私は賢者、八雲紫。幼馴染というわけでも同級生というわけでもない式神の八雲藍と外の世界へ散歩に行き、帰る際に博麗大結界を弄った。帰ることを最優先にしていた私は、結界に生じた綻びに気づかなかった。私はその綻びを放置したまま帰宅し、気がついたら…外の世界から子供が迷い込んでいた!美しく聡明な八雲紫が外の世界の人間が幻想入りするきっかけを作ったと知れたら信用はガタ落ちし、私(と藍)の名誉に傷がつく。幽々子の助言でこの事実を隠すことにした私は、藍に詰め寄られてとっさに「外の世界に行って直す!」と宣言し、原因となった綻びを探すために藍と共に外の世界へ行くことにした。そんな私の友人で協力者が西行寺幽々子。冥界にある白玉楼に住んでいる亡霊で、私は彼女が亡くなる前からの旧知の仲。以前にも何度か異変についての調査をしたり、私の計画をほぼ直接の会話もなく把握して行動したり呼吸はぴったり。今回の件を唯一話した人物で彼女も色々と動いてくれるらしいわ。魂魄妖夢という従者がいるのだけれどこちらはまだまだ半人前らしく、今回はあまり動かせない方針だそうよ。本人がどうするかは別だけど…そして博麗霊夢。博麗の巫女で結界を管理する役目を担っているこの幻想郷にとっても重要な人物。異変解決のエキスパートでもあり、何度も異変の調査をしては解決に導いているわ。私も信頼されていて連携は抜群。友人の幽々子や式の藍達を除けば基本誰からも胡散臭がられる私の相手をしてくれる数少ない人物でもあるわ。気にしてないけど。面倒くさがりな一面があるのが欠点だけど、一言で渋々ながら修行や異変の調査に赴く素直さもあるのはいいところ。なんだかんだで面倒見も良く、今回迷い込んだ少年を保護して元の世界に帰そうと奔走してるみたい。さらに古明地さとり。こいつが中々の曲者で、悟り妖怪故に相手の心を読むことができるの。私が考えていることもお見通しってわけ。その能力を気味悪がった人間や妖怪たちに迫害され、地上から地底に移り地霊殿という屋敷を構えそこで暮らしている陰気な奴。でもペットや地底の妖怪とはなんだかんだ上手く付き合えてるみたいね。そんな彼女も今回の件に絡んでいるのは少し面倒だけど…何が起きても態度は同じ!幻想郷の大賢者!スペカはいつもひとつ!紫「ま、こんなもんかしらね」藍「さっきから何言ってるんですか紫様?森近霖之助の所へ行くんじゃなかったんですか?」紫「もちろん行くわよ、その前に準備してただけ」藍「全く…同行していた私にも責任がありますが、紫様が結界の綻びを見逃さなければこんな事態にはなっていないんですからね?」紫「分かってる、もう聞き飽きたわよ。私が招いた事態だから私が解決すればいいんでしょ」藍「まだ小さな子供を巻き込んでおいてよくそんな事が言えますね」紫「あら、見た目だけで判断するのは賢いとは言えないわよ、藍?」藍「え?どういう意味ですか?」紫「この幻想郷では常識に囚われてはいけない。そんなこと、あなたはとっくに分かってると思ってたけれど?」藍「確かに幻想郷では見た目に反して何百年も生きている者もいますが…紫様もその一人ですが」藍「しかし人間、ましてや外の世界の人間が実年齢と見た目が合致しない事例などあり得るんですか?事情があって身体の成長が止まったならともかく」藍「そもそも彼は態度が子供そのものなのでは…」紫「あー、はい。もういいわよ、行きましょ」藍「なんなんですかその態度」紫「スキマオープン」藍「なんなんですかその掛け声」ーー霖之助「しばらく出番はないよ」ーー紫「さて、それじゃあ外の世界に行きますか」藍「そういえば紫様、幽々子様とはどのような話をされていたのですか?」紫「…別に」藍「そうやってはぐらかすのやめてください」紫「もううるさいわね!いいから服着替えなさい!あと耳と尻尾も隠す!」藍「はあ…分かりましたよ」藍「でも、江戸川コナンという少年について調べる理由は教えてください」紫「…べ」藍「霊夢に報告しに行きますね」紫「ごめんて」紫「…彼はただの子供じゃない。所詮はただの人間だけど、この幻想郷のように魑魅魍魎が跋扈する世界でもない、そんな物は作り話でしかない世界の人間がそうなっている理由を知りたくてね」紫「おそらくあの悟り妖怪は彼の正体を知っているのだけれどね」藍「紫様がそこまで好奇心を示すなんて珍しいですね」紫「永く生きているとちょっとした疑問が無性に気になることもあるのよ」藍「…その好奇心で従者に夜なべでレプリカを作らせる主がいるって知ったらどう思います?」紫「本当ごめんって」藍「全く…それにしても、なんであの蝶ネクタイとその部品を用意出来たんですか?素人なりにちゃんと機能するように組み立てましたけど、あの少年に接触せずに回収するなんて…」紫「彼が目覚める前に借りたのよ、部品は制作者の家から拝借したわ」藍(…紫様がそこまでする意味がよく分からん)藍「まあ、何にせよあれを作った人間は天才ですね。私は機械に疎い方だとは自覚していますが、そんな私でもそこまで苦労せずに組み立てられ、それでいてあの機能性を持ち合わせているわけですから」紫「そうね、私も直接会ってはいないのだけれどこっそり部品を取りに行った時も何か作っていたし相当な実力を持った研究者なんでしょう」藍「だからって2つ作る理由にはなりませんけどね」紫「やっぱり?」藍「紫様や我々が持っていたって意味ないでしょ?その辺の氷精じゃあるまいし悪戯にも使いませんよ」紫「まあいいじゃない、何かの役に立つかもしれないわよ?外の世界には電話という物があって…」藍「電話くらい知ってますよ?ていうか、誰を騙すにしても番号を知らない事には通信すらできないじゃないですか」紫「藍…古いわね、今は番号なんて言わずに連絡先、通信じゃなくて連絡よ?そもそも通信なんてゲームや電子機器くらいでしか使わないんじゃ…」藍「あー、もう結構です。それより紫様…」紫「ん?」藍「この格好はなんですか?」紫「え?学校の制服に決まってるじゃない」藍「………」紫「あ、学校が分からなかった?学校っていうのは…」藍「紫様と外の世界に何度か出向いているので学校も制服も分かりますし、外の文化もある程度は把握しています。そうじゃなくてなんで制服を選ばれたんですか?」紫「だって今回は隠れず堂々と外の世界に行くのよ?せっかくだから藍にもJK気分を味わってほしくて♪」藍「JK…女子高校生、ですか…でもそれならなんで紫様はスーツなんですか!?」紫「私?私はもう制服は堪能したし別にいいかなと思って。別に私と貴女が並んで歩いても親子にしか見えないわよ?母親がやけに若づくりだけど」藍「……待って、紫様は制服で外の世界へ行かれたことがあるんですか?」紫「ええ」藍「ええじゃないでしょ!?私達、金髪金眼なんですよ?耳や尻尾はまあ術で隠せるとしても日本でそれは目立ちますって!」紫「あ〜、だから前に制服で行った時はやけに視線が集まったわけだわ」藍「その時に気付いとけやぁ!!」紫「ちょっと藍、落ち着いて?キャラ変わってるわよ?」藍「ただでさえ見慣れない人物が学校の制服を着て町を歩いているっていうのにそれに加えて金髪だったら生徒や教師が話題にしないわけないでしょう!?」藍「黒髪や茶髪だったら「あ〜、あんな子いたかもな〜」程度の認識で済むかもしれませんが、金髪なんて記憶に残るわ話題の種になるわ最悪、生徒でもなんでもないのに制服を着てる変質者認定されて警察呼ばれかねませんよ!?」紫「私達、見た目は人間の10代と変わらないじゃないの…それで警察はねぇ?ていうか、そんなに言うなら術を使えば」藍「術は隠す事に特化した物は楽に使える、既にある物を変化させたりするのは体力を多く使ってスキマの開閉に影響が出るからしないって以前言っていたのは紫様ですよね?」紫「…なら認識阻害とか周りに影響する術は」藍「幻想郷以外の住民に影響を及ぼす術はどんな後遺症が残るかも分からないので使わないって言ってましたよね?」紫「………」藍「はぁ…子供の遠足じゃないんですから、もう少し外の世界に行く事の重大さを考慮してほしいですね」藍「とりあえず制服以外の服にしてください、このままでは目立ちますが、スーツなどであれば在日外国人程度の認識で特に何も思われないでしょう」紫「無いわよ?」藍「え?」紫「用意した服はこれとその2着だけ。あとは無いわ」藍「なんで?」紫「毎回、服を仕入れる時は適当な古着屋とかで買えばいいんだけど、今回は結界の綻びを探し回る以上、向こうでよく馴染む格好をしないといけないじゃない?だから前に外に行った時に稼いでたお金でしっかりした物を買ったのよ」藍「…なんでわざわざ新品を…やけに小綺麗とは感じましたけど…」紫「あ、1着だけ他のがあったわ」藍「どれですか!?」紫「これ」藍「…なんですかこれ」紫「バニーガール」藍「……なんでそんな物が…」紫「せっかくだから適当に古着屋に立ち寄ってみたらあったのよ。安かったし宴会でゲームをした時の罰ゲームとして着たら面白そうだと思って」藍「……………もうこのままでいいのでいい加減さっさと外の世界に行きましょう」紫「それもそうね、それじゃあ江戸川コナン君の正体調べと結界の修復にしゅっぱ〜つ!」藍「しゅっぱーつ…え?正体調べって結界の方が主要では」紫「レッツゴー☆」藍「あ、ちょ…待ってくださいよコラぁ!!」ーーーーー霊夢「ここね」コナン「霧雨魔法店…?」霊夢「魔法店とは言っても、依頼したら大体やってくれるなんでも屋よ。ていうか、商品らしい商品もないし魔法要素は店主が魔法使いって事と蒐集物のマジックアイテムがそこら辺に投げてある事くらいかしらね」コナン「それにしても、森の中なのに結構明るいんだね」さとり「周りの木も広めに伐採されてて日当たりもいいですし、西洋風の一軒家という外見も相まって見映えはいいですからね」霊夢「さて、問題はあいつがいるかどうかだけど…魔理沙ー、いるー?」コンコン霊夢「…返事なしか」霊夢「あ、でも鍵空いてるわね。ちょっくらおじゃましま~す」コナン「勝手に入っていいの…?」さとり「霊夢さんと魔理沙さん…この家の主の方ですね、おふたりは既知の仲ですから」さとり「さて、私もちょっと入りましょうかね。お邪魔します」コナン「えぇ…お、お邪魔します」霊夢「ったく、相変わらずとっ散らかってるわね…最低限暮らせるスペースはあるからいいってもんじゃないのよ」コナン(確かに散らかってんな…服くらい畳んで整理しとけよ)霊夢「結局いないし、仕方ないから少し待ちましょう」さとり「…いえ、どうやら帰ってきたようですよ」コナン「え?」「おいおい、ドアが開いてると思ったらお前達かよ。主の留守中に勝手に入る奴らは客人とは見なさねーぜ?」霊夢「アンタ達だって玄関から入ってこいって言ってるのにいっつも縁側から入ってくるじゃない、戸締まりもしてない奴に言われる筋合いはないわ」「そーですか…って、誰だその子供?霊夢、お前子守りのバイトでも始めたのか?」霊夢「違うわよ、さとりが連れてきた子」「さとりが?珍しくいると思ったら子供連れてくるなんて…もしかして隠し子か!?」さとり「…そのパターンは始めてですよ」ー少女説明中…ー「なるほど、外の世界から…地霊殿から入るなんて珍しい奴もいたもんだ」「おっと、自己紹介がまだだったな。どっちかから聞いてるかもしれないけど、私は霧雨魔理沙。この霧雨魔法店の店主で普通の魔法使いだ。よろしくな、コナン君」コナン「よ、よろしくお願いします」魔理沙「で、私はこの子の事を全然知らんわけだけど…とりあえず、霊夢が元の世界に戻せないから紫を探せばいいって事だな?」霊夢「話が早くて助かるわ、ただでさえこっちに出てこないってのに幻想郷中を探し回るのは骨が折れるからね」魔理沙「で、幻想郷の奴らに協力を呼びかけてるってわけか…いいぜ、私も手伝ってやるよ」コナン「ありがとうございます、魔理沙さん」魔理沙「…なんだよこいつ、小さいのにお前より礼儀正しいじゃねえか」霊夢「うっさい、今更礼儀を重んじる仲でもないでしょ」魔理沙「親しき仲にも礼儀ありって言葉をご存知でなく?」霊夢「ま、とりあえず魔理沙が手伝ってくれるならちょっとは楽ね。それじゃあここからは二手に別れましょうか」魔理沙「二手に?」霊夢「固まって動いてたら効率悪いでしょ。私と魔理沙で別れるから、コナン君とさとりはどっちかに付いてきて」さとり「霊夢さんはどちらの方向へ?」霊夢「別にどこでも構わないわ、人里でも妖怪の山でも迷いの竹林でもどうせ行くのは変わらないんだし」魔理沙「それなら助っ人を連れてくる、ちょっと待っててくれ」霊夢「え?助っ人って…まあなんでもいいけど早く戻ってきなさいよ!」ーー10分後ーー魔理沙「というわけで紫探しに協力してくれる事になった趣味・人形作り、通称・七色の魔法使い、アリス・マーガトロイドさんでーっす!」アリス「外来人の子供を帰すためっていうから来たけどそのノリ続けるなら帰るわよ」魔理沙「ごめん」アリス「魔理沙から大体の事情は聞いたわ、よらしくねコナン君」コナン「よろしくお願いします」コナン(なんか凄い大事みたいになってきたけど…そこまで紫って人?は見つからねーもんなのか…)コナン(…ていうか本当に女性ばっかりだな)霊夢「じゃあ私とコナン君、魔理沙とさとり、アリスに別れて行動しましょうか」さとり「結局霊夢さんが決めるんですね、それで構いませんが」霊夢「コナン君もそれでいい?」コナン「うん、いいよ」魔理沙「なあ霊夢、アリスを1人で行かせるならさとりも1人でいいんじゃないか?お使いもできない子供じゃあるまいし」霊夢「何言ってんの、さとりは地上の奴らに忌み嫌われて地底に行った奴なのよ?そんな奴が頼み事なんてしたところで門前払いが関の山よ。その点アンタなら良くも悪くも知名度と信頼はあるから2人で行かせるのよ」さとり「普通にひっどい事言いますね、自覚はしてますし別に良いんですけど」コナン「別に良くはないよ?」魔理沙「悪くもってなんだよ」アリス(何このやりとり…)霊夢「それじゃ決まり。コナン君を妖怪だらけの所に連れてくのもあれだから私達は人里に行くわね」魔理沙「了解!んじゃ私達はどうする?」アリス「なら私は紅魔館の方に行くわ、ちょうどパチュリーに借りてた本も返したいところだったし」魔理沙「そうか、なら私達は妖怪の山の方に行くか!」アリス「…あんたもパチュリーから借りてばかりいないでちゃんと返しなさいよ?」さとり「それではまた後で会いましょう、江戸川コナン君」コナン「…うん、またねさとりさん」魔理沙「よーし、それじゃ出発だぜ!」アリス「ちゃんと戸締まりはしなさいよ」ーーーーーどうも、キャキャロットです。前回の投稿が昨年10月中旬なので5ヶ月半振りの更新になります。ペース遅過ぎですみません…今年はまあ年始の辺りで忙しかったのと今月は色々なことがありすぎて中々SSに着手出来ませんでした。しかし今後は落ち着いて昨年ほど低浮上にはならないと思います。期待はせずにお待ちください。それと余談ですが…以前のSSでブログを始めたと書きましたがSS専用のブログも始めようか検討中です。SSのアイデアが(放置している作品もあるのに)湧いてくるのと最近はまた東方に凝っていて幻想入りSSのアイデアが特に多くあるのでそれらを投稿したいのですが、こちらの掲示板に何度も同じジャンルで投稿するのも気が引けるので…仮に始めたとしてもこちらの更新をやめることはありませんしそもそも始めるかすら未定ですが一応報告させていただきます。そして東洋の幻想も今回でプロローグを除き7話目となりました。以前お知らせした通り10話目の更新の際には新しくスレを立てて更新させていただきます。