前のあらすじ……主人公は、何となくグリフィス受肉イベントを見学して、隙をみて逃げ出した。
クシャーンの大軍と遭遇してしまった。
「ドおぉぉぉぉりゃゃゃゃゃ!!」
ドラゴン砕きと一体化した鉄の右手を思いっきりなぎ払い、クシャーン兵をぶっ飛ばす。
「ぎゃいああああ!!」 「ぐえええええ!」 「ぎいいいいい!」
俺の鋼のエルボーをくらったクシャーン兵十~二十人くらいぶっ飛んでいって、他のクシャーン兵に馬ごとのし掛かる。
……馬さん可哀想だな。だが、俺のために死んでくれ。クシャーン兵はさっきあって早々攻撃してこようとしたから慈悲など無いわ!
おまえらの命はそこら辺の雑草と変わらんが、俺様の命は地球の百倍はおもいんだぞ!…このボケどもめ!頭が高い!!
使徒の姿のまま戦ってるからか、少しテンション高いなあ。でも、これも悪くない。
「ボォオオオオオオオ!」
怯んで止まったクシャーン兵達にワイアルドファイアーを吹きかけてやった。
「「「「「「「ぎゃいああああ!!」」」」」
俺の愛のこもった業火は、運悪く当たったクシャーン兵を丸焼きにし、地面を黒こげにして、馬を焼き馬刺にした。
対人相手には凶悪な装備だぜ。
そんなわけでクシャーン兵に無双してる俺ですが、無双してるのは俺だけじゃない。
バーボや、その外の団員達もその凶悪な筋肉を汗で光らせてクシャーン兵をボロカスにしてる。
「ぐふふふふ!ひさびざのいぐざだぜ!!」
「あらあらあらあら!!!」
「ぎょふふるふふるふふ!!」
…………なぜこいつらは戦の時、珍妙な奇声をあげるんだろ。癖かな。気味が悪いよ。
そして、俺の愛犬ワイドとサンダーファイアー号も、クシャーン兵に無双している。
「ヒヒヒーン!!!」
ボバギャ!!
「ぐああああああ!!」
サンダーファイアー号は、その最早ふつうの馬ではたどり着けない領域の筋肉をフルに遣い、後ろ足でクシャーン兵を変な甲冑ごと粉砕してる。
粉砕してるのである。
蹴りの当たったクシャーン兵は、体が余りの力に粉砕して、折れ曲がってる。
恐ろしい馬である。…馬に蹴られて死ぬ。てっ日本じゃ言うけど、リアルで見るのは初めてだよ。
「がるるるるるる!」
「ごええぇぇぇ!!」
一方ワイドは、これまた異常発達した筋肉のパワーをつかい、クシャーン兵の首を噛みもぎ取ってる。
そしてその肉をくってる…そんなの食うと腹こわすぞ。
「うぃいいいいいいい!」
鋼の右手を思いっきりクシャーン兵相手に叩きつけ、まるでモグラたたきのように潰す。
運のないクシャーン兵は、悲鳴を上げる間もなく内蔵を撒き散らして死んだ。
いっとくが、俺は悪くないからな。俺の辞書にそんな事は載ってないからな。
……そんなこんなでクシャーン兵をぶっ飛ばしてると、クシャーン共がクシャーン語で何かわめいてるが、不思議となんと言ってるか想像がつく。
この化け物はなんなんだ!…とか言ってんだろ。
…………生憎と、俺も何なのかわかんなくなってるよ。悪いね。
クシャーン兵を馬ごと蹴りながら思う。
俺は、いったい何なんだろう?
………それは、自分がこの世界にきて、ずっと考えてたことである。
本当なら、俺は此処に………いや、ワイアルドはここにはいない、とっくに死んでる。…なのに、俺はここにいるが。……えーい!!今そんな辛気臭いこと考えてる場合じゃない!!!目の前に集中しないと。
人外の男は考える。自分という存在は、何なのかと。
作者からの一言……主人公クシャーン兵に無双!!…しかし、自分が普通の使徒のようにグリフィスに反応しなかった事や、その他諸々のことで自分自身はなんなのか悩みはじめてます。
クシャーン兵に少し書いてて同情するな。
因みに、ガッツはこの騒ぎに乗じて逃げました。