前のあらすじ……断罪の塔でのゲル状悪霊スライムの難民踊り食いに巻き込まれた主人公は、使徒形態で城壁を登り難を逃れたとおもったが、スライムの体に触れたら溶けるという特性により、けっこうピンチになった。
……炎が吐けるようになった。
模擬蝕……黙示録に記された闇の鷹の誕生する蝕の影……それが行われた聖地アルビオンは、長い長い夜があけようとしていた。
空の地平線から、太陽が頭をだし、断罪の塔を照らしていた。
……その地に、ひとりの異形がいた。
猿を思わせる漆黒の体毛をした巨体、黒い鋼鉄のような右手、両肩とその真ん中にある人の頭より大きな目玉。
………その異形の巨獣の頂点にある、まるで虫や甲殻類のような殻のような物がついた人間…
因果に記されていないこの男は、いったいどのような流れを生むのか?…
それがわかるのは、まだまだ先の話。
………凄いだるい………おはよう皆さん、ワイアルドンです。………
………今のはわらうところですよ?
いや~今回はマジで死ぬかと思ったよ。…土壇場で炎が吐けるようになったおかげで、なんとかクソスライム共を退けられたぜ。
俺が炎を吐けるようになったあと、しばらくしてクソスライム共が断罪の塔に
完全に突入し、……こう………うまくいえないが、凄いキモイ巨大アーチみたいになった。
………あれは夢に出るぜ。
で、断罪の塔はクソスライム共の重さに耐えられず、おもいっきりぶっ倒れ倒壊しました。
………いやあ、塔の連中は皆死んだろうな。……ハハハハハハハ。
そのあと日が昇り、クソスライム共は跡形もなく消えた。…あいつらは二度と見たくない。……怖いわ!マジで!…トラウマになったよ。
………そんなわけで見事に模擬蝕を生き残った俺は、使徒の姿のままヤンキー座りをしている。………だって、流石に疲れて人間形態に変身する気力すらない。…
………初めてだよ…ワイアルドに憑依してからこんなに死ぬと思ったのは。
少し自重しよう。
さて、晴れて生き残ったのはいいけど、ただ今この断罪の塔、聖地アルビオンは
あれです、………かなりやばい奴がいっぱいいます。
暗殺一族のパーキラカ…確かシラット?…とかいう奴と、人間にしてはやけに強かったターパサとかがこの場所の付近にいるはずだ。
……それに、多分…いや、絶対ガッツ一考生き残ってるよ。……多分俺のこと築いてると思う。……派手に暴れたし。
………まあ、こんなのは序の口だ。…さらにはあの変な牛馬鹿のゾット君までここにくる………受肉したグリフィスにあいに
………やばいよどうしよう。…グリフィスはやばい、どんな顔して会えばいいんだ。…すごい会いたくないし、
………そもそも俺は、グリフィスや新生鷹の団の奴や、その関係のフラグはマジで勘弁だ。
そもそも俺、同胞(へびくん)殺した所か、食っちゃってんもん。
結論から言うと、こんなやばいところからはとっととずらかろう。早いとこ団員達と合流して、安全っぽい所に身を隠そう。
…もうこりてきた。
そんな事を考えてたからだろうか。
「…うわぁ!」
「なんだよあれ。」
……………………まじかよ。
いつの間にか、黒犬騎士団の面々が、使徒の姿の俺を後ろから見てた。
………しまった。…ばれちゃった。
作者からの一言……断罪の塔での模擬蝕を生き残った主人公…しかし、なんと使徒の姿を団員達にばっちり見られた。…どうなるどうする主人公!
……主人公は変身したので、ガッツとキャス力の烙印にあり得ないくらい反応してます。…なので何かがいると気づいてます(主人公だとはわかってない)