さとり「さて、さっきからずっっと話してばかりな気がしますがどこに向かいますか?」コナン「ここの下も気になるけど…とりあえず旧都に向かおうかな」さとり「ここの下?」コナン「何かあるんでしょ?いくらさとりさんが妖怪、そして妹やペットがいるといってもこの屋敷は広すぎる」さとり「いろんな種類のペットがいるので外の世界で言う動物園みたいになってますけどね」コナン「それは別として。恐らくさとりさんは何かの管理をしているんじゃないかと思う。その対価にこの地霊殿を貰ったんじゃない?」さとり「貰った…というのは違いますね。管理しているのは正解ですが、誰かの依頼とかではありません」さとり「ここ旧地獄は地獄としての役割を終えていますが、未だにはびこっている怨霊と、使われなくなった灼熱地獄の跡地が残っており、その管理が必要なんです」コナン「なるほど、ここの下には灼熱地獄跡があるってわけだ」さとり「ええ。温度調整が必要なので、灼熱地獄の暑さに耐えられるペットに任せています」さとり「そして怨霊は心が読める私と会話ができるペットで管理しています」さとり「あくまでも私たちが筆頭というだけで住人全員で分担して行っていますけど」コナン「へー…」さとり「決して簡単な仕事じゃないんですよ、結構疲れます。肉体的にも精神的にも」コナン「結構大変なんだな」さとり「慣れればそんな事も気にならなくやってきますよ。新一君もどうです?」コナン「え、いや、俺は遠慮しとくよ…」さとり「あら、残念。そうだ、ここで他の人と接する際には工藤新一としてですか?それとも江戸川コナンの方が良いですか?」コナン「一応コナンとしてで頼むよ。さすがに無いとは思うけど奴らの仲間がいたらヤベーし」さとり「分かりました。それでは行きましょうか、コナン君」コナン「うん、さとりお姉ちゃん!」さとり「………」コナン「どうしたの?さとりお姉ちゃん」さとり「ふふ、子供のふりが随分上手なんだなと思って。切り替えも凄い速いし面白いですね」コナン「バカにしてるのか?」さとり「バカにはしてませんよ」コナン「あ、そ…」さとり「ていうか敬称じゃなくてお姉ちゃん呼びなんですね、蘭さんの時の癖ですか?」コナン「ま、そんなとこかな。逆に変な癖付いてもまずいし」さとり「それもそうですね」ーーーーーコナン「…にしても、怨霊とか地獄とか言う割にはあまり変なものはいねーな」さとり「みんな私を避けてるんでしょう。私はここでも嫌われ者ですからね」コナン「へ、へえ…」さとり「別に申し訳なく思う必要はないですよ。私が嫌われる要因はこの能力にありますが私は能力を誇りに思っていますし、ペットたちさえ居れば十分ですから」コナン「…なんかすみません」さとり「だから謝らなくていいですって。それよりほら、旧都が見えてきましたよ」コナン「静かに思えたけど割と人は居るんだね」さとり「地上の人々とは違って物静かな人が多いですからね。大半が人ではありませんけど」さとり「まあ、今回はすぐに抜けますよ。キミがここに長居する理由もないですし目的の人物は滅多に来ませんから」コナン「そういえば、その目的の人物っていうのは人間なんだよね?」さとり「ええ。純粋な人間ですよ」コナン「人間がここに来る理由っていうのは…」さとり「前に一度、彼女が来たことがあったんですよ。まあ遊びに来たというわけではなく、先程説明した「異変」の調査に訪れたんですけど」コナン「「異変」………ちょっと待って、彼女?その人も女性なの?」さとり「はい。そういえば、弾幕ごっこで戦ったことのある方はみんな女性の見た目でしたね。気にもしてませんでしたが」コナン(おいおい、なんで女性ばっかなんだ?ここは)さとり「普通に男性もいらっしゃいますよ。ただ、異変に関わったりするのは基本的に女性ばかりですね。まあ、純粋な人間は一割にも満たない極少数なので「女性」と括るのは合っていないかもしれませんが」コナン「はぁ…」さとり「…あら、あの方は」「…ん」ゴクッ「おう、さとりじゃん。こんなとこまで出てくるなんて珍しいな」コナン(うわ、すげー美人だな…人かどうか分からねーけど)コナン(いや、でもなんだあれ…角?角生えてんのか?それに…体操服?あとでっかい盃も持ってるし…つか、なんか酒くせーぞ)さとり「…コナン君、色々思うことはあると思いますけど少し失礼ですよ」ボソッコナン「え、あ、そっか…」「ん、どうした?って、人間の…子供?おま、人間攫ってきたのか!?」さとり「そんな事するわけないでしょう。この子はたまたま迷い込んでしまった外来人ですよ」「外来人?外来人、しかも子供がわざわざこんなとこまでねぇ…」コナン「あ、あの〜…」「あ、まだ名乗ってなかったね、悪い悪い」勇儀「私の名前は星熊勇儀。ここに住んでる鬼だよ」コナン「お、鬼…?」勇儀「ハハッ、鬼だからってキミを取って喰ったりはしないから安心しな」コナン「は、はは…」勇儀「てかさとり、この子に幻想郷について説明したのか?外来人なら妖怪とか色々と信じられんことだってあるだろうに」さとり「もちろん説明しましたよ。この子は物分かりが凄く良いので心配しなくても大丈夫です」勇儀「…お前、能力秘密にしてヤバい事しようとか考えてないだろうな」さとり「私をなんだと思ってるんですか」勇儀「冗談だよ、冗談。心読めるんだから分かるだろ?」さとり「心が読めるとはいえ、直接言ってもらいたい事もありますよ」勇儀「それ、時と場合によっちゃ大概な事だぞ」さとり「いい性格してるとはよく言われます」勇儀「本当だよ」勇儀「…で、大体の事情は読めた。要するに、その子を元の世界に戻す為に地上に行くんだろ?」さとり「ご名答。なので今回は酒盛りに付き合う暇はありませんよ」勇儀「別にいいよ、勝手に付いてく。どうせ暇だったしな」さとり「付いてくって…貴女と私が人間の子供を連れて地上をウロウロしていたら確実に危ない事してるって思われますよ」勇儀「分かってるよ。地上に上がる直前までだ」さとり「それなら良いんですが。それじゃあ行きますからね」勇儀「ああ」ーーーーー勇儀「そういやボウヤ、まだ名前聞いてなかったね」コナン「あ、僕の名前は江戸川コナンです!」勇儀「コ、コナン君?随分変わった名前だな」さとり「外の世界にコナン・ドイルという作家がいるんですよ。彼の親御さんがファンで彼にコナンっていう名前を付けたわけです。ていうか、幻想郷で変わった名前とかありますか?」勇儀「ふ〜ん…私は本とか全然読まないから知らないなぁ…あと確かに、ここで変わった名前の奴なんていくらでもいるな。コナン君と似た感じの奴だとあの橋姫とか、な」さとり「彼女ですか?漢字の名字に片仮名の名前は確かにコナン君と同じパターンですね」さとり「そういえば、貴女って子供の事は君付けで呼ぶんですね。もっと「ボウズ」とかガサツな呼び方かと思いましたが」勇儀「おいおい、鬼だからってそこまではねーよ」勇儀「で、コナン君。この姉ちゃんに変な事とかされてないか?」コナン「へ、変な事って…」さとり「いきなりなんの話ですか?てか、本当に私をなんだと思ってます?」勇儀「だから冗談だよ。子供に手出したらお巡りさんに捕まるなんて常識だからな」さとり「ここまでそのお巡りさんが来るとは思えませんが」コナン「は、はは…」さとり「で、コナン君。せっかくですから勇儀さんに色々聞いてみては?経験した事のない話も聞けると思いますけど」コナン「え」勇儀「そうだな、なんでも聞いていいぞ!答えられる限りは答えるからさ」コナン「え〜…どうしよっかな〜…?」コナン(さとりさん、さっき俺が色々考えてるの分かってるから振ってきたのか…ちょっと勘弁してくれよ…)さとり「………ふふっ」コナン(…俺が悩んでるの見て楽しんでやがる…ニャロ…)コナン「じゃ、じゃあさ。勇儀さんが持ってるその盃、結構大きいけどそんないっぱいお酒呑むの?」勇儀「お、いいところに目付けてんじゃん」コナン(目付けるってか、あんなに酒の匂いがすりゃ気になるからな…)勇儀「これは星熊盃って言って、注いだ酒の格を上げる不思議な盃なんだ」勇儀「コナン君、純米大吟醸酒って知ってるかい?米、米麹、水だけで吟醸っていう作り方で作る酒で、かなりいい酒だ。こいつはそんじょそこらにあるような普通の酒を注ぐとその瞬間に純米大吟醸に変えるってわけ」コナン「へ〜、すごい盃なんだね!」勇儀「そ。特徴はこの星の模様が入ってる事だな。こいつが無かったらただのデカい盃だ」勇儀「…そういや、子供なのに吟醸とか分かるの?普通に聞いてる感じだったけど」コナン「あ、えっと…前に本で読んだ事があったから!」勇儀「吟醸について書かれてる本を読むのか…外の世界の子供って凄いな」さとり「言ったでしょう?コナン君は物分かりが凄く良いって。いろんな知識も豊富ですから」勇儀「本当だな。それじゃ、せっかくだしこいつで酒呑んでみるか?」コナン「え〜、僕子供だから呑めないよ!」さとり「ていうか、そもそも子供に酒を呑ませないでくださいよ」勇儀「なんだよ、連れないねぇ…吟醸も知ってるんだからいける口だと思ったんだけど」さとり「外の世界の法では二十歳未満は酒を禁じられてますからね」勇儀「え、本当かそれ!?ここだと十過ぎの奴も普通に呑んでるぞ?」さとり「外の世界でやったら一発で逮捕…まではいかなくとも、厳重注意は受けるでしょうか。経歴によろしくない物を残してしまう事になるのは変わりませんね」勇儀「おお…幻想郷で生きてて良かった…」さとり「そもそも、貴女は鬼なんですから人間の法が適用されるかは微妙ですよ?」勇儀「あ、それもそうか。ハハッ!」コナン(元気だな、この人…いや鬼か)コナン「ゆ、勇儀さんはお酒が大好きみたいだけどずっと呑んでるの?」勇儀「ん?あ〜…まあ、そうだな。鬼はみんな酒呑みだからいつも呑みまくってるな」コナン(おいおい、マジかよ…)さとり「少しは控えたらどうです?正直お酒の匂いが結構しますし身体を壊しかねませんよ?」勇儀「バッカお前、鬼が酒で身体を壊してたまるかよ!それに最後に素面だったのが何百年も前のあいつに比べりゃ全然だろ!?」さとり「それはそうですが、彼女は流石に異常ですから。彼女を基準にするならどんな酒呑みも下戸とほとんど変わりませんよ」コナン「す、凄い人…いや鬼さん?がいるんだね…」勇儀「まあね。鬼はみんな酒好きだが、さとりの言う通りあいつは本当に別格だ。常に酔っ払ってるし、多分身体には血の代わりに酒が流れてる」コナン「そ、そんなに凄いんだ…」勇儀「でも、対決するとなったら私も負けないよ!ぶっ潰れるまで呑み続けてやるさ!」コナン「身体は大事にした方が良いと思うけど…」勇儀「……心配してくれてありがとう、でも鬼はめっちゃくちゃ頑丈だから安心しなさんな」さとり「…なんだか、この短時間で随分と仲を深めたようですね」勇儀「お、そうか?」コナン「でも、勇儀さんについて知らない事いっぱいだからまだまだだよ」勇儀「…よし、ならいっぱい質問してきな!今の私は機嫌が良いんだ、答えられる限りとは言わず全部答えてやる!」コナン「え、ええ!?」さとり「あら、すっかりやる気ですね。これはちょっとやそっとでは終わりそうにありませんよ、コナン君?」コナン「お、俺はいつになったら戻れるんだ…?」