※ 新聞とメモ帳風の諸々壁内事情の設定と巨人面魚の設定です。読み飛ばし可。
壁内中央日報 ◎月×日△曜日 ※記述文は記事より一部抜粋。
所属兵団選び、先延ばし
104期訓練兵団の所属部隊を選ぶ日程が延長された。
壁の外が唐突に海になってしまったため、状況の急激な変化を配慮した結果である。
従来の勧誘式で行った『所属決め』と違い、訓練兵は解散式の終わりから猶予期間内に所定の兵団に申請書を届け出ることにより所属兵団を決めることが出来る仕組みだ。
この仕組みを中央に提案したのは調査兵団エルヴィン・スミス団長である。
「状況が以前とはあまりにも変わりすぎた。壁外が海になるとは誰も予想だにしていなかった事態である。そんな中で訓練兵に突然所属兵団を決めろと言うのは極めて酷な話だと思い案を提出した。中央の判断は賢明であると思う。是非、広い視野で物事を見定め、熟考の後に所属兵団を決めてほしい」
というのがスミス氏の意見である。
それに対して憲兵団ナイル・ドーク団長は「今回の訓練兵の兵団選択の延長は極めて遺憾である」というコメントを残した。
「そもそも兵士というのはいかなる事態に直面しても逐一正しい行動をしなければならない。それが状況が多少変わった程度でこれまでのしきたりを覆して良いものか。スミス氏もそうだが、彼の意見を採用した中央の考えも甚だ疑問だ」
なお、現在も訓練兵の所属兵団選びは続いているが、今年も訓練兵団の流れは駐屯兵団への流入が一番多いとの見通しだ。
調査兵団アイドル部隊、孤児院を訪問。
先日、調査兵団アイドル部隊『シガン☆しな』が孤児院を訪問した。
『シガン☆しな』とはかつて超大型巨人の襲撃により崩落したウォールマリア南部の街、シガンシナ区をユニット名に冠したグループだ。
メンバーはうさミンさん、みかりんさん、えれえれさんの三人で構成されている。三人は共に幼馴染であり、かつて巨人により陥落したウォールマリア、シガンシナ区で生まれ育った。
「親を失った悲しみは、僕たちにもよく解りますからね」
そう語ったうさミンさんたちは子供たちと遊んだ後、代表曲である『恋の壁外逃避行』や『ミミミン☆うさみん』等を子供たちと一緒に合唱して訪問を終えた。
今や壁内中に知れ渡る有名アイドルと遊び終えた子供たちは嬉しそうに「とても楽しかった」と語った。
「みかりんが思ってたよりずっと可愛くてびっくりした」
「うさミンが物知りでもっと沢山お話したかった」
「ケンペイダンレッドも好きだけど、えれえれも凄くかっこよかった。シガン☆しなが今までよりもっと好きになった」
次回の壁外調査準備で忙しい中、アイドル部隊を設立した調査兵団の団長、エルヴィン・スミス氏はにこやかに語ってくれた。
「アイドル兵団の設立は国民の皆様に寄り添った兵士でありたいという理念に基づいたものです。調査兵団のシンボルマークである両翼は自由を象徴するものですが、アイドル部隊の場合はこの翼で世界を包み込むという暖かさの象徴だと思ってくださればありがたいですね」
なお、第一回シガン☆しなの大規模ライブイベントのチケットは既に完売している。
これからも三人の活躍に目が離せない。
謎の食糧、壁内に流出
最近、壁内で出回っている出所不明の食糧が問題となっている。
壁外が海になったことにより塩の入手が比較的容易にはなっているのだが、その他の食糧は未だに自給率が低い。そんな中で店先や家の戸棚の中に勝手に食糧が増えているという事件が後を絶たない。
取材を受けてくれたのはウォールローゼ南部の街にお住いのとあるご婦人だ。
「朝、パンを作ろうと思って戸棚を開けたら既に出来上がったパンが三つも出てきたの。買ったものじゃないわ。だってパンなんて買うこと滅多にないもの。その他にも買った覚えも無い缶詰や干し果物なんかが出てきてね、気持ち悪いったらありゃしないわ。でもまだまだ食糧は少ないでしょう? 主人と一緒に一口食べてみたんですけど、変な味もしないしそれなりに美味しかったわ」
他にも、植物油の瓶詰が納戸から出てきた例や朝起きたら乾燥トウモロコシが軒先に吊るされていた例が報告されているが、未だに原因は不明である。
缶詰には『妖精社』というロゴがプリントされているものもあるが、この『妖精社』に関して知っているものは誰も居ない。
穀物がまだ十分量足りていないのは重々承知しているが、憲兵団では出所の解らない食糧はなるべく口にしないようにと注意を呼び掛けている。
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『まだまだ至らないところだらけですが、妻と二人でこれからもがんばります。同期の皆も良かったら買ってね!』
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※ハンジの手帳より抜粋
○月×日実施 調査兵団 ハンジ・ゾエ
題 巨人面魚の生体に関する実験調査
目的 巨人面魚の弱点、及び生体についての観察。
駐屯兵団に協力を仰ぎ海水の汲み上げ機を使わせてもらう。器具は黒金竹の葉脈を使ったロープに鉄製フック。釣り餌には傍にいたモブリットからパンツを奪い取る。
巨人面魚はヒトの臭いに反応するので、ヒトの着古しならば何でも良かったが中でも局部の臭いが染みついたものが良いとの判断から実行。パンツ代は後日請求とする。
人魚たちの証言から水深はおよそ二百メートル前後。壁より下は断崖絶壁となり、水深は思っていたよりもかなり深いことが判明。
巨人面魚は水深約五十~百メートルの所に生息している模様。壁上固定法では届かない可能性大。
さっそくモブリットのパンツを付けたフックを海に投入。すぐに三メートル級の巨人面魚がヒットする。
五人がかりでロープを巻き上げ巨人面魚を吊り上げる。
水揚げされた巨人面魚は煙を噴き上げながら暫く暴れていたが、十分前後で完全自壊。その際の温度はおよそ七十度前後。
海中での巨人面魚の体温は人魚たちの証言をもとに四十度前後と判断したことから、死ぬときは一時的に高温になるらしい。
調査続行不能。
モブリットのパンツを引き続き使おうとしたが、既にボロボロになっているパンツには何も食いつかない。一度使用するともう効かないようだ。
仕方なく自分のパンツを使おうとするも、周囲から止められる。代わりにモブリットの右靴下を奪取する。
投入後、すぐに七メートル級がヒット。
今度は自壊前に弱点を探すべく我々の知る巨人の弱点、うなじを削いでみる。なお、巨人面魚の体表は非常に硬いので超硬質スチールを使用。自壊前に殺すことが出来ることが判明。弱点は同じらしい。
次いでモブリットの左靴下を投入。
すぐに四メートル級がヒット。
暴れる巨人面魚をワイヤーで抑え込み、体表の鱗の採取を試みる。非常に硬くて剥がしにくいが、剥がした時、手の平の上で煙を上げて消失。温度は感じない。その後すぐに巨人面魚も消失。
モブリットからシャツを奪取。投入。
すぐに十メートル級ヒット。
日光遮断実験を試みようとしたが、布をかけるのに手間取っているうちに被検体消失。
モブリットが泣いたのでその日の実験はやむを得ず中止。
なお、人魚たちの証言によると海中時には『攻撃するとすぐに回復してしまう』そうだ。
魚たちとの会話が可能な人魚でも巨人面魚との意思の疎通は不可能であり、その辺りは我々の知る巨人とも共通してると言える。
今後も何かが解り次第、順次報告予定。