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No.4017の一覧
[0] アレな使い魔(ゼロの使い魔・憑依系)[例の人](2008/09/04 19:03)
[1] プロローグ~A long time ago in a galaxy far,far away~[例の人](2008/08/30 14:39)
[2] 第1話~キスまでの距離~[例の人](2008/09/04 19:06)
[3] 第2話~An old maid, an old maid~[例の人](2008/09/04 19:15)
[4] 第3話~栄光への脱出~[例の人](2008/09/04 19:23)
[5] 第4話~EAT-MAN~[例の人](2008/09/05 18:05)
[6] 第5話~宴の支度~[例の人](2008/09/11 07:50)
[7] 第6話~Street Fighter~[例の人](2008/09/16 21:49)
[8] 第7話~宴の始末~[例の人](2008/09/21 13:29)
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[4017] 第3話~栄光への脱出~
Name: 例の人◆9059b7ef ID:6d7552d7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/09/04 19:23
前略おふくろ様。
俺は今、異世界にある魔法学院の一室にて年端もいかない娘さんに説教を受けています。
ジャパニーズ正座スタイルでずっと聞いているので、足が痺れてきました。
正座と土下座は日本の文化ですよね。
おっと、話がそれました。
閑話休題。
俺に怒っている女の子の名前はルイズちゃんと言います。
フルネームはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールといって、とっても長いです。
ピンク色の髪をした、ちょっとパンクでキュートな女の子です。
この世界の人の染色体はどうなっているのか少し気になります。
気になるけど、ルイズちゃんはかわいいから全て許せてしまいます。
お説教されているのに、本当はこんな事考えるのは駄目だとは思います。
でもルイズちゃんの怒る顔はすごくかわいいんです。
こんなにかわいい子を目の前にしてしまうと、辛抱たまらんです。
あぁ、もう今すぐ食べてしまいたい。性的な意味で。
未熟な青い果実が俺の目の前に。
もぎたてフルーツ収穫祭。
食欲の秋、性欲の秋。
女心と秋の空。
俺とルイズちゃんの甘い恋物語。
俺を見つめるつぶらな瞳。
罵倒の言葉を放つ柔らかそうな唇。
未成熟な禁忌のボディ。
芸術。これはもう芸術だ。
揉みたい、舐めたい、食べたい。
俺の溢れる想いは止まりそうにない。
そろそろ我慢できません。
ルイズちゃん。
ルイズちゃん、ルイズちゃん……。

「ルイズちゃあああああん!」
「ひぃッ!?」

おっと。
ルイズちゃんを怯えさせてしまった。
叱られているのに失敗だ。
紳士を目指す俺にあるまじき失態だ。
反省せねば。

「あああ、あんたね!? 突然大声上げるのやめなさいよ!?」
「はい、すんません」
「大体平民の分際で名前で呼ぶとか馴れ馴れしいのよ!」
「ごもっともで」
「本ッ当に、分かってんの!?」
「もちろんですとも」
「そ、それならね……」

ルイズちゃんの声が震える。
額には青筋まで浮かんでいる。

「何で未だに全裸なのよあんたは!?」
「フヒヒ」

サーセン。


俺がハルケギニアに召還されてから数日が経った。
基本的に、俺はルイズちゃんの部屋に監禁されている。
軟禁ではなく、監禁なのがポイントだ。
授業どころか食堂すら連れて行ってもらえない。
ご飯は一日二回、粗末な余り物を部屋で出されるだけ。
夜寝る時は縄で縛られて床に放置される。
トイレに行く時も縛られてから。
お風呂? 何それおいしいの状態。
朝は朝で、ルイズちゃんの着替えを手伝おうとしたら顔を蹴られる。
……何かがおかしい。

「原作のイベントはどこへ消えたんだ?」

俺はルイズちゃんの部屋で腕を組んで考えていた。
嬉し恥ずかしの着替えお手伝い。
授業中での錬金失敗や、食堂でのシエスタとの出会いにギーシュとの決闘。
どれも原作序盤の大きな見せ場だ。
このままでは、これらのイベントがオール無視になってしまう。
下手をすればずっとこの状態が続くだろう。
召還後その場に放置された後、部屋ではヒロインに監禁され続ける主人公ってどこまで斬新なんだよバーロー。
いや、元はといえば俺がハッスルしすぎたせいなんですけどね!
今後はちょっぴり自重します。たぶん。
ちなみにルイズちゃんは現在授業に出かけているので、部屋には俺一人だ。
一人という事はつまり……。

「そろそろ脱出作戦を決行します!」

俺は誰もいない部屋で叫んだ。
男の決意表明だ。
不退転。背水の陣。
言い方は様々だが、後がないという意味では同じだ。
このまま監禁生活を続けるのも、それはそれでゾクゾクするけど、やっぱり外には出たい。
ルイズちゃんだけではなく、シエスタちゃんやタバサちゃんやキュルケちゃんともフラグを立てたい。
この世の女は全員俺のもんだ。
誰一人として他のやつには渡すものか。

「まずはオーソドックスにドアから!」

扉へ向かってダッシュ。
ドアノブを握って回して……。
残念!
ドアには鍵がかかっていて開きませんでした!
しかも俺流アンロック(タックル)が通用しないように、木製から鉄板仕込みの板へと強化済みです。
防犯レベルがぐぐんとアップ。
俺への対策はばっちりですね。
ひどいよルイズちゃん。

「ならば窓から!」

窓に近寄って外を眺めてみる。

「風が気持ちいいなぁ」

とっても見晴らしもよくて、日当たり抜群で最高の物件ですねお客さん。
そうです、この部屋は塔の三階にあります。
高いですねー。
暖かいですねー。
風が気持ちいいですねー。
ここから飛び降りたら、潰れたトマトみたいになりそうな予感がプンプンしますねー。
というわけで、飛び降りるのは却下です。
どこぞの大泥棒さんのように、屋根から屋根へ、足場から足場へと伝うのも無理です。
落ちたら死にます。
だから無理です。
何度も言うけど無理です。

「分の悪い賭けは嫌いじゃない」

試しにニヒルに言ってみた。
でもやっぱり無理なもんは無理。

「しかぁ~し! こんな事もあろうかと!」

俺はあるものを取り出した。
それは……。

「パパパパーン! ベッドのシーツ!」

自分の口で効果音を表現しながら取り入出したるは、染み一つない真っ白なシーツ。
ルイズちゃんが使っているベッドのシーツである。
予備に何枚か部屋にあったのも拝借した。
本来なら俺がリビドーに任せてそのシーツを汚してもいいのだが、自重する。
何故ならリビドー開放に夢中になっているうちに、ルイズちゃんが戻ってくる可能性大だからだ。
もし俺が行為に夢中になってシーツを汚しているのを見られたら、今度は命の危険もあるかもしれぬ。
今は逃げるが先決。
このシーツ同士を端と端で結べば、見事脱出用のロープへと早変わりって寸法だ。
映画とか漫画では監禁された人は大抵この方法で逃げるという、伝統的な逃走手段である。
高いのならば、シーツを伝って降りればいいじゃない。
昔の人はきっとそう言ってました。
先人は偉大です。

「さっそくシーツを結んで……」

結ぼうとした瞬間に、手が止まってしまう。
シーツを結ぶ、それだけの行為ができない。
結ばなければ逃げられない。
でも、その前に……。

「脱出する前に、ちょっとくらい有効活用を……」

シーツに顔を近づけてみる。
ふわりとした感触。
あぁ、ルイズちゃんのシーツはいい匂いがする。
ルイズちゃんの残り香が溢れている。
シーツにぐりぐりと顔をこすりつけて、胸いっぱいに息を吸い込む俺。
このシーツに包まれてルイズちゃんは眠っていたんだね。
俺がシーツになりたい。
むしろルイズちゃんをシーツにしたい。

「ルイズちゃん、ルイズちゃん!」

ルイズちゃんの香りが俺の中に充満してくるよぅ。
幸せいっぱい夢いっぱい。
天国への扉が開かれて……。

「……ハッ!?」

しまった。
こんな事してたらルイズちゃんが戻ってきてしまう。
馬鹿馬鹿! 俺の馬鹿!
俺はいつの間にか全て脱いでいた服を急いで着ると、今度こそシーツを結んで部屋の窓から脱出した。


自由。
それは素晴らしい言葉。
自由。
それは人としての尊厳。

「俺は自由だぁッ!!」

ルイズちゃんの部屋から見事脱出した俺は、学院の中庭で喜びを噛み締めていた。
仰ぎ見る空はどこまでも透き通っていて美しい。
あの空の青さは、きっと俺を祝福してくれているからに違いない。
全ての人間は生まれながらにして自由である。
こんな台詞を言ったのは一体誰であったか。

「そんなもん知らねーよ!」

自分の心の声に怒鳴り返すという、特に意味のない行為。
つまり、それくらい俺のテンションは高かった。
テンションが高い時の俺は無駄に行動力がある。
例えるなら、二回行動できるくらいのレベルだ。
一ターンクリアには欠かせない特殊技能。
最終ステージでも余裕です。
意味が分からないだって?
知るか!!

「うひょーッ!!」

スキップしながら中庭を駆ける俺。
でも五分くらいで飽きたから、今度はムーンウォークに変更。

「ポゥ! ポゥ!」

奇声を発しつつ、後ろ向きに滑るようにして動く。

「ポゥ! ポゥ! ポゥ!」

一体俺はどこに向かっているのか。
人間には、後ろに目がついてはいない。
前を向いたまま背後を見るなんてできやしないのだ。
つまり、どこへ行くかは俺にも分からない。

「ポーーゥッ!!」

調子に乗ってスピードアップしてみる。
今の俺なら何でもできる。
そんな気がする。
いや、気のせいではない。
俺は無敵だ。
無敵の神だ。
世界は俺のためにあるんだ。
そうさ、世界は俺のもの。
俺がいるからこそ、世界が存在するのだ。
そんな事を考えていたら、

「きゃあッ!?」

短い悲鳴。
背中に何か柔らかい感触がぶつかって、俺は後ろへと振り返った。

「ポゥ……?」

俺の目の前では、黒髪で巨乳なメイドさんがうずくまっていた。
間違いない、シエスタちゃんだ。
タルブ村出身のシエスタちゃんだ。
ルイズちゃんに続いて二人目の原作女の子キャラ発見。
喜びを胸の奥に秘めて隠しつつ、ますは紳士に対応だ。

「失礼。お嬢さん、お怪我はありませんか」
「あ、はい、大丈夫です……」

手を出して起き上がらせる。
握ったシエスタちゃんの手は、とっても柔らかかった。
シエスタちゃんが身を起こす際、大きな胸がぷるんと揺れた。
……興奮した。


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