再び目を開けるとそこは白い天井…ではなく青い空だった。
体を起こして周りを見渡せば
『ゴミだらけじゃねーか!!!』
どこを見てもゴミ、ゴミ、ゴミ。
何、天国ってこんなハードモードなの?
というか状況が理解出来ない。
確かいきなり撃たれて…
頭をかきむしりながら悶々とした。
…頭が小さい。手も小さい。
そこで僕は自分の体の異変に気がついた。俯けば地面までの距離が近い。
近くにあるカーブミラーの廃棄?
をのぞき込んでみる。
どこからどう見ても子供。
ピチピチの25歳とか言ってた冒頭はどうした。
大丈夫これは悪い夢。
きっといつものように妹が『寝るなら永眠しろクソニート』って起こしてくれ
るはず。
僕は再び目を閉じた。
くせぇ。寝れたもんじゃない。
ものの1分も寝付けず再び起き上がる。
とりあえず、この夢の中楽しもう。
もしかしたら明晰夢ってやつかもしれないしそれなら空を飛べるかもしれない。オラなんだかワクワクすっぞ!!
「ここは僕の世界だ!!!」
僕の世界がゴミだらけなんてことは今更気にしねぇ!!
とりあえずゴミの山を駆け上がると…落ちた。5mくらい落ちた。
痛いです。流血しました。
それがまたやけにリアルで…
幸いテントの上に落ちたみたいで骨折とかはなさそうだけど僕今怖い人に囲まれてます。
『坊主てめぇどっから湧いて来やがった!!ここは俺らの縄張りだぞ!!!』
『きっとまた捨てられて来たんすよ。
兄貴こいつにここでの生き方教えてやりましょうよ。』
『…いいだろう。おいガキ。てめぇいくつだ?』
どこからどうみても悪役AとBみたいなやつがニヤニヤして僕を見下ろしている。
いや年齢とか知らないです。はい。
「お兄ちゃんたち怖い!!僕目が覚めたらここにいっ『質問に答えろ!!』バキッ(悪役Bが僕を殴った音)
「親父にも殴られたことな『二度言わせるな』バキッ(悪役Bが僕をry)
もういいです。
「…いたぃいうっうぅっぐすっ」
涙が止まらない。
25だぞ?いや違う僕は今子供なんだ。
体だけじゃなくて精神までかよ…。
悪役を睨みつけたいところだが涙が滲んで明日すら見えない。
目の前が暗くなって…悪役A.Bが倒れてきた。
『大人2人で何やってんだ恥ずかしい。…あんたも捨てられてきたの?』
この人を見たことがある。
キツイつり目にピンクの髪
ただ僕の知識と違うのは髪はポニーテールじゃないし和風の服装でもない。
それになんか…若いです。
「マチ…」
女が目付きを鋭くした。
瞬間頭がフル回転した。
ゴミだらけの世界、捨てられた、マチ…この三単語が示すものは一つしかない。流星街だ。
流星街があるのはハンターハンターの世界。
幻影旅団と関わったら必ず死ぬ。
さらに名前も知ってる僕は完全に怪しまれる。
どうすれば生きられる?
この間わずか二秒。
マツシタはこの異常な状況下においても人間の本能を発揮した。
生きるためにどうすればいいか。
「マチ…待ち合わせをしてたんです。」