前のあらすじ……団員達と本当の意味で仲間になった主人公は、感動の余り涙が出てきた。
単純である。
辺り一面の瓦礫の山、そこら彼処に潰れた難民達だったもの。
あたり一面に立ち込める血と埃っぽい匂いに咽せそうになりながら、一人、魔を宿す人ならざる男と、その仲間達。
彼らは、褐色肌のクシャーン人、そのなかでも異色の一族、パーキラカと対面していた。
………どうしてこうなった。
えーと、おはようございます、ワイアルドな俺です。……ただ今あのパーキラカな奴らとにらみ合ってます。
あのあと団員達と打ち解けて、自分自身感動したあとに俺は、この死亡フラグあふれるアルビオンこと断罪の塔の残骸からずらかろうとしました。気が利くことに、団員達が荷物をまとめておいたこともあるし、はっきり言って疲れてきた。………眠い。
そんなこんなでアルビオンから離れようとしたら、何という偶然!…あのクシャーンの暗殺一族のパーキラカと都合悪くバッタリ出会ってしまいました。
しかも使徒の姿のまま。
もう団員達に隠すこともないし、自分自身もめっちゃ疲れていたから、そのまま使徒の姿のまま移動していた。…団員達やワイドも、すっかりこの姿に警戒しなくなった。
こいつらが無神経なのか、俺の人徳が凄いのか、判断に困るなこれ。
まあ、ひさしぶりに変身したから、そのリハビリと、ずっと変なポーズで城壁の上にいたから、膝がすこし痺れてたから解そうと思って。
………よく落ちなかったな、俺。
そしたら、もう嫌になるくらいのタイミングであの原作のパーキラカイベントに遭遇。……そしてガッツ一行も、あの髭の騎士………アザンだっけ?…も交え、しっかりいましたが。
…なにやら、俺に烙印が反応してるのか、めちゃくちゃ痛そうにしてて、原作よりも苦戦してた。
……俺らが大人数だから一瞬で気づかれましたが、……一応ガッツとは顔見知りだし、どーせばれてんだから助けてやろうと思います。
とりあえず固まってんのも怠いので、先に動かせて貰った。
「黒犬騎士団!戦闘開始。!!」
「「「「「おう!!!!」」」」」
パーキラカが敵対してるクシャーンだからか、突然の戦闘号令でもすぐ動いてくれたが。……使徒形態での大声ってやばい。…なんか空気が震えて、パーキラカの奴らもびびってるみたいだ。
この姿で怒鳴るのは止めよう。
そんなわけで戦闘突入!…原作ではめっちゃ強いようなパーキラカでも、本当の意味の魔改造した黒犬騎士団の敵ではない。少し苦戦してるような感じだが、それでもこちらが遥かに押してる。
流石我が仲間達だ。…頭として鼻が高い。
「…ヨーウ。ガッツくーん。元気。」
「………………………………」
ガッツに声をかけたが、シカトした上に睨んでくる。めっちゃ睨んでくる。
………何だよ。感じ悪。
逆に、あのガッツ一行の…イシドロ?…が「なんかなめんじゃねー」とか、そんなことを煩くわめいてる。
うるせえな。
「くっくっく…ぼろぼろじゃん、…しかしよく生き残ったな。ガッツくーん。…惚れるぜ。」
視線が痛いからおちゃらけて言う。
「…気色悪いし、気安く名をよぶんじゃねえ。」
さらに睨んできた。…くそ!なんだよ感じ悪いの!反抗期か。
…そんな会話をした時だった。
突然、場に変な空気を感じた。…突然空に白い鳥が大量にあらわれた。
…その瞬間俺は理解した。
そういや、グリフィスおひろめじゃん。
戦闘してたパーキラカや、団員達も腕を止め、ある一端を見てる。
…原作での、人とは思えないくらい綺麗な裸の男がいた。…まるで人形みたいだ。
グリフィス改めフェムトか?……ここまできたらあっちゃうよね。
……怠い。
作者からの一言……あの原作グリフィスとの再開シーンに居合わせた主人公…どうなるかな。