ひかげ荘は小さな山の中腹にある為、木々に覆われ真夏はセミの声が途切れる事はない。 夏の風物詩とはいえ少々煩いと、吊るされた風鈴の安らぐ音で緩和しつつ。 夏休み初日の二十六日、ひかげ荘メンバーは寮に帰宅届けを出して早速やってきていた。 寮も夏休みの間は、一度帰宅届けを出せば、本当に帰宅しようが寮にいようが関係ない。 そこは麻帆良学園都市の寮の悪い部分でもあるのだが。 ひかげ荘メンバーとしては、寮とひかげ荘のどちらにも居られるので都合が良い。 皆早速、旅行バッグを手に朝も早くから、ひかげ荘に集った。 ただし、ご飯時でもないのにむつきの命により、全員が食堂に集められていた。 食事の代わりに並べ置かれたのはテキストの山、お箸の代わりに握ったのは鉛筆である。「ちょっと、マジで三日で宿題終わらせるのかよ。初日ぐらい、ゆっくりしようぜ」 期末が終わってそう経っておらず、やる気が出ないと長谷川はテーブルの上にうなだれている。「そうだ、そうだ。イチャイチャセックスさせろ。ただでさえ、最近人数が増えてイチャラブ濃度低めなのに。私の夏の目標は、先生の精液を上の口でごっくんすること」「えっ、目標。あの……私も、亜子みたいにお尻で。三穴制覇、かな?」「少々お二方にくらぶれば低い目標ですが。む、結ばれるです」 ひと夏の素敵な思い出とばかりに、恋人達が生々しい願いを呟いた。 だがもはや記事にもならないと、朝倉が意外と真面目にテキストを進めている。 雪広や葉加瀬、和泉も含む、成績上位者は黙々と。 少々恋に気を取られた面々を置き去りに、テキストを消化し続けていた。 特に成績上位というわけではないが、四葉や絡繰も似たようなものだ。 ただし、長谷川はともかく、美砂達にやる気が起きないのはそれだけではなかった「マクダウェル、喉渇かないか? ジュースあるぞ、ジュース。それとも疲れたなら囲碁、囲碁で気分転換するか?」「ええい、鬱陶しい。貴様のようなへっぽこ棋士など相手になるか。三日で終わらせるのだろう、邪魔だ、あっちへ行け。夏休みの間は対局の予定で忙しいのだ」「うぅ……アタナシアに連絡とってくれよ。酔ってたとはいえ、俺……せめて一言、謝りたいんだ」「復縁は絶望的だろ。知らなかったから仕方ない部分もあるけど、知り合いにセックスした事を大暴露されたんだ。普通、愛想つかされて終わりじゃね?」 長谷川の言葉はもっともだが、何故あの時と頭を抱えながらも諦めきれないのだ。 未だアタナシアは着信拒否のまま。 代わりに連絡を取って貰おうと、マクダウェルに構いっぱなしのむつきである。 だが妹も妹で、なしのつぶてでアタナシアとの関係も一夜にして、元々一夜だけだが絶望的であった。「そんな皆に、朗報ネ!」 ますますやる気を失う美砂達の前に、小鈴がパチンと指を鳴らしながら現れた。 その合図と共に、食堂内の天井近くにとある映像が東映される。 人数分の棒グラフが伸びておりその頂点に皆の顔をデフォルメした絵があった。 さらにその顔絵の上にはパーセンテージが。 小鈴の百が最高で、長谷川の三が最低のパーセンテージである。「小鈴なんだそれ? あと、お前も宿題しろよ」「皆の宿題の進捗率ネ、つまり百パーセントの私は既に終わっているヨ」「よし、見せろ超!」「見せろ、じゃねえ。それは最終手段だ。まずは、お前自身の力でできるとこまでやれ」 誰かの宿題を見る事を全て否定こそしなかったが、そこはむつきも一応は教師である。 長谷川の暴言を退け、できるところまではと座らせた。「超りん、さすがって言いたいけど。どこが朗報なのよ。最終手段が確保されたってのは、確かに朗報だけどさ」「たかが進捗率と侮る事なかれ。初日の今日中は十パーセント枚に十ポイントの入手が可能ネ。つまり、最高百ポイント。二日目は十パーセントで五ポイント、三日目は三ポイント。三十ポイント枚にむつき君人形が進呈されるネ」 何処から取り出したのか、小鈴が十五センチ程度のデフォルメ人形を取り出した。「ですが、たかがポイント表示されたからと言って。先生の姿を模した人形は一つぐらい欲しいですが。三個もさすがに……今日中に終わらせたら百ポイント。十ポイント余るです」「今日中に終わらせれば、残りの十ポイントで特別に一個進呈ヨ。たかがポイント、たかが人形と侮る事なかれ。人形一つにつき、親愛的が可能な限り、願いを叶えてくれるとしたら?」「人形も欲しいけど、先生がなんでもお願いを。今何パーセント、まだ八。あと二十二パーセントで一個、せめて一個は欲しい。けど願いを叶えたらなくなるなら、もう一個」「おいおい、本人の許可もなしに。まあ、可能な限りって制限があるなら。このままじゃ、元から三日で宿題終わらせてそうな奴ばっか終わらせられるだけだし」 良いんじゃねえかと、むつきが許可を出す前に極一部がスパートをかけた。 美砂とアキラ、二人共にイチャイチャセックス、またはお尻でと呟きながら。 さりげに夕映も、テキストのみに視線を落としてシャープペンシルを走らせ始める。 あとは既に五十パーセントを超えていた和泉ぐらいだろうか。 のこり十パーセントで二個目なのだから、やる気はましましであった。「先生に惚れてる奴ら、和泉はまあもういいや。私ら、そんなメリットあるか?」「んー、万が一襲われそうになったら防波堤に?」「人形一つで殿方の性欲が制御できれば苦労はありません」 ただやる気ましましは、長谷川の言う通りごく一部であった。 朝倉が一応使い道を提案してみるものの、役に立つかとばかりに雪広に切って捨てられる。 恋人でない人間には使い道がないよなという結論が出る直前、四葉が立ち上がった。「丁度、三十パーセントです。超さん、お一つむつき君人形をもらえますか?」「ふむ、今直ぐにと言うのは、叶えて貰いたい願いが既にあると?」「はい、前々から少し考えていた事が」 小鈴からむつき君人形を受け取った四葉が、早速とむつきの下へ。 普段彼女は、コック姿や超包子の制服、割烹着と料理関係の服装である事が多いのだが。 半そでのグレイのパーカーにデニムのショートパンツと、割と珍しい私服姿である。 特にショートパンツから伸びるむちましい足は、むちむち好きなむつきには嬉しい姿であった。 そんな四葉がどんな願いを言うのか、美砂達ですら一時手を止め見つめた。「先生、お願いがあるのですが」「頑張ったご褒美だ、可能な限りは努力する」「いえ、それほど難しい事では。少々お高いお店に行く時の保護者をお願いしたいんです。もちろん、お代は超包子の稼ぎから私が出します」「あのな、自分の分は自分で出すよ。分かった、四葉のお願いは高級店とか、保護者同伴が要りそうなお店に、俺について来て欲しいことだな」 確かに、美味いラーメン店や普通の飲食店ならいくらでも行けるだろう。 ただし正装が必須の高級店等、方向性が変われば四葉一人ではいけない。 例え麻帆良最強頭脳である小鈴がいたとしても、難しい事には変わりなかった。 中華料理店であれば、妙なコネで入れそうではあるが。 あと、店長を札束で殴ったりと、少々古臭くも強力な手段にて。「でも他の道って中華を離れておフランスとかそういう意味でもないんだけど。お前、本当に料理作るのが、食べて貰うのが好きなんだな」「先生のお心遣いには感謝しますが、自分で選んだ道ですから」 淀みのない真っ直ぐな瞳での言葉に、降参ですとばかりにむつきは人形を受け取った。 そして、ふと気付くと四葉の後ろには同じくむつき君人形を持った雪広がいた。 ちらりとモニターに視線を向けると既に七十パーセントに進捗率が到達している。 三十パーセントに到達したばかりの四葉とは異なり、二つむつき君人形を持つ権利があった。 恐らく、四葉の願いを聞いて、それから何かを思いついたのだろう。 お先ですと下がった四葉に頭を下げられたあやかが、返礼をしつつむつきの前に歩みでた。「私も、一つお願いしたい事が。この夏休みの、何時でも構いません。ひかげ荘メンバーはもちろん、クラスメイトも可能な限り連れて旅行に連れて行ってください」「おいおい、修学旅行は来年ちゃんとあるんだぞ。ただ、それなら四葉の願いと多少。バス一台借りて、一週間ぐらいかけて日本の美味い物を食べ歩きとかも良いな」「内容はお任せしますわ。先生のご予定に合わせてで構いませんので。ただ、出来ればお盆前が個人的には。多少、強行軍になっても構いませんから」「ああ、俺も水泳部が全国大会行ったらそっちがあるし。お盆前な、スケジュール見直しとく」 四葉と雪広の願いを受け取ると、何時の間にやら長谷川までもがテキストの消化に意欲を見せ始めていた。 特に雪広の願いのスケールが大きく、そこまでの効果がと感じたからだろう。 私語の一つもなく、皆が皆、マクダウェルも含め、懸命に宿題を片付け始める。 むしろ、むつきがうろうろする事は、逆効果なのではないだろうか。 特に苛立たしげにしているマクダウェルにとっては。 二つのむつき君人形を手に、むつきは一先ず食堂を後にする事にした。 教師としての仕事もあるし、本当に一度はスケジュールを見直す必要が出てきたからだ。 既に宿題が終わり、権利のむつき君人形を四つも持つ小鈴を連れて管理人室へと戻っていった。 管理人室のコタツテーブルに座り、既に宿題を終わらせた小鈴を膝の上に。 今日はチャイナ服ではなく、色こそ同じような朱色だがキャミソール姿であった。 その格好にあわせてシニョンキャップも外し、纏めた髪にかんざしのような飾りが挿されていた。 小さな鈴がついているようで、動くたびにチリンチリンと猫のように音を立てる。 ちょっと神楽坂を思い出すが、健康的な太股や肩、鎖骨が眩しく、エッチにも移行し易く嬉しい事だ。 ただし、まずはその前に本当にスケジュールの見直しが必須であった。 キャミソールの上からお腹の肉を摘んだり、ノーブラの乳首を指で弾いたり。 程々に小鈴の相手をしながら、コタツテーブルの上に件の携帯電話を置いた。「活用してくれてるみたいで嬉しいネ、親愛的。葉加瀬がもう終わらせる頃だが、それまでは親愛的を独り占めネ。昨晩のうちに終わらせておいて正解ヨ」「終業式後に、終わらせたんかい。相変わらずというか、むつき君人形とは関係なくご褒美だ。頑張りやさんめ」 綺麗に纏められた後頭部の髪に手を沿え、唇を強めに押し付けた。 ディープでこそないが、やや長めの吸い付くようなキスである。 暑さとは別種の熱さに、元々赤い小鈴のほっぺがさらに赤くなっていった。 そのまま後頭部に添えたのとは逆の手が、小鈴のキャミソールの肩紐を外そうとしたがグッと我慢。 さすがに皆ががんばっている時に、一人だけセックスではしゃぐわけには行かない。 そんなむつきの葛藤とは裏腹に一度唇を離せば程良くできあがり、ごろごろと小鈴が胸板に頬ずりしてきた。「いかんいかん、スケジュールの見直しだった」 はっと思い出し、小鈴を可愛がりながら、スケジュールの画面を呼び起こした。 今年は水泳部の顧問がある為、職員室の待機や教育委員等への提出資料の作成等、夏休みの間の教師としての仕事は少し免除される。 その代わり、水泳部なので彼女達が部活中はプール場に必ず居なければならない。 コレがもう少し別種の、例えばバスケ部等ならば多少居なくても許されるのだが。 それはさておき、近日中のイベントとは何なのか。「二十八日の夜に合コンの幹事、連絡も店の手配も終わってる。あっ、二十七日って夏祭りだっけ」「季節柄、的屋の都合が付かず平日の二十九日ヨ。けれど楽しみにしていると良いネ。改良版、ピンクローターの準備もしっかりとできてるネ」「またあれ、やんのかい。それから三十一日は宮崎とのデート、たぶんそのまま夕映との初夜。特別初心な宮崎とのデートだから、古本めぐりとかそういうのか?」 自動モザイク機能がある為、とりあえず三十一日の部分にハートマークと初夜と記入。「八月一日は、水泳部の地区大会。全国に行ったら、二十一日から三日間。他に、確か五日に佐々木の新体操の大会があるとか、二ノ宮先生が」「ふむ、さすが変態鬼畜教師。まき絵さんのレオタードを視姦しつつ、惜しくも県大会優勝を逃した彼女を更衣室で慰めつつ、その未成熟な体を貪り食うと」「おい、俺の恋人の一人。もう、全く説得力ねえけど。しないから、これ以上嫁さん増やさないから。俺の夏休みの目標は、これ以上嫁さんを増やさない。これにつきる」 この野郎と携帯電話を手に、冗談半分で小鈴を押し倒すと嬉しそうに悲鳴をあげていた。「レイプ、先生にレイプされるネ。キャミもびりびりに破られて、濡れ始めたばかりの膣を指でかき回されそのまま極太のアレを突っ込まれてしまうヨ」 チラチラと、何やら期待の眼差しで見上げてくる。 アキラはどちらかというと苛めてオーラが凄いだけで、特別Mというわけではない。 だが、超は以前から度々自身でもらしているとおり、むつきに束縛されたいM気質だ。 普段美砂達を怖がらせないよう自己制御を特別しているだけに心が疼く。 小鈴が望んでいるのなら、多少乱暴にしても許されるのではないのかと。 心の奥底に住む獣を解放して、愛ではなく性欲のみで小鈴を蹂躙してしまいたい。 いやいや、皆が頑張っている中で自分だけ、小鈴もだがセックスではしゃぐわけにはとまた思いなおす。 しかし駄目押しとばかりに、這って逃げた振りの小鈴が高くあげたお尻をふりふり。 キャミソールのスカート部分をはだけ、わざと見せた朱色のパンツには小さな染みが。「しゃ、小鈴ッ!」「キャー、ネ。心の獣を解放するヨロシ、親愛的!」 わざとらしい悲鳴を上げた小鈴へと、飛びつくように覆いかぶさろうとする。 非常に残念ながら、その時管理人室の襖が廊下側から開かれた。「超りん、むつき君人形四つ頂戴。って、あら」「超さん昼間から一体何を、というか先生ですねこの場合は!」 小鈴自身、多少予想していた事だが、宿題を終わらせた和泉に加え葉加瀬が現れた。 これにはむつきの獣もすごすごと、特に葉加瀬がいるので心の奥に帰っていく。 むしろ襲った場面を見られたと、下半身もすごすごと萎んでいった。 改めてコタツテーブルに座り、小鈴を隣に座りなおさせ一応取り繕う。「はや、速かったな。特に和泉」 思い切りどもってしまったが。「私も超さんと同じで、昨日の夜からばりばり進めてたやんね。アキラはコツコツ派だから今日中はちょっと無理かな? へへ、先生私も混ぜてや」「時間切れ、ネ。もう少しで真・変態鬼畜教師に先生が進化したというのに、残念ヨ。先生に二人でご奉仕するネ」「先生は動かんといて、そのままスケジュール管理」 抱きついてきた和泉が、超と示し合わせてコタツテーブルの下に潜り込んだ。 床にお腹をべったりとつけ匍匐前進。 浴衣姿で胡坐をかいているむつきの股間まで、反対側からコタツテーブルに潜り込んだ超と共に突き進む。 見ていて少し頭を打ちそうだったので、動くなと言われたがむつきは少し体を引いた。 むつきの獣は引っ込んだが、雌豹が二人に増えてしまいもはや抗えない。 こんなに意志の弱い人間だったかと、ちょっと情けなくなった。「葉加瀬、突っ立ってないで入れ。絡繰も勉強中だし、やる事ないんだろ?」「あっ、はい」 これまでなら、研究があるのでとそのまま退室するのが葉加瀬であったが。 自分が乙女である事を自覚してからは、男というか性に関心を抱き始めていた。 少しばかり階段を飛ばし過ぎな気もするが。 今日も研究用白衣姿ではなく、眼鏡もコンタクトにして髪も三つ編みからおろしている。 格好は白黒ゼブラのキャミソールだが、その上に白い上着を羽織って少し清楚に。 まだ借り物の衣装かもしれないが、健康美を強調するよりは清楚な格好が好みなのか。 むつきがぽんぽんと叩いた隣の座布団の上に、正座で座ってきた。「これで真冬であれば、あれネ。可愛い彼女が遊びに来たけど、実はコタツの中ではというシチュ。大変、鬼畜でヨロシ」「超りん天才。セックスフレンドにフェラさせながら、そ知らぬふりで自分は可愛い彼女と家デート。先生やらし」「あの、超さんや和泉さんに比べ私など。まだまだお洒落初心者なので」「お前等、俺の股間で喋るな。しゃぶれ、セックスフレンドに性奴隷。どこまでやったっけ、佐々木が五日に大会あるんだっけ?」 セックスフレンドと言われ和泉が照れ照れ、性奴隷といわれ小鈴が少しぽうっと目元をとろつかせ。 浴衣の帯を解いて、再び硬さを取り戻し始めた一物を取り出した。 最近、長谷川に倣ってひかげ荘内ではノーパンになってきたむつきであった。 脱がす楽しみが彼女達にあるかどうかは不明だが、セックスに移行し易いのだ。 夏の陽気で蒸れやすい陰部に鼻先を近付け、二人が胸一杯に蒸れた臭いを吸い込む。 はあっと陶酔した吐息を漏らし、短く可愛いその舌でぺろぺろと舐め始めた。「お盆前って言ってたし、となると六日以降か。いっそ六日からお盆まで北海道から沖縄まで股にかけるか。お盆に皆を帰さなきゃいけない気もするが。葉加瀬はどう思う?」「えっ、あの何がでしょうか!?」 問いかけから少々の間を置き、ハッと我に返って葉加瀬が聞き返してきた。 その視線は元々むつきの股間に注がれており、和泉と小鈴のダブルフェラに見入っていたようだ。 顔を火照らせ焦る葉加瀬がとても可愛く、思わず肩に手を伸ばしそうになった。 その手を止めたのは、一物をギュッと強く握った和泉である。 寸止めを強行された嫌な過去の記憶を掘り起こされ、体全体が硬直した。「フェラに夢中で忘れとった。先生にこれ言わなあかへんかったんや。先生、さっきの柿崎の言葉忘れたらあかんよ?」「美砂のどれだ?」「イチャラブ濃度低めって、あれちゃかし気味だけど不満しっかり漏れとったやん。セックスフレンドの私が言うのもなんやけど。ちゃんと可愛がったらなあかんよ」 確かに先日もアキラにそっぽを向かれたり。 許されるからといって、少し方々に手を出し過ぎなのかもしれない。 アタナシアの件でマクダウェルに懇願したり、普通ならふざけんなと大喧嘩だ。 大喧嘩でも傷は浅いほうか、それこそ長谷川の言う通り愛想をつかされても文句は言えない。 反省しなければと思っていると、ちゃぶ台をひっくり返すように和泉が言った。「反省して、柿崎達を可愛がるならええ。さ、葉加瀬に手だしや」「止めないのかよ」 お前が言い出したんだろうと、和泉を見るも本人はあっけらかんとしていた。「私は先生が誰と恋人になってもええもん。私が本物の恋をするまでは、エッチでお互い気持ち良くなるええ感じのセックスフレンドやもん」「相手に寛容なのが、セックスフレンドの良い関係ネ。葉加瀬も、科学者ならば好奇心に殺される暇はないネ。むしろ好奇心は全て知り尽くして殺すぐらいで丁度良いヨ」 おい俺の恋人と突っ込みたいが、何気に彼女も四番目である。 葉加瀬に手を出すつもりもないのだが、黙りこくるのも違う気がした。 意識せずに極々、自然体で。「六日からお盆ぐらいまで、十日ぐらい使って皆で旅行って話だ」「はい、それでは失礼して」 そう尋ねなおしたのだが、何やら気合を入れて葉加瀬がすすすと近付いてきた。 一度座布団から降りて中腰になり、むつきが座る座布団の真横に自分のを近づけ座る。 何やら好奇心どころか、むつきを色々な意味で殺しにかかって来ているような。 わざとなのか、素なのかむつきの手元の携帯電話に身を乗り出して覗き込んできた。 格好がキャミソールなのでそれなりに育ち始めている双丘の谷間がありありと見えてしまっている。 さすがお洒落初心者、ビギナーズラックでの攻めが強い。 さらに画面を操作しようと手を伸ばし、腕や肩がぴとぴと接触を繰り返す。 ちょっとむつきがどぎまぎして良い匂いと思っている間に、操作が終わったようだ。「六日からなら、そうですね。超包子の電車を改造してバスに改造を。先生も運転手など煩わしい事から解放されるよう。アンドロイドの田中さんにソフトをインストールして。十分に間に合いますね」「そっちか、そっちのスケジュールか。まあ、収集できる人数次第だけど。生徒を連れてとなると学園長の許可が。他に引率の先生もせめてもう一人欲しいな。高畑先生は外国だし」 ついでにネットで北海道から沖縄まで、四葉が行きたがりそうな高級店をピックアップ。 旅行そのものは雪広の提案だが、四葉の高級店にというリクエストもあるのだ。 今から予約となると難しいかもしれないが、昼間ならまだ空いているだろう。「北海道ならカニだけど、今夏だし。あれ、夏でも旬のカニってあるのか」「私もそれはしりませんでした。お刺身も良いですが、夏にあえて鍋というのも面白いかもしれませんね」 旅行を計画するカップルのように、色々とネットで検索しておしゃべりをする。 ただし、忘れてはならないが、現在むつきは和泉と超のダブルフェラ中であった。 一件普通に葉加瀬と接しているが、時々快感に負けて顔が歪みそうになっていた。 なんだか妙に葉加瀬も一時的な接触、ボディタッチのような事をしてくる。 葉加瀬を左手に置き、右手で持った携帯を二人の間に。 先程からずっと、空いた左手が葉加瀬を抱き寄せる寄せないで葛藤の嵐であった。「葉加瀬、すまん。ちょい我慢の限界。抱き寄せて良い? それ以上、何もしないから」「あの、ずっと待ってたのですが。先生、何もしれくれないので。自信失くしそうにきゃ」 聞くや否や、むつきは葉加瀬の肩に手を回してもたれさせるように抱き寄せた。「前も言ったけど、超可愛い。自信持て、正直美味しそう。あと、俺以外の男にうかつにやんなよ。特に二人きりで、速攻押し倒されるから」「し、しませんよ。こんな恥ずかしい事」「初心な反応が凄く新鮮で良い。こいつらみたいに、エッチなのも好きだけど」 葉加瀬をより強く抱き寄せつつ、二人へのフォローも忘れない。 何しろ今はフェラをされているが、一物を人質に取られたも同然である。 携帯を持ったままで悪いが、気持ち良いぞと二人の頭をそれぞれ撫でた。「んふぅ、んぅんっ。先生、出したかったらいつでもええて」「んぁ、玉袋もぱんぱん。このお口で受け止めるネ、親愛的の性奴隷なら当然」 今にも射精しそうだが、もう少しだけ我慢我慢である。 何時でも好きな時にと普段からしていると、早漏になりそうで少し怖いのだ。「そうだ、もし可能であれば今この場で私もむつき君人形を使いたいのですが」「葉加瀬に俺がしてやれる事ってあるか? 可能な限りだから、一応聞くけど」「あのですね、先生にこのひかげ荘に常駐していただけないかと」「どういうこと?」 それが教師を止めてと言う意味なら断るが、そうではないようだ。「一応、あられもない姿の女性がたむろする場所ですから防衛システムは完備しています」「俺の知らないうちに、ひかげ荘が防衛地点になっている件について。いや、確かにふらふらと浮浪者が来そうな場所だしありがたいかもしれないが。山の中だし」「システムの説明はいずれ。ですが、やはり心の許せる男性がいてくれるのは心理的にも安心できます」「そもそも、なんで先生って教師用の寮におるん? ここから女子中一駅やし、近いやん」 当然ながら当然の和泉の質問に、想定の範囲内だと即座にむつきは答えた。「こんな馬鹿でかい建物に俺一人で居られるか。普通に孤独死するわ。けど、今はマクダウェルが住んでるし、それに付き合って絡繰も。葉加瀬や小鈴は何時の間に地下にいるし」 葉加瀬はパンツ紛失事件以降、あまり麻帆良大の工学部に顔を出さなくなった。 一応件の犯人は停学処分を受けて研究室を追い出されていた。 しかし話が違うと工学部の教授から連絡があったが、葉加瀬の意向だ知るかと言っておいた。 現状、研究室はひかげ荘の地下にもあるし、研究結果報告はメールや電話で十分だ。 つまり現在、ひかげ荘は平日でも稼動中で昼間は兎も角、夜は誰かいる事になる。「夏休み中に引っ越すか。格安寮とはいえ家賃は掛かるし、電気代他も。夏休み中は本当に誰かしらいるし。良い機会だ」「善は急げ、あの調子なら皆遅くとも明日中には宿題終わらせるネ。明日から明後日の夕方までに荷物は全部運び込むネ」 本当に急げだなと思うが、そうでもしなければ夏休み中など無理だ。 なにしろ予定が詰まりすぎていて、うかうかしていると夏休みが終わる。 夏休みといっても、生徒達のであって教師のなどお盆ぐらいしかない。 忙しい夏だこそと携帯のスケジュール張を見ていると、背筋にぞくぞくと大きな波が。 気がついても見れば、会話に加わっていなかった和泉が、竿をかなり深いところまでくわえ込んでいた。 自分の唾液とむつきの先走り汁を混ぜ合わせ、じゅぶじゅぶとわざと音を立てている。 ぐっと射精感を堪えたのがわかったのか、上目遣いにウィンクしてきたのは恐らく小瀬の仕込だろう。「そろそろ、出そう。葉加瀬、ここ。跨ってくれるか?」「はい、失礼して。超さんも、和泉さんも少々失礼します」 胡坐の上を跨がせ、対面座位の格好で葉加瀬を座らせた。 先走り汁と唾液塗れの一物が服につかないよう、一応断ってからお尻を抱える。 先程も香ったが女の子の良い匂いに混じり、柑橘系のコロンか何か。 以前の眼鏡に無造作な三つ編み白衣姿、言ってしまえば野暮ったい格好からは想像もつかない可愛い女の子だ。 ついに和泉はディープスロートにまで達し、小鈴には玉袋をくわえ込み甘噛みされてしまう。 本当日に日に上手くなっていくなと少女達の成長加減に苦笑いしつつ、大事な事だと葉加瀬に尋ねた。「なんだか、妙に積極的だけど。葉加瀬、無理はしてないか?」「今はまだ本当に好奇心ですが。美味しそうなんて言われたの初めてで。先生に可愛いと言って貰えると女の子として凄く自信がつくんです。あの私、可愛いですか?」 自分の胡坐の上、対面座位で見上げてくる女の子に返す言葉など一つしか知らない。「もう、超可愛い。良いか、お前等。こういう純で初心な反応を忘れんな。男はな、馬鹿だからこういうのに弱いんだ。葉加瀬は素だけど、演技だと分かってても嬉しいんだって」 葉加瀬をぎゅっと抱きしめ、性にオープン過ぎる和泉と小鈴を見下ろす。 別にそれが悪いわけではなく、それはそれで好きだが。 時々でも良いからアクセントとして、女の子女の子している所もみたいのだ。 忘れんなよと、左手で葉加瀬を支えつつ、右手で二人の頭をぐりぐり、股間に押し付けた。「あかん、もう限界。出そう」「ぷはっ。超りん、先生を受け止めてあげて。うちは……葉加瀬、ちょっと濡れとる」 小鈴に咥え役を譲った和泉が、葉加瀬のキャミソールの中に手を伸ばした。 角度的に直接は見えないが、むつきが尻を支えていたので作業経過が手で触れることで明らかだった。 それはもう大胆に和泉が葉加瀬の下着を下したのだ。 さらにお尻を支えるむつきの手に和泉の頬が触れそうな程に、彼女の陰部に唇をつけた。「和泉さん、駄目です。そのような所は、んくぅ」「いつでも大丈夫ネ、親愛的。んぅぁ、んっんっ」 無垢な少女から大人へと、和泉の愛撫を受けるたびにピクリと葉加瀬がむつきの腕の中で暴れた。 その表情の変化だけでも十分に楽しく、想像力が刺激され抱き締める力が強くなっていく。 むつきから視線をそらしたのは、大陰唇を強引に開かれたからか。 小さく「ぁっ、ぁっ」と悶えたのは、その更に奥膣の中にまで和泉の舌を受け入れてしまったからか。 愛撫一つ一つに可愛く反応しながらも、むつきに抱きしめられている為に逃げも隠れもできない。 腕ごと抱きしめられている為、顔を隠す事すらできない状態である。「和泉、お前も本当に天才。葉加瀬の可愛い顔がどんどん見える」「先生今はあまり、可愛いなどと。変な、変な感じがぁっ。体が痺れてぅ」「葉加瀬、先生が可愛いやて。きっと、今までよりもっと美味しそうって思っとる」「うん、ちょっと我慢できない。葉加瀬、キスして良い?」 もはや言葉もないようで、顔を真っ赤に目尻に涙さえ浮かべ僅かな躊躇いの後に葉加瀬がこくりと頷いた。 その涙を唇で吸い取った後に、むつきはそっと葉加瀬の唇を奪った。 本当にお洒落に予断がないというか、薄いリップでこちらまで唇が潤いそうだ。 さすがに初めてなので蹂躙系はせずに、長く時間をかけて唇を合わせ続ける。 それだけでも助けを求めるように葉加瀬が抱きついてくれ、より一層その体の高ぶりが手に取るようにわかった。 何時イってもおかしくはない状況で、助けてとばかりに潤んだ瞳で訴えて来る。 もちろん、そんな訴え方を聞き入れる男などいるはずもなく、むしろ逆効果としかいえない。「お前の前ではテレビのアイドルだって十把一絡げ、霞んじまう。可愛いぞ凄く、自信を持っていいぞ葉加瀬」「はい、少し持てそうです。だから、先生もう一度、自信下さい」「くそっ、マジで可愛いなこいつ。喜んで自信やるよ」 瞳を閉じて唇を突き出しながら見上げられ、我慢の限界であった。 ほんの少しだけ乱暴に、唇を押し付けて吸い上げ、舌を唇の中へと侵入させる。 だが葉加瀬も思ったよりは嫌がらず、たどたどしい舌使いで応えてもくれた。 体と同じく和泉の愛撫に震える舌で、お洒落と同じく手探り状態で絡めあう。 ふうふうとお互いに鼻で荒く息をつき、時々アクセントに葉加瀬が体を震わせる。 詳細は不明ながら、どうせまた和泉が愛撫の段階をあげたのだろう。 ならばその分とばかりに、むつきは葉加瀬を愛撫ではなく、愛でることで可愛がってあげた。「どいつもこいつも、本当可愛い。これだけ奉仕されたんだ、一回出したら一杯可愛がってやるからな。夏休み初日に腰抜かすなよ」 ディープキスから普通のキスに戻し、恋人であるかのように葉加瀬の頭を撫で付ける。「これ以上なんてとても。先生、そんな恋人みたいに。駄目、です。大事な所が。私の女の子がとろとろに、ふやけて。和泉さんっ!」「うん、葉加瀬凄くエッチで可愛い。下のお口のファーストキス、うちが貰っちゃった」「親愛的もそろそろ限界ネ。サービス、ヨ。このまま葉加瀬のお尻を汚すネ」 小鈴がフェラから手コキに変え、和泉も譲ってあげるとばかりに葉加瀬の秘部にむつきの亀頭を添えた。 小鈴がむつきの一物をたぎらせるなら、私は葉加瀬の体をとばかりに腰を掴み前後左右に振り回す。 下手をすれば挿入してしまいそうな状況で、むつきの亀頭と葉加瀬の割れ目が一時的な接触を繰り返していった。 ちょっと抱き寄せたり、抱きしめるだけのつもりがずるずると。 むつきの頭も考える事を止め、止まる気力もなく可愛い葉加瀬を心行くまで味わっていく。 ほんの少し、葉加瀬を抱き上げる力を緩め、触れるだけだった割れ目に少しだけ亀頭が埋もれる。 くちゅくちゅと、膣口を探し、穴あらば広げようとばかりに丹念に探索の手を広げた。「葉加瀬、俺がどれだけお前を可愛いと思ってるか。大事な部分にぶっかけるから、これで自信持て。お前は可愛い」「はい、先生。私に自信を女の子としての自信を」「イク、出るぞ。葉加瀬にぶっかけるぞ、イク。葉加瀬、これがお前の自信の元だッ!」「ひぃゃ、熱っ。どろどろと熱いのが、お尻を私の女の子を!」 びゅくびゅくと迸った精液が、葉加瀬のお尻や秘部に射精されては飛び散った。 丸みを帯びたお尻を流れ落ちては、さらに次の精液が付着されまた流れ落ちる。 精液の川が葉加瀬のお尻に生まれるほどであり、その熱さに葉加瀬の目もとも流れ落ちそうな程に蕩けていた。 精液はそのままぼたぼたと畳を汚しながら、それ以上に葉加瀬を汚していく。 だがそうされた葉加瀬は、嫌がるどころか寧ろ誇らしげに。 自分が魅力ある女の子だと強制的に理解させられながら、満足そうに虚脱していった。 むつきの胸にもたれかかりながら、何処にでもいる女の子のようにだ。「お疲れ、葉加瀬。疲れたなら、布団敷くけど?」「すみません、お願いします。ただ、もう少しだけこうさせてください。先生の匂い、凄く安らぎます。理由なんてどうでも良い。そんないい加減な事を考えたのは初めてです」 理解を放り出した葉加瀬を撫でつけ、視線で二人にお願いした。 押入れから布団を出して敷いてくれと。 十二分に葉加瀬を愛でてあやした後に、そこに寝かせてあげる。 お尻は和泉と小鈴が赤ちゃんにするように足を持ち上げ綺麗に拭いてあげていた。 それからお腹を冷やさないよう、しっかりとタオルケットをお腹にかけている間に寝てしまった。 それからむつきは小鈴と和泉を連れ、続きをする為に隣のアキラの部屋に向かった。 -後書き-ども、えなりんです。第二部開始。メインヒロインは、次回。