた美砂が希少なのだが、ちょっと感覚がおかしい。「心配いらないネ、亜子サン。超鈴音に不可能はない。処女膜の再生ぐらいお手のもの。事実、私も再生医療を駆使して処女膜も再生中ヨ。親愛的との初夜の為に」「それなら別にしちゃってもええ? 黙ってればわからへんし、エッチ上手やったら喜んで貰えるやろうし」 恐らくは、こうして小鈴が余計な事をする為、色々とおかしくなっていくのだろう。「私は勢いで先生と散らしちゃったけど、もうやり直したし。私クンニ」「亜子がいいなら。私も初夜には満足してるから。えっと、亜子と一緒におしゃぶり」「親愛的への奉仕で負けるわけにはいかないネ、フェラヨ」 全員が希望を述べて困ったのは夕映である。 まだ厳密には心の整理がついておらず、まだ好きだとも言葉にしていない状態だ。 時々おでこにキスされたり、イチャついたりもしたが殆ど経験はなし。 だがここでそれではと分かれるほど薄情ではなく、どうしたものか。 これはなかなかのピンチかもと思っていると、助け舟が出された。「夕映、出来れば膝枕して欲しい。ここの枕、お前らに合わせてあるからちょっと低い」「先生がそう仰るのであれば、膝枕で……頭を撫でます」 ちょっとだけプラスアルファを組み込み、まず夕映がベッドに上がっていった。 むつきの頭を手で支えては枕を引っこ抜き、ちょっと苦労して膝を入れる。 そして膝の上にむつきの髪の感触と頭の重みを感じては、ちょっとあたふたと。 エロさは一番したかも知れないが、これは甘さは一番なのではと思ったからだ。 深呼吸まずは深呼吸と慌て、吸って吐いたところでバッチリ眼があった。 これは精神的に嬉し恥ずかし、拷問ですとむつきの視界を遮るように手を伸ばした。「せ、先生、どうです?」「小さな手が気持ちよい、太股も。他に誰もいなきゃ、うつ伏せになってくんくんしてる」「最後、褒め言葉ですか? 意外と悪い気はしないのでいいですけど」 ああ、この人はこういう人だったと少しは冷静になれたらしい。 ただ逆にいつもの様に呆れながら、夕映は出来るだけ心を込めてむつきを撫でつづけた。 様々な負の感情から強張っていたむつきの体も、幾分ほぐれてくる。 その間に、まずアキラと和泉がシーツをどかしてむつきのスーツのベルトを外した。 むしろ和泉の方が楽しんでいるように、二人で一緒にむつきを脱がしていった。 むつきのトランクスもきゃっきゃと笑いながら脱がし、でろんとまだ半勃起中のそれを外気に晒す。「夕映ちゃんが撫でるたびに、びくびくしとる。なんやろ、それに凄い匂い」「まだ大きくならないうちにパクってするのもいいけど。亜子もいるし、ここ。半分個しよう」 そう言ってコレだけは駄目と竿をさすりながら、アキラが玉袋を口に含んだ。 見ててと視線で亜子に合図し、唾液でふやけさせてはもごもごと口内で弄ぶ。 今さらながらに赤面し、ごくりの喉を鳴らしながら、亜子もそれに挑戦した。 最初は恐る恐る、ぺろっと舌先で皺々の袋を舐め。 つんつんと舌先でつついては、ぱくりと口に含んで飴玉のようにころころ転がす。「やば、顔隠してえ。夕映に変な、だらしない顔見せたくねえ。アキラも気持ち良いけど、和泉もなかなか。才能、あるんじゃねえの?」「多少微妙な気持ちですが。気持ちが良いのなら仕方ありません」「んふふ、才能あるって。変な感じ。ちょっとだけサービスやて、ちゅって」「んんぅぁ、亜子。先生のおちんちんにキスしちゃ駄目。今日は、超さんのだから」 あまりの気持ち良さに、動かなかったはずの手を伸ばし二人の頭を撫でる程だ。 むしろもっとやれと、股間に押し付けただけかもしれないが。 鬼畜街道に順調順調とニンマリ笑った小鈴が、むつきの胸の上に跨った。 制服のスカートの中を見せつけるように、真っ白なそれのバックプリントが超包子とはちょっとしたギャグだが。 そのまま体を前に倒して、アキラが手で支えてくれていた竿に唾液を垂らして濡らし始める。「超りんやらしい。それシックスナインって奴?」「そうヨ。本来は親愛的にこのまま悪戯して貰うけど、今日は柿崎サンに譲るネ」「それは申し訳ない」 じゅぶじゅぶといやらしい水音を立ててフェラを始めた小鈴に笑って美砂が答えた。 別に正妻としておおとりを選んだわけではないのだが。 改めてこの光景を眺めるとなんと淫猥な光景なのか。 夕映は膝枕と思うことなかれ、女子中学生の体操服、それも短パンである。 ブルマでこそないが、女子中学生に体操服で膝枕など巨額な金銭が発生する事態だ。 小鈴は語るまでもなく、首を前後に動かして喉の奥にまで竿を受け入れていた。 窄めた頬のふくらみや大きく飲み込んだ時のうめき声などでだいたいわかる。 アキラや和泉も、親友同士でありながら同じ男の玉袋を一生懸命しゃぶり中。「私の大好きな先生、これ本当。変態鬼畜教師だ」 当初は真面目で誠実な人柄を好きになったはずなのだが。 これはこれで、なんと言えば良いか分からない興奮があった。 チアリーディングで爽やかにかいた汗が、瞬く間に別種のアクセントとなる。 美砂は早速、むつきの胸の上を跨り、小鈴の小さなお尻をちょっと押す。 大きなお尻に押されて小鈴は体を丸め、飲み込みすぎたのかちょっと苦しそうに呻いていた。「あはは、ごめんね超りん。お尻おっきくて」「けほっ、今のはさすがにうっと来たネ」 ちょっと笑ってごまかしながら、手コキしながらけほけほいう小鈴に謝る。 そして振り返りなおすと、むつきを見下ろして怪しく微笑んだ。 太股が伸びるチアコスのスカート、汗と染みる愛液で蒸れるそこを捲くって見せた。 夏が近い梅雨のせいだけではない、湿った空気がむつきの鼻腔をくすぐった。 何度も自分の精液を注ぎ、自分の一物とピッタリ重なる発情した雌穴の匂いだ。「あの、柿崎さん。シャワーを、恥ずかしくないですか?」「恥ずかしいけど、先生変態だから絶対好きだと思う。今の私すっごく蒸れてる。ちょっと臭うぐらいかも。召し上がれ?」「美砂、もっとこっち。美砂の匂い、汗の蒸れた匂い」「先生、犬みたいにくんくん。やぁ、恥ずかしい」 そんな言葉とは裏腹に、むしろ擦り付けるように美砂は腰を振って感じるむつきの鼻に割れ目を押し付けた。 スコートの布地が愛液でズレ、肌で鼻先を感じても入れても良いんだよとばかりに。 だからむつきも遠慮なく蒸れた臭い、匂いではなく臭いを嗅いではスコートごとしゃぶりつく。 美砂の花園に、これまで幾度となく蹂躙してきた秘部に。「美砂、美砂もっと美砂!」「先生、いいよ。恥ずかしいけど、先生なら」 狂ったように乱れる二人を一番目の当たりにしたのは夕映である。 特にまだ乾ききらぬ美砂の汗の飛沫が、長い髪を振り乱すたびにかかる。 唖然、茫然としたその視線を感じた美砂が、ぺろっと舌を出してはにかんだ。「ごめんね、夕映ちゃん。先生一人占めしちゃった。ファーストキスは先生にあげたよね?」「えっ、あ……んっ」「最近、ちょっと女の子も好きなんだ。可愛いくて柔らかいから」 待ってという言葉を封殺して、美砂が夕映の頬に手を当て唇を奪う。 唇を合わせながら、蕩けた頭で唇の隙間から唾液を吸い取る。 ディープなのはさすがに可哀想だから、これぐらいと。 半分はさすがに恥ずかしくなってきた、むつきからの愛撫を誤魔化す意味もあったが。 挿入された時の様に腰を振ってはむつきに擦り、上の口では夕映の唇に吸い付く。 時々腰を引いてむつきの視界をクリアにしてはみせつける、二人のキスを。 正妻と恋人未満の、幼くも淫らな女の子同士の浮気現場をだ。 当然、そういう浮気ならもっとやれと、興奮増し増しのむつきである。「夕映、可愛いぞ。美砂とキスする姿が綺麗だ」「綺麗だって。私だってあまり言われないのに、悔しいから窒息死させちゃう」「んぅ、待ってくだ。あふぁ、窒息するです」 美砂の濃すぎる程に濃い匂いと味、さらに時折見せられる美少女同士のキス。 瞬く間に、一物が完全臨戦態勢に入っていく。 嬉しい事態なのだが、面白くない。 特に必死におしゃぶりをして奮い立たせていた三人にとっては。 あれだけ必死に後頭部を抑えて押し付けていた手も、今や美砂の腰を掴んでいる。 正妻故に仕方ないが、それでも悔しいものは悔しいのだ。「ふふ、いけない親愛的ネ。これはお仕置きが必要ヨ」「アキラ、十分濡れてるよね。奪っちゃえ、奪っちゃえ」「超さん、ごめんね。先に先生の貰っちゃう。先生……」 反撃はここからだと背中を押され、アキラがむつきの腰の上に跨った。 そして普段はあまり好きではない背の高さを利用して、覗き込んだ。 美砂のチアコスのスカートが少し邪魔だったので、手で払いのけながら。 美砂と夕映に夢中だったむつきと目を合わせて言った。「私を美味しく食べて」 物欲しそうな顔で開いた唇は唾液で糸を作り、出した舌を指でなぞった。 後で絶対恥ずかしくなりそうないやらしい顔でお願いする。 これでむつきが奮起してくれるのは分かっているが、目的はそれだけではない。 これで恐らく、今週末はこれをネタに言葉責めをされるだろう。 もう一度見せて、あの時みたいにいやらしいアキラがみたいと。 蕩けた表情をしながらも、内心はエッチでいけない子になっちゃったと舌を出す。「アキラ?」 意識を少しでも向けられればと、腰を沈み込めさせ始める。 最近成長を始めた美砂やアキラの胸のように、一回り大きくなったむつきの一物を。 指で開いた秘部の穴から愛液で潤し、肉壁でねぶりながら奥へと。 時間をかけてゆっくりとアキラの中へと沈み込ませていった。「アキラ、ぁっ……柔けぇ、温かくて。アキラの中に」「ぁぅ、太い。手で支えないと、奥まで一気にいったら気絶しちゃう」「狂う、マジで狂う。早く、奥に。キツイ。アキラ、アキラ」 待ちきれないとむつきの腰が暴れるが、コレはお仕置きである。「亜子サン、しっかりアキラサンのお尻を支えるネ。私は親愛的の腰が暴れないようガッチリガードネ」「アキラ、ゆっくりゆっくり。先生、早くアキラの中に入りたいってびくびくしとるけど。ちゅ、美味しいものは味わわへんともったいないやんね」 小鈴と和泉が早期の挿入を許さず、数秒かけて数ミリと絶対に許さない。「先生、美味しい。私のおまんこ、美味しい?」「もう駄目だ、出す。半分も入れてないのに出る。美味過ぎる!」「もちろん、駄目ヨ」「駄目に決まってるやん」 アキラの腰を掴んで突っ込もうとすれば、小鈴が足でベッド脇にガッチリ固めた。 さらには和泉がまだ出しちゃ駄目と竿の根元を力一杯握り締める。 数滴は射精したかもしれないが、無理矢理それを止められてしまう。 なのにさらに小鈴がまだ未挿入部分にキスをしては舐め、和泉がアキラがいなくなり空いた分の玉袋までしゃぶった。 無理矢理止めておきながら、さらに射精を促がし、精液の貯蔵が増えに増える。 玉袋は膨れ上がり和泉の口に直ぐに収まらなくなり、一物がさらにはち切れそうに膨れた。「二人とも待って、これ私も辛い。大き過ぎる、お腹一杯になっちゃう」「ふふ、まだこの辺りだからやっと半分ネ」「さ、触っちゃ駄目、超さん」「小鈴止めろ、出したい。出したいのに!」 触れたのは一物を受け入れぽっこり膨れたアキラの下腹部だ。 普段はそこまで目立たないが、寸止めをされたむつきの一物を受け入れた結果である。 まだ半分あるとアキラの柔肌の上をさわさわと触れた。 これには当然アキラも溜まったものではないが、むつきもであった。 ふにふにと小鈴がアキラのお腹を触れれば、わずかな感触でも一物につたわる。 例え風がアキラのお腹を凪いでさえ気付きそうな程に敏感なのだ。 触れられたのであればもはや、アキラの抜く壁越しに握られたのも同然。「頼む、もう本当に駄目だ。イキたい、小鈴、アキラ。和泉!」「えっ、あの超さん?」 もはや泣き叫ぶほどにむつきが叫び、超がニンマリとアキラの腰を掴んだ。 和泉はまだ不満そうだが、そろそろ可哀想だからと。 掴んだ腰を一気に押し下げ、アキラの中へとむつきの一物を挿入させた。 もちろん、和泉の指による縛りもなく、後は快楽に導かれるままだ。「アキラ、ぐぁ。中に、アキラのお腹にイクぞ」「ひぃ、待っ。熱い、子宮がびゅくびゅく叩かれ、はぅぁ。イクッ!」「まだまだここからネ」 アキラの腰を掴んだまま回転させ、コリコリと子宮口で射精中の亀頭をすり合わせる。 和泉も出したものは仕方がないとさらにアキラの膣を締めようととある部分へと舌を伸ばした。「亜子、そこ汚いのぉ!」「大丈夫、アキラ水泳前に消毒槽入ったし。たぶん……」「死ぬ、これ以上締めるな。打ち止めになる!」 結合部を舐めるようにアキラのお尻に顔を埋めた和泉が、舌を延ばした先。 汚いという言葉が示すとおり、お尻の穴であった。 でもやっぱり苦いと一瞬顔をしかめながらも止めず、ちょいちょいと穴を刺激する。 今までにないぞくぞくとした感覚に、当たり前だがアキラの膣はこれ以上ない程に締め付けた。 長い射精は何時までも終わらず、出したら出したでむつきは泣きそうだ。「死ぬ、本当に死ぬ。助けて、美砂。夕映」「先生、しっかりして。死んじゃだめ。私にも同じ事をして」「柿崎さん、さすがに無茶です。なんだか先生、げっそりしてるです!」 本当にむつきは泣きだしており、そばにいた美砂や夕映に助けさえ求めていた。 大き過ぎる快楽は時に地獄となる良い例である。 一瞬気が遠くなる事もしばしばありながら、分単位で時間をかけて射精を終えた。 命までそのまま終えてしまいそうな気分でさえあった。 なんとか魂だけは現実に引きとめ、むつきは生還を果たした。 精神的にかなりのダメージを受けて泣き崩れる結果となってしまったが。「うぅ、セックス怖い。夕映、もっと撫でてくれ。もうやだ、帰りたい」「先生、あの……縋られて若干は嬉しいのですが。好意がガリガリと削られて。本当に、仕方のない人です。駄目男に惹かれる女性の気持ちが良く分かります」 実際、ベッドの上で蹲り正座する夕映の膝に泣きついていた。 飽きられながらも頭を撫でられ、もちろん一物は萎えっぱなしだ。 麻帆良最強の馬鹿の秘薬でさえ、心のダメージはそう簡単に癒せないらしい。 そして、これではもう続きは出来ないと怒り心頭なのが美砂であった。「私、まだ入れて貰ってないんですけど、どう責任とってくれるわけ?」 大魔神を降臨させ、全裸にひん剥いた三名を保健室の床で正座させていた。 美砂から見て順に左からアキラ、小鈴、和泉と。 罪状の軽さ順に並べては、頭のたんこぶの大きさもそれに比例している。 一応、平日にセックスチャンスを作った為に小鈴は二番目だが、それがなければ三番頭角であった。「もっと強力な超包子特性の秘薬で」「あぁ?」「ごめんなさいヨ」 ふざけた事を抜かした小鈴は、正妻パワーで黙らせ。「ちょっと先生を私だけに夢中にさせたのも悪かったけどさ。先生を慰めなきゃいけない時に、暴走しちゃ駄目でしょ」「うん、ごめんなさい。その通り、だね」「先生、ごめんな」 和泉が謝るもやはり根元を握られたのが記憶に刻み込まれたのかびくりと震えられた。 しばらくは和泉を見ただけで顔を引きつらせたり、ダメージは大きそうだ。「まあ、とりあえずアキラ達は終わるまでそこで正座。先生は私と夕映ちゃんで慰めるから」 せめて手だけでもとアキラは言いたそうだが、ちょっと考えしょんぼり断念。 和泉にこっそり謝られ、私も悪かったからと儚げに微笑んでいた。 一応小鈴も、薬に頼りすぎかと手に持っていたそれを後ろに投げ捨てた。 たまたまデスクの上に落ちたそれのお陰で後日、沖田が三人目を懐妊したのはまた別の話。 またご祝儀かとマグダウェルが手痛い出費に嘆くのも。 美砂は夕映に慰められ中のむつきの背中をそっと撫で付けた。「先生、横になって。可能な限りイチャイチャしよ。夕映ちゃんも抱き枕になるぐらい良いでしょ?」「この先生を見て、断れるとでも。先生、好きなだけ抱きしめてください」「ごめんな、夕映。ちゃんと待つつもりだったのに」「アレ駄目、これ駄目ばかりで男性をつなぎとめられるとは思ってません。女子中学生として、その思考はどうかと思いますが」 さあどうぞと体操服姿で両手を広げたむつきがゆっくりと抱きしめた。 ぽすりとベッドに倒れ丸くなるように胸の中に夕映を抱え込んだ。 その背中から美砂も抱きつき、豊かな胸を背中に押し付け頭を撫でては抱きしめる。「落ち着く、夕映の甘い匂い。美砂、こっち側にこれない? おっぱいのみたい」「はいはい、仕方ないですねむっ君は。お姉ちゃんのおっぱい恋しい?」「すまん、それは止めて。マジで姉ちゃん思い出すから」「あれ好きだと思ったのに。じゃあ、普通にはい、おっぱい」 むつきが美砂のおっぱいに吸い付き、若干夕映が微妙な顔になりつつ。 ベッドの上でもぞもぞと愛を育みあった。 失敗したネと小鈴は苦笑いし、アキラも羨ましそうに指を咥えていた。 そして一人まだ恋人ですらないセックスフレンドの和泉はというと。「最中は五番目でも良いかなって思ったんやけど。うん、もうちょっとだけ頑張れる人が良いかな。エッチは満点なんやけど」 たははとやり過ぎこそ反省しつつも、良い人いないかなとしばらくはセックスフレンドの継続を呟いていた。 -後書き-ども、えなりんです。始発で帰宅とはこれいかに。ちょっと気力ないのです。次回は土曜日です。