「ホワチャア!! とり出したるは八神家秘伝のスパイス! 自作豆板醤!!」「な、なにぃ!? 製作から完成に至るまで最低一年以上かかると云われる豆板醤をJI☆SA☆KUだとぉ!?」「……えぇ。えぇつっこみや。わたしはこれを待っとった!」「だろ? 俺ってツッコミにかんしてはちょっと定評があるんだ」はい。そんなわけで現在俺は八神家に、ってかはやてちゃんに養ってもらってます。まぁ所謂ヒモってやつさ。男の夢だろ?信じられるか? もう二週間なんだぜ……。―――フォーーー!!!03/~八神はやて~二週間前。「あ~…腹減ったー」『計画性が・皆無・すぎます』腹減ったよー。もうこっち来てから公園の水道水と夜に近所の犬からぱくったご飯しか食べてないよぅ。シェルの言う通り計画性が無さすぎた。着の身着のままでで来ちゃったからね。タイトなパンツにボディスパッツ。その上からジャケットを着ています。もちろん指貫グローブも忘れていません。そう、何を隠そうカズマさんスタイル! 俺って~カズマさんのこと超リスペ(ryちょっとヤンキーチックだけど似合ってない事も無いよ。鏡の前で自分の姿に一時間くらい見ほれたもん。『キモ』「!?」ほんとこのデバイスは……。それはそうと。「どーすっかね。正直人間の食べるご飯が食べたいです。ドッグフードはアカン。すっごい味した」『なぜ・お金・用意してませんか?』「管理局通してないんだから換金出来ねって」それを考えるとフェイト。どうやってあんな高そうなマンションに住んでたんだろ。ま、まさか力ずくなんて事は無いよね? お兄ちゃんそんなバイオレンスな妹は嫌よ!―――ぎょばぁぁぁああ!! ずぐっずぐっるるるる……っ!『?』「あ、腹なった」『―――っ!?』しっかしこの街、「ちょいと坂が多くない?」『はい。N県というところ・ほどでは・ないようですが』「お、ちゃんと勉強してんなー。えろいぞ」『マスターには・敗北必至・ですね』―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!「あ、また鳴った……。餓死はいかんよ、餓死は。 あーもう! 何か落ちてないかなぁ……。いやむしろ落ちてこないかなぁ」『希望的観測。というより・ありえ―――「あー、あかんあかん! 止まってぇ、リンゴちゃんジャガイモちゃ~ん! ってあぶな~い!」―――ましたね』坂の上からころころ転がってくるリンゴ×3 ジャガイモ×2 車椅子美少女×1 全て食っちまえば超満腹!!私はいっこうにかまわん!!「もらったぁぁぁあああ!!!」瞬間、俺は風になった。まず先に転がってきた食料たちを両手両足を駆使し、全て真上に放り投げた。ぽいぽいぽ~い!そして結構な加速度でこちらに向かって来る、美少女を乗せた車椅子を止める!―――ずぅんっ……!お、おンもいなコラ!ふぬぅっ……! やはりこの空腹で美少女+車椅子を止めるのは幾分きついか! このままじゃ俺までっ!えぇい仕方がない! すまんな、ある程度予想はついているが名も知らぬ美少女A! いやむしろH・Y!!「緊急脱出だ、美少女A!」「へぇあ!? ―――きゃぁあ!」美少女を車椅子から引っこ抜き瞬時にお姫様抱っこに移行。そして―――、「そこら辺で休んでろこの凶器がぁ!」げし、と車椅子を歩道の脇に蹴り飛ばした。もうホントね、あんなのただの凶器だったよ。すっげ怖かったもん。てかまだ受け止めた手がジンジンしてるし。「あぁ! はやて号マークⅢがぁ!?」「やつは後で回収してやる! それより―――」「―――っ、わかっとるでぇ! っここやぁ!!」はや……美少女がバッと手に持っているビニール袋を広げた。そして先ほど宙にぽいぽいしたヤツ等が。―――ずぼぼぼぼ!リンゴちゃん、ジャガイモちゃん。良くぞ生還しました!! お前らには後で名誉勲章を与える!「「―――うおっしゃぁぁあああっ!!!」」それは魂の咆哮!心からの歓喜!―――俺たちは、やったんだ!「やったやった! もーホンマありがとな! わたしこんなスリリングなん初めてや!」俺の腕の中ではしゃぐはやてちゃん。あ、はやてちゃんて言っちゃった。まぁいいや。たぶんそうだろ。もうね、すっごい美少女。可愛すぎ。もう何かおかしいくらい美少女なんだなぁ(大将)。そしてその緊張と興奮で紅潮した肌。うっすらと汗をかいている首筋。少し乱れて額に張り付いている髪の毛。こ、これは……。「―――い」「ん~? い?」「い、いただきます」「はぇ……? ―――ふ、むぅ!?」―――むちゅ☆ディフェクトは我慢できずに、メインディッシュから頂いちゃったんだ☆いや、舌は入れてないよ! 俺ロリコンじゃないよ! ……たぶん。。。。。。その後俺は はやてちゃんを抱っこしたまま八神家邸宅へ。もちろんはやて号マークⅢも持ってきた。どうもね、これ壊れちゃってるみたい。俺じゃないよ? 壊れてたからこその坂ダッシュだったんだよ。「カレーの出来上がりやー!! せやけどアレには驚いたで、ほんま」「いや、俺も何であんな事になったのかわからないんですよ……」「作者がわたしのこと好きなんちゃうかなぁ」「それは間違いないだろうけど、こんな初っ端から飛ばしてくるなんて」―――予想外デス。いやほんとね。いくらなんでも衝動的すぎんだろ俺っ! こんな事やってたらホントにポリ公にパクっとやられて―――ファンファンファンファン―――に乗せられて、五本の指全部指紋とられた後に正面と斜め前から写真取られちゃうって! そして事情を聴取されちゃうんだよ……。そのあと保護者に会うのがね。もうこの世の終わりかと。「あはっ、それにしても外国は挨拶でキスするんゆーのホンマやったんやね」「あ、あっははー☆ そだね! ほら、挨拶って大切じゃん!? 何処の国もまずはそこから始まるって言うか!」『(……マスター・必死・です)』「うんうん。この街は結構外国から来とる人多いンよ。せやからたまに見るで~。 やけどこう、人目を気にせんとちゅっちゅやられるとなぁ、なんやこっちが恥ずかしーわぁ。んふふ~」何かクネクネしてるはやてちゃん。いったい君はどんな情熱的な場面を見てしまったんだい?しかし可愛いなぁ はやてちゃんは。誰だったかね、ここに闇の書 寄越したやつは。こんないい子の足を奪いやがって……。いや、しかしそのおかげでシグナム殿達に会えるんだよなこの子は。まぁ幸せそうだったしそこはGJ☆と言わざるを得ないんだが。ん~、何とかしてあげたいな。「ん~、どしたん難しい顔して? カレー辛すぎたん?」「へ、あいやいや。カレーは超美味いよ。これまでの一週間ドッグフードと公園の水しか口に入れてなかったからさ」「ぶふぅっ、えふっ、えほっ! な、なにその生活っ、笑いの神様でも降臨してるんちゃうのん? まさかダンボールやら食うてへんやろな!?」「さすがにどっかのホームレスな中学生と違ってダンボールは食えなかったね。しかし雑草は食った。味の違いがわかるほどに!!」ふふふ。すっげー苦いの食ったときには舌と顔が……にがぁ!ってなるんだよな。あの時の俺の顔を誰かに見せてやりたいぜ。はやてちゃん。なんて顔してんだい? そんな哀れんだか顔で俺を見るなぁ!!「そらあかん……。家は? お父さんとお母さんは? お友達は? この街で何してるん?」「えぇ~と、家はないねー。両親もいない……かな? こっちには来たばっかりだから友達は はやてちゃんが一人目だね。んで、この街には己の生存本能を信じてやってきました」「……ほな、帰るトコ無いん?」「っふ、俺には帰るところなんて必要ないぜ!」だって死んじゃうかもしれないしね。余計なしがらみは生き残ってから作ればいい。そうしなきゃ死ぬ時つらいだろうし。「じ、じゃあ、ここに、……住まへん?」「まじすかw いいんすかw うぇwうぇwwww ……。 ……、……。 ……、……、……。 ―――マジありがとぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!」「え、えへへ。わたしもなぁホンマは寂びしかったんよ。こんな広い家に一人なんていややん? やから好きに使ってなぁ?」ええこや。すばらしすぎる。初対面の子をホイホイ住まわせるなんて「りりかるなのは」の民草は頭おかしいとしか思えんが……。それでもいい子すぎる。―――いいのかい? 俺はょぅι”ょだろうとかまわず食っちまう人間なんだゼ? うひょひょひょ。―――じゃなくて。「おお。まじサンキュな~。はやてちゃんがもうちょっと大きかったら絶対結婚申し込んでるよ」「あはは。いややわ~。女の子同士じゃ結婚できひんよ~」「お? ……あの、俺は―――」「ほらほら、食べたらお風呂。少し汗臭かったでー。わたしも入るから一緒に入ろう」「あ、う、うん……」やべぇ、オチが読める! 絶対に少年漫画チックなオチに決まっている。―――きゃー! 男やったんかー!ちょ、おまw―――やっぱ出てけ出てけ出てけー!!ご、ごめんなさーい!!みたいなオチがつく。俺は はやてちゃんの車椅子を押しながらトボトボ風呂場に向かった。……せっかく仲良くなれたのに、ここで破局は嫌だ!! やっぱり言おう! うん。「あ、あの―――」「わたしなー、誰かと一緒にお風呂なんてめっちゃ久しぶりやー。こんなの……両親が逝ってもうて以来になるなぁ」「そ、そうなんだー。じ、じゃあ楽しまなきゃね」「えへへ。実はちょっとドキドキー」アッ―――!!もうだめぽ。完全にタイミング逃した……。も、もう知らんぞ!? 流れに身を任せてやるぅぅああアア!!「はい、ばんざーい。脱がせて脱がせてー」「あ、いや、自分で……」「脱がせてくれへんの? ウチ足動かんで服脱ぐのにも一苦労や言うのに、せやのに脱がしてくれへんの……?」こ、こやつ……できる!自分の不幸を前面に出す事で相手の罪悪感、保護欲をくすぐり、さらには、―――ちらりうるうるじんわりちゅらら……。涙目上目使いのコンボだとぉぉおお!?げふぅっ、も、もうやめて! 俺のライフポイントはもうゼロよ!!「後悔すんなよー。まぁ俺は……一向にかまわん!! は~い。ぬぎぬぎちましょーねー」「えへへ~。さすがやなー。よっ、男前ー!」……ばれてね?と思ったけど冗談だったみたいだ。「ったく。ほらバンザーイ」「ほぇあ~い」まず上に着ていたブレザーのような物を脱がす。―――これ洗濯機に放り込んでいい? あ、クリーニングですか。そうですか。次に中に着ていたシャツ。ボタンを外す時にくすぐったいのか、はやてちゃん悶えていました。―――そこ、いやらしい声出さない。次にスカート。ホックとジッパーを緩め、足が動かないのでそのまま抱き上げてストンと地に落とす。―――ほらほら怖いのは解るけどそんなにしがみつくんじゃないよ。そして残すは……上下下着のみ。さ、流石に手が止まるぜ…。「どしたん? はよはよ」「心頭滅却すれば火もまた涼し」「急にどうしたw」ア○ロ、いっきまーす!はやてちゃんはまだブラジャーを着ける必要が無い様で、ただの可愛らしいインナーだ。それを…脱がす!!……。……、……。―――っふ。勝った。俺はまともな人間だ。はやてちゃんの膨らみかけ……というよりも膨らみ始め? のような胸を見ても大丈夫だ。欲情よりもまず可愛らしさのほうに眼がいくぜ。思わず笑いが出るほどに。「むぅ、なんやぁ? わたしはこれからバインバインになんの! これは夢の詰まった宝箱やの!」「はいはい。そら、下も脱がすぞー」「ち、ちゃんと聞いてよぅ。 ―――ひゃぁっ!」俺は先ほどと同じように はやてちゃんを抱き上げ、今度は肩に荷物のように担いだ。顔の真横にある尻。ふふ…正常な俺からすると何とまぁ可愛らしい事か。クマさんぱんちゅはそろそろ卒業しなよ。そのままの格好でスポーンとぱんちゅを足からすっぽ抜き、はやてちゃんを正面で抱っこした。「あ、あんな脱がされ方したん初めてや……」「だろーねー。どうする、先に入ってる?」「んふふ~。今度はわたしが脱がせたるー!」「く、くくく……、こっちの覚悟はすでに完了してるんだぜ?」「な、なんて邪悪な笑み…! ―――いくでぇ……、ほら、バンザーイ!」「あいあい」すぽぽーん。「へへーん、勝った! わたしのほうが大きいやんかぁ! よくも笑うてくれたなぁ!」「いや、俺の勝負はまだ始まってすらいない!!」「なにをぅw」そりゃアンタの勝ちさね。だって僕……男の子なんだもん!はやてちゃんがズボンを下ろすから立って、立ってと言い。もちろん俺はその通りにする。くくく、驚くがいい。「げへへ~パンツごと一気にいくでー」「いやぁん」正直、内心超ドキドキです。はぁ……ここで俺たちの友情は終わってしまうのかい?―――すぽーん。……。……、……。……、……、……。はやてちゃんの眼前には、俺の息子。ドリームキャッチャー一号が。どうだ、ほれ。ほれほれほぉれ!「……」「……」「……ほ、ほほ」「ほ?」「ほほほほ、ほ……っホース付いとるぅぅぅううううううう!!!!!」「ひゃっひゃっひゃ!」ふはぁ……ええ湯じゃのぅ。―――かぽーん。なんて音はしない。だって家風呂だし。あれって何の音なんだろ?しかししかし、「ホース付いとるぅぅぅうううううううう!!!!! だって……ぷぷぷ」「いややぁ、言わんといてー」結局、一緒に入ってます。よく考えたら小学三年生。微妙なお年頃だが、はやてちゃんはそんなに羞恥心はないみたいだねぇ。ユーノも正体さらした後もなのはと一緒に入ってるしな。えがったえがった。出てけとか言われなくてホントえがった。「やけど男の子やとは思わんかったー」「だろー。俺も鏡見るたびに未だに男なのか女なのか解んなくなって確認するくらいだからなー。……ホースで」「やかましw しっかし綺麗な髪やなー、さらっさらで。顔も全然男には見えへんしなー。絶対わたしより可愛い……ショックやー」俺の顔を下から覗き込みながらぺたぺた触るはやてちゃん。可愛い……。はやてちゃんを正面から抱きしめるように湯船に浸かってるから全部丸見えなんだ。すこーーーーし膨らんだ胸とか。無毛の恥丘とか。防壁がないわけだからその奥までばっちりさ☆「いやいや、絶対はやてちゃんのほうが可愛いって。もう俺 心臓ドキドキだもん」「え、あ……ホンマに?」「うん、ホンマホンマー。長湯しすぎて心臓ドキドキー」「そんなことやろ思たわっ。 ……なぁなぁ、ディフェっちゃんはいつまでこの街におるん?」―――ディフェっちゃん……だと……? ……私は一向にかまわん!!「んーとね。はやてちゃんの足が治るまでかな」「……ぷ、プロポーズかぁ?」「はぁ? なんでいきなり」いったいどうした はやてさん。いくらなんでも初対面に、今日会ったばっかりの子に湯船でプロポーズはしませんよ? いくら俺でも。「だってわたしの足、ちょっとずつ悪なっていってるみたいやし、多分一生治らんで? そうなったら一生ここにおるんやろ? せやったらずーっとこの家に住んでええやんかぁ。 きゃー! もうこのすけべぇさんっ、ディフェっちゃんはすけべぇさんやぁ!」「あえて肯定しよう。……けど大丈夫。はやてちゃんの足は治るよ。後 一年以内にね。これ絶対。信じたほうがいい。ま、歩けるようになるにはリハビリなんかも必要でしょうが」「……ほんまかぁ? 根拠はなんや根拠は?」「ふっふっふ……実は君ね、魔法使いの卵なんだ。だから大丈夫、すぐに使えるようになって歩けるようになるさ。誕生日は楽しみにしてて」「っぶふぅ! あ、あかん!くく、あかんでディフェっちゃんっ! 確かにわたしらまだ子どもや。せやけど、せやけど魔法てぇっはっは!」「ははは。いーのいーの。信じてないくらいが丁度いいさ。はやてちゃんはいま何歳?」「いま? 八歳やよ。もうすぐ誕生日ー。六月四日。 ふふふ、プレゼント楽しみにしとくわ」「今の話がプレゼントだよ。絶対おもろい事になるから忘れんなよー?」「えー、なんなんそれぇ? まぁええわ、この甲斐性なしw」「食うのにも困ってる人にたからないでください」ま、そんなこんなでこの家に住み着いてます。居心地がよすぎて困るわ。「今日も一緒に寝よなー。んでまた胡散臭い話聞かせてや~」「ただちょっと事実を誇張して話してるだけなのに胡散臭いとか言う人とは一緒に寝てあげません」「胡散臭さ爆発やんかぁ」ま、こんな感じ。。。。。。んで現在。「か、カラ~!? ちょ、はやてちゃん豆板醤入れすぎじゃね!?」「こ、このくらいで丁度いいねん……」はやてちゃん涙目ですね。はいわかります。我慢せずに水飲んでください。もうね、ほんとね、KAWAE~、ですから。あー、こんな妹ほしっかたんよねー。さいこーじゃけぇのぅ。これにフェイトがいるんだぜ俺には……。くくく、とんでもないぜ。とんでもない天国だぜここはぁぁああ! うん! 地球きてよかった!「っふ、お子様の舌にはつらいだろ? ほら我慢せずに飲んじゃえよ」「丁度いいゆーてんの! それにディフェっちゃんもまだ子どもやんか」「ふふふ。俺は自分の年がよく分からんからな。実はもうおっさ……お兄さんかも知れんぞ?」「なんで言い直したしw」「いや、まだぎりぎりかなって……」「w」「w」その後も俺たちは適当に騒ぎ、しゃべり、歌いながらマーボー丼を食べた。こんな幸せな時間がいつまでも続けばいい。そんな事を―――。―――いかん! いかんぞ! っほ……。あぶねぇあぶねぇ。たいてい漫画なんかじゃあんなモノローグが入ったらあぶねぇんだよな。絶対よくないことが起きるから。―――ずっごご……ごごごごごごごっ……!!……ほらね。「うひゃあ! 地震かぁ!?」「あはは。結構ゆれたねー。ちょいと外見てくるよ」「き、きぃつけなぁ?」「あいよ!」外に出てみると、魔導師のいないこの惑星では感じられるはずのないモノ。魔力の残滓を感じた。かなり薄いが……たぶん間違いないんじゃないかな。おそらく。きっと。何か自信なくなってきたな。こういう時はっと―――、「シェル」『イエス・マスター』「俺以外の魔力、感じるよな? 俺こういうの苦手だからさ」『私も・苦手ですが?』「いやいや。苦手でございますですが~、へぶーへぶー? じゃなくて探してよ」『……。探知の術式は・何処ぞの・ちょっと頭が・おかしいマスターが・構成・インストールしたので・かなり・へなちょこですが・よろしいでしょうか・へぶーへぶー?』「よ、よよよろしくってよ、へぶーへぶー」『了解・で・御座いますです。へぶーへぶー』こ、コイツ……。何かどんどん俗っぽくなっていくな。お前一応デバイスだろ? 使えって言ったら使ってよ! 何で反抗するの!?―――キィィィイン。いつもの耳障りな音と共に探知魔法が発動する。この魔法は俺が一から構築した物だが……、『見つけました。が・すごく・薄ボンヤリ・してます』「……ホントだ。なにこれすごく薄ボンヤリしてる」若干……なんだこれ? 人、かな? 人がなんか……丸いのに、いや丸いのが人に……ん~? どうなってんだぁ? えと、う~んと……ブツッ!あーはん、視覚情報切れちゃったよ。うん。やっぱりダメだ。俺には才能が……。『気を・落とさないで・ください』「テメェがさっさと成長すりゃあンな事にはならんのじゃ!!」『マスターの・力不足・です』「い、いいい言うに事欠いてそれかテメェ!?」―――このデバイス野郎!『野郎では・ありません』アッ―――!!「うわぁぁん! もうシェルなんか嫌いだい! もう絶交! 絶交する!!」『わたしと・マスターは・切ったら・死ぬ・仲です』……手首だしね。もういいや。多分ジュエルシードっしょ。ユーノが襲われてるだけだ。なのはさんが助けてくれるはず。俺もそろそろ動かなきゃなー。いつまでも はやてちゃんにお世話になっているわけにもいくまいよ。よし! そうと決まれば早速今からでも探しにいって―――、「ディフェっちゃ~ん! お風呂はいろや~!」「は~い!」うん。明日からやる。明日から。