僕は出てきた射出口から地下へと戻り、格納庫へと収納された。「…やっぱ、ナイフ持つとアレですね。志貴さんの影響が大きく出ますね」『あのな…、人をアブナイ人間みたいに言うなよ…』「…人間かどうかも怪しいもんじゃないですか、『師匠』」僕の一言に、画面内の知らない方々が志貴さんから距離を取るのが見えた。『…シンジィ~、お前の所為で危険人物みたいな扱いされたぞっ!?』「…それは僕の師匠だからなんですかね? 志貴さんの元々の危なさから来てるんですかね?」僕は更に言葉を続ける。だが、画面内の方々は、僕と志貴さんの顔を見比べて、各自仕事へ戻った。「…良かったですね、人として認められましたよ」『…その子悪魔っぷりは琥珀さんに似てるよな、お前』「…誉めてる?」『あぁ…、十分な』僕は志貴さんの後ろで、目を光らせている琥珀さんを視た。『シンジ君、降りてきて貰えるかしら?』赤木さんの言葉に、僕はちょっと考えてから返事を返す。「あ~、ちょっと母さんをひねり出すので、ちょっと待ってて下さい」僕はそう言うと返事も訊かず、目を閉じて精神集中に入った。まず、母さんの魂に干渉…母さんが送るイメージを頭に描く形を創る…はっきりとイメージできた所で、初号機に同時干渉…初号機が取り込んだ力を使い、形にする…スッ…全ての工程が終わり、目を開ける。すると、LCLに浮かぶ若い女性の姿が目に入った。『エ、エントリープラグ内に、生命反応が二つ!?』『そ、そんな…、碇、ユイ…』愕然とした表情で、赤木さんは母さんの姿を眺めていた。「それじゃ、母さん抱えて出ますから。どうせ検査とかするんでしょうからストレッチャーを用意しておいてください」僕はそう言うと、着ているカッターシャツを脱いで、母さんに着せてからエントリープラグを排出した。コツ、コツ、コツ…。クルッコツ、コツ、コツ…。「…赤木さん、入っちゃいますよ?」ストレッチャーで運ばれてから、母さんの意識が戻ったという連絡を受け、僕達は赤木さん、葛城さんと一緒に母さんの病室の前に来ていた。「…そ、そうね…。早く入らないと…」そうは言うが、赤木さんは一向に入ろうとしない。いい加減じれたので、僕は病室のドアを叩いた。トントン「…はぁい」中から、欠伸をかみ殺したような返事が聞こえる。その返事を確めてから、僕は病室へと入った。ガラララッ「…失礼しま~す」僕達はゾロゾロと母さんの寝るベットへと近づく。「…いらっしゃい、シンジ」「…おはよう、母さん。といっても今は夜だけどね」僕達は軽く挨拶を交わすと、病室の個室に備え付けてあるソファーに腰を降ろした。「…シンジ、そちらの方々を、紹介してくれない?」母さんはそう言うと、僕の横に座っている人達を一瞥した。「…ん~と、今、僕と一緒に生活してる遠野一家」「…シンジ、説明短すぎ」アルクさんに突っ込まれてしまった。「どうも、初めまして。遠野志貴です」「私は義妹の遠野秋葉です」「…遠野家使用人の翡翠と申します」「同じく、遠野家で家政婦やってます琥珀です~」「もう一人、遠野四季っていうのもいるんだけど、今はお留守番してもらってるんだ」今頃さつきさんと仲良くお風呂でも入ってるんだろうな~。「どうも、ご丁寧に。シンジの母親の、碇ユイです」遠野家一同のご挨拶に、母さんは頭を下げた。「それで、こっちの人が…」「ん~、私も? 私はアルクェイド・ブリュンスタッド」「私は知得留=エレイシアです」…シエルさん、その偽名はやっぱ辞めたほうがいいと思う。「こちらの二人も、遠野家で一緒にお世話になってたりならなかったり…」「うぅ~ん、ちょっと母さん、意味わかんないかな?」なんとなく、軽いノリで母さんとの会話がスタートした。