ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアは、合理主義的な者ばかりの魔術師の中でも殊更に用意周到な男だ。
聖杯戦争開始前に予めナチスの助力を取り付け、帝国陸軍の指揮官を内通者にしておいたことなどが一つの証左といえる。
ダーニック本人に聞いても決して頷きはしないだろうが、ここまで慎重なのは嘗て時計塔に新進気鋭の魔術師としてデビューしておきながら、たった一つの下らない噂で未来を喪ったことが影響しているのだろう。
そんなダーニックだからこそ『情報』の重みはなによりも理解していたし、他の魔術師たちがそうであるように冬木市中に多くの『目』を放つこともしていた。
そんなダーニックだからこそ遠坂冥馬とリリアリンダ・エーデルフェルトの二人が行動に出たことを、即座に察知することができた。
「遠坂冥馬とアーチャーがここへ、リリアリンダとセイバーとキャスターが帝国陸軍を……。敵ながら絶妙な配置だな。こちらに二騎のサーヴァントが来なかっただけ幸いといえるが、それも決して確定ではない」
令呪というマスターに与えられた三度の絶対命令権は冬木市と帝都の距離すら〝ゼロ〟へ変える。
敵にサーヴァントは一騎と侮ってかかっていたら、冥馬が令呪でキャスターを呼び戻し追い詰められることになるだろう。
「……にしても相馬戎次とライダーも案外と不甲斐ない。相手が彼の英雄とはいえ……いや彼の英雄だったというのに仕留めきれなかったとはな」
ダーニックは相馬戎次からの報告を受けた木嶋少佐から、アーチャーの真名を聞いていた。
ナポレオン・ボナパルト、近代最高峰の英傑にして現代社会の根幹たる『近代法典』を生み出した偉人。知らぬ者などいない、この聖杯戦争でも最大の知名度をもつサーヴァントだ。
だがどんな英雄にも弱点はある。ナポレオン・ボナパルトはナポレオン・ボナパルトであるが故に、ライダー(冬将軍)との相性は最悪だ。
その最悪の相手からマスターを失いながらも生存を果たしたのは、相馬戎次たちの不手際か。はたまたアーチャー自身の底力か。アーチャーの真名を思えば後者であると考えておいた方が良いだろう。
「しかしどれほどの障害が立ち塞がろうと、私はこれを手に入れてみせる」
ダーニックは恍惚感すら秘めた表情でそれを見上げた。
まるで血管のように地脈に張り巡らせた回路と、それに流れる魔力。神々しくありながら禍々しくある魔性の杯の大本。繊細にして緻密。背徳的でありながら神聖さすらあるそれは大聖杯、聖杯戦争の原因たる大魔法陣に他ならない。
恐らく天才と呼ばれる魔術師が千人集まり、この起動式を知ったところで、これを完全に再現することなどできはすまい。
美しい、と改めてダーニックはそう零す。
月並みな言葉であるが、どれほど相応しい美麗美句を辞書で探したところで大聖杯を言い表すには足らないだろう。だから人間にできるのはただ『美しい』と心を奪われることだけだ。
(これを手に入れれば、我がユグドミレニアの悲願は達成される……!)
時計塔は聖杯戦争に対して余りにも無知だ。三度繰り返されたこの戦いを、極東で行われているマイナーな魔術儀式程度にしか認識していない。
しかしこの大聖杯を見つけ、ロディウスと共に検証を続けてきたダーニックは、大聖杯が生み出された真の理由についても掴んでいる。その真の理由は魔術師にとっての悲願に直結するものでもあった。
ダーニックの脳裏には既に『大聖杯』をユグドミレニアの領地に持ち帰った後の壮大な計画が組み立てられつつあった。
(だが)
チラリと兵隊たちに用意させた椅子に座りながら、のんびりと珈琲を楽しんでいるロディウス・ファーレンブルクを見やる。
大空洞なんて場所にアンティークなテーブルとイスが置かれたその光景が、なんともシュールだ。
「どうしたねダーニック。あんまり見つめないでくれ。……………ハッ! 私にそういった趣味はないぞ!」
「心配せずとも私にもありません」
わざとらしく自分の体を守る仕草をするロディウスに、ダーニックは冷淡に言い放った。
聖杯戦争のためナチスの協力を得たが、彼等はダーニックの同志でもなければ同胞でもない。あくまで相互利用の関係だ。ベルリンに移送しようとしている大聖杯を、ダーニックが横から掻っ攫う魂胆であると知れば、当然ナチスはそれを許さず襲い掛かってくるだろう。
だが用意周到なダーニックは、しっかりとナチスを排除する用意がある。なんの違和感もなく絶対的に信じるに足る策だ。だからまだロディウス・ファーレンブルクを仕留めることはない。彼を殺すのは全てが終わった後だ。
「遠坂冥馬とアーチャーとがこちらに攻めて来るんだろう? しっかりと応戦頼むよ。我々はこれをベルリンの閣下にしっかりお届けせねばならないのだからね」
「御意に」
恭しく、さも執事が主人にするかのように頭を垂れる。完璧なる礼儀に黒い殺意を隠しながら。
ダーニックはロディウスから離れると、ランサーの所へと足を運ぶ。
自分がこの聖杯戦争において果たすべき最大の役目を終えたランサーは、大聖杯を前にしながら一人黙々と刀の調子を確かめていた。
最初のキャスターとの戦いで使用した無骨な槍でも、次に使用した『生ある者』でしか触れられぬ槍でもない。
ランサーというクラスともランサーの出自にも似合わぬこの国の剣たる刀。
以前見たキャスターの黄金の刃も美しいものだったが、日本刀というものには西洋剣にはない独特の味がある。
滑らかでありながら強靭に鍛え上げられた刀身。研ぎ澄まされた刃金。どこまでも機能を追求し無駄を排した造りでありながら、その造形には職人が生み出す陶器のような美を感じる。
「ランサー」
短く呼びかけると、ランサーはカチャンと刀を鞘に収め振り向いた。
「――――新しいオーダーか?」
「遠坂冥馬とアーチャーが我々の計画の邪魔をするために動いている。お前は大空洞の入り口に待機し、二人が来たらその足止めをしろ。
もう一度だけ言うぞ。あくまでも足止めだ。倒そうとは考えなくていい。時間を稼いでくれれば、我々の方で準備が整う」
「いいだろう。報酬は?」
「〝成功報酬〟なら言い値を払おう」
「ふん。失敗すれば報酬は無し、か」
「そもそもお前が失敗するということは、お前が死ぬということだからな」
「違いない」
大聖杯から漏れる魔力光を反射し、ランサーの眼鏡が輝いた。どこか獰猛な笑みを浮かべると、ランサーは腰を上げる。
「おい、ダーニック。お前にこれをくれてやる」
「…………!」
ランサーがダーニックに自身の日本刀を差し出した。
一瞬だけダーニックは押し黙る。ランサーが差し出した日本刀は見た目はただの日本刀であるが、それは名刀などという生易しい代物ではなく、サーヴァントを殺すほどの神秘をもった宝具である。
存在そのものが魔術より上にある神秘の塊にして、英雄と共に座に上がった伝説の力。
サーヴァントにとって自身の宝具を他人に渡すなど、自身の半身を譲るも同じ行為だ。しかしこのランサーに限ってはその常識は当て嵌まらない。
俗物的な話だが、ランサーの差し出している日本刀は巨万の富に匹敵する宝だ。それをくれると言われて断る理由はない。
ダーニックはランサーより渡されたそれを受け取った。
「ありがとう、ランサー。だがどういうつもりかね? 君が私に刀を送るとは。しかも無料で」
「もしかしたらこれが私の最後の仕事となるかもしれないからな。餞別だよ。多少腹立たしいこともあったが、お前は気前の良いクライアントだったからな。職人としてはサービスの一つでもしたくなるというものだろう。
それじゃあなダーニック。お互い死んでいなければまた会おう」
ランサーは淡々とした別れを告げると、ダーニックの前から去っていった。
見送りながらダーニックは考える。ランサーは他のサーヴァントにはない優秀な能力をもった英霊だが、通常の三騎士クラスほどの白兵戦闘力はない。
あのアーチャーと真っ向勝負すれば互角ということは先ずないだろう。つまり足止めに失敗する可能性が高いということだ。
「――――本来であれば、どうにかしてランサーの勝機をあげようと策を凝らすところなのだがな。サーヴァントがいなくても、こちらにはまだそれを凌駕する駒はあるのだよ。アレも完成しつつあるところだ」
ダーニックが目を向けた場所にはナチスの軍服を纏わされた2m以上はある大男が、静かに一切の口を聞くことも無く佇んでいた。
柳洞寺の前に到着した冥馬は石段を登ることはなく、普段誰も立ち入らない円蔵山の木々の中に入った。
遠坂家地下の工房で埃をかぶっていた古文書を頼りに草木を掻き分けていくと、そこに柳洞寺の住職も知らない、御三家当主だけの秘密の地たる大空洞への入り口があった。
さながら円蔵山の掠り傷のような『入口』からは微かに漏れ出すマナを感じる。それに閉ざされた大空洞に潜む多数の人間の殺意もだ。
やはり璃正の言った通りナチスが大聖杯の奪取という大それた計画を企てているのは確かのようだ。そしてこの大空洞の中にはナチスの全兵力がいるはずだ。
聖杯戦争のマスターとしてではなく、御三家当主として負けが許されない鉄火場。
緊張がないと言えば嘘になる。だが緊張を呑むかのように、自分の唾をゴクリと五臓六腑へ流し込むと、
「行くぞ」
傍らにいるその男に告げた。粒子が集まっていき、なにもない虚空に魔力が一つの人影を作り出す。
ナチスの計画を挫くため。敵同士でありながら今この時だけは、仮初の主従として契約を交わしたアーチャーだ。
「ウィー」
二角帽を深く被り直し、アーチャーは神妙に頷く。歴戦の英雄だけあって、冥馬と違い緊張のようなものはまるで伺うことができない。
英雄と魔術師云々以前に、これは潜り抜けた修羅場と地獄の差だろう。
今だけとはいえ彼ほどの英雄が、自分の味方として傍らに立っているのが頼もしいばかりだった。
キャスターに言ったら機嫌を損ねて白い目をされるかもしれないので、キャスターにはこんなことを言えはしないが。
「悪いがクライアントのオーダーだ。ここから先へ行かせることはできん」
入口から大空洞へ侵入しようとした冥馬とアーチャーに、事務的で冷淡な声が降りかかる。
行く手を遮るように立つのは白衣に身を包んだ玲瓏な男性。銀縁の眼鏡は大空洞で目一杯のマナを浴びたからなのか、白く曇っておりその奥にある瞳を伺うことはできない。
「ランサーか。それはまぁ連中がここを素通りさせてくれるわけもないか。マスターの兵士を殺した罰に、自害でも喰らっていたら嬉しかったんだがな」
「罰? 罰だと? なにを馬鹿な。あれは私が悪いんじゃあない。私はクライアントから下されたオーダーは『クライアントが私を裏切らない限り』守る主義だ。全ては私が召喚された時に渡した契約書にあった注意事項を破り、私の目の前で不細工な鉄屑などをぶちかまさせたダーニックが悪い!」
ランサーが投げてよこした契約書のコピーを掴み取る。
「…………………」
『注意事項』
・私の目の前で不細工な鉄屑を見せない。
・私の目の前で不細工な鉄屑を使わない。
・私の目の前で不細工な鉄屑を撃たない。
・私の目の前で不細工な鉄屑を頼らない。
・私の目の前で不細工な鉄屑を使わせない。
・これらを破るとキレます。
・キレるとオーダーとか訳分からなくなります。
・最悪の場合だと契約破棄の可能性もあります。
・あんまり露骨に破るとクライアントでもうっかり殺してしまうかもしれません。
・オーダー1つにつきこちらの提示した報酬を払わないと働きません。
・お互いにとって気持ちの良いビジネスパートナーで聖杯戦争を終えることを期待します。
ランサーの言う契約書というのはとんでもなく酷いものだった。
普通サーヴァントとマスターは運命共同体として、共に背中を預け合って戦うものだというのに……いやビジネスパートナー的な付き合いというのは良いのだ。
冥馬とキャスターの関係にしても完全な信頼関係が皆無とは言わないが『聖杯戦争に勝つ』という目的の為に戦っているのだから。
しかし仕事を一つするのに報酬を要求し、おまけにご丁寧にこんな契約書まで用意するなど前代未聞である。
この契約書通りだというのならダーニックとランサーの関係は主従というより傭兵と雇い主のそれと同じだ。
「召喚したのがキャスターだったのを感謝しよう」
今度自分の先祖が聖杯戦争に挑むことがあっても、あのランサーだけは召喚しないよう言いつけておかねばなるまい。ただでさえ宝石魔術にはお金がかかるというのに、仕事一つに一々莫大な報酬を支払っていては、財政を更に圧迫させることになる。尤も冥馬は未だにランサーの真名すら掴めてないので、忠告のしようがないわけだが。
(ランサーの真名か)
英霊の真名を探る一番の方法は宝具だ。
真名解放をせずとも宝具の特徴や垣間見せる能力から、出身地やいつの時代の英霊なのか大凡は掴めるものである。だが、
(……やはりさっぱり分からない。ランサーは一体全体どこの誰なんだ?)
生ある者にしか触れない槍、教会に乱雑に突き刺さった剣、九つの『月牙』がある異形の戟。
洋の東西を問わずあらゆる意匠と造形の武器をランサーは使っていた。それに追加してあのサイボーグ兵までが使っていた宝具。
別に洋の東西を跨いで活躍した英雄がいないわけではない。人類史上最大の征服者であるチンギス・ハンなどその代表例である。だがしかしそれにしてもサーヴァントの保有する宝具は基本一騎につき一つ。多くても三つ四つが精々だ。ランサーのように出自がバラバラの宝具を、十数個以上も保有する英霊などいるはずがないのだ。
「ランサー、一ついいかい?」
「――――なんだ」
ギロリ、と。アーチャーの問いに、鋭くランサーが睨み返す。
「君達のクライアントのナチスは大聖杯を奪取しようとしている。そんなことをすれば聖杯戦争もオジャンになるわけだけど、君はそれで良いのかい?」
「あんな贋作の聖杯、元々興味などない。私はマスターから依頼を受けたから、娯楽という報酬を得るために来てやっただけだ。
あの『聖杯の器』にしてもそうだ。この時代の人間が言うには一級品だそうだが、この私からすれば全然駄目だね。私ならあの十倍……いいや百倍は良いものを造れる!」
「成程ね。色々と分かったよ、ありがとう」
「!」
アーチャーがにっこり微笑みお礼を言うのと、円蔵山に耳を劈く銃声が響き渡るのは同時だった。
一瞬ナチスのスナイパーが潜んでいたのかと周囲を警戒する。だがスナイパーに狙われ慣れている冥馬には直ぐに分かった。狙撃にしては銃声が余りにも近すぎる。
そう、この銃声はまるで自分の隣りから響いてきたような。
「あ、アーチャー?」
漸く気づいた。アーチャーがまったくもって自然に、自分の目を擦るかのような動作で取り出していたのはアンティークな拳銃だ。
拳銃の銃口からは煙があがっており、それがついさっき仕事をしたばかりだということが分かる。
そしてその銃口が向けられていたのは、
「…………………」
ランサーは沈黙していた。白い衣には丸い穴が空き、そこからはドクドクと血が流れている。
銃を向けているアーチャーと、肩から血を流すランサー。誰が見ても、なにが起きたか一目瞭然だった。アーチャーが自分の拳銃で、ランサーの肩を討ち抜いたのだ。
そう、よりにもよって拳銃で。
「あ、アーチャー!? お前、なんてことを……!」
「見ての通りだよ。問題があったかな?」
「大ありだ!」
銃火器を『不細工な鉄屑』と呼び嫌悪の念を隠そうともしないランサーを、よりにもよって拳銃で撃つなど最悪の挑発行為に他ならない。
冥馬の脳裏に蘇る柳洞寺の戦い。味方が銃を敵に撃っただけでバーサーカーが裸足で逃げ出す激怒ぶりを見せたランサー。
これが自分が撃たれたとなれば、その怒りがどれほどまでいってしまうのは想像がつかない。否、想像したくもなかった。
冥馬は恐る恐るランサーを見ると、
「ふっ。ふふふふふふふ、痛いじゃないか」
「へ?」
そよ風に揺らぐ花のように爽やかに微笑むと、ランサーは自分の肩を治癒していく。
怒っているようには見えない。ランサーは「ははははは」と周囲に花でも咲きそうな笑顔だった。
確実に凄まじい憤怒がくると思っていただけに拍子抜けだ。冥馬がほっと一息つき、丁度それと同時にランサーの肩の治癒が終わった。
瞬間。
「調子こいでんじゃねぇぇえぞォォオ! この餓鬼ァァァ――――――ッッ!!」
「っ!?」
雷光と見間違わんばかりの速度で投擲された槍。
あまりに突現のことに……いや、心の準備をしていても果たして見えたかどうか。それほどの疾さで投擲された槍を、アーチャーは自身の拳銃で受け止めていた。
槍を受け止めた拳銃には蜘蛛の巣のような皹が入っていき、粉々に砕け散る。
「ダーニックは足止めに専念しろと抜かしていたが、そんなことはもォォォォォ関係ない。この私に不細工な鉄屑で不細工な傷をつけた罪は、無間地獄に堕ちても贖罪できぬ罪悪……。アーチャァァァッ! 貴様は楽には殺さんッ!!」
「というわけだ冥馬。もうランサーの目には〝俺〟しか映っていない。他の誰かに気を払う冷静な判断力は残っていないだろう。今のうちに君は先に進むと良い」
「まさかそのために敢えてランサーを怒らせて……?」
返事は薄い笑みだった。
やはり抜け目がない。ランサーの激怒までも自分の戦術に取り入れてしまうとは。
マスターだけでの単独行動は危険だが、ここであの得体の知れないランサーに手間取っている時間が惜しい。ここはアーチャーの戦術にのることにした。
「頼んだぞ、アーチャー」
「任せて貰おう」
アーチャーの背後の空間に魔力が集まり、彼の武器たる大砲が召喚されていく。
サーベルを引き抜くとアーチャーは一介のサーヴァントとしてではなく、サーヴァント・英雄・皇帝という三つの顔を、己の全てを剥き出しにした。
「今日のボナパルトは自重しないぞ。ランサー、貴様の命と貴様の主人が企てる計画の崩壊をもって我が主人、間桐狩麻の鎮魂とする」
「ヌカセェェェエ! 小僧ォォォォォォォオォォオオオオッ!!」
冥馬の背後で二騎の英雄がぶつかり合う。恐らく自分の背後では神話の1ページのような戦いが繰り広げられているのだろう。
だが敢えてそれに背を向けて冥馬は進む。ユグドミレニアの野望を挫き、聖杯戦争を崩壊させない為に。