病室の中は、木漏れ日が差して白かった。ていうか、壁が白すぎ。まぁ病院だからしょうがないんだろうけど。そして、その病室で寝ている彼女も白かった。肌が真っ白で、日の光を受けて白く輝いている。シエルさん以上の白さ。髪の毛は青い。そして、目が赤かった。アルクェイドさんは紅って感じだけど、この子の場合はうさぎの目みたいな赤だなぁ、とか一人で考えていた。「…何?」なんとなく無愛想だけど、この子が言うと神秘的な感じがする。「あぁ~、怪我、どう? 昨日傷口開いていたけど…。 腕のギブスとかは取れてるんだね。 じゃぁ内臓も問題ないかな?」「…問題ないわ」「そっか~、僕も治癒に手を貸しても良かったんだけど、さ。 イロイロあってね」僕の何気ない言葉に、彼女は首を傾げた。「まぁ、どうでもいいか、そんな事。 …とりあえず自己紹介。 僕はシンジ、碇シンジ。ヨロシク」「……碇?」「そ、碇。碇ゲンドウと同じ苗字の碇。一応親子」「……碇司令?」「んだよ。NERV総司令碇ゲンドウの今の所息子って事になってる。 …とまぁそういう訳なんだけど、さ」「……何?」僕はそう言うと、訝しげに見つめてくる綾波の横に立ち、未だに包帯が巻かれている上半身のパジャマを脱がす。パサッ「………」彼女は何も言わない。まぁ何か言われても無視だけど。「フンフフ~ン♪」僕は鼻歌を口ずさみながらポケットから塗り薬を取り出し、巻かれている包帯を同じくポケットから取り出した蒼崎燈子製作、碇シンジ専用の特製刃物『万能君三号』(魔刀・眞)でさっくりと切断。ハラリそんな音が聴こえそうなほど軽やかな切れ味。流石燈子さん。「たびぃ~ゆけぇ~ばぁ~♪」何となく短歌を口ずさんで傷の上に塗り薬を塗る。ヌルヌルヌルヌル「…っと、これで、あ・と・はぁ~♪」そう言って、今度は薬を塗った所の抜糸をして、上に手を翳して精神集中。薬にはなんだか知らないけれど局部麻酔の効果があるっぽい。掌に力が集まるのを感じて、じんわりと垂れ流す。じわじわじわじわじわじわ「…こんなもんかな?」目を開けて、傷口が塞がってるのを確認してから、彼女が着ている病人服って感じのモノを着せる。「よし、おしまい。これですぐにでも動けるっしょ」「………何故?」「…なにが?」「………痛くない……何故?」「う~ん、なぜでしょう~?」僕はそう言いながら塗り薬と万能君をポケットにしまう。「とりあえず、さ。立ってみて」僕はそう言って、彼女の身体を起こした。そしてそのままベットの脇に降ろす。トンッ「…さ、歩いてみて」僕がそう言いながら彼女の背中を押すと、とてとてとニ、三歩歩いてから、彼女が振り向いた。「……問題ないわ」「…そ。じゃぁ服に着替えて、退院しよう」「……わかったわ」う~ん、なんか翡翠さんと話してるみたいだ。…普段は無感情って感じ。でもアレで実は感情の起伏は激しいしねぇ。そんな事考えてたら、綾波が目の前で服を脱ぎ始める。とりあえず、紳士的に、自分の目の前のカーテンを閉めてみた。「……乙女の柔肌は刺激が強い」…こういう言い回し、琥珀さん好きだよなぁ…。「………何?」意味を判ってくれませんでした。「…とりあえずちゃっちゃと着替えちゃってください」「…判ったわ」僕は服が擦れる音を聞きながら、考える。………家って、NERVに用意させればいいんじゃないのかな?