「……それで、どうしたの?」「別に、そのままお別れですよ」「……酷いのね」「まぁ、綾波に関してはシビアに行かないと。 碇司令崇拝者ですからね」「…それって、皮肉?」「それはないですよ」病院を出てから、そのまま黒服の車に乗って、NERVまで連れてきて貰った。で、赤木さんの執務室でコーヒーブレイク。「…それで、なんでそこまで詳しく知っているのかしら? そんな10年も前の事を」「…昨日ホテルに戻ったら燈子さんから手紙が来てましてね。 僕と燈子さんに繋がりが出来てから五年間ぐらいはゲヒルン、人工進化研究所、NERVの事は調べていたようですよ。 それで、綾波に関する事は教えて貰いました」「………地下の、第二使徒は?」「あれは、力を感じるからです。地下から。 初号機、そして零号機からもちゃんと力を感じますが、地下から感じる力は、それらとはまた異なるんですよね。 まぁ、力の大きさって事になると初号機のほうが上ですけれど、地下のほうは異質なので」「……そういう能力、どうやって身につけるわけ?」「…一回死んで、それからも何度も死にかけながら戦ったりしてれば、自然と身につきますよ。 …赤木さんもやってみます? 使徒よりも異常な力を持っている化け物との戦闘」「……遠慮しておくわ。まだ死にたくないもの」「懸命な判断です」僕はそう言うと、コーヒーを一口飲む。「…それで、ご用件は?」コーヒーを飲んでから、僕は赤木さんに聞いてみた。「えぇ…、先日の使徒戦で、シンジ君、目が蒼くなったじゃない? …アレはどういう事?」「あぁ、アレは、魔眼や浄眼と呼ばれるものです。 僕の能力の一つって感じですかね。 …ついでに言うと志貴さんも同じ能力を保有してますけれど」「…その、魔眼? それになると、どうなるの?」「う~ん…、簡単に言うと、『死』が視えるんです」「……死?」余りにも漠然とした言い方に、赤木さんは首を傾げた。だけど、他に言い方が無い気がするけど…。「うぅ~ん、モノの『死』ですね。 視えるものを言うと、『線』と『点』です。 アルクェイドさんが言うにはそれは『モノの死に易い線』と『その死』らしいんですけれど。 とりあえず触れられるものならなんでも、在るモノなら何にでも見えますね」「…なんだか、漠然としているけれど、何となく判ったわ」「そうですか…。 アルクェイドさんに言わせると化け物らしいですね。 全く、本物の化け物に化け物って言われたらどうしようもないじゃないですかねぇ」「………その、アルクェイドさんて、金髪の方よね? あの人が本物の化け物って、どういう事?」「…あぁ、アルクェイドさんはですねぇ~。 まぁ、簡単に言うと『使徒』と似ているけれど異なるモノですか? 使徒と同じように地球から作られたんですけれど、その役割と力は異質です。 使徒、とりあえず今の時点でそれをエヴァに置き換えますけど、エヴァは人間との遺伝子と99.89%酷似しているんですよね? それは使徒も同じでしょう。 …でも、アルクェイドさんの場合はそれが一桁から良くても30%ぐらいした同じ部分はないんじゃないですかね?」「……えっと、使徒よりも人間から離れているという事?」「そうです。 そして、アルクェイドさんの役割は、地球という生命の触覚、触手という機能ですね。 最も、それがどういう事なのかはいまいち本人も判ってないみたいですけれど。 そういう訳なので、その力の源は地球という生命全て、って事です。 昔はアルクェイドさんと同じような真祖という超越種がもっといたらしいんですけれど、アルクェイドさんが人間の男に唆されて、当時その超越種の中で最高の力を誇っていましたから、全員殺しちゃって、今はアルクェイドさん唯一人だけらしいです。 あ、でももう一人真祖と死徒のハーフのアルトルージュさん、ていう人も居たから、二人かな?」「………ごめんなさい、よく、判らないわ」「うぅ~ん、まぁ簡単に言っちゃうと、アルクェイドさんは使徒以上の化け物って事です。 …あ、でもそのアルクェイドさんを殺せるのは、僕か志貴さんだけっていってたしな、そうなると僕達のほうが…、でも純粋な力で言うと絶対アルクェイドさんには勝てないし…。 あ、それでも二人がかりだったら絶対に僕達が勝てるしな…」「………と、とりあえず、もういいわ…」赤木さんは疲れたような顔をして机に座り込んだ。「…一応聞くけれど、他にそういった人って、いないわよね?」「…そうですねぇ~、青子さんや燈子さんは、アルクェイドさんを怖がらせるだけの能力を持ってるし、秋葉さんも魔物、まぁアルクェイドさんのような超越種との混血だし、シエルさんも何だかんだで蛇の呪縛を逃れたけど地球の影響受けてるし…、まぁ第三に来てる僕の『家族』で比較的人間なのは翡翠さんや琥珀さんぐらいですかねぇ」「……あの双子の二人も、何かあるの?」「まぁ、僕達に比べたら大した事はないと思いますよ。 契約した相手の力を増長させたりとか、自分の体力とかを分け与える事が出来たりとか、そんぐらいです」「……そ、そう。良かったわ…」それだけ言って、赤木さんは机に突っ伏してしまった。