第1話
ある朝起きたら、NARUTOの世界に転生トリップとか言うものをしておりました。
赤ん坊の不自由な体で自分の置かれた情況を何とか把握する頃には、前世(?)の記憶・・・というかトリップ前の記憶と言うかも薄っすら思い出し、生活習慣病が原因の心筋梗塞なんていう妙にリアルな前世の死因なんかも思い出して、そういえば前世は夜中にパソコンやって不規則な生活だったよね私なんて思いつつ、今生では健康に気をつけて清く正しく生きようなんて決意してみたり。
・・・うちは一族に生まれてしまったってだけでその誓い、意味無いじゃん。
こうして一時期自暴自棄になった私はミルクを自棄飲みし夜泣きを必要以上にする、嫌な赤ん坊時代をすごして母親を育児ノイローゼ気味にしたものだが、それでも育ててくれた両親には感謝する。
しかし、生まれた瞬間から立ちっ放しの死亡フラグはなんとしても回避したいなぁ~と考え、前世よく読んでいた、二次創作小説のように立って歩けるようになってから直ぐ修行とかしたのだが、どうやら私には忍びの才能は無かったらしい。
どうせ前世の体育の成績は万年アヒルでしたよ・・・。
木登り試したら足は木にくっ付いたものの、木と垂直に立ち地面と平行になるような重力に逆らった姿勢を維持できずに、足だけ木に引っ付けたまま後頭部を地面に激突させてしまった非力さである。
アカデミーの飛び級すら出来ずに、近所で同い年のうちはイタチ君はもう中忍になろうというのに未だにアカデミーで燻っていたりする。
もうお分かりだろう。
うちは一族滅亡まで正確には良く分からないが、あと2~3年しか猶予が無い事が。
そんな私の心境を絵文字で表すとこんな↓感じ
。゚(゚ `Д)ノ。゚ヽ( )ノ゚。ヽ(Д´ ゚)ノ゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!! シニタクネー!!シニタクネー!!
ふざけてないよ・・・現実逃避だよ;
しかし、この情況を乗り切るには余りにも足りない力と頭脳・・・万華鏡とまでは言わないからせめて普通の写輪眼でいいから開眼してくれないかな~。と思ってはいるが、そう簡単に開眼してくれるものでも無いらしい。
とりあえず自力救済は無理だな・・・
あと数年に迫った死亡フラグ回避を自力ですることを諦めたはいいが、他力本願と言っても誰に頼ればいいかもとんと思いつかないんだよね。
まだアカデミー生の私には、余り里とうちは一族の関係なんて知らされていないが、一族の集落を覆う不穏な空気は息苦しいほどで・・・
火影様と話し合いで解決してくれるのが1番いいんだけどね。
話し合いなんかする雰囲気じゃ・・・無いな。
この殺気だった一族を話し合いのテーブルに付かせる方法なんて、私の足りない頭脳からは出てこないし・・・。
どうすればいいんだ・・・と足りない頭を総動員して考えた結果。
うちはイタチの彼女になりました・・・。
そりゃもう必死でしたよ。
*近所の幼馴染とまでは行かないけどうちは兄弟と顔見知り。
*美形が多いうちは一族に生まれたおかげで前世よりは整った顔。
*前世の反省により健康に気を使い、死亡フラグ回避の為修行をしまくった故のスリムボディー。
↑これらをフル活用しての命がけの押しの一手が功を奏し、なんとか彼女の地位を射止めましたよ。
前世でもこんなに必死になっていたら彼氏とか出来たのかな~?彼氏いない暦=享年だった過去は我ながら悲し過ぎだと思う。
イタチ恋人も殺してたよ?って突っ込みは今はしないで欲しい、今は!!
うちは一族のエリートでアカデミーを1年で卒業した天才で顔は美形のイタチは競争率が半端なく高かったのだ。
それを勝ち抜くのに精魂使い果たしてるから・・・。
目指すはイタチにとって里よりもサスケよりも重い存在になる事!!
・・・って言っても、イタチを落とすのにサスケの話題で釣っている時点でもうすでに駄目駄目なんだけどね・・・orz。
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死亡フラグ回避の為、うちはイタチの彼女になってから1年が経ちました。
未だにサスケより重い存在にはなれません。
それどころか益々、サスケと自分の間に越えられない壁を感じています。
多分イタチの中では
サスケ>>>>>(越えられない壁)>>>>里>>私
なんだと思います。
自分で言っていて泣けてきます。
戦略ミスを痛感しています。
泣いていいですか?
そういいつつ笑顔で
「サスケくん今日の演習で大活躍だったんだって。」
なんて、笑顔でイタチに今日のアカデミーでのサスケの様子なんか報告している、私は完全にミイラ取りがミイラになっています。
私は今年卒業するものの未だにアカデミー生だから、当然後輩であるサスケの様子なんかも耳に入ってくる事もあるので、ある時それを話題にしたら、凄い喜んだんだよイタチが!!
その時のイタチの笑顔といったら・・・理性も死亡フラグも吹き飛ばす程のそれはそれは素晴らしいもので・・・。
その笑顔は余りにも抗いがたく・・・その笑顔見たさに私は必死でイタチにサスケの話をする日々・・・。
観用少女で身上つぶす人の気持ちが良く分かったよ。
死兆星がはっきりびんびんに見える今日この頃です・・・
私は知らない事になっているけど、暗部に入ってついでに里との2重スパイなんかも始めて忙しいイタチとのたまのデートの内容が、ほぼサスケのストーキングになっています。
デートコースは決まって
甘味処→サスケを見守る→帰宅
となっております。
ストーキングするくらいなら一緒に修行してあげればいいのにと思うのですが・・・何も言うまい。
それに、サスケを見ている時のイタチの笑顔といったらそれはもう・・・
たとえそれが端からみれば変態の行動であっても無問題です。
それに、見ているとサスケも可愛いんだよね。
まだ、イタチが一族皆殺しにするまえだからスレてなくて、ちょっと生意気だけど純粋に可愛い頃だからさ~。
でも、一度冗談で「サスケくん可愛い。お~もちかえり~☆」なんて言ったら、イタチに凄い目・・・というかアレ万華鏡写輪眼になっていたよね、で睨まれたんだよね。
あれはマジ恐かった、一族滅亡の前に死ぬかと思ったよ。
2時間土下座して謝っちゃたよ。
九尾の来襲に匹敵するくらい恐かった。
イタチの中での自分の存在感の軽さに涙しつつそれでも、イタチの笑顔見たさにサスケくんの話題を増やすべく、1人の時もストーキングをしてしまう馬鹿な私・・・。
サスケくん今日は手裏剣の修行なのね~。
うんうん、私より上手いじゃん。
イタチを見上げて焦ることは無いんだよ~ゆっくり大人におなり~。
なんて、心の中でエールを送りつつ観察。
帰りは暗くなっていたので、サスケくんに危険が無い様護衛しなきゃ・・・なんて心の中で言い訳しながらストーキング。
それで一族の集落に帰って来たら死屍累々・・・
あれ・・・もしかしてあの夜って今日ですか?
背中に衝撃
その瞬間は一瞬冷静・・・あっ!こりゃ死んだな。
しかも、最初の一撃で十分致命傷っぽいのに2度も刺されたよ。
その直後に襲う激痛、筆舌に尽くしがたし・・・息が出来ない息が・・・
思えばイタチと一緒にサスケ馬鹿になっていたのは、この日から目をそらす為の現実逃避だったんだな。
観用少女だって笑わせるだけじゃなくて、ちゃんと愛してあげないと枯れちゃうのに・・・
恋人の立場に居たのにイタチにサスケの話意外何もしてあげられなかったんだな恋人失格だよ・・・もう彼は笑わないんだろうな、あの最後の瞬間まで・・・。
健康に悪いと思いつつも自堕落生活して死んじゃった前世と、死亡フラグに怯えながら結局何もしなかった今・・・何も変わって無いな私。
そんな走馬灯の最期に浮んだのはサスケの話をしている時のイタチの極上の笑顔だった。
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜
43巻のイタチのブラコンッぷりと恋人が居たらしいって所で、弟より軽い恋人って・・・という衝動で書いてしましました。