「…学校、ですか?」「そ、学校。前の所でもちゃんと通ってたでしょ? いくら現実離れした私生活を送ってても、ちゃんと学校は行かないとダメよん」「…一応、通信教育で大学は卒業してるんですけれどね」「…ま、まぁそれは予想の範囲内。 一応ホラ、日本って義務教育じゃない? だからさ…」「…まぁ、いいんですけど。 確かにこちらで生活する以上、世間との交流は大切ですからね」「まっ、そういう事で納得して頂戴」「へいへい」「返事はいっかいっ!」「へ~い」「…本当、普段のノリは突き抜けてるわね」「よく裏表がありすぎるって言われますよ」「…遠野志貴君もそうなの?」「……あちらのほうが、酷いんじゃないですかね」「…納得」ケイジでブチ切れた志貴さんを思い出したのか、葛城さんは納得してくれた。あの「七夜モード」を観たら、誰だって納得するよなぁ…。「それで…、いつからですか?」「ん、一週間後よ。こちらで用意はちゃんとしておくわ。 ……それで、ね。モノは相談なんだけど…」「…なんですか?」「……教師? アルクェイドとシエル先輩が?」「えぇ、どうにも人手不足らしいんですよ、ここらへんの学校」「…まぁ、無理もありませんけれど」ホテルの豪華スイートルームで、一週間後から学校に通う事になっている僕、志貴さん、秋葉さんの三人で作戦会議。「それで、何て言うか、碇ゲンドウ直属の諜報部の意見もあって、監視対象はできるだけ纏めたほうがいいだろうって事で」「まぁ、そこで下手に抵抗して何か勘付かれても面倒なのは確かだな」「…確かに、それは面倒ですわね」決して困る訳ではない所がミソだな。「で~、ですね。とりあえずアルクさんとシエルさんのお二人は、志貴さん達の通う第一高校に行って貰って…」「…シンジ、それは学校が大変な事にならないか?」「…確かにそうですわね。…けれどシンジの中学校に行かせても…」「…勝手に高校に乗り込みそうでしょう?」「…………十二分に有り得るな」「ですから、ここは初めからそういう風にセッティングすれば…」「…そうすると、翡翠と琥珀が文句を言いそうですね」「あ……、確かに。でも二人には家の掃除とか、そういう仕事が……」「問題ありません」「問題ないですよ~」……どこから飛び出てきたのか、翡翠さんと琥珀さんが部屋に入って来ていた。「……で、なにが問題ないの? 二人とも」長年の慣れなのか、さして驚いた素振りも見せず、秋葉さんが二人に聞いた。「えぇ、実はですね。今日四季さんから電話がかかってきた時に、こんな事もあろうかと、こ~んな事もあろうかとっ! メカ翡翠ちゃんを2体ほどこちらへ送ってもらうように手配しておいたんですよ~」「………随分と戦力増強しましたね」「えぇ、備えあれば憂い無しですっ!」志貴さんの唖然とした言葉に、自信満々な感じで琥珀さんは答えた。「そういう事なのでぇ~、お家の掃除や洗濯、まぁ料理は私とシンジさんでやりますが、防犯や夜のお供は万全ですよっ!」「…夜のお供は余計じゃないかしら?」「……僕もそう思います」「そういう訳なので、よろしくお願いいたします、志貴さま」「……って、翡翠は、生徒として通うんだよな」「はい、私は姉さんのように通信教育で大学などの学歴は持ち合わせておりませんので、高校に編入となります」「………琥珀はどうするの?」「わ・た・し・はぁ~、シンジさんの学校で先生をして差し上げますよぅ」「…………マジデ?」「えぇ、大マジです」「………ちなみに、教科は?」「そうですねぇ~、出来れば保健体育なんかがベストなんですけれどねぇ~」「…………教科はっ!?」「う~ん、オールラウンダーなので、何でもいい気がします。 頼まれれば体育以外なら何でもしますって感じで」「……まぁ、学校の職員編成に因るって感じですか?」「そういう事です」「…わかりました、明日葛城さんに話をしておきますね」「よろしくおねがいしますねぇ~」