「………なんだこりゃ」とりあえず、驚いてみる。「…マンションの縦、横四部屋をぶち抜いて、電気配線やガス、部屋の間取りを図面通りにいじくってから、エレベータつけて、回線を通して、あとはまぁ細々と…。 …とりあえず、図面にあった地下室は却下させて貰ったわ」「…………こりゃ、一戸建て建てたほうが速いんじゃないのか?」「そうでもないわ。狭くするなら手間もかかるけど、広くする分にはぶち抜けばいいんだもの」「……簡単に言いますねぇ~」「私じゃないもの、作業したの」そりゃそうだ。とにかく、新居が完成したようだ。場所はコンフォート17マンション。その縦、横合わせて16部屋をどぶぁ~っとブチ抜いていじくったらしい。なんでも、NERVの所有するマンションで、一般の住人は居ないらしい。あ、あと葛城さんとリツコさん、伊吹マヤさんにロン毛な人とメガネな人が住んでるらしい。…なんでも、僕達が引っ越す事に決まった日にここに強制送還されたそうだ。「それじゃ、各階の説明をするわね」赤木さんはそう言うと、一階部分と呼んだほうがいい場所にあるリビングに備え付けてあるテーブルに図面を広げた。「…まず一階。ここは個室を一つだけ残して、後は全てリビング、ダイニングスペースにしたわ。 当然キッチンはダイニング使用。 これだけは譲れないって事だったようだし。 ついでに、バス、トイレも一応置いてあるわ。 まぁこっちのは小さいけれどね」赤木さんはそう言うと、ペラリと図面をめくる。「次は二階。 ここは個室が二部屋と、エレベータ、それにトイレ部分を排除した大きな浴室を置いたわ。 どうやら、お風呂が大きいのも要望の一つだったようだし」「えぇ、やはり浴室は大きくなければいけませんわ」これは秋葉さんか…。「それで、浴室の隣の小さなスペースには全自動クリーニングが二つ。 …申し訳ないけれど、水道管や電気配線、ガス配線の関係上ここしかスペースがなかったの」「まぁ、しょうがないですねぇ~」琥珀さんは、少し残念そうに言った。赤木さんはそれを聞いてからペラリと図面をめくる。「これは三階ね。 ここは個室が5つ。トイレを置いて、あとは全て個室スペースよ。 エレベータを挟んで二つずつという感じね」続いて、赤木さんはペラリと図面をめくった。「ここが、一番上になる四階。 ここには個室が3つと、大きな、まぁ簡単に言うとトレーニング・ルームね。 それを置きました。 当然、トイレも備え付け、ついでに簡単なシャワールームも取り付けたわ」「……これで、説明はお仕舞い?」「いえ、まだあるわよ」アルクさんが赤木さんに聞くと、赤木さんは再び図面をめくる。「…これは、一応このマンションの屋上ね。 今回、要望にあがったからこの四階から直接屋上に上がれるように階段をつけたわ。 屋上にはフェンスと一応の雨避けをつけた通路を設けたわ。 ちなみにこの屋上には、この部屋と、このマンションのエレベータを動かしてる動力部があるから、故障か何かした時には業者の人が来るので、洗濯などはしないほうがいいわね。 それで、要望により、メカ翡翠のバッテリー充電をする、太陽光、風、熱の三つの発電機による充電施設も置いたわ。 ここで蓄電された電力は、メカ翡翠のバッテリーの他、各階の電力供給にも使用されます。 本当、エコロジーなシステムね、これは」「いえいえ~、そうでもないですよぉ~」琥珀さんが、ちょっと照れた感じで返事を返す。「琥珀さん、太陽光、風はわかるんですけど、熱ってもしかして…」僕はその発電システムにちょっと思い当たる所があり、聞いてみた。「はい、熱はですねぇ、このマンションで発生した生、ビン、カン、プラスチックなどのゴミを発酵させながら微生物の生み出す熱エネルギーや、摩擦熱、その微生物の死骸が生み出すまた違う熱エネルギーを電気変換して電力に変えるシステムですよぉ~。 最近の研究で、生ゴミはもちろん、ビンやカンなどのものまで分解するバクテリアが生まれましたからね~」「………それって、危なくない?」志貴さんが、当然の質問をする。「いえいえ、この微生物はですね、窒素に触れてしまうと簡単に死んでしまうんですよ。 ですから普段大気にある程度の窒素でも一瞬で死んじゃいますから、ご安心ください」「なるほどぉ、きちんと安全なように造られているんですか」シエルさんが、そこで感心する。まぁ、そうだよなぁ……。「という所で、この家の説明は終了よ。 ………何か聞きたい事はあるかしら?」赤木さんは、一旦その場を纏めて質問タイムを設けた。「…この部屋になる前の、各階の出入口というのはどうなっているんでしょうか?」翡翠さんがとりあえず質問1を提示。「それは、一階の場合は大きな出入口を一つつけたけれど、他の階の場合、それぞれ一つずつ残して全て潰してあるわ」「そうですか」翡翠さんはそう言うと、しずしずと後ろに下がる。「隣人などは、どうなっているんでしょうか?」次はシエルさんだった。「そうね、まず一階は青葉君。 二階は私とマヤがこの部屋を挟んでいるわ。 三階はミサト。 四階は日向君よ」「…申し訳ありません、日向さんと青葉さんてどなたですか?」「………メガネ君が日向君、ロン毛君が青葉君よ」「……なるほど」秋葉さんの質問から、初めて明かされた新事実。「そうそう、このマンションで発生したゴミは全て各部屋に置かれているダストシューターで屋上の熱発電機に汲み取られる事になっているから」「へぇ~、便利ねぇ」アルクさんが感心を示す。やはり地球の触覚だからエコロジーにはうるさいのかな?「それで、最後なんだけれど…」赤木さんが何か言おうとした時、ピンポーンと、軽い音が聞こえてきた。「あら、丁度来たみたいね」来た? 来たってナンデスカ?キュウィーン「…オキャクサマヲオツレシマシタ」順調に稼動しているメカ翡翠ちゃんが、来客を告げてくれた。………っていうか。「………綾波?」「…………こんにちわ」「あ、あぁ…。コンニチワ」とりあえず、突然の綾波の訪問に吃驚。「彼女は、エヴァンゲリオン零号機のパイロットで、…この間少し見たとは思うけど。 名前は綾波レイよ」「……あぁ~、シンジの代わりにあの人形に乗ろうとしてたバカな女」……その言い草は酷すぎるっすよ、アルクさん。「それで、彼女、とりあえず預かってくれないかしら?」……………ナンデスト?