暗い、どこかの会議室で、複数の人物が会話をしていた。「その後の目標は?」『電波障害のため、確認できません』「あの爆発だ、ケリは付いている」『センサー回復します』『爆心地にエネルギー反応!!』「なんだと!!」『映像回復します』そこに映ったモノをみた時、人々からどよめきがおこった。「我々の切り札が…」「なんてことだ…」「化け物め!!」皆の口調が絶望したソレになっていた。そこに映っていたモノは、キズは負いながらも、しっかりと地に足をつけ、そこに佇んでいた。「う、うぅ~~~~~」僕達が駅近くでねっ転がっている所を保護した女性が、小さなうめき声と共に目を醒ました。「…こ…こは……」「姉さん、お気づきになられましたよ」「あは~、そうですか~」「貴女、あんな所に寝転がって、何をしてたんですか?」目が醒めた女性に、秋葉さんが当然の質問をする。「え…、寝転がっていた?」「えぇ、貴女は駅前で土砂にまみれて寝転がっていたんですよ~」車を運転しながら、女性の質問ににこやかに琥珀さんは答えた。「そう…、私、確かアルビーヌちゃんで駅に…、って!」女性は何かに気付くと、ガバ、と身体を起こしてた。ワンボックスの最後部座席に寝転がっていた為、頭を天井などにぶつける事は無かったようだ。「ちょ、ちょっと貴女達っ!? 今すぐ元の場所に戻しなさい!?」女性は、突然命令口調でムチャクチャな事を言う。「…貴女、礼儀という物を知らないのですか?」女性の言葉に、秋葉さんはおかんむりだ。「第一、私達があの時貴女を助けなければ、貴女は土砂に生き埋めどころか、崩れてきたビルに押しつぶされて圧死していたんですよ。それを私達が助けたというのに、事もあろうに突然騒ぎ出して見ず知らずの、命の恩人である私達に命令ですか。貴女、一度脳味噌を検査しに病院に入院したほうがよろしんじゃないんですか?」秋葉さんの痛烈な批判に、女性はぐぅの音も出ない。さらに、秋葉さんの言葉は続く。「ただでさえあの状況で私達は急いでいたんです。 それを兄さんやシンジが『あのままでは死んでしまうから』と強く助けるように求められたから助けたんですよ。本来なら貴女は既に死んでいて、こうして私達と会話を交わす事無く生涯を終えていたんですから、感謝というものをしなさい。いい年した大人が、私のような学生でもわかる一般道徳を知らないなんて言わせませんよ。礼には礼を尽くす、それが人の当然の行動です。わかりましたか?」「……はい、ごめんなさい」秋葉さんの余りの剣幕に、その女性はすっかり萎縮して小さく謝罪した。だが、まだ秋葉さんは止まらない。「はぁ…、あのですね、私のお話をキチンと聞いていましたか?私は別に謝れなどとは言っていません。礼には礼を尽くせ、つまり礼をしろという事ですよ。それを貴女はどこでどう履き違えたのか知りませんけど…」「あ~、秋葉。それぐらいで許してあげたら……」女性の余りの萎縮っぷりに、志貴さんが助け舟を出した。既にその女性は涙目になって俯いていた。あいでんてぃてぃ~の崩壊ってやつかな?秋葉さんは女性を冷めた目で一瞥して、問い掛けた。「…それで、貴女、お名前は?」「あ…、はい。私はこういう者です」先ほどの秋葉さんの剣幕を見せられたからだろうか、女性は少し脅えながら恐る恐る言葉を返すと懐からIDカードを取り出した。「…へぇ、丁度いいわね。NERVの葛城さんですか。私は遠野秋葉と申します」「あ、はい。NERVの葛城ミサトです」丁寧に頭を下げる秋葉さんを見て、葛城さんは慌てて自分も頭を下げた。「それで、貴女はあそこで何を?」「えぇ、実はあそこで私は総司令のお子さんを迎えに行ったんですけど、どうもNERVのほうでそのお子さんをロストしてしまって、探し回っていた所国連軍のNN地雷が発動して…」葛城さんはそう言うと、顔が青ざめてしまった。「…あぁ、シンジ君があの爆発に巻き込まれてたらどうしよぅ…」そう一言言って、頭を抱え込んでしまった。その一言で、この人がなぜあそこにいたのかを、葛城さん以外の面々は把握してしまった。