第六十二話 お嫁さんになりにきました 一足早い修学旅行を前に、ひかげ荘の面々は寮へと帰って行った。 十日間を超える旅行の準備なので、ひかげ荘に持ち込んだ衣類のみでは足りないのだ。 今が夏場であり、暑ければ浴衣で過ごしたりと元々それほど多く持ち込んだわけでもない。 それに持っていくお菓子の買出しなど、ひかげ荘メンバー以外との交流も大事なのである。 だから半徹夜の後でさらに朝食を挟んで昼間までは、管理人室でイチャイチャと。 互いの愛液に塗れてネチャネチャだったかもしれないが、それで解散となった。 それでむつきが完全に暇となるかと言えば、そうでもない。 かなり忘れがちだが、むつきはひかげ荘のみならず周辺の土地の管理者なのだ。 新たな従業員兼警備兵の田中さん達や絡繰の妹達と大掃除である。 個体数が多いのでマクダウェルにも手伝ってもらい、あれやれこれやれと。 上から目線はマクダウェルだけで、むつきはちゃんとお願いしていたが。 普段の性臭の残り香一つなく、ひかげ荘が綺麗になったのは午後五時を過ぎたところであった。 ひかげ荘まわりの山中にまで手を入れ、幾分風通しさえ良くなった気がした。「疲れた。最近忙しかったとはいえ、溜めると碌な事がないな。絡繰の妹達が手伝ってくれるとはいえ、楽を覚えるとまっさかさまだからな」 夕飯も四葉が作り置きをしてくれた為、慌てて用意する事もない。 畳の上に寝転がって伸びをしていると、管理人室の襖が開けられた。「おーい、むつき。すまんが、遊戯室に来てくれ。しばらく旅行で対局できないと連絡したいんだが、やり方がわからん」「そう打てば良いだけか? 特定の操作がいると、いきなりは解らんぞ」「今、対局が終わったところだ。長谷川千雨の言う通りであればちゃっとうぃんどうがあるからそこで打てば良いらしい」「聞いた限りでは大丈夫そうだな。解った、よっと」 早めの筋肉痛で少し体が痛んだが、まだまだ若いとハンドスプリングに挑戦である。 上手く成功しへっへと笑って見せると、それがどうしたと冷たい目であった。 若い子にはこの凄さが解らんかと、マクダウェルを抱いて二階の遊戯室へ向かう。 絡繰はおらず、一人でネット碁をしていたようで画面上に貴方の勝ちです百五十三勝三敗と出ていた。 勝ちすぎだろうと突っ込んだら、その三敗も全てsai@kaoraという人物だけらしい。 当然、勝ったり負けたりと最大の碁敵だと嬉しそうに笑っていたが。 パソコンの前の椅子に座ったマクダウェルの肩越しに画面を覗き込んだ。「なんか凄い勢いでチャットが流れてるけど、いきなり打っていいのか?」「観戦者を含めた対局後の検討だ。別に今日は対した相手でもなかったし良いだろう」「ふーん。明日から十日間、クラスの皆と旅行に行く為に対局できませんっと。これで良いか?」「凄く楽しみにしているようで不満だが、まあ良いだろう」 実際楽しみにしているだろうと、顎で頭上を突きつつエンターキーを押す。 マクダウェルのIDでチャットに書き込んだ瞬間、画面が一切停止した。 あれだけ検討で流れていたログがピタリと、あれ壊れたかと思った。 その次の瞬間、再び一斉にチャットログが流れ始めた。 そのどれもが大体同じような内容で、マクダウェルが喋った事への驚きである。 さらに、次にログが読み込まれようとした瞬間、ブラウザが真っ白になった。 英語でなんとかエラーとあるが、ほぼ素人にそれが分かるわけも無く。「やべ、何もしてないのに壊れた。うんともすんとも、マクダウェルそっちのパソコンは?」「お、こっちもだ。何故急に壊れた……なんだ、他のページは見られるぞ。私の戦績をまとめたサイトがあるのだが。こっちには、ん?」「何々、sai@evaの新たな伝説? プロ棋士を完全撃破、一言喋っただけでサーバダウン。良くわからんが、壊れたのはウチじゃなくて接続先のサイトか」 他にも学生疑惑等、むつきが打ち込んだ文面から想像の翼が広がる広がる。 学生だが強さに反し自己主張の大人しい事から、女学生ではないのか。 誰かが面白半分に「ぅゎょぅι゛ょっょぃ」と打ち込み幼女説まで。 さすがにそれは違うだろと、実際は半分当たっているが否定されたり。 とりあえず分かった事は、ネット碁界ではマクダウェルが大人気だという事だ。「意図は伝わったみたいだし、良いか。それより、マクダウェル。お前少し埃っぽくて汗の匂いがするぞ。飯の前に風呂に入るか?」「うむ、朝から暴れたり珍しく働いたからな。構わんが、悪戯するなよ?」「えっ、俺も一緒に入るの?」「むしろ、入らないのか?」 ちょっと認識のズレがあったが、まあいいかとむつきも了承した。 主に悪戯しないという方向性について、特にである。 マクダウェルに手を出せば、アタナシアに申し訳なさ過ぎるのだ。 湯煙に濡れた岩場に背を預け、タオルを頭に置いて見上げるは満天の星空である。 理系ではないので星座に詳しくはないが、あれはオリオン座とどや顔。 もちろん星座ですらなく、担当教科以外の知識などこの程度であった。 ひかげ荘の管理というか清掃に疲れた体をほぐし、極楽極楽と疲れをお湯に溶かす。 あとは風呂上りに美味しい四葉のご飯を食べてビールをキュッと一杯。 他にやる事はないので、久々にマクダウェルの碁に付き合うのも良いだろう。「いやいや、小生意気な子猫でも。一人じゃないっていいなあ。美砂、アキラ、夕映、小鈴。もう、いいや。亜子、あやか、千雨。結婚しようぜ、子供作ろうぜ。金ないけど」 ああ、俺最低だと思いはするが、どの子も可愛くて好きだからしょうがない。 他に葉加瀬や、どうなるか不明だが桜咲や近衛なども。 副業でも始めた方が良いかもしれないが、一度誰かに相談してみようか。「朝倉は芽がないけど、四葉ってどうなんだろ。凄く支えられてるけど、あいつはあれが普通だし。そこん所、どう思うかねマクダウェル君」「あいつは、和泉亜子の強化版だ。絶対の夢があって、ブレない。しっかりとした自分を持っているから竜宮城でも惑わされない、揺るがない」「そっか、凄いなあいつ。俺はブレまくりだ。美砂一筋だって叫んで、アキラを抱いて。両手に花を喜んだのもつかの間で夕映に手を出して、さらに小鈴まで。夏休みにこれ以上嫁さん増やさんと息巻いて。亜子も千雨もあやかも嫁にしたいって思い始めた」「四葉五月と比べるまでもない。貴様は未だ、未完成だからな。ところで、何時まで見上げている。触れるか、舐めるかさっさと決めろ。それとも足の裏がお好みか?」 全裸で腕を組みそうマクダウェルが言ったのは、互いの位置に意味があった。 むつきは湯船の中から空を見上げ、マクダウェルは岩場の上で仁王立ち。 今丁度、脱衣所から入ってきたのだからしょうがない。 それでむつきはずっと、マクダウェルの幼い割れ目に向かって喋っていたのだ。 中学生になっても産毛一つない、ぴったりと閉じた綺麗な割れ目である。 いくら下のお口といっても、そこから喋るわけでもあるまいに。「思わず見入って視姦しちまったけど、アタナシアの妹にそんな事ができるか。ほら、今日は俺らだけだし体は後で洗え。義兄ちゃんのお膝に座りなさい」「誰が義兄ちゃんだ、誰が。全く、仕方がないから座ってやる。ちゃんと支えろよ」 そう言ったマクダウェルはあろうことかお湯に飛び込み、飛沫がこれでもかと飛ぶ。「ぶわっ、飛び込むな馬鹿たれ」 そのままお湯に沈んだマクダウェルの頭をぺしりと叩き、大人しくしろと座らせる。 夕映とはまた違うすべすべのお肌と、お腹に腕を回し抱き寄せた。 途中、よし反応しないから俺は正常と内心ほっとする。 マクダウェルが沈まないよう気をつけながら、頭に顎を乗せてそのまま喋った。 夕映とはまた違う、ミルクではないが何か甘い匂いと思いながら。「なあ、アタナシア次何時来るの。夏祭りの時は、折角会えたのに有耶無耶になっちまったし。アタナシア、結婚してくれ。ナギの野郎、早くアタナシアの心から出てけよ。あのおっぱいは俺のだ」「そうか、そうか。姉とも結婚したいか、姉は魅力的だからな。どんな所が好きだ、言ってみろ。内容次第では応援してやらんこともないぞ?」 妙にうずうず、頬がにやけそうにぴくぴくしているが、遠くを見ているむつきは気付かない。「ちょっと勝気で意地っ張りだけど、笑うと可愛いところもあって。当然、綺麗だしおっぱい大きいし。情けない俺を引っ張ってくれる姉御肌も、良いねえ。あれ、完璧じゃね?」「そうか、完璧か。全く、貴様べた惚れでは……ええい、煩い。もう少し、今良いところ。耳元で叫ぶな。解った、解ったから止めろ」 なにやら照れ照れと勝手にくねくねしていたマクダウェルが、一人で喋り始めた。 最近、同い年の女の子と交流し、妖精さんは見えなくなったと思っていたのだが。 まだまだ、彼女にしか見えない彼だか彼女だかが見えているらしい。 そんなのより、義兄さんとお話だと捕まえようとしたが、するりとかわされてしまう。 しかも何を思ったのかお湯からあがって脱衣所に向かって歩き出した。「おい、マクダウェル。頭と体、洗えよ。髪の毛洗うの面倒なら手伝おうか? それとも絡繰呼んで洗って貰うか?」「ちょっと待ってろ、直ぐ戻る。それから、そろそろその他人行儀は止めろ。エヴァと呼ぶ事を特別に許してやる。ありがたく、尊敬の念を込めて呼べよ」「なんだ、照れ隠しか。エヴァ、こっちおいで」 可愛いなこんちくしょうと猫撫で声で呼ぶと、ぴしゃりと脱衣所への引き戸が締められた。 まさか照れ隠しでなく、本当に出て行ってしまうとは目が点になった。 可愛がっていた子猫が撫でてくる手を鬱陶しく思って逃げ出したような。 ぽつんと広い露天風呂に残され、胸がキュウッと寂しさに鳴き声を上げそうだ。 あまりの寂しさに、ちょっぴり目尻に涙が滲む。 最近は、甘々で賑やかな事が多いので、かなり耐性が弱くなっているようだ。 あまりの寂しさに、アタナシアも義妹と添い寝ぐらい許してくれるよなと考えた頃である。 良く聞こえないが、脱衣所で何かエヴァが喋っている声が聞こえた。「茶々丸、防衛システム起動だ。魔力寄越せ、なに。何時までそこに居れば良いかだと。起動後に、そこに詰める必要もあるまい。好きに過ごせ。と言うか、お前もそろそろむつきに部屋を貰え。趣味の一つでも見つけろ」 最後の方だけ少し聞こえ、そう言えばと絡繰に部屋をあげてなかった事を思い出した。 本人が欲しいと言わなかった事や、元々地下の研究所にいた事もある。 旅行後は桜咲や近衛も増えそうだし、今一度ひかげ荘内の部屋割りを考える時期か。 まずは正式にお嫁にと言った和泉を一階に、まだ厳密ではないあやかと千雨は現状維持。 いや、もう一階だなんだと拘りを捨てるべきか、全部嫁と思いきろうかという時だ。 ぱっと一瞬空が煌いたように思い空を見上げる。 大き目の流れ星、または何処かで打ち上げ花火でもと思っているとガラリと脱衣所の扉が開かれた。「エヴァ、戻ってき」「親しげに呼び捨てて、私の嫉妬狙いか? どうせするなら、背面座位であの子を貫きながら現れてみろ。それとも、贅沢に姉妹丼なんて考えているのか?」「アタナッぐはっ」 全裸で赤い舌に指を乗せねぶる嫌らしい仕草のアタナシアの突然の登場に、慌てたのが悪かった。 お湯から上がり、岩場を駆け上って駆け寄ろうとして滑った。 鼻っ面から思い切り突っ込み、痛みに目が眩んで頭の後ろからお湯に沈んだ。「むつき、お前大丈夫か。凄い音が」「ファイトォ、一発。全然平気、タウリン配合!」 アキラではないが、泡と消えて溜まるかと再び立ち上がる。 ちょっと鼻血をお湯に流しながら、今度こそお湯を上がって駆け寄った。 だがあと一歩の所で、アタナシアに制止の手を挙げられお預けである。「全く、お前は本当に。慌てるな、今日はちょっと紹介したい奴がいてな。一応知ってはいると思うが妹はあれで病弱でな。病院先で知り合った子なのだ。おい、出て来い」「あの、乙姫先生。二年A組、出席番号一番の相坂さよです。覚えて、いらっしゃいますか?」 アタナシアの後ろから、同じく全裸でもじもじと一人の女の子が現れた。 無理矢理染めた刀子のそれより、白く光の加減で銀にも見えかねない白髪。 日本人らしい、アタナシアがいる為余計にだが、控えめな体形。 小さな背丈や丸い顔、手頃な手のひらサイズの揉み易そうなおわん型の胸。 ただし貞淑さの証のように下腹部だけはタオルで必死に隠していた。 引きずり出された記憶は、結婚を約束したままセックスした夢ともう一つ。 深い霧が晴れたように、出席簿の最初に刻まれた相坂さよという名前であった。「ちょっと前に、妹が病院から勝手に連れ出してお前の授業を受けさせたんだ。その時に妙な薬を使って、お前は夢うつつだったらしいが」「マジで、あれ現実だったのか。現実……え? 相坂、じゃなくてさよ。俺に」「はい、お味噌汁作ります。お嫁さんになりにきました。あの日の続きも、していただけたら。頑張りますので」 カァッと赤くなりながら瞳を閉じ、さよがまたあの日の続きをと言って来た。 もちろん、こちらこそと言いたいがその前に告白しておくべき事があった。 あの時は本当に勢いと言うか、大人しいさよを言うがままに押し倒したのだ。 夢であれば問題ないが、現実であればまず言っておかなければならない事がある。「さよ、俺さ。お前のほかにも、アタナシアだってそうだ。一杯、嫁さんがいて」「何を今さら深刻そうに。私が連れて来たのだから、先刻承知だ。それを踏まえて、嫁になりたいと来たのだ。断れば愛想付かして、二度と私が来ないぞ」「先生、柿崎さんや大河内さん。他にも凄く可愛らしい、今時の素敵な方がいて。私は古臭いかもしれません。けれど、この気持ちは負けません。抱いてください!」「さよ、お前そこまで俺の事を。さよ、さよ……さよ!」 この野郎とさよ目掛けて駆け寄ったは良いが、一本の白くしなやかな腕が差し出された。 丁度ラリアットのようにむつきの首を絞め、ぐぇっとカエルが潰れたような悲鳴があがる。 もちろんそれはむつきのだが、浮き上がった体を抱き寄せられ舐められた。 垂らした途中のお湯に溶けた鼻血をである。 さすがに鼻の穴までは吸い舐められなかったが、出た分は綺麗にされてしまった。 赤い舌をさらに赤くし、ワインでも口にしたようにアタナシアが微笑を浮かべた。「ん、ごちそうさま。むつき、私を忘れるとは生意気な。私の良さをしっかり刻んでやるからな。初心者のさよもいる事だ。二人で可愛がってやろうじゃないか」「そうだな、一緒にさよを可愛がるか。凄く、良くしてやるからな。俺とアタナシアが組めば、瞬く間に昇天だぞ」「先生が求めてくださるのなら、妻として受け止めます。マグ、じゃなかった。アタナシアさんもよろしくお願いします」 そうと決まればと、三人で湯船に戻ろうとまずむつきが岩場を乗り越えた。 それから手を差し出しさよを招いて胸で抱きとめ、次にアタナシアを。 これまた胸で抱きとめようとしたが既に定員オーバーだ。 ごめんと視線で謝ると、ならば対価を寄越せとばかりに唇を奪われた。 魂ごと吸い取られるように唾液を啜られ、思わず腰が砕けそうにもなった。 辛うじてそれが避けられたのは、私も忘れないでとむつきの胸の上でいじいじ指をこねていたさよである。 可愛いなあと相手を変え思い切り唇を奪おうとして、ハッとした。 さよはまだお嫁さん初心者なのだから、アタナシアのように激しいのはご法度だ。 軽く触れるように忘れてないよとだけ伝わるようにキスし、湯船にしっかりと浸かる。「さよは、こっちの膝の上。アタナシアはこっち」「はい、貴方様。失礼します」「和洋折衷か、悪い男になったものだ」「おかげさまで」 湯船の中で胡坐をかくと、左手の膝にさよを座らせ、逆側にアタナシアを。 少し足が絡み合って狭そうだが、そこは工夫を凝らしてなんとか据わって貰う。 さよがそっと肩に頭を傾け、アタナシアが大胆に首に腕を回してくる。 和洋折衷とは良く言ったもので、さよの控えめなおっぱいとアタナシアの自己主張の激しいおっぱいが目の前で踊っていた。 これは本当にどちらから頂くべきか迷うところで、目移りして仕方がなかった。 さよのおっぱいは、こぶりながら形が綺麗で可愛い乳首もそっと置かれ、手のひらで大事に大事に包むように触れてあげたい。 方やアタナシアのおっぱいは、クッションかと思うような迫力で、何もかも投げ出してその谷間に沈みたい、やや乱暴に揉みしだきたい。「おい、むつき。一緒にさよを可愛がるのだろう、目移りしている場合か。全てさよに神経を注げ。一度か、二度で気を遠くにしそうだからな。私とはそのあとでねっとりと楽しめば良い」「了解、と。さよ、キスしようか」「貴方様の望むままに」 左手を袂に引きつけるようにさよを抱き寄せそっとその唇を奪った。 かつての夢のようなあやふやな記憶の中と変わらぬ、小さく柔らかな感触だ。 むさぼりたい、滅茶苦茶にしたいと欲望が湧きあがるがそれでも無茶はなし。 その欲望を受け止めてくれたのは、アタナシアであった。 スッと蛇が肌の上をからみ滑るように二本の腕が体を這って下腹部へ。 欲望の源である一物を顎で飲み込むように、手のひらで包み摩ってくれた。「お前は何処までも優しく、欲望は全てこの私が受け止める。さよを愛し、慈しめ。さながら上半身はさよに、下半身は私だな」「さよ、ちゃんと支えるから暴れないで。少し押し倒すよ」「はい、信じていますから」 じっとしているなど耐えられず、言葉通り腕で支えながらさよを押し倒す。 お湯の中で前屈みに唇から唇を離して、今は桜色に火照る首筋に吸い付いた。 あくまで優しく、キスマークなど持ってのほかとでもいうように。 キスのちゅっという音だけを鳴らし続ける。 一方で前屈みとなったむつきに、アタナシアが覆いかぶさるように背中にもたれた。 ご自慢の胸でマッサージをするように、手のひらは変わらずむつきの欲望を掴んだまま。「あぅ、貴方様くすぐったいです」「可愛いよ、さよ。白い肌が桜色に火照って凄く色っぽい。ほら、腕上げて」「そんな、腋に接吻なんて。ぁっ、はずかしぃ」 自分でも良く解らないが、首筋を降りて胸に行かず文字通り腋にそれた。 無駄気一つないすべすべのそこにキスを繰り返し、鎖骨を通り逆の腋へ。 舌で唾液を馴染ませ、ここなら良いかと一つだけキスマークをつける。 ただでさえ腋などはしたない場所にキスされ、少し艶やかな声が漏れてしまう。 そんな事、できない認められないとキスされた腋とは逆側の手で口元を押さえていた。「やるじゃないか、むつき。さよは、へそも中々に可愛いぞ」「素敵な情報をありがとう、アタナシア。さよ、少し立ってそこの岩場に背中をつけて」「アタナシアさんのおばかさんですぅ」 これから何をされるか、しっかりと聞こえてしまっていた。 弱々しい抵抗の声を上げるも逆らえず、さよは真っ赤な顔のまま言われた通りにする。 必死にそこを隠したいが貞淑な妻にとって夫の言葉は絶対。 せめてと両手で顔を覆い、小動物のように小刻みに体を震わせた。「怖がらないでくれ、さよ。俺はただ愛したいだけだ、さよが可愛いから。余りにも可愛いから。おへそ、んっ。ちょっと苦い?」「嘘、嘘です。ちゃんと洗って、ないかもしれないですけど。苦くなんてないです」 膣に舌を挿入させるように、お腹の奥に続くおへそを舌でぐりぐりとほじる。 舌先に感じた痺れのような苦味は、洗い手が届かない故の垢かなにかか。 もちろん女の子のさよはそれが認められず、しどろもどろに否定する。「お前は本当に変態だな。キスならまだしも、腋、へそと移動する度に硬くなってきているぞ。私の手もお前の先走り汁でべとべとだ」「アタナシア、あまり袋を絞らないでくれ。さよを孕ます前に、出ちまう」「愛する女を前に、早漏は感心しないな。我慢しろ。女をはべらせるには、それだけ女を満足させる義務もあるんだ。そんな事じゃ、さよに愛想をつかされるぞ?」「ぐぅ、我慢する。後で覚えていろよ。アヘ顔になるぐらい、犯しまくってやるからな」 期待していると頬にキスされ、二人きりの会話はそれまで。 むつきはさよのおへそを離れ、くるりとさよを半回転。 背にしていた岩場は今やお腹の下でやや乗り上げるように、むつきの目の前には可愛いお尻がふりふりと。 ああ、はやくこの奥の穴に好きなだけ注ぎたいと喉がごくりと鳴った。 だがアタナシアの言う通りならば、まだまださよを可愛がり足りない気がした。 多少、夕映との初夜に失敗しかけ、凄く痛がらせた事が心に残っていたのかもしれない。「あ、貴方様。駄目です、そこは。そこだけは、き……たなぃ」「凄く綺麗だから。さよのお尻。さよは気持ち良くなる事だけを考えなさい」 両手で小さな白いお尻を割るようにし、その奥にある窄まりへと顔を近づけた。 不思議と嫌な匂いどころか、アレの色も殆どなかった。 多少色は黒ずんでいたがほぼ白に近く、抵抗感なくそこへと舌を伸ばす事ができた。 一本一本皺をなぞるように、十分に塗らしてから奥へと舌をうねらせる。「ぉっ、しりぃ。貴方様の、舌が。ぁぅ、はぁ」「上手いぞ、むつき。私の手でお前が勃起するように。お前の舌でさよが欲情しているぞ。もっと舌を使え、尻穴を優しく拡張してやれ」「さよ、美味しいよ。さよのお尻が美味しい。ほら、もっと奥まで」「駄目、それ以上。お尻で、私。お尻でぇ」 必死に岩場にしがみつきながらも、さよの足は完全に浮いて伸びきった。 腰元も不自然な程に弓なりに、お尻が浮き上がってさらにむつきを誘っていた。 ぴくり、ぴくりと幸せそうなリズムを刻み、津波のような巨大な波の到来を知らせる。 舌はお尻の中なので上手く喋れず、変わりにむつきは薄い若草に触れた じょりじょりと束にするように擦り合わせ、くいくいと引っ張った。「あな、貴方様。私、変に。子種を貰う為でもなく、自分だけ。貴方様ぁッ!」 到来を知らせるリズムは長く、過ぎ去る時は一瞬で、さよは思いのたけを叫び上げた。 愛しい人を呼びながら、はしたないと頭は羞恥で一杯で、押し流される。 そして快楽の波が過ぎ去った後は、力なくくてりと岩場をすべり落ちていく。 はあはあと、まるで岩場がむつきであるようにしがみつきながら。「さよ、可愛かったぞ」 そんなさよを抱き止める様に支えたむつきが、よしよしと湯気に濡れたさよの髪を撫でた。 キスの一つもおでこにしたいが、さすがにお尻を舐めた後である。 うーんと迷っていると、トントンと肩を叩かれた。「んぐぅ」 振り返った瞬間、口を塞がれ温かい液体が流し込まれ舌でかき回された。 洗濯機に放り込まれた衣類の気持ちが分かる程に洗浄され、次は脱水である。 流し込まれた液体はそのまま吸い取られ、アタナシアの口に逆流していった。 最後の一滴まで全て吸い取られた後で、アタナシアがそれを湯船の外に捨てた。 なんというか、マナーが悪いはずなのに妙に絵になるのが困る。 注意する方が場の空気が読めていないようで。「何を呆けている。何の為に口をゆすいでやったと思うのだ。ほら、さよを貸せ。メインディッシュだ。美味しく召し上がれ?」 アタナシアがむつきの腕からさよを奪い、背中側から抱き締め両膝を抱えた。 小さな子におしっこをさせる格好で、自分はそのまま岩場にお尻から乗り上げる。 膝の下から伸ばした両手を器用に伸ばし、さよの幼いともいえる割れ目に添えた。 のみならず、くいっと力を込めて愛液滴る秘部を開いてさえむつきに見せる。 にちゃりと秘部の肉が愛液の糸を引き、同じく開いた花びらの奥には膣口が。「んぅ、あ……なた。さま?」 さよの痴態に目を奪われ固まるむつきの目の前で、さよが遠くから戻ってくる。 当然の事ながら、自分の痴態には即座に気づいて開かれた秘部を隠そうと暴れた。「エヴァ、アタナシアさん。止め、貴方様。見ないで、駄目です。あぁ、見られてます。私の女の子が。はしたない、感じてしまってます」「愛する男に見られ感じるのは当然の事だ。何を恐れる事がある」「そんなはしたない。貴方様に嫌われてしまいます。女の子は貞淑でいないと。貴方様、嫌わないで。見られて濡れる悪い子な私を嫌わないでください」「あれが、お前を嫌っているように見えるか? 私には、発情した雌を孕ませようと盛る一匹の雄にしか見えないが? なあ、むつき?」 ぽろぽろと涙さえ零し懇願するさよの頬に肩越しに頬を触れさせ、アタナシアが囁く。 ほら見てみろと頬の摩擦で視線を誘導し、目の前に雄々しく立つむつきを見せる。 二重の意味で立つむつきは、さよを求め犯そうと涎さえ流していた。「さよ、俺だってお前を見て凄く興奮してる。さよが自分をはしたないって言うなら、俺はど変態だ。さよの下半身を見て、孕ませたいしか考えられない変態だ」 ふらふらと、さよの魅力に負け操られるように、近付いていく。「貴方様、私を」「嫌うわけないだろ。そんな馬鹿な事を二度と口にしないぐらい、可愛がってやる。ほら、入れるぞ。一杯、一杯注いで孕ましてやるからな」「子種を、貴方様の子種をください。えっちではしたない私の中に」 もはや言葉を発する事さえ無粋かと、アタナシアはにやりと笑うのみで再度さよの花園を開いた。 にちゃりと愛液で潤うそこへと、そそり立ち反り返る一物の亀頭を向ける。 散々アタナシアに愛撫されたそれは、自身の先走り汁でてらてらと光っていた。 さらに鈴口から漏れる汁は止まらず、ツッと滴ってはさよの秘部へと落ちていった。 愛液の溜まりに落ちては、ほんの僅かな波紋を描いて混ざり消えていく。 それを見たさよは思う、こんな風に今からむつきと溶けて混じりあうのだと。 その時が訪れ、むつきが腰を押し進め第一の波紋を描くようにさよの膣口を広げた。「んぅ、ぁっ」 体の中から広げられる感覚、さよが慣れぬそれに身を震わせた。「さよ、もう直ぐ一つだ。一つになるぞ」「はい、貴方様。私の中に」 そっと添えるようにさよのお尻に手を沿え、さらにむつきが腰を押し進めた。 ぐにゅりと信じられないぐらいに膣口を広げ、むりやり一物を飲み込ませていく。 夕映程ではないが、さよもまだまだ小さな幼いともいえる体である。 そんな体で漢方で色々と鍛えられたむつきの一物をどんどん咥え込んでいった。 お腹はぽっこりと膨れ、何処まで挿入されたか一目瞭然だ。「さよ、まだ頑張れるか。頑張れるよな、お母さんになるんだもんな」「うっ、はい……貴方様、奥まで。子宮に直接子種を注げる位置までください」「もうちょっと、もうちょっとだぞ」「貴方様、接吻。接吻をしてください、お願いします」 八割挿入した所で途端に進みが悪くなり、さよも随分と苦しそうであった。 快楽も感じてはいるようだが圧迫感の方がまだ強いらしい。 それを忘れる為にもとさよらしくキスを強請り、むつきは無理をしない程度に体を曲げた。 できるだけ負担はかけないように前屈みに唇を伸ばして、さよと求め合う。 しとやか、貞淑にと言ったさよにしては珍しく、激しく求めて舌さえ伸ばしてきた。 それに応えしばし圧迫感を忘れさせてやっていると、コツンっと小さな衝撃がさよの体を駆け抜けていった。「んくぅ」 衝撃の次にふるりと小さな快楽を受け、少しだけさよの瞳がとろんと蕩けた。 だがそれも、まだまだ残るお腹の圧迫感により、覚まさせられたようだ。「まだまだ、要修行だな。どうだ、むつきの。愛する者の一物を受け入れた感想は?」「お腹が苦しいんですけど。辛くはないんです。幸せが、体全体に広がって。貴方様、我慢はしないでください。私の体で、どうか存分に」「さよの中、凄く温かくて気持ち良い。だから、無茶だけはしない」 唇を離す前にもう一度あけキスをして、むつきは上半身を名残惜しいが離れさせた。 さよのお尻に手を添えなおし、腰を引いてずるずるとカリで膣壁を擦りあげた。 お互いの呼吸をあわせ、今度はずぶずぶと再び沈みこませ愛液を滴らせる。 そろそろと言っても過言ではない動きで、ゆっくりと子宮口にこつんと当てた。 決して激しくはない想いやるようなセックスの仕方に、さよは忘れていく。 自分の中を強制的に広げられ拡張される圧迫感を。 こつん、こつんと優しく子宮口を突かれその度に小さく喘ぐ、その連続である。 自分はこんなにも愛されている思われているのに何故だろう。 胸に募る切なさは、もっと激しく求められたい、滅茶苦茶にされたくなってさえきた。「私達女は我が侭だな、さよ」 そんな想いを理解してくれたのは、むつきではなく支えてくれていたアタナシアであった。 両膝を抱える彼女が、手首をクイッと操ると子宮を小突かれるたびにぷるぷる震えていた胸の先端がキュッと締まる。 優しいセックスに目覚め中のむつきは気付かない。 さよの乳首の根元が何か糸のようなもので縛られ、釣り上げられるように引っ張られたのを。「激しいセックスだけだと、愛がないと言う。優しいセックスだけだと、より求められたくなる。こういうのはどうだ、むつきは何処までも優しく、私は激しくだ」「アタナシア?」「むつき、お前はそのままで良い。激しい、サディスティックは私の領分だ」 余りにも細いそれに気づかず、気付かせずちょっと失礼と一度だけアタナシアがむつきの唇を奪った。 その際、二人の間に挟まれたさよがきゅうっと小さく悲鳴を漏らしたが。 今は主役を譲っているのだから我慢しろとばかりに、アタナシアが笑う。 良くわからない顔のむつきは、さよへの思いやるセックスに戻った。 大きく安産型へとマッサージするようにお尻を撫でならが、挿入をゆっくり繰り返す。 アタナシアに言われたようにそのまま、続けていく。「さよ、一杯。お前が一杯気持ちよくなったら、種を中に出してやるからな」「はっ、んきゅぅ。あなた、さ……ぅん」「いいぞ、前は優しく。さて次はサディスティックタイムだ」 言葉通りそこは私の領域だと、アタナシアが動き出した。 何時の間にか両膝からも腕は離れ、何か細い糸のようなものが腕の代わりを。 太股が一部ハムのようになっているが、何時の間にか腕も後ろ手に二本結ばれている。 夫の優しいセックスの裏、ただ本人が夢中で気付いていないだけだが。 アタナシアの手でSMチックにさよが縛られていく。 御椀型だった綺麗な胸も乳首が上に引っ張られ、今や釣鐘型になってしまった。 くいっくいっと引っ張られるたびに、膣への挿入とは別にさよが喘ぐ。「んぅ、ぁっ。切ないのが痺れに、引っぱ。ぁぅ、あぁ!」「さよ、そんなに感じてくれて嬉しいよ。もっと、優しく丁寧に愛するから」「貴方様、ちが。あそこが、優しくされ過ぎぃぁっ」 体中を縛られ緊縛されているのに、乙女の花園は優しく責められ。 アンバランスなセックスを同時にされ、さよの頭は混乱しっぱなしであった。 優しく抱かれているから激しくされたい、だがアタナシアが激しく責めたたている。 ならば優しく求められたいが既にそれは叶えられており、一体自分がどちらを求めているのか。「さよ、私が縛る程度で満足する女だと思ったか?」 なのにさらに混乱を呼び起こすように、アタナシアがさよの耳元で囁いた。 宙吊りにされたさよの背中の上を、すっと擽るようにアタナシアの長い指が滑る。 くすぐり、それぐらいならと思ったさよは甘い。 降りる、どんどん腰さえ超えてアタナシアの指がお尻にまで降りてきた。「アタナシアさん、そこは」「駄目だ」 何一つ言わせやしないと、無情にもアタナシアの指がお尻の穴に埋められた。 夫の慈しむセックスの裏で、お尻の穴に指を入れられずぼずぼと。 貞淑さを胸に秘めるさよを心から苛めるように、背徳感に落とし込めて行く。 さらに埋めた指からアナタシアが糸を幾つも伸ばし、その細い先端でチクチク直腸を突き始めたからたまらない。「ぁっ、お尻。痒い、つんつん駄目です。アタナシアさん」「私に夢中になってどうする、さよ。それはお前を優しく抱く夫、むつきへの裏切りではないのか? それとも、私の方が上手いか?」 そう耳元でささやかれ、ギュッと心臓を握られたかのようにさよは震えた。 快楽ではない、むしろそれは恐怖に近い。 むつきは相変わらず、慈愛にも似た表情でさよだけを想いセックスしてくれている。 なのに自分はその裏で友人のアタナシアに尻を弄られ、気をとられてさえいた。 違う、そう言いたいのに今や快楽の中心はお尻になってしまっているのは事実。 泣きたい、ぽろぽろ涙を零したいが気付かれては全てお終いだ。 この時、ふっと両膝を縛り支える糸が緩んだのは、アタナシアの優しい罠なのだろう。 さよは貞淑さなどという言葉を捨て去り、むつきの腰を足でギュッと抱き締めた。「わっ、どうしたさよ。イキそう?」「貴方様……はげ、激しくしてください。もっと、強く突いて。セックス、私を滅茶苦茶に、貴方様の肉棒で私のおまんこを滅茶苦茶にしてください!」 もはやお尻の快楽を忘れるには、より激しいものを前の穴に求めるしかない。 まさに顔から火が出るようなはしたない、それこそ自分がびっくりするような言葉が出た。 だがそのかいはあったようだ。 さよの口からそんな言葉がとむつきが驚いたのも、一瞬の事である。「さよ」 夢うつつのように名を呼んだむつきが、この日初めてパンッとセックスらしい音を立てた。 自分の下腹部とさよの小さなお尻との間で、響きわたるような小気味良い音を。 当然、そうされれば挿入の最奥である亀頭は、やや乱暴気味に子宮口を叩く。「はぅぁっ!」 さよも優しいセックスから突然の移行に思わず仰け反った。 だがそれが欲しかったとばかりに、お尻のそれを忘れさせてとさらに足で抱き締める。 だからむつきはちょっと勘違いをしつつ、パンパンとさよをリズミカルに突き始めた。「ごめん、さよ。違った意味で独り善がりだったかな。さよは優しいセックスより、激しいセックスの方が好きだったんだ。勘違いしてた、こうだろ。こういうのが好きなんだな」「それもちが、ぁぅっ。貴方様、だめ。言葉が、んぁっ。貴方様、貴方様!」 すっかり勘違いしたむつきが、確かめるようにさよを突き上げた。 毎度角度を微妙に変えつつ、マッチを擦るように膣壁を擦り上げながら。 確かに優しいセックスで膣は柔らかく愛液も潤い、突かれる事だけは問題なかった。 だが今度はその激しすぎるセックスによる快楽に、耐える荒行が待っていた。 何しろ現在もまだ、アタナシアのお尻への責めは続いているのだ。「くっくっく、前も後ろもぐちぁぐちゃだな。むつきも猿のように腰を振って。おっと、胸の糸は外しておかないとな。悟られてしまっては興ざめだ」 タイミング良く、アタナシアが胸を解放した瞬間にむつきが手を伸ばしていた。 当初はそっと包み込むように触れたいと思ったのはなんだったのか。 むしろさよは激しい方がと、可愛らしい小ぶりな胸を手の平の中でぎゅっぎゅと潰す。 元々先端の乳首を縛られていたせいか、不思議とさよに痛みはなかった。 むしろじんわりとする乳首の切なさが解消されたようでもある。「うそ、私……んぅぁ、感じて。激しく抱かれ、ぁっ。貴方様ぁ!」「意外と、本当にそうだったのかもな。貞淑さの裏返し、激しいのが好きなんだよ」 まさかの思いをアタナシアにも肯定され、もはや抗えない。 胸の次に腕が糸から解放されると、その腕でしっかりとむつきへと抱きつく。 足でも腕でもむつきに抱きついて密着し、より深く激しいセックスを求めた。「さよ、嬉しいよ。さよ、もっと激しくしてやるから。それと」「ん?」「忘れてないから、アタナシア。さよが終わったら、セックスしような」 今までずっと忘れられていたと思った矢先、瞳が合ってそう微笑まれた。 ずるいだろそれはとアタナシアは思ったが、胸がキュンと震えたのは事実であった。 さよの密着を手伝うように、間に挟んでむつきへと腕を伸ばし抱きついた。「アタナシアさん、押し付け。奥がごりごり、だめですぅ!」「すまん、私も振り切れそうだ。むつき、私も。セックスしたい、お前と。さよみたいに激しいセックスしたい。お前が良い、良いんだ!」「ああ、待ってろ。明日の事は明日考える。やり遂げるぞ。まずはさよだ!」「貴方様、そんな激しく。目の前がチカチカ、来ます。来ちゃいます!」 皆で一緒にと、むつきがこれまで以上にさよを突き上げる。 アタナシアもさよのお尻を散々弄り回し、早く早く変わってと目的が少し変わっていた。 前の穴も後ろの穴も突いては弄られまくり、もはやさよの目元はとろけっぱなしだ。 よだれさえ唇の端から流れ落ちそうで、ちゅっとむつきに吸い上げられる。 もう、離れられない、体が一つになった以上にもはや心が縛られてしまった。 一生添い遂げようとさよが決心した時、それは来た。「貴方様、イキます。貴方様に抱かれ、イキュ」「さよ、そうか。出してやるからな、孕むまで。いっぱ、あっ!」「貴方様ぁっ!」「むつき、ほらイッていいぞ。イキなさい!」 さよに加え、アタナシアに玉袋を握られ、何かを思い出したにも関わらず我慢できなかった。 待って、出しちゃ駄目だと思っても抗えず、さよの中に子宮の中にほとばしる。 むつきの精液が、さよを受精させる精液が子宮の壁に叩きつけられ広がっていく。 その久しぶりの感覚にさよは体を弓なりに震わせ、アタナシアの胸に後頭部を埋もれさせた。「あ、ああ……中だし、生徒に。さよは嫁だけど、避妊。最近生ばっかで、慣れ過ぎて忘れてた」「何をショックを受けている。私がそれを忘れるとでも思ったか。安心しろ、避妊は万全。お前は今はさよを愛する事だけ考えれば良い」「あり、ありがとうアタナシア。今夜は一杯可愛がってやるからな。もう止めてって言うまで五パーセントはナギを忘れさせてやるから」「余計な事は言うな、馬鹿たれ」 ごちんと殴られはしたが、今はさよである。 むつきとアタナシア二人の間でよがり、遠くに気をやりそうになりながら抱きついていた。 そんなさよへと、まだ続く射精が終わらないままにマーキングを開始する。 子宮のみならず膣の隅々にまで、むつきの嫁の証だと精液を塗りたくった。 ぐにぐに膣壁に、足りないかと思えば無理に尿道の奥から精液を搾り出す。「貴方様、もう無理。幸せ過ぎて、今日はお先に休ませて……」「さよ、おーい。さよ? 気絶というか、疲れちゃったかな?」 しばらくは快楽に酔いしれとろんとしていた瞳が、別の意味でとろんとし始めた。 それに欠片も抗えず、さよはこてんとむつきの腕の中で寝てしまった。 後は頼みますと辛うじてアタナシアにアイコンタクトを送りつつ。「湯疲れもあるかな。俺達もそろそろあがろう、アタナシア。管理人室で、しっぽりといくか。あっ、隣でエヴァが寝てるか?」「妹は一度寝たら起きないから安心しろ。それと、手を出しても良いんだぞ? その、なんだ。お前なら私も色々と安心できるしな。げふんげふん」「エヴァが良いって言ったらな。もうね、俺は来る者拒まず抱くよ。だけど、相手に好意あっての上。それだけが、最後の一線だよ」「安心しろ、それを超えたらひかげ荘の住人全員でお前をなぶり殺してやるから」 なら安心だと、さよを横抱きにして、アタナシアを腕に抱きつかせ。 むつきは続く大人の夜の為に、露天風呂を後にした。