「…いくん?」
…声が聞こえる。俺は灰になって死んだ筈…
「…ぬいくん!」
真理じゃない…?誰だこの声?
「乾君!起きてください!」
あぁぁ!!分かったよ起きれば良いんだろ!!!
「…あ"ぁ"?」
「やっと起きましたか…次は君の番ですよ?自己紹介」
「…は?」
目の前には、緑の髪にメガネを掛けた知らない女。周りを見回せば教室の様な…いや、教室だ。しかも自分以外の生徒は全員女…?
「はぁ?急に何だよ、てか誰だよ」
「いや、自己紹介の番が回ってきたから…と言うか、先生に向かってその言葉使いはよくないですよ!」
「先生だぁ?何急に変な事…」
と、急に頭に衝撃が走る
「ッテェ!!」
後ろを振り向くと、黒くて長い髪の女が
「テメェいきなり何すんだ!!」
「バカ者、学園では言葉使いを改めろと言ったろ乾」
「ッお前、どうして俺の名前を…!?」
「何を言っている、お前と私は義姉弟だろ?」
「はぁ?もっと意味が分かんねぇよ!!」
「い、乾君!おお落ち着いて…!」
口論を繰り広げていると、緑髪の方の女が制止してくる。
「くれぐれも、大人しくしててくれよ乾」
「…チッ」
席に座り直す。
「あのー、乾君…?」
「…何だよ」
「自己紹介…」
「ハァ……乾巧だ」
「…それだけですか?」
「…文句あんのかよ」
「い、いやー別に…ははは…」
HR終わり
「ねぇ…彼ちょっと変じゃない…?」ヒソヒソ
「ガラが悪いと言うか…感じが悪いと言うか…」ヒソヒソ
「チッ…」
気分が悪い。クラス中の奴等から見られてるし、ましてや別のクラスの奴等も覗いてくる始末。本当に気分が悪い。
それにしても俺はどうしてここにいるんだ?体が灰になっていくのを感じて、意識が遠のいて……そしたらここにいて……
「巧」
ここは何処なんだ…?
「巧」
何で学生になって…
「巧!!」
「あ"ぁ"!?何だよさっきから」
「やっと気付いたか……久しぶりだな、巧」
「…誰だお前?」
「まぁ仕方ないか…私だ、箒だ」
「…本当に誰だよ」
「…えっ?」
「覚えてないか?小学生の時のあの…」
「だーかーら!知らねぇって言ってんだろ!!」
「………」
「見損なったぞ巧…!」
「…は?」
女は去っていった。
「何なんだよ…」
その後授業が終わり、寮にて。
「女にしか使えないIS、か…」
そんな物、俺は知らない。初耳だ。
一人、部屋で考え込む。此方は男、何かしでかさないようにと一人になった。
「それにしても、俺は世界で初の男操縦者なんだな…」
「荷物の整理でもするか…」
どうやら、寮に俺(?)の荷物が届いているらしい。何か分かるかも知れない
「…パソコンだ」
荷物の中にパソコンがあった。調べ物が出来そうだ
「……オルフェノクも、スマートブレインも存在しない…?」
パソコンで調べ物をして分かった事。まず、
オ ル フ ェ ノ ク 、 ス マ ー ト ブ レ イ ン な ん て 物 は 存 在 し な い
「俺の知ってる『世界』じゃない…」
自分からすればISなんて物は存在しない。なのに、この『世界』には自分の知っているオルフェノクやスマートブレインなんて物はない。
「別の『世界』なのか…?」
知っている物が存在しない、知らない物が存在している、自分の死…この事を踏まえれば、あるいは……
と言っても非現実過ぎて分からない。
「真理…啓太郎…」
知らぬ地に来て、第一に心配するのは大切な仲間。
「…荷物の整理、続けよう」
「パソコン以外には目ぼしい物はないな」
荷物の整理を終了しようとした時
「何だこれ…ケースか?」
黒いケースを発見する。まさか…
「ッ!?ファイズギア…!?」
黒いケースに入っていたのは、生前……と言っていいのか。人知を越える進化を遂げた怪物、『オルフェノク』と戦う際に使用していたファイズギア。ファイズフォンも入っている。
「どうしてここに…!?」
先程、自分が死んで別の世界に来た、と仮定したのにこれが出てきてしまってはもっと分からなくなった。
「変身、出来るのか…?」
考えがよぎる。このベルトはオルフェノクの王を守護する為に作られた。その為自らもオルフェノクで無いと使用できない。もし、死んで別の世界に来て自分がオルフェノクで無くなっているかも知れない。だがここは寮。軽々しくオルフェノクに変身したらどうなるか。その点、ファイズならばISと言い張れば行けるかもしれない。
「ッ……」
『5.5.5.』
『standing by』
「変、身…」
『complete』
紅の閃光がほとばしる。
「変身した……」
黒を主体としたボディに赤いライン、胸のプロテクターに黄色の複眼。ファイズへと変化を遂げる。
「俺がオルフェノクなのは、変わらないか…」
一方、何処かの廃屋
「ひっ…!た、助けて…!」
一人の女性が、『灰色の怪物』に追い詰められていた。その辺りには、5つほどの『灰の山』が。
「今まで調子に乗ってごめんなさい、って言えるかなぁ?」
「は、はい!い、い今まで、ちち調子に乗って、ごごごごめんなさい…!」
「はい!良く出来ました~」
パチパチと手を叩く怪物。
「じゃあ良いよ」
その言葉に安堵する女性。
「死んで」
「え」
怪物は、手を鋭い槍に変化させ女性の心臓を貫いた。
「な、ん」
「何でって?こんな事して逃がすと思うぅ?……って聞こえて無いか」
怪物が言い終わる前に、女性は
灰 の 山 と 化 し た
「よ~し!じゃあ次は、IS学園でも襲っちゃお~っと!この力があればISも怖く~ない~♪」
怪物は廃屋を後にした。
紅の救世主が再臨する日は、そう遠くないのかも、しれない