――――――――――――あらゆる音がトリスタニアを包んでいる。
無数の人々の生み出す喊声。
燃焼する黒色火薬が小さな鉛のかたまりを高速で押し出す音。
剣や槍の穂先といった金属同士が互いに叩きつけられる響き。
時折そこに色を付けるのは、しかし途絶えることなく続く人の人生が終わる時に発される声。
喩えるならば一つの舞台の様でもある。
無数の人々が主人公となり、そして彼らが手にした楽器によって奏でられる壮大な歌劇。
その曲を演奏しているのは何も地上の人々だけではない。
頭上からは爆発音が響き、ナニカが大地に叩きつけられる音が劇中曲に華を添える。
演目の名前は“革命”。
そう、このトリスタニアで演じられているのはハルケギニア全て……いや、歴史というものを観衆とした一つの壮大な演目であった。
そしてこの場に居る無数の人々は彼ら一人ひとりが奏者であり演者であり――また同時に音を奏でる楽器でもあった。
「隊長! 敵が再編を完了した模様です!」
その演目の間奏とでも言うべき小康状態の中で発せられた部下の声にアニエスは視線を陣地前方に向け直した。
そこには負傷者を後方へ運び終わり、再度の突撃の準備を整えようとしている平民達の姿が見える。
彼女達は既に平民達の二度の突撃を受け、圧倒的な数を前に二度とも押し留めることに成功している――全ては念入りに築かれた防御陣地とアニエスの的確な指揮が彼女達銃士隊員に興奮と疲労を感じさせるという贅沢を味あわせていたのだ。
しかし、そんなアニエスも三度目になる突撃の準備をする平民達の姿を見て舌打ちを抑えられなかった。
厄介なことに士気がこれまでの連中よりもはるかに高い。
無論これまでの平民達も農村から集められた徴収兵達とは比べ物にならない程高い士気を誇っていたが、それにも増してその興奮と熱気は異常に感じられた。
その原因は一目で判った。
今まさに突撃を開始しようとしている平民達の先頭に大振りな片刃剣を手にした黒髪の少年の姿が見えたのだ。
彼女の予測の正しさを示すように平民達の間から一斉に驚きと興奮のもたらす唸り声が上がる。
あらゆる者の心を揺さぶるその暴力的な唸り声は否が応でも彼女達に向かってこようとしている平民達の闘志をさらに高めさせた。
「副官!」
その光景を前に彼女は反射的に傍らにいた副官を呼んだ。
「ハッ!」
「突撃が開始された瞬間に何人か率いて奴を狙撃しろ。奴が敵の士気の中核だ――それでいくらか時間が稼げる」
即座に応じた副官にそう彼女は命じた。
200メイル程先に見えるあの少年こそが王都の平民達の間で噂されていた“黒髪の剣士”だと確信したのだ。
かつてトリスタニアの酒場で彼女がその存在を疑問視した少年は確かに存在していた。
ならば突撃が始まった瞬間に奴を打ち倒すことが出来れば敵の士気は一時的にせよ確実に崩壊するだろう。
“諸君――不遜なる者達の杖を折れ”
彼女がそう判断する間にも決して途絶えることのない繰り返される歌声に押されるようにして平民達は再び前進を開始する。
前回と同じく80メイルに達した時点で突っ込んでくるつもりなのだろう。
“――進もう、進もう”
徐々に平民達の歩速が増す。
標的とされた少年もまた駆け出すために一歩を踏み込む。
そして、今まさに突撃が開始されようとする瞬間、側面に回りこんだ彼女の副官が率いる数人の銃士隊員達に号令をかける声が響いた。
「良く狙え……よーし、今だ撃てえッ!」
号令に一瞬遅れて数丁のマスケットがほぼ同時に火を噴く。
しかし、その銃弾はなんら被害を与えることなく少年の背後に飛び退った。
「速い!?」
副官が驚愕の声を上げる。
移動する目標を狙う場合には目標のやや前方を狙って撃つのがセオリーであり、銃を主兵装とする銃士隊員達もそのセオリーに従った訓練を受けている。
しかし、目前の“標的”の速さは彼女達の常識を超えていた。
いかな軽装――手にした剣以外には防具と呼べるものを全く着けていないとはいえ、左手のルーンを輝かせた少年の走る速度はとても人間とは思えない程速い。
常人離れしたその速さに次の射撃はおろか、次発装填すら追いつかない。
その勢いのまま少年剣士は防御陣地へ突き進んだ。
「でやぁぁぁぁあ!」
その喊声とともに黒髪の少年は僅か数秒で80メイルの距離を駆け抜けた。
常人離れした勢いのままいくつもの土嚢と廃材で作られた防御用の胸壁を飛び越える。
常識を超える速さに王都警備隊の残存兵は勿論、訓練度の高さで知られる銃士隊員ですら反応できない。
さらに悪いことに彼らの多くは未だ後方から迫り来る平民達を目標とした銃や弓といった遠戦武器を構えていた。
不運な彼らは一瞬で昏倒させられる。
その光景に防御陣地内の隊員達に動揺が走り――結果としてさらに重大な事態を引き起こした。
そう、彼らが少年に目を奪われている僅かな間に後続の平民達が陣内に乱入したのだ。
「陣地内に乱入されました!」
アニエスのもとに悲鳴のような報告が入る。
継いで寄せられた報告はさらに悪いものだった。
「駄目です! あの黒髪の剣士を止められません――」
それは誰もが目を疑う光景だった。
防衛線に次々と穴があけられている――それもたった一人の少年によって。
その少年は陣地に突入するとまるで暴風のように荒れ狂い、たちどころに陣地を無力化する。
大ぶりな片刃剣を構えた少年の周囲にはなぎ倒された部下の隊員達が倒れている。
例えるならば、まるでハルケギニアの夏に見られる巨大な嵐とそれに薙倒された麦の様だ。
そして、巨大な夏の嵐と同様に少年は止まらない。
何層にも渡って築かれた防衛線をまるで錐の様に突き破り、彼の作り出した防衛線の穴に無数の平民達が続くことによって防御陣地に出来た傷口がさらに大きく開いていく。
その事実が示すことはただ一つ――彼女達の防御陣地は突破されつつあるのだ。
そんな報告を受けている間にもその少年剣士はさらに次々と陣地を無力化して突っ込んでくる。
「うぉおおおおおおッ!」
少年剣士の吶喊の声が迫る。
何が何でもあの少年を止めなければならない。
そう瞬時に判断したアニエスもまた自らを守る胸壁の上に駆け上がるようにして迎え撃った――その常人離れした突撃衝力に対抗する為にこちらも弾き飛ばされない様に勢いを付けて。
二本の剣が激しく打ち合わされる音。
続いて人間の体同士が強く叩きつけられる音が響いた。
互いに体ごとぶつかり合って弾き飛ばされる両者。
そんな状況でも先手を取ったのは黒髪の少年剣士――才人だった。
一瞬転倒した彼は瞬時に起き上がり、再び陣地の内部に向けて急な角度を付けられている胸壁を駆け上がるようにして突っ込んでくる。
そんな彼に合わせるかのように、態勢を立て直したアニエスの剣が振るわれる。
再び剣の打ち合わされる音。
互いの力が剣を介してぶつかり合い、何度も鍔迫り合いが繰り返される。
傍らの銃士隊員が介入する隙間もなく、平民側からも味方撃ちを避けるためか銃撃も無い。
胸壁の上という誰しもの注目を集めずには居られない中で行なわれる死の舞踏――そんな状況の中でもアニエスは冷静だった。
勢いと速さは才人の方が上回っているが、彼女からしてみれば素人剣法に近い。
故に、玄人である彼女はその一瞬の隙を見逃さなかった。
「甘いッ!」
その声と共に繰り返される剣戟の中で目の前の剣だけに集中していた才人の腹を強烈な蹴りが襲う。
「ぐあっ――!」
そのまま才人は防御線の外――胸壁の下に蹴りだされた。
アニエスはそんな才人に腰に下げた短銃を向け、容赦なく引き金を引く。
銃声。
彼女にとっては決して外すことのない至近距離からの発砲。
確かにその弾丸は才人の胸めがけて突き進む。
しかし、その弾丸が才人の体を抉ることはなかった。
「くっ!」
思わずアニエスは罵りの声を漏らす。
意図的かどうかは判らない。
あるいは全くの偶然だったかも知れないが、彼女の放った必殺の銃弾はまるで楯のように構えられた片刃剣の峰に当たって防がれたのだ。
反射的に彼女は腰に吊るした他の短銃を掴む。
しかし、才人はその一瞬の間に常人では不可能な速度で体勢を立て直し、彼女が次弾を放つ頃には再びあの常人離れした速度で素早く最低限の距離を取っていた。
そんな才人目掛けてアニエスは流れるような動作で腰に下げた何丁もの短銃を次々と入れ替える様にして速射する。
胸壁の向こうに蹴り落とされた才人を胸壁の上に立った彼女が見下ろすように睥睨しながら次々と銃を撃ち掛ける姿が一度は下がった銃士隊の士気を否応が無く高めた。
何発もの銃弾が才人を襲い、その度に才人は背後へと跳躍することで辛うじて回避する。
その数、合計5度。
初弾を含めるならば都合6発もの速射を才人は凌ぎ切ったのだった。
しかし、その回避の為に距離が開いた――そして、それはそれまで味方撃ちを避けるために発砲を控えていた左右に展開する銃士隊員達の火線に身を晒すこととなる。
「隊長を援護しろ! ――制圧射撃! 撃てッ!」
アニエスの周囲に集まった銃士隊員達が一斉に引き金を引く。
10人近い銃士隊員による左右からの銃撃にさすがの才人もさらなる後退を余儀なくされた。
さらに悪いことに彼に続いて突入してきた平民達も押し返されつつあった。
そう、才人とアニエスの戦いの背後では彼女が才人を押し留めている間に投入された予備隊がなんとか防御線に開いた大穴を埋める――才人に続いていた平民達を食い止めることに成功しつつあったのだ。
こうなっては一度後退するしかない。
平民たちの間に一時退却を告げる声が響き渡り、そのまま平民側はさざ波が引くように負傷者をかついで再編のために下がっていく――無論、才人もまたその一部に含まれている。
その光景を彼女は眺めた。
さすがに彼女の息も上がっている。
彼女の腰に下げられた短銃は6丁。
その全てを使いきるまでに彼女もまた追い詰められていたのだ。
「隊長! 大丈夫ですか?」
そんな彼女に声がかけられる。
「ああ、平気だ――損害は?」
銃士隊・警備隊合わせて戦死が8名、重傷者は12名――戦闘可能なのは軽傷含め74名であります、とその隊員は答えた。
いけないな、と彼女は思った。
今の攻撃は辛うじて押し返したものの、それまでの攻撃の倍以上の損害を蒙った。
この調子だとこの拠点で持ちこたえられるのは同じ規模の攻撃が来たとしてせいぜい2回が限度だろう。
そしてもう暫くすれば平民達も再編を済ませて再度の突撃が始まる――彼らには圧倒的な数の優位があるのだ。
残された方法はこの貴族街最後の拠点を放棄して王城に立てこもるしかなくなるが、かといって勝手に撤退するわけにもいかない。
彼女の守る王城前広場のほかに貴族街に通じる橋や陸側でも王都警備隊の残存戦力とあの“空飛ぶ火矢”によって幻獣を失い、徒歩となった魔法衛士隊の一部、そして本来なら守られるべき貴族妻子の内で自ら志願した者達が防御線を張っている。
しかし、響きとは裏腹に貴族妻子の志願者達は思いの他戦力とはなっていない。
彼女達は実戦経験など無く、使用する魔法にしてもおよそ戦闘的なものは多いとは言えない。
無論、自らの魔法を振りまくことによって一時的な破壊を振りまくことは出来る――魔法による火力とはそれほどのものを持っている。
確かに彼女達の奮戦は押し寄せる平民達に数百もの悲劇を強要した。
それでも最終的に押し留めることが出来ないのならば何の意味も無い。
そもそも彼らは戦闘が始まってから急遽集められた存在だった――この戦闘で真っ先に戦死してしまった魔法衛士隊の代理指揮官が彼らの志願を認めなかったのだ。
戦闘員でない彼らが杖を手に闘うということは“軍人”である魔法衛士隊がその任務を果たせないと思われているということと同義であったのだから。
そして、そのことが当初想定されていなかった指揮統制上の問題までも生み出している。
場当たり式に彼らが送り込まれた戦場には士官たる“貴族”が絶対に居るとは限らないからだ。
平民が代理で指揮権を保持していた場合、それは非常に面倒な状況をもたらす。
少なくとも今まで闘い続けてきていた暫定指揮官が“平民”であることを理由に戦場経験どころか集団を指揮したことすらない“貴族”妻子の指揮を受けねば成らない状況を生み出したのだ――“身分の壁”その弊害がこんなところでも示されていた。
特にその弊害は防御戦闘によく現れる。
防御戦闘で最も重要視されるのは敵を殲滅することではない――敵に付け入れられる隙を生み出さないことなのだから。
そんな稚拙な“指揮”を受けた部隊では生まれた戦線の解れを埋めることが出来ず、あっという間に数に勝る叛乱平民達の濁流に飲み込まれる光景が幾度と無く見られた。
それでも彼らは闘い続けている――自らの身を鑢で削り取られるようにしながらも。
今、彼女達銃士隊が後退したならば、そんな彼らは完全に突出した形になってしまう。
そこから得られる結果は残される当人だけの不運では留まらない。
防御戦力の不足は全体の崩壊という誰にとっての悲劇にもなりうる危険な行為であったからだ。
それを避けうるためには唯一つ――計画的で統制の取れた迅速な後退の他に無い。
計画的でなければ新たな防御線を築くことが出来ないし、迅速に後退しなければ逆に被害を大きくするばかりか防衛線全体を崩壊させる危険すら伴うのだ。
また、物理的な問題も発生する。
この広場に築かれた防御陣地から後退して新たな防御線を構築するならば、最も適した最後の場所は王城を取り囲む城壁であるが、城壁に立てこもるということは逆にこちらから反撃に転ずるということを困難にする――その正面の敵の密度が高まるということでもあるのだ。
勿論、最後の防御線である城壁に立てこもれば確かにこれまでよりも長く持ちこたえることは出来るだろう。
しかし、最終的に持ちこたえられ続ける可能性は低い。
眼前で銃や剣を握っているのはトリステイン艦隊水兵。
彼らは遥かラ・ローシェルからこの王都トリスタニアまで徒歩で辿り着いたのだ。
すなわちラ・ローシェル-トリスタニア周辺地域において彼女達を救援可能な戦力は存在しないということでもある。
そして言うまでもなく、艦隊が叛旗を翻した(そして利用されることを避けるために自らの手で焼いた)今、アルビオンに展開する部隊を呼び戻すことも出来ない。
いや、たとえ部隊を呼び戻したところで現状では傭兵ならばともかく、数の上で大をなす諸侯軍の徴集された平民兵達が貴族達の味方になってくれる可能性は低い。
たとえ傭兵にしたところで機を見るに敏な彼らが果たして協力するだろうか――この戦いの前に半数以上が逃げ出した王都警備隊の状況を鑑みればそれも期待薄だろう。
外部から救援の全く存在しない状況での持久戦。
しごく控えめに言っても彼女の知る限り、それは決して明るい気分にさせてくれる状況ではなかった。
「隊長、危ない!」
その声と共にそんな現状を打開する思索に耽っていた彼女は背後から無理矢理に引き倒された。
その直後、彼女が直前に立っていた空間を数発の銃弾がひゅんひゅん、という風切り音を発しながら掠め飛んでいく。
「隊長、ご無事ですか!」
「ああ、大丈夫だ――」
引き倒されたアニエスの姿を見た銃士隊員が心配そうに声をかける。
そんな銃士隊員に感謝するように答えつつ、アニエスは思った。
――解囲を試みるしかない。
このまま防戦を続けても得られるのは僅かな時間でしかない。
今ならまだ王城の外に出撃の為の拠点を保持出来ている。
仮に城壁に後退して立てこもってしまえば今度は外に出ることすら出来なくなる。
無論、あの“鉄の火矢”がある以上、空からの脱出は不可能――悪くすればあっという間に壊滅的被害を受けた魔法衛士隊の二の舞だ(それ以前に脱出用の飛行可能な幻獣そのものが不足している)。
戦闘前には想定すらされていなかった(貴族にとって全く想定外だった――勿論、彼女にとっても)そんな武器のおかげで貴族側の優位点であった航空戦力の価値は完全に消滅してしまったのだ。
ならば、手持ちの部隊が磨り潰される前に全力を一点に集中して陸上での突破を試みることが現状に対する最大の打開策だと彼女は思った。
「セリア……だったな、礼を言おう」
アニエスは自らが健在であることを示すため、彼女を引き倒した若い銃士隊員に向かって言った。
そんな彼女の前にいる銃士隊員は未だ少女の面影を残したまま――18歳に満たない年齢なのだ。
「いえ、大したことじゃありませ――」
そう答えかけた直後、再び銃声が響き渡り、そんな彼女の言葉に笑顔で謙遜の意を返そうとしていた17歳の銃士隊員は頭部から赤黒いものを撒き散らしながら糸の切れたマリオネットの様にゆっくりと彼女に向かって斃れこんだ。
「衛生兵ッ!!」
崩れ落ちた少女を抱きかかえつつアニエスは周囲に向かって叫んだ。
直に衛生兵が銃弾を避ける為に身をかがめながら駆けつける。
しかし、その衛生兵は一目その銃士隊員を眺めると、仕方ないというように首を振った――誰がどう見ても即死だった。
「……ッ!」
彼女はそんな衛生兵に対する罵声を指揮官としての意思の力で強引に抑えつけた。
そのままゆっくりと彼女は銃士隊員の遺体をそっと横たえる。
彼女の両腕は先ほどまで笑顔で話していた隊員の血に染まっている。
目の前の少女は死んだ。
つい先程彼女の命を救った少女。
彼女の声に健気に答えようとした少女。
その未だ18歳にも成らない少女は死んだのだ。
誰の為に?
何の為に?
そんな自問の答えは判り切っていた。
――彼女の為に。
――彼女が守りたいと考えていたものの為に。
あの少女だけではない。
銃士隊に所属していた全ての隊員達は彼女が守りたいと考えたものの為に傷つき、死んでいった。
それは決して彼女が守りたいと考えたある一人の人物の為だけではない。
全ては銃士隊――彼女達をこの場に集わせた紐帯こそが彼女達を戦いへと誘った原動力だったのだ。
「隊長、指示を!」
そんな彼女に指揮下の隊員から救いを求めるような叫びが届く。
そう、今もまた彼女に付き従う隊員達は彼女のみを心の拠り所として圧倒的に不利な状況下で戦い続けているのだ。
その信頼を裏切ることは出来ない。
そして同時に、彼女もまたある人物からの信頼を裏切ることは出来ない。
それはその人物こそが幼くして故郷を失った彼女に新たな帰るべき場所を与えてくれたからだった。
彼女は心の奥底で決意した。
――決断を下さねばならない。
そして、彼女は確固たる意思の篭った口調で彼女の部下達に告げた。
「しばらくここを支えてくれ」
無数の銃声や爆発音、そして人間の発するあらゆる叫びに包まれた外界とは異なり、豪壮で堅牢な造りの王城内に一歩足を踏み入れればあらゆる外敵からこの城の主を守るように驚くほどの静謐さを保っていた。
そんな王城の中をアニエスは戦況を報告するために早足で彼女の主人の居場所に向かっていた。
既に魔法衛士隊は半壊のうえ疲労困憊し、衛士隊も脱走者などによって壊乱状態に陥っている。
城門付近では彼女の直卒部隊である銃士隊がかろうじて平民達の突入を阻んでいたが、それももうしばらくの間だけであろう。
今の王都に残っているのは元来非戦闘員である筈の貴族の妻子か、あるいは才能も無く外の騒乱に怯えて自己保身のことしか考えられない者が大半だった。
才能ある者は今も遠くアルビオンにあり、怯えていない者の多くは既にその命を落としていた。
階段を駆け上り、主人の居るであろう場所を目指す彼女の視界に城壁の向こうの光景が目に入った。
外部の騒乱と内部の平穏とを隔てるかのようにはめ込まれた窓の向こうには突撃してくる平民達の前に立ちふさがるかのように20メイル近い巨大な土ゴーレムが無残に掘り返された広場の地面からその姿を現している。
その大きさを示すように、申し訳のように残った石畳が立ち上がるゴーレムの背中からぽろぽろと零れ落ちる。
当然、その巨大な姿は誰の目をも集めずにはいられない。
彼女にはそのゴーレムが巨大な腕をゆっくりと振り上げるのが見えた。
巨大な手足の一撃で突撃してきた平民達の一団が文字通り蹴散らされる。
もちろん比喩ではなく、巨大な質量の一撃を直接的に浴びた者達は赤黒い何かひしゃげたモノと化している。
その圧倒的な力を前に一時的に戦意を失い、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う平民達を追ってゴーレムはずんずんとさらに路上に集まった平民達の方へ向かっていく。
そして巨大なゴーレムが平民達を蹂躙しようとしたその時、今まで隠されていた平民側の大砲が火を噴いた。
発射された砲弾はゴーレムの頭を半ば吹き飛ばし、巨大なゴーレムはゆっくりと後方に向けて倒れていく。
しかし、そこでゴーレムはたたらを踏んで堪えた。
海老反りの状態から徐々に体を起こしていき、損傷も瞬く間に修復されていく。
持ちこたえるか?と思われた直後、今度は続けて2発の砲弾がゴーレムの残った部位に叩き込まれる。
その衝撃に耐えられず、巨大なゴーレムだった物体は元の土くれへと還っていく。
あの様子では術者のほうも無事ではすまない――精神力を完全に使い果たして数日間は使い物にならないだろう。
そんなことを考えながら螺旋状になった階段を登る彼女の視界に今度は反対側の城門前の光景が移る。
彼女を挟んで反対側の城門前を守る部隊の前には同様に巨大なゴーレムが佇んでいたが、こちらはさらに不利だった。
彼女の眼には15メイルを越えるゴーレムが叛乱平民側の30メイル近い巨大なゴーレムに叩き潰される光景が見えたのだから。
その光景を眺めた彼女の足は自然とさらに速まった。
戦況は明らかに不利――しかも急速に悪化しつつある。
城門前広場を失い、城壁に押し込められたならば脱出することすら不可能になってしまう。
彼女としては、このまま押しつぶされるよりは現有戦力を一点に集中してどんな犠牲に変えても彼女の主人を脱出させたいと考えていた。
そもそも治安・防衛戦力が半壊した段階でこのトリスタニアを維持しようとすること自体が半ば無理難題であったのは確かである。
しかし、王都に残った貴族達は執拗に王城を防衛することに固執した。
一つは王都に残っている貴族達の大半――所領を持たない法衣貴族達には王都以外に行き場が無かったこと。
もう一つは仮に王都を捨て去るとしても家族を詰め込んだ馬車で叛乱地帯を突破することは半ば自殺行為に等しいと思われていた――つい先日のリッシュモン高等法院長襲撃の件がその思いを補強していた。
さらに他の理由としては政治的なものも挙げられる。
王族、そして彼らを守る貴族が平民達に追われる様にして王都を逃げ出すことは出来ない。
ハルケギニアの戦争で勝利を手にするということはまず第一に敵の首府を陥す、ということに集約される。
逆に言えば都さえ失わなければ未だ国家としての信頼性は損なわれないということでもある。
そして、ある意味でそれは正しい――平民達にとって貴族支配の象徴である神聖にしてこれまで決して触れることすら敵わなかった筈の王城から貴族や王族が着の身着のまま逃げ出すということは平民達のさらなる増長を招くのは確実だった。
そんなことになれば、今は辛うじて貴族達の支配に留まっているか様子見で過ごしている残りの平民達の多くも確実に行動を決意するだろう。
そして、その決断の方向性はほぼ確実に彼ら貴族の側に参集することではない。
しかし、王都防衛の最大の理由は王女たるアンリエッタの動座拒否だった。
彼女が決然と王都から一時的にせよ退避することを拒否したからこそ近衛であるアニエス率いる銃士隊や魔法衛士隊が今もこのトリスタニアで戦い続けていたのだ。
事実上の宰相であったマザリーニ枢機卿が居ればその意見を変える事が可能だったかもしれない。
――いや、彼が健在だったならばそもそもこのような事態にはならなかっただろう。
しかし、彼はもう居ない。
あの雪の日に何者かに襲撃された彼は既にこの世の者では無いのだ。
故にアニエスは自らの主人に決断を迫ろうとしている。
無論、彼女の評価は地に落ちるだろう。
自らがその使命を果たすことが出来ない無能者であるということを満天下に示すことになるのだから。
それでも彼女は自らの主人に生きて欲しかった。
たとえ王都を失うことがアンリエッタの半ば王族としての権威を損なうことになろうとも。
アンリエッタに生きて貰うことこそが彼女の出来る最大の恩返しだと信じて。
このハルケギニアで孤独に生きてきた彼女に“居場所”を与えてくれた主人を守りたい、と。
そして、それをまさに進言するために激戦の中ではるばる主人の居るであろう場所に足を運んだのだ。
いくつもの大きな扉、何段もの階段、長い廊下を通り抜け、彼女はようやく自らの主人の居場所に辿り着いた。
彼女が最後の扉を開いたのは王城の中でもひときわ高い塔の上層にある広間だった。
そんなトリスタニアを一望できる見晴らしの良い場所で彼女の主人であるトリステイン王女アンリエッタはたった一人で眼下の光景を眺めていた。
しかし、その様子は少しおかしい。
いや、この状況なのだから正常でないことこそ当然なのだろうが目の前の少女の様子はそれとは違った意味で異常だった。
そわそわとして落ち着きが無いが怯えている様でもない。
何処か気もそぞろでこの無数の悪意に囲まれた王城の中にいるとはとても思えない。
アニエスは一目見て、それが恐怖や諦観、不安などによってもたらされた態度でないと判った。
喩えるならば降臨祭のご馳走を遠くから眺めている子供の様な光景とでも言えるだろうか。
目の前の少女はどこか憧れ、待ちきれないとでも言う様な雰囲気と共にそこにあった。
「――姫様」
その異様な雰囲気に面食らいながらもアニエスは自らの主君に対して呼びかけた。
「どうしたのですか、アニエス?」
アンリエッタの声が響く。
アニエスはその明るい声と顔色に驚きを隠せなかった。
彼女の主君は大包囲の下にある城の中で、一人見晴らしのいい場所からその包囲軍をただ愛おしそうに眺めていたのだ。
それでも彼女は自らの職責に忠実だった。
一瞬後にはその表情をいつものものに戻し、奇妙なほどに明るい主君に対して進言した。
「ハッ、誠に申し上げ難いのですが……この王宮はもう持ちこたえられません。この後に及んでは、我ら銃士隊が全力で解囲を試みますので、どうか姫様には脱出を図って頂きたく――」
しかし、そんな彼女の進言に返ってきたのは驚くべき返答だった。
「何故です? どうして逃げ出す必要などありましょう?」
その言葉を前に、しばしアニエスは声を失った。
改めて彼女は主君に尋ねる――非礼ではあるが、尋ねずには居られなかった。
「失礼ですが、姫様はあの群集が恐ろしくはないのですか?」
「アニエス、何を言うのです? 彼らは――平民たちはわたくしを王族という頚木から解き放つために戦っているのですよ?」
――何を恐れることがありましょうか?
そう彼女の主人は満面の笑みで語った。
そこには自分自身に酔った様な色さえある。
そんな主人の行動を理解出来ないと言った表情でぽかんと見つめるアニエスに目の前の少女は続けた。
「これでようやく、わたくしも解放されるのです。――これでわたくしも『自由』になれますわ、もうこんな城に閉じ込められることもないでしょうし、うんざりした政務からも解放されますわ。……ああ、アニエス、ご苦労でしたわね、もう疲れたでしょう。あなたも、あなたの銃士隊も」
アニエスには目の前の少女が言っていることの意味が理解できなかった。
――銃士隊は唯今をもって解散します。
そう告げた彼女は喜悦を隠しきれない声でそっと囁くように言った。
“――後はあなたたちの好きなようになさい。そう、あなたたちも『自由』になれるのですよ”
もはや隠すこともなく満面の笑みを浮かべた彼女は再び窓際に向かって歩みだし、眼下の情景を楽しげに眺めようとする。
目の前で窓の外の戦いをうっとりと眺め続ける彼女はまるで竜に囚われた少女の様だった。
だとするならば、今もこの王城へ押し寄せる無数の平民達はそんな彼女を救うために竜の住処である洞窟へ挑む勇者ということになるのだろうか――彼女の脳裏にはその先頭に立っているであろう伝説の勇者イーヴァルディにも似た黒髪の少年の姿が浮かんでいた。
そんな“勇者”の助けを待つ少女たるアンリエッタが浮かべている表情は待ち遠しい、と表現しても過言ではないかもしれない。
しかしその言葉を言われた瞬間、竜に囚われた少女の従者たるアニエスは唖然とした。
“――後はあなたたちの好きなようになさい。そう、あなたたちも『自由』になれるのですよ”
これまで平民達の最大の敵として戦ってきた銃士隊。
その隊員が『自由』になったとしても、革命政権が支配することとなるであろうこのトリステインでどのようにして生きろというのか。
かつて流浪の一傭兵に過ぎなかった彼女をシュヴァリエに引き上げ、姓まで与えてくれたアンリエッタ。
幾多の貴族達からの嫉妬や反感から彼女をそれとなく守ってきてくれたアンリエッタ。
故郷が焼かれて以来、一度も安息の地を得ることの無かった彼女に新しい家族たる銃士隊を与えてくれたのもアンリエッタだった。
これまでの人生で他人からの好意を与えられたことの無かった彼女にとってそれは初めての経験――「愛情」にも似たその恩恵がとても尊く感じられた。
だからこそアニエスは周囲の平民出身の銃士隊員達の心が徐々に王国から離れていく中、誰よりもアンリエッタに忠誠を誓い続けてきたのだ。
そのアンリエッタが今、アニエスとの紐帯を切り捨てたのだ――曰く、銃士隊は唯今をもって解散します、と。
全ては無駄だったのだ。
あらゆる犠牲もあらゆる労苦も無駄だった。
果てしなく続いた苦悩も戦いも無駄だった。
彼女達が無数の悪意と死の不安に襲われながらなお義務を果たしたトリスタニア平民街の巡回も無駄だった。
王女の勅命によって西の大洋とアルビオンの地で斃れた2万人の兵士達の死も無駄だった。
王女を信じてかつて出征していった幾万の人々。
こんなことの為に彼らは死んでいったのであろうか。
こんなことの為に17歳の銃士隊員はトリスタニアの地に斃れたのだろうか。
そんな情動に突き動かされた彼女は駆け寄りながら無意識のうちに腰に下げた鋭剣を抜く。
そのまま彼女は窓際で焦れるように眼下で繰り広げられる戦いを眺める少女の背中に向かって、低い唸り声とも高い叫び声ともつかない声を挙げながら突如として駆け出した。
その時の彼女には自身の感覚は無い。
無言だったのか、叫んでいたのかも記憶に無い。
ただ一つ確実に言える事は彼女が感じたことだけだ。
肉を切り、骨を断つ感触。
今まで何度となく経験したが、決して慣れることの無い“人を斬る”という感覚が鋭剣を握る彼女の腕に伝わる。
「あっ―――」
何が起こったのか、という顔をしたアンリエッタはそう呟くように声を洩らしながらゆっくりと倒れ込んだ。
彼女は倒れながらも信じられない、といった表情を浮かべる。
まるで、待ちに待ったプレゼントを目の前で取り上げられた子供のような。
「そ……な、…」
彼女は何かを求めるようにして手を空に伸ばす。
――まるで望んでも決して得られぬ『自由』を望んだかの様に。
腕を伸ばした先は出口たる扉でも自らを斬り付けたアニエスの方向でもない――彼女と『自由』を隔てるかのようにガラスの嵌め込まれた窓だった。
しかし、それでも彼女の腕が届くことは無い。
窓枠にしっかりと嵌め込まれたガラスはしっかりと最後まで彼女と外の世界を隔て続ける。
そのガラス越しの視線の遥か遠い先には彼女をこの退屈な“牢獄”から救い出してくれる『勇者』となる筈であった黒髪の少年の姿があった。
アニエスが平静を取り戻した時、目の前には彼女の主人だった人物の遺体があった。
嵌め殺しの窓に寄りかかるようにして最後まで外の世界を求め続け――そして最後まで手に入れる事の出来なかった一人の少女。
そんな窓のガラスに映った自らの姿にアニエスは気付いた。
だらん、と力なく下げられた腕に握られた血にまみれた鋭剣。
彼女が身に着けていた戦闘で薄汚れた防具はくすんだ土埃とは対照的な鮮やかな返り血によって染め上げられている。
そして、その時の彼女が浮かべていた表情はまるで親に見捨てられた子供のようだった。
王城の入り口付近では最後の足掻きともとれる絶望的な戦闘が繰り広げられていた。
圧倒的な数の暴力を前に押し寄せる平民達を前に指揮官であるアニエスにその守備を任された彼女達銃士隊は徐々に陣地と味方を失いながらも辛うじて王城前広場の一角を保持していた。
そんな戦場に帰り着いたアニエスの姿を見つけた代理指揮官の表情が明るくなる。
それはアニエスなら――彼女の信じる隊長ならこの苦しい状況を打開してくれるに違いないという信頼の表れだった。
「――隊長! もうここは持ちません。後退の許可を…?」
しかし、彼女の傍に駆け寄った代理指揮官は現状を報告しようとして、急に口ごもる。
それは彼女が目にしたアニエスの容姿があまりにも異様だったことが理由だった。
一瞬、アニエスが負傷しているのかと思ったが、戦場に慣れた彼女は直にその血が返り血であることを見て取った彼女は恐る恐る、と言った様子で自らの上官に声をかけた。
彼女の動揺を示すように軍隊では珍しい趣旨のハッキリしない問いかけだった。
「……隊長?」
「諸君、ご苦労だった――この国は……トリステインはもう終わりだ」
そんな部下の声には答えないまま、アニエスは周囲で戦い続ける銃士隊員全員に向かって告げた。
内心には数々の思いが去来する。
それは自らの“居場所”を何度も失ってきた――そして今もまた失いつつある彼女だからこそ思い至った考えなのかもしれない。
村を焼かれて一人ぼっちとなった少女。
その幼い少女は母が始祖の“正しき”教えを捨てていたことを理由に修道院を追い出され、幸運にも拾われた傭兵団は偶然“メイジ殺し”となってしまったその少女に対する貴族の報復の巻き添えを恐れ、彼女を見捨てた。
何度も何度も見捨てられ、切り捨てられてきた少女は流れ流れた果てにようやく見つけたと思えた銃士隊もまた失おうとしている。
もはや彼女にこのハルケギニアでの居場所はない。
いや、そもそも彼女に居場所なんてなかったのだ。
――どうして自分はあの虐殺から生き残ってしまったのだろう。
本当なら自分はあの場所で死んでいたはずなのに。
あの時死んでさえいればもはや何一つ失うことはなかったはずなのに。
あるいは彼女はダングルテールで死んだ家族からも切り捨てられたと言えるのかも知れない。
……だから、せめて彼女達には生き延びてほしかった。
かつて無数の人々に裏切られ、見捨てられてきた彼女。
しかし、今アニエスの前にいる隊員達はこの状況に至っても決して彼女を見捨てようとはしない――身を挺して彼女の命を救ったあの17歳の銃士隊員のように、自らの血を流しながらも彼女を信じ続けている。
――ならば、彼女達だけでも守りたい。
彼女達にはきっと自分には無い“未来”があるのだから、と。
それは今まで他人から「愛情」というものを与えられたことのない彼女に出来る唯一の「愛情」の示し方だったのだろうか。
「我らはこれより“敵”の包囲を突破する! 突破後は各自の判断で行動せよ――帰れる場所のあるものは帰れる場所へ、そうでないものは新しい居場所へ」
彼女がそう告げた直後、もう何度目になるか判らない平民達の突撃が開始される。
ここを落とせばそのままの勢いで王城内に突入するとばかりに手に手に武器を持った平民たちが地鳴りのような足音と共に彼らの正面に立ち塞がる銃士隊に向かって押し寄せてくる。
そんな光景を前に彼女は生き残った彼女の部下達に叫ぶように命令を下し、先頭に立って駆け出した。
「銃士隊、前へ! “未来”に向かって前進せよ!」
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今回もトリ革をお読み頂いてありがとうございます。
作者のさとーです。
感想であったご質問にお答えします。
O−ジンジ◆ef105253様、じょぶ◆e915b7b2様のご質問に就きましては一応今回の話の中で回答させて頂いたつもりです。あとがきで説明するよりも本編で答えたいな、と思ったもので(笑)
一応疑問点にお答え出来る様に本編の中に書いておいたつもりなのですが、もし不十分だと思われたらさらに補足させて頂きますのでお申し出下さい。
たねんばうむ◆a7993d12様の至極尤もなご指摘は39話のあとがきにて言い訳させて頂いております。
これもご意見がありましたら即時修正させて頂きます。
それから、また感想が荒れてますね。
煽り、または特定の人の発言に噛みつくのは慎んで頂くよう重ねてお願いします。
もちろん作品に対するご意見等はいつでもどんなものでもお待ちしていますので。
最後にもう終わっちゃうので過去分をまたあっちこっち加筆修正しました。気になった方は読んで頂けたら幸いです。
ちなみに話の軸は弄っていないので読まなくても全く大丈夫ですが……(汗)
ちなみに次が最後(予定)になります。
どうか最後まで宜しくお付き合い頂きますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。
10/08/11
感想欄の荒れに関してお聞き頂けたようなので特定の方に対する警告部分を削除。
感想でのご意見を参照してちょっとだけ加筆訂正と誤字修正。(ご指摘頂きありがとうございました)