………そこからの説明が、僕には意味が判らなかった。僕は、おじさんの家に行く途中で、何かの事故(ここで何故か青子さんと少年がぎゃあぎゃあ騒ぎ出した)に巻き込まれちゃったらしい。そこで、偶然(ここでは燈子さんが青子さんと少年を睨んでいた)に通りがかった青子さんと少年――志貴さん、と言うらしい――に助けてもらって、ここに連れて来て貰ったみたいだ。「…それでね、君、凄く死んじゃってたのよ」…突然、そんな事言われても、僕は今生きてるし……。「だからね、君の『魂』を君の肉体と再構成させた身体に入れ替えたんだけど、まるっきり血が足りなくってね。そこのお兄さんの血を分けてもらったの」『魂』とかはよく判らないけど、輸血って事かな? とにかく僕は志貴さんに助けて貰ったらしい。「…あの、ありがとうございます」「えっ……、う、うん…。ま、まぁ、助かってよかったかな? ハハハ…」最後の笑い声が、わざとらしかったの感じたのは気のせいかな?「それで、君、どこかおかしな所ない?」燈子さんは、優しい笑顔で僕に語りかけてくる。確かに変な所はあるけど…、言ったら怒られないかな?でも、訊かれた事には素直に答えなさいって、母さんもいってたもんね。「…あの、なんだかお姉さん達の身体に、その、黒いラクガキが…」…僕の一言で、部屋の空気が凄く重くなった気がする。僕は、なんとなく自分の言った事がいけない事のような気がして、言葉をまくし立てる。「あ、でもでも、その、お姉さん達だけじゃなくって、カーテンとか、部屋の壁とかも……。このラクガキ、なんですか?」……それからは、凄く大変だった。「…という訳で、碇シンジ君。君にはこの遠野志貴くんと一緒に生活して貰います。でも基本的には志貴くんのお友達のお姉さんと一緒だけどね」なんだかよく判らないけれど、僕はおじさんの家に行かなくても良くなったみたいだ。僕の目がおかしくなったのは、志貴さんのせいらしいんだけど、志貴さんのせいじゃないらしい。よく判らない。「先生、僕学校があるし、有間の家もあるし、協会の事も…」「志貴、これも修行よ。人助け人助け」「……ふぅ、まぁいいですけどね。なんだかそういう訳らしいんだけどさ、よろしくな、シンジ君」志貴さんは、僕に爽やかな笑顔を向けてくる。そういえば、今僕がかけている眼鏡も、志貴さんから貰ったものだ。なんだか、迷惑をいっぱいかけてる気がする。「…その眼鏡の事なら気にしないでもいいんだぞ? まぁ、今後俺みたいに眼鏡は必要なくなるだろうけどな。」再び、志貴さんは爽やかな笑顔を僕に向けてきた。「……よろしく、お願いします。えっと…、遠野、さん」「…志貴、でいいよ。シンジ君」「………はい、志貴さん」僕は志貴さんと、握手を交わした。