「お前が、魔王か」
「そういうお前らは、勇者ご一行か?」
「世に災いを振りまく魔王、人々に成り代わりお前を討つ」
「勇ましい前口上だな、流石は勇者。口だけでは無いと示してみるがいい」
「行くぞみんな、ヤツを倒して世界に平和を取り戻そう」
「おー」
「踏み込みが甘いわ、武闘家だと? 舞踊家にもなれんわ」
「なんだこの魔力は? 小火でも放ったのか? 練り込みが足らん、
練り込めば小火でも大火の威力になる。魔法使いなど名乗るな未熟者」
「ほれどうした早く回復せんか、神に仕える僧が瀕死の仲間を見捨てるのか? くだらん信仰に頼る脆弱め」
「悟りを開きし賢者よ、貴様の目から見て勝ち目はあるか? なまじ聡いと動けぬか」
「さて勇者よ貴様は蛮勇の愚に走るか?」
「強い、強すぎる」
「お前たちが弱いだけだ、だてに魔王と呼ばれては無い、それだけの実力があるからこそ呼ばれる。勇者などという尊称とは次元がちがうわ」
「人類はヤツに支配されるのか」
「実力では勝てない、やはり指輪の力を借りてヤツを倒す」
「俺と魔法使いがヤツの気を引く、僧侶は回復支援を頼む」
「天と地の指輪は二人で使うから私と勇者で使いましょう」