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No.41257の一覧
[0] 【ネタ】モッピーENDストラトス(インフィニット・ストラトス)【完結】[EN](2015/06/04 00:08)
[1] モッピーENDストラトス ~徒花の咲く頃に~[EN](2015/06/01 00:58)
[2] モッピーENDストラトス ~紅の酢豚~[EN](2015/06/02 00:10)
[3] モッピーENDストラトス ~モッピー・オブ・ジ・アビス~[EN](2015/06/03 00:03)
[4] モッピーENDストラトス ~モッピー・トリガー~[EN](2015/06/04 13:51)
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[41257] 【ネタ】モッピーENDストラトス(インフィニット・ストラトス)【完結】
Name: EN◆3fdefd77 ID:4c87eb1b 次を表示する
Date: 2015/06/04 00:08
気が付いたら黒髪ポニテ美少女だったでござる。

一体全体何が起こっているのか全く一欠片も分からない内に、周囲から促されるまま学校の入学式を終えて、割り振られた教室の座席に座っていた。
クラス内には女子、女子、女子。そら見た事かと女子の群れ。
オゥフ、此処は女子校だったのかいジョニー!などと考えていると、一人だけぽつんと男子が座っていた。傍から見ても一目で理解出来る程に迸る あのぼっち臭。くさい。

HEY! 提督ゥ!と思わずテンションの高い声掛けを行ってしまったが、話しかけられた男子生徒が地獄で仏を見つけたかのような顔でこちらを見上げてきたので「すみません、人違いでした」と唐突な真顔に冷静な声音で会話を打ち切って踵を返す。リアクション過剰過ぎじゃないですかねぇ……。
しかし自席に戻ろうとした所で片腕を掴まれ、更には何故か掃除用具の名称を連呼しながら強く縋り付いて来る提督、もとい男子生徒A。やだ、セクハラ……。

根負けして話を聞いてみると、周りが女子ばかりで居心地が悪いとか、周囲からの視線を感じて落ち着かないとか、知り合いが居てくれて良かったとか言われた。いえ、初対面ですよね?

男子生徒の明朗な一人語りに対し、適当に相槌を打つ。
何を話しているのかなど会話の内容は全く聞いていないのだが、「分かるよー、すごく分かるよー」とか適当に言っておけば大丈夫だろう。こういう時は単純に相手の同意が欲しいのであって、他者からの明確な意見を欲しているわけではない。というわけで、さっさと終われと念じながら一方的な会話を続ける。
我ながら惚れ惚れするほどの聞き上手っぷりに男子生徒からの好感度がギュンギュン上がっている気がしたが、所詮は単なるクラスメイトだ、男子の数が異様に少ない状況に首を傾げる部分もあるが、今後の交流を控えれば面倒事にもなるまい。

『モッピー知ってるよ、その考えがフラグだってこと』

――何奴!?


どうやらこの身体の持ち主は『篠ノ之箒』と言う名前らしい。
しののの、ほうき。

……きっと幼少の時分には名前が原因で大層からかわれた事だろう。若干の哀れみを覚えたが、今は我が身。苗字も『の』の字が三つも並んで、珍しいというか言い難い。持って生まれた容姿が胸の大きなポニテ美少女というハイスペックでなければ実り多き筈の彼女の人生には大きな傷が残っていたのでは無いだろうか。
おーい篠ノ之ー、今日の掃除当番代わってくれよー。おまえ箒なんだからいいだろー、っぎゃはははは! ――などという妄想を脳内で弄びつつ、本日の授業を受ける。

この学校はインフィニ……ホニャララという物に関する学習を行う場所らしい。
胸部に豊かな実りを二つほど備えた眼鏡っ子系女教師が一生懸命に授業を行っているが、授業の内容がさっぱり分からん。
微分積分なんか出来なくても生きていけますよね、という勉強嫌いと同様の理屈でもって授業をオール聞き流す。ただし逐一ノートに視線を落とし、表面上は勤勉に振舞う。いけるでぇ、これは!

『モッピー知ってるよ、この教室には人の心を読み取れる化け物が居るってこと』

――げえっ、関羽!


ちょっとした体罰問題も起こったが、美少女なので元気です。
途中『しののののたばね』とかいう人物に関してクラスメイト達が騒いでいたが、意見を求められた際に知らない人ですね、とかそんな感じの事を言ったら教室内がシンとした。何かいけない事を言ってしまったのだろうか。でも本当に知らないからね。仕方ないね!

他にも授業内容を全く理解していない事を見破られ、衆人環視の中で手を挙げさせられたりしたが、クラス内 唯一の男子生徒である提督殿もこちらと同程度の理解度らしく、クラス編成初日に教室のど真ん中で教師から吊るし上げを喰らうという羞恥プレイをギリギリ致命傷で乗り切る事に成功した。サンキューベジータ!
あと、「ですわ」口調の金髪お嬢様が実在した。感動した。

そんなわけで放課後である今現在、寮の自室に戻って来たのである。

美少女生活一日目、まったくもって危なげなくパーフェクトに乗り切ったが、やはり内心緊張していたのも事実。故に一日の汗を流すべく存分にシャワーを浴びようではないか。
べっ、別にこの魅惑の双子山脈を直に拝みたいだなんて思ってないんだからねっ! 勘違いしないでよね!
谷間に汗掻いて痒いんだよォ――ッ! 教室で胸元押っ広げて引っ掻くわけにもいかねェエ――しよォオオ――!! と全力の言い訳をしつつ浴室に駆け込む。

数分後、そこにはシャワーからの流水を全身に余す所無く浴びて寛ぐ美少女の姿が!

健全なバスタイムを健全に満喫しただけなので何も問題は無い。
ただ一つだけ悩みを吐露するなら、自分の身体だと認識すると途端にあの頃の情熱が色褪せる事かなー……。

はー、どっこいしょーっ、と若々しさ溢るる魂の雄叫びを供にシャワー室を後にする。
がに股になってから何も身に付けていない股座に高そうなバスタオルを両手でバチーンバチーンと叩きつけて気合を入れると、そこに立っているのはいつものクールな篠ノ之箒さんである。昨日までの箒さんを知らないので適当だが。
そして浴室のドアを開けた先にはっ、なんとクラスメイトである提督ゥ!が立っていたのです。

色を知る年齢か!

第一声で相手の威勢を挫き、その無防備な片腕を取り宙空を駆けた。
掴み取った腕を両脚で挟み、滑るように己の股座で拘束。その肩から背中に向け全体重をもって乗り上げると、人一人分の重みによって相手の体勢が否応無しに前屈みに落ちていく。更に片足の膝から脛を用いて相手の後頭部、首の後ろの部分へと荷重を加える。
そしてそのまま捕らえた片腕をしかと固めて、真っ直ぐに地へと敵手の顔面を叩き付ければ、虎王――完了。

『モッピー知ってるよ、ラッキースケベは主人公の基礎スキルだってこと』

――っまずい、何故か大量の鼻血で床が!





織斑一夏は愕然として呟いた。

「……きおく、そうしつ?」

唇から零れ落ちた声は酷く透き通っていて、微塵の震えも宿さぬ己の言葉が酷く薄情なものに思えた。
床に正座する一夏の目の前には白い寝巻きでその肢体を隠した少女。記憶にある姿とは異なり髪を下ろした彼女は、前髪に隠れたまま面を伏せておりその表情も窺い知れない。
だが、俯いたその顔はひょっとすると自分がかつて見た事も無い程に強い不安の色に染まっているのではないかと思えてならないのだ。

数年越しに再会し、美しく成長していた少女。
篠ノ之箒。
織斑一夏にとっては親しく接した幼馴染の一人であり、記憶にある限りの、最も幼い頃の思い出を共有している相手だった。

共有していた、相手だった。

――君の知ってる篠ノ之箒は、死んだ。
――知らない。
――私の中には、お前との思い出など存在しないのだ。
――果たして本当に、私は篠ノ之箒という名の人間なのか?
――ちくわ大明神。

では。
では、朝に教室で自分と話してくれた彼女は何だったのか。
かつて記憶に無い程に優しげな微笑みで、周囲の環境に辟易としていた一夏の話を聞いて、温かく包み込んでくれた、あの短くも楽しかった時間は。
まったく知りもしない相手に、なのにあんなにも優しく、こちらの言葉を受け止めてくれていたのか。
彼女の抱える事情など何も知らなかった織斑一夏に対して。

その影で何を思い悩み、どれほど苦しんで。その末にこうして真実を告げ、一夏の顔を真っ直ぐに見る事も出来なくなって。今も目の前で悲しみを耐えながら静かに俯いてしまっている、少女の姿。

「――大丈夫だ」

何を言うべきなのか。
それを考える前に彼の口は勝手に動いていた。

「思い出せない事が不安なら、俺が居る。一人じゃ無くて、二人なら。きっと、無くしたものもすぐに思い出せるさ」

その声に。
ずっと俯いていた顔を上げた少女が、何を言われているのか欠片も理解出来ないとでも言いたげな、余りにも無垢な表情を見せていた。
その瞳の色は、酷く幼い。まるで迷子の子供のようだ。或いは、何も知り得ぬ白痴に等しい。

守らなければ。

一夏の胸の内で沸々と静かに湧き上がるものが有った。
義務感ではない。同情も無かった。ただただ、目の前の女の子が悲しんでいる現実が、酷く『駄目』な事だと感じたのだ。頭ではなく、己の心が。

「思い出せない事じゃなく、何も持って無い事が不安なら、これから一緒に作っていけばいいさ。――簡単だろ?」

思い出せれば良い。しかし、思い出せなくても良い。
結果がどちらであろうとも、ただ行き着いた先で、彼女が笑っていられるのなら、それが一番良いと強く思う。
本当の本当に、この世で最も正しいと呼べる程に明確な回答など、ただの少年に過ぎない一夏の中から生まれ出てくる事はこれから先もきっと無いのだろうけれど。

この日この時、織斑一夏は誓ったのだ。
守りたいものがある。きっと、守ってみせる。
だから。まずは此処から始めよう。

「――『はじめまして』、篠ノ之箒さん」

差し出されたその掌を、少女は確かに手に取った。

「俺は織斑一夏っていうんだ。 ――よろしくな!」

輝くような笑顔で一人の少女を新しい世界へと迎え入れた少年のその姿は、まるで太陽のように眩かった。
きっと何もかもが上手くいく。誰も彼もがそう信じてしまいそうなほどに、真っ直ぐで。素直で。
だから誰も気付かない。


『モッピー知ってるよ、ハッピーエンドなんて最初から何処にも無いってこと』

――知ってるよ、モッピー。どう足掻いても無駄だって事くらい。

誰もが。何をも。どれほどまでに望んだとしても。
みんなが笑っていられる結末なんて、辿り着いた先には有り得ないのだと。
この世界に生きる誰も彼もがこの時はまだ、気付いていなかったのだ。





ISの篠ノ之箒ネタで勘違い系ヒロイン臭を醸し出すぜと書き始めた筈なのに、別視点を入れてみたら酷い事になったSS。
一夏サァン!のイケメン臭描写が凄く難しい事に気付く。

続かないです。


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