ため息とともに井戸が広げたのは、何枚かの写真だった。 一枚目。 血と肉片にまみれた金属の球体に、巨大な砲塔が突き刺さった物が写っていた。金属球自体が相当の大きさであるらしく、比較参考用として並んで立っていた井戸のおおよそ3倍強の直径を誇っていた。 二枚目。 その金属球の表面のアップ写真。こびりついた肉片や血は大まかにとはいえ洗い流された後のようであり、青煤色の鋼の球体の表面がハッキリと映っていた。その表面に凸字で刻印された【KOUGA_Factory/LC-nAKa_2.14β/km-ud/20131224-0021fe7/GHOST IN THIS SHELL.】の文字もはっきりと見て取れた。 その表記を信じるなら、これは艦娘式軽巡洋艦『那珂』のコアである。 それも、去年のクリスマスに建造されたばかりの。