ピンポーン!なんという高級住宅。フェイトこんなトコ住んでんのか。はやてといいフェイトといい なのはといい、みんないいとこ住みすぎだよ。金持ちしか出てこないのかこのアニメ。なんだ、セーラームーンか。『……はい』「あ、オレオレ~、オレだよ! オレだってオレ!」『マスター。それ・大好き・ですね』まぁね。ホントなら一日三回はやりたい所ですよ。『……おれ? に、兄さん、かな?』「お、そうそう。兄さんだよー」『はい、今開けるね』「うぃー」『ちょっとまちなよフェイト。 アンタ本当にアイツかい?』「んだとこらっ!? さっさと乳揉ませろや!!」『……く、くく、間違いないみたいだ、念話すりゃいいのに』「苦手なんですー」そんなわけでフェイトを呼びにきました。いざ往かん八神家!06/~制限時間~「てわけでさー、俺今その はやてって娘のお世話になってるんだー」「そうなんだ。家がないなら、う、家に来て、良いんだよ……?」「この歳で妹の世話になるわけにはいきませんので!!」「……何言ってんのさ。しっかり他人のヒモしてるくせに」「アルフさん!? 事実でもそんなこといっちゃダメだよ!」『この・ヒモ・野郎が』「―――てんめぇぇええっ!!!」最近シェルがよく反抗するんです。反抗期なんでしょうか。子育てって、た・い・へ・ん♪……本気で切り落としたいぜ、このデバイス。しかしシェルいわく、「私は・根のある・ところ・からなら・ギリギリで・自己再生・可能です。 ―――ふははは、何度だって蘇るさ!」だそうです。コイツ俺より長生きすんじゃね?そんなこんなで道中、俺の説明をしながら八神家を目指した。まぁ肝心なことは何も喋ってないんだが。フェイトからの質問は大分はぐらかした。『母さんは兄さんがここに来てるって知ってるの?』―――ふふふ。冒険ってのは親にバレたら楽しさが半減だって知ってたか?『兄さんはここで何してるの?』―――ふふふ。兄妹間にのみ発生する電波でフェイトの危機を察知したんだ。『そ、そんなのがあるんだ。知らなかったな。兄さんは物知りなんだね』―――ふふふ。……嘘です。『!?』みたいな感じで。だってまともに話しちゃったらダメでしょ。プレシアにはなるべく俺の存在に気付いて欲しくないし。だって怖いじゃん。そういった意味じゃ俺、フェイトに兄貴って言った時点でアウトだな。っはっはっは! 何やってんだよ俺! ……笑えね。あ、そういえば、「フェイトってさ、ちゃんとお金とか持ってんの? 家はすげーマンションだったけど」「あ、うん。ちゃんと持ってるよ。これ」そういってフェイトは腰に巻いているポシェットを開けた。その中には……え、え~と。何これ五百万くらい入ってんじゃね? うん。一万円札が束になって四つ。ばらばらになった相当数の万札。それに適当に入れているためクシャクシャになった千円札がやけに多いがこれもかなりある。さらに硬貨には五百円玉が目立つ。要するに、「ちゃんと使い方解ってる?」「えと、これが一番大きいので……」そういって一万円札を取り出すフェイト。おぉ。ちゃんとあってるから ちらちらとこちらの顔をうかがわなくていいぞ。可愛すぎるぜ。フェイトを娘にしたリンディさんは大正解ですな。「……だから、これしか使ったことない」「ほ、ほほぅ。なかなか、高レベルの回答だ、よ?」「そ、そうかな……?」嬉しそうな顔しないでください。だからやけにバラバラジャラジャラしてんのか。なるべくちっちゃいのから使おうねフェイト。「フェイトには色々こっちの事教えてあげなきゃね」「別に間違ってるわけじゃないからいいじゃないのさ」アルフてめぇ知ってたのかよ。教えてやれよそのくらい。お前使い魔だろが。「いーんだよぅ、買い物が出来りゃそんなモン。こんなのジュエルシード集めちまったら用済みなんだからさ」「でも、お金は大事だってリニスが……」「お前らちゃんと予備知識詰め込んでからこっちこい」アホの子全開のフェイトさん。いやぁ、可愛い限りですな。信じられるか? これが俺の妹なんだぜ? しゃべーしゃべー、こんなに可愛い子が俺の妹とかしゃベー。ぐふふ、と何となく妙な笑いを漏らしながら、そして八神家へ。途中アルフが俺とフェイトの間に入ってきてこっちを睨んでたのはきっと白昼夢。間違いなく白昼夢。八神家の玄関の錠に鍵を突っ込み(なんか見たことない形してた。穴ぼことかついてた。ピッキングなんて出来るわきゃねぇ)、「はやて~、連れてきたよ~」「はいは~い、あがっててー」なんか美味そうな匂いがする。なんか料理作ってるなこれは。「はいよー。んじゃあがろっかフェイト、アルフ」「お、おじゃまします」「おじゃましまーす! う~ん、おいしそうな匂い~♪」食い意地はってんなー、アルフ。原作でもモリモリ食べてたからなぁ……。「いらっしゃい二人とも。ほわ~、ホンマそっくりなんやね」「あ、おじゃま、します。フェイト・テスタロッサ……です」「アルフだよ」「ディフェクト・プロダクトです」「うんうん。きいとるよ~。わたし八神はやて。もうすぐご飯できるからそこ座って待ってて」え、俺はスルーですか……?関西人の血は騒ぎませんでしたか。そうですか。所詮僕はその程度ですか。「えと、その…ありがとう」「よかったねぇフェイト。こんびに?のご飯はあんまり美味しくないもんね」「あ~、あかんよそんなんばっか食べてたら。おっぱい育たんくなるで」はやてのおっぱい好きには困ったものです。何故あんなにおっぱいが好きなんでしょうか。俺が男なのでわからないだけで、まさかおっぱいには何か特殊な能力でもあるのか? ビームとか出るのか? 好きでしょ、小学生辺りはビームの事が。「ん~、あたしはそれ以外にもドッグフード食べてるからいいんだけど……」「―――ぶふぅ! ここにもおったか、ドッグフード! なんなん、最近の外国の人にはドッグフードが流行なん?」「あ、ちが……。だめだよアルフ」「ああ、ごめんごめん。でもあたしはいいけどフェイトの食が細くてねぇ……。心配だよ」「ん~? フェイトちゃんはあんまり食べへんの?」「ぅえ、と…」「そうなんだよ。だからいつまで経ってもおっぱいが育たないのかねぇ……。人間はもうそろそろ大きくなりはじめてもいい頃だろ?」「……? まぁ、人それぞれやからなんとも言えへんのやけど……」も、ものすごい緊張感だぜ。アホの子フェイトですら気付いてる。かなり、綱渡りな会話だ。俺も何かフォローを入れなければ収拾がつかなくなること間違いないだろこれ。つかアルフ、お前ちょっと迂闊すぎんぞ。笑いが出るとこだったって。何だお前、もしかして魔導師だってばれても問題ありんせんっ、とか言い出すんじゃねぇだろうな。同じ狼でもあっちは賢い狼ですよ?「は、はやてさ~ん、僕お腹すいてきちゃったなー、なんて……」「ん? ドッグフードなら家にはないよ?」「ちょ、」怒ってるんですか? やっぱり昨日の事怒ってるんですね!ちゃんと説明したじゃんかよぅ。フェイトもちゃんと連れて来たじゃんかよぅ。「やだやだやだー!! アルフがこれ以上変なこと言う前にご飯に集中させたいのー!」『(あいたたたー)』分かってるから。何も言わないでくれシェル。涙出るから。「―――。……んもう、しょうがない子ですこと」「―――!! さ、さっすがはやてちゃ…はやて! もう大好き愛してる!!」さすが関西人! 空気読めてるぜ!俺の焦りが伝わったのか、なにやらはやてはさくっと会話を中断し、料理の準備に取り掛かってくれた。いや良かった。マジ助かりました。はやての心遣い、無駄にはしません! アルフにはガツンと言ってやるZE☆そしてコソコソとアルフに話しかける。「お前、自重」「(´・ω・`)」。。。。。その後俺たちはしっかりと食事を喰らいつくし、はやてとフェイトは自室で話し込んでいるし、俺は日差しの入り込むリビングでアルフと将棋を。フェイトはアルフとか俺だけじゃなくて皆とも友達になって欲しいからね。ちょっと不安そうな顔してたけどそんなこと気にしません。俺は基本的に放任主義なのです。子供には伸び伸びと育ってほしいのさー。「それにしてもアンタは幸せモンだよ。タダで毎日あんなおいしいご飯食べられるなんてさ。―――パチ」「だよなぁ……ごほっごほっ。だから俺も何とか恩返ししたいんだけど金もないし家もない。―――パチ……王手」「ん? 風邪かい?―――……パチ」「ん、気にしなくていい。昔からなんだ。馬鹿は風邪引かないなんて嘘だったって話……っさ。―――スパチーンッ!」「―――だぁ! また負けた! なんかアンタズルしてんじゃないのかい!?」「後先考えずに入玉してくるようなヤツには負けないっての。……げほっげほ!」「……なんかアンタ、ホントに調子悪そうだよ? 横になってた方がいいんじゃないかい?」「ん~、なんか今日はしつこいなぁ。いつもだったらすぐよくなるんだけど」俺の体は最終調整が終わってないせいか、よくこういうことになる。体の調子のアップダウンがやけに激しいのだ。ブルーディがあるのだよ僕には。男なのに。それでも最近はかなりよくなったと思ったんだけど。はやてのトコに来てからは全然でなかったし。「うん。やっぱり顔色悪いよ。ていうより悪くなっていってる。」「そか? 全然問題ないと思っ―――げほっごふ…っごふぅ!」口元を抑えて咳をする。アルフだって唾の飛沫なんかが飛んできたら嫌だろうしね。あ、なんか出てきた。やべ、タンか。タンなのか? ドロッとしてるし、そうっぽいな。「やべ。アルフ、ティッシュとって」「あ、あんた……っび、病院! 病院行きな!」「何言ってん―――」だよ馬鹿。ただちょっと咳が出てるだけだよ。何て言おうとした時だった。まず妙に粘つく口の中に鉄の味がするのに気付き、『マスター!?』シェルの、ことのほか焦ったような声に、俺は自分が何を吐き出したのか気付いた。「おろ……? まさかこれ、血……?」真っ赤に染まった手のひら。結構な量の血が出ている。何で……?まだ大丈夫じゃないのか? リニスは十年くらいならもつって……。―――いや、十年も もたないかも知れない。そう言ったんだった。まさか、こんな急に……?さすがに血が出るのは初めてですよこん畜生。なんじゃこりゃああああ!!「何言ってんのさ! 待ってな、今フェイト達呼んでくるから!」その言葉にハッとなった。今ここにはフェイトだけでなく はやても居る。この二人にだけは知られたくない!というか知られてもどうしようもないんだから気を遣わせるだけじゃないか。そんなのいらん! 余計な心配はしなくていい!「ま、待て待て! 大丈夫だから! 知られたくないんだ!」「そんなコト言ったってアンタ―――」「大丈夫だから! 何処も痛くないし、まだ大丈夫の筈だから!」「……まだって、どういうことだい?」アルフの思いのほか悲しそうな顔。まだ出会って二日しか経っていないが意外と俺って信頼されてるんじゃね? ま、ご主人様のアニキだしな。しかしアルフに話してもいいものか……? フェイトにいっちゃダメだよ?「え~と、アルフってさ、アリシアって知ってる?」「……知らない。それと今のアンタがどういう関係があるのさ? 変な意地張ってないで早く病院に―――」「まぁ聞けよ。アリシアってのは、俺の遺伝子提供者なんだ。これから話すのは全部事実だからな。フェイトのコトもある。聞くんなら絶対フェイトには洩らすな」「―――わかった。絶対言わない」ぴょこんっと隠していた獣耳が立ち上がり、アルフは真剣な表情をした。……可愛い。「ん、こほん……またでやがった。ん、ん……ごほん。それでは話すとしましょう」俺は『リリカルなのは』に来る以前の事、それ以外は全て話した。こんなコト言ってもさすがに信じらんないだろうし。まず俺の出生。死体処理場。そこからの逃走。それに伴い、フェイトの出生。フェイトとは違う俺の寿命も。俺は最終調整が終わっていないまま捨てられた。だから当たり前のようにその体は完璧じゃなくって、どこもかしこもイカレてるんですよ。それでもリニスは助けてくれて、一応もうちょっともつかなぁ、なんて思ってたらこれだよ。ナンテコッタイ。「……っ、……」全てを聞き終えた後のアルフは静かに泣いていた。母の道具にされているフェイトに同情しているのだろう。使い魔としては最高だよな。自分のご主人様の事で泣けるんだし。これならもし、もしかして、生きたいけれども も・し・か・し・て俺が死んでもフェイトの事は大丈夫。もともと俺はイレギュラーなんだ。フェイトには沢山の友達が出来るはず。「ぐすっ、あんた……あんたは何やってるのさ、こんなトコで。ミッドにでも帰って治療すりゃ少しは長生きできるんじゃないのかい? それなのに、こんなトコで何してんのさ……?」「はは。今更 寿命が一年 二年増えてもどうしようもないさ。 それよりも願いを叶えるロストロギア、ジュエルシードを頼ってきてみたんだけど、これもどうやらダメっぽい。そうなると後の望みは―――」「……プレシアの研究データ。もしくは調整用のプラントそのもの」「そゆこと。このことフェイトに言ったらダメだよ」「言えるわけないだろ! あの子は信じてるんだ、自分の母親の事をっ! ……あぁもう!! 今度プレシアに会うってのにどんな顔して行きゃいいってんだい!」「あ、その際俺の事は言わないようにな。フェイトは俺がうまく言いくるめておくから。お前たちはこれからも普通にジュエルシードを集めててくれればいい」「そ、それじゃアンタはどうなるんだよぅ……? このままじゃ、」「―――なぁアルフ。記憶が完全定着しなかった、所謂【失敗作】であるフェイトが俺のように廃棄されなかったのは何でだ? そもそもジュエルシードではアリシアは蘇らない。 それなら何故集めさせる? プレシアもそれを知らないほど馬鹿じゃないはずだろ? アイツは気付いちまったんだよ。フェイトが記憶を完全に受け継がなかった時点で『死者の蘇生は今の技術力では足りない』ってな。 だったらどうする? その技術力がある所に行けばいいだけだろ。 そこは何処だ? 失われし都『アルハザード』だ。 そこにはどうやって行けばいい? 本当に失われちまってるんだ。その世界は崩壊し、次元震に巻き込まれ断層の割れ目に落っこちまったって話だ。んなトコにどうやって行けばいい? ……そうだよ、ジュエルシードだよ。その莫大な魔力量で願いを叶えるロストロギア。たった一つ暴走しただけで次元震を引き起こすほどの魔力量を秘めている。それを集めてプレシアは時空間を跳躍する。アルハザードへ。 だけど、そんなにうまくいくモンか? 次元震を引き起こすんだぞ? そうなるとどうなる? 時空管理局のお出ましだろ。すでに「地球」では小規模の次元震がいくつか観測されているはずなんだ。あいつらが来ないわけがない。そのうちお前と、フェイトと、あのお嬢ちゃん(なのは)は管理局に面が割れる。お前らは逃げるだろうけどね。 だがあの嬢ちゃんは? 管理局に話すだろうな。ディフェクト・プロダクト。それとそっくりな顔をしたフェイト・テスタロッサ。まず俺が捕まるだろうね。 そうなるとどうだ? あの顔がそっくりな子が無関係のはずがない。じゃああの娘は誰だ。フェイト・テスタロッサだ。多分これは俺が喋る。それかあの嬢ちゃんだな。 テスタロッサ? プレシアと同じだ。プレシアは何故ジュエルシードを集める? 危険だ。突入だ。プレシアを捕まえろ。となる。 その際、俺がデータとプラントを盗んで万々歳!! ―――と、こういうプランで行こうと思ってるんだけど……どう?」ぼくのかんがえたりりかるなのは。「ば、馬鹿かアンタ!? フェイトもあたしも捕まっちまうじゃないか!」ですよねー。そう簡単にはいきませんよねー。でもしかしバット原作じゃそういう風に進んでんだよ。だからこれが一番無理がないと思うんだけど。大体捕まってもプレシアに魔法で操られてた事にすりゃいいじゃん。……これ最適じゃね?「どっちにしろプレシアの目的は阻止するしさ、結局捕まるよ。下手に逃げないでさ、捕まって魔法で操られてましたって言えばいいよ」「……そんなの、フェイトが許さないよ」「だよねー……」まぁそりゃプレシアが『ぶっちゃけフェイトってクローンだしw』みたいなこと言わなきゃ最後まで着いて行ってただろうなぁ。今回も言うかなぁ。言ってくれなきゃ大変だけど、言ったら言ったでフェイトが可哀想だし。それなら、「アルフ。フェイトの事、最後まで守れるか?」「あたりまえだろ! あたしはアンタの事だって―――」嬉しいこと言ってくれるねぇ、アルフ。若干顔が赤いぞ。照れてんのか? 可愛いじゃねぇかぁぁああ!! 「いや、俺はいいんだ。お前は何があってもフェイトのそばに居てくれよ?」「―――アンタ……死ぬ気じゃないだろうね?」「死にたくねーから言ってんのっ!」手と口を拭いながら、俺は笑ってみせた。確実に、俺の寿命は縮んでいる。発作のような物は続いてるし、ドクドクと動悸のような心臓の音も耳から離れていない。それでも笑ってみせた。なぜかって? そりゃカズマさんはピンチの時にもしっかり笑ってたからさ! オレって~カズマさんのこ(ry―――だけど、それだけじゃない。俺はその日『覚悟』を決めた。だから笑ったんだ。「……ぅあ……」「ん、どした?」なんて顔してんだよ、お前。ポケポケしてんじゃねーよチクショウ。口開いてるぞ。せっかく人がかっこよく決めてんのに!「なな、なんでもないっ! そ、それより身体、大丈夫かい?」「ん、大丈夫だって。痛みもないしね」「そう、かい。そ、それじゃあたしはそろそろジュエルシード探しに行くよ。フェイトに言っといてくれるかい?」「一人で行くのか? 俺も行くよ」「いやいやいや! いくらなんでも休んでなって! 大丈夫、何かあったら念話を繋げるからさっ!」何焦ってんだこいつ?まぁフェイトがせっかく楽しそうに(たぶん)話してるんだしな、邪魔するのもよくないだろうし。俺は別に問題ないのに。連れてってくれてもいいのにな。……これもアルフの優しさか。惚れちまうぞ。俺は粘着質だぞ。ベトベトンくらい。……いや流石にベトベターくらいかな。『(なぜ・わざわざ・進化前に)』「ん。そこまで言うなら任せるよ。フェイトには言っておくから」「はいはーい」そういってアルフはすたこらさっさと出て行ってしまった。ピコピコしてるお耳と尻尾は隠しなさいね?。。。。。―――死にたくねーから言ってんのっ!そう言ったときの、ディフェクトの顔が未だに脳裏から離れないかった。何かを決意したような『男』の顔。思わず心臓が高鳴って、それはアルフにとって初めての経験だった。(び、びっくりした……。アイツ、あんな顔できるなんて)どきどきどきどき。まだ心臓が高鳴っている気がする。いや、事実高鳴っている。アルフはそのままぐにゅ、と己の乳房を押し上げるようにして掴んだ。「すごいどきどきいってる……」手のひらに伝わる鼓動と熱。そのまま顔に手を当てると、そこもまるで発熱でもしているかのように熱い。―――アルフ。フェイトの事、最後まで守れるか?あたりまえだろ! あたしはアンタの事だって―――アンタの事だって、なんだろうか。アルフはどう思ってその言葉を出そうと思ったのだろうか。自分自身にもよくは分からないが、(あたしは何て言おうとしたんだろ……?)一度意識してしまうとなかなか頭から離れないそれ。また鼓動が激しくなる。これではまるで、「こりゃ、ヤられちまったかねぇ」アルフはクスリと笑い、もう一度だけ胸を押し上げた。。。。。。「あ、そっか。アルフ先に行っちゃったんだ」「うん。フェイトは はやてとゆっくりしてていいって。散歩がてらって言ってた」「ううん。私もそろそろ行くよ」「なに、もう帰るん?」「うん。探さなきゃいけない物があるから。今日は知らない兄さんの事、いっぱい聞けて、た、楽しかった、よ」「そかぁ……また来てくれる?」「うん。きっと」いったいどんな事話したんだろうか、はやて。あんまりいらんコト喋られてると兄の威厳が消し飛んでいくんだが。「それじゃ、兄さん……あんまり はやてに迷惑かけちゃ、だめだよ?」「……はい。肝に銘じておきます」いったい何を話したのかな はやてさん?僕 君に迷惑かけましたか? いや、存在自体が迷惑だと思いますよもちろん。それでもさ……それでもちゃんと掃除とか洗濯とかやってるじゃん! 「それじゃあ兄さん……また、ね?」「おお。またな~」「……」「……」「……」「……?」「……」「……? ど、どうしたんだ、フェイト?」「……またねの『挨拶』は無い……の?」「!?」俺は思わず はやての方を振り返った。―――そこには……!にやにやとなんとも形容しがたい笑みを浮かべ、ぐっ、と親指を立てた彼女が居た。はやて……嗚呼はやて……! 八神はやてぇぇぇぇええええええ!!! あえて言おう、GJであると! とてもナイスな判断であると!この俺にフェイトの唇を奪う権利を与えてくれるなんて!「お、おぉ。もちろんあるぞ~」「そ、そうなんだ……それじゃ、またね?」「ああフェイト。またね」―――ちゅ☆はやてのおかげでフェイトの唇も奪えたんだ☆血の味がバレるとまずいので舌は入れてません(すでに舌を入れること自体に躊躇なし)。「…んふ……」「……ん」ゆっくりと唇を離す。そしてフェイトを一度抱き寄せ、耳元で、「愛してるぞ☆」「……ぁ」呟いちゃったんだ☆「んふふ~。愛してるやて、ええな~家族って」フェイトが帰ってからこっち、はやてはやけにニコニコしている。いや別に動画見てるわけじゃないよ。笑ってるって意味だよ? あ、そうですか。わかってますか。きっと俺がフェイトと再開した事が自分の事の様に嬉しいのだろう。なんていい子なんだ。可愛すぎるぜ。しかし、彼女にはすでに家族は居ない。だから、「俺は はやての家族みたいなもんだよ、きっと」「……ほんま?」「うん。養ってもらってるしね」「……ふふ。そやね」「うん。だから、好きだよ、はやて」「うん……わたしも……」これは。これはまさかペットから家族への昇格が出来ているんじゃなかろうか?守るよ。絶対。おっさんとにゃんにゃんズの思惑通りにはさせないさ。そういやこの家に居たらなんかアクション起こすと思ってたんだけどな。何にもないとこ見ると……気付いてないのか? ……んなわけないか。ここに居るのなら何らかのアクションはこれから起こるな、きっと。そんな気がする。守ってみせるさ。……が、頑張ります!。。。。。『マスター』「ん~、どうしたー?」『何か・私・腫れていませんか?』「……。お前って腫れるの?」だとしたら完全に気持ち悪いんですけど。今は硬質な感じで一種のアクセサリーでも通せない事もないんだけど、これが腫れあがってぶよぶよとしたモノに変わったら絶対に切り落とすよ。それをちゃんと考慮したうえでの発言を頼むよシェル。『いえ・そうではなく。腕が・という・意味です』「ん~……」……何これ?あ、アナコンダ?「な、なんじゃあ!? いったい何事だこりゃ! あれ、俺っていつからアームレスリング始めたっけっ!?」はい。腕がものっそい太くなってます。なんだろこれ。鍛えた覚えないんだけどなぁ。アレかな、夜のアレのせいで勝手に鍛えられたのかな。ああ、そうだ、そうに決まってるよねシェルゥゥゥウウウ!!『私のせいに・しないで・ください』「こんな異常が出てるのにお前以外の何が目的なんですか!?」『流石に・意味・不明です』て言うか何、なんで誰もツッコんでくれないわけ?ある日突然友達とかの腕が太くなってたら何事かと思うでしょう。聞いてしまうでしょう? ちょ、おま、って言っちゃうでしょう!! それが皆見事にスルーて…。想像してほしい。たとえば自分の母がこうなっていたら。朝起きて、お母さんがご飯を作っている。それは後姿。フライパンか何か握っている。肘の辺りに違和感を感じるが、曲げてるせいだろうと見当をつける。ふぁあと欠伸を一つ。目元をコシコシかいて、目の前の皿に目玉焼きをのせる母を見る。「……?」そしてもう一度目元をコシコシかいて、目の前の皿に目玉焼きをのせる母を、見る。「―――腕ふとっ!!」『だから・さっきから・言っています』「いやいや、冗談では有りませんよこんなの!」『冗談で・腕を・太く出来る・人物を・今のところ・知りませんが』「なんで誰も何も言ってくれないの!?」『マスターが・余りにも・普通にだったので・ツッコミきれなかったのでは?』「だって痛くとも何とも無いんだもん。普通気付かないだろ?」『それは無くね?』「……いや、もういいや。ちょっと病院いこう。……かなぁって思ったけど、やっぱやめよ」『お金が・無い事に・気が付きましたね』いやいや、そんな事無いよ? 別にお金なんか無くても生きていけるしさぁ。金なんてないほうが人生に変なしがらみを作らずに生きていけるってもんさ!!『素直に・はやて様から・お金を・借りま―――』「あーっ! 何か今すっごいユーノに会いたくなった! もう今すぐ会わないと死んでしまうくらいにユーノに会いたい!!会いたいなぁ!今頃何やってるのかなぁ!あ、そういえばユーノも地球にいるんだよね!うん行こう、今すぐ行こう!!ユーノォォオオオオオ!!!」『(ダメだコイツ何とかしなきゃ)』「聞こえてんだよ!!!」。。。。。「…ねぇフェイト」「ん? どうしたのアルフ」「ディフェクトの腕、何か太くなかった?」「そうだったかな……?」「あたしゃ玄関を開けたときシオマネキかと思ったよ」「そう、だったかな……?」「……そういえばアイツ、昨日は戦闘してるんだよね」「……」「……」「……もう一回、帰りに寄ってみようか?」「そ、そうだね…」