テストだって言ってんでしょ!(ツンデレ)
痛み
それは千差万別だが
男が感じる痛みの中で
あれ以上のものはあるだろうか?
あの腰の辺りがキューとする感覚
思い出したくもない
だからあの時に
馬鹿口のにやけた顔がムカついて
宝具持ち出したのは間違いなんかじゃない。
〈アンリマユ〉
だ~~!くそ!!
まだ何か違和感があるぞ
潰れてなかったから良かったものの、
両者が股間を押さえて付いた決着は
その異様な見た目とあいまって、何とも言えない感じになった。
引き分けになったことで
馬鹿口は不満そうだったが勝てなかったのは事実。
永遠の補欠として採用になった。
まあ、そこに行き着くには、
本気の殺し合いが何回かあったのだが
それは気にしない方向で。
偶にしか会わないが。
幽霊部員に近いし
さて
何時ものように散歩しながら、食い物を集りに行こう。
あいつに養って貰うのは癪だが。
楽だしな。
孤児院。
家族が死別したり、捨てられた子供たちが育てられる場所。
家の周りを馬鹿みたいに飛び回るガキ共。
そこから少し離れた場所で日向ぼっこしながら、
飯の報せを待つ、
自然にガキ共に紛れ込んでテーブルに座ることが
ここで集るコツだ。
下手にやりすぎると手伝わされるので、
週に三回が限度だが、
他の場所で集るよりマシな飯と、待遇が期待できる。
大口を開けながらの欠伸。
だるいな~。
前に英霊は永遠に不変な存在だと言ったが、
ここではそうでもないらしい。
俺も此処に来て決まった。
レベル。
才能限界。
技術の上限。
生まれながらにそれらは決まっていて、
それから逃れることはできない。
100までの奴や、
30までの奴。
世界がそれを決める。
誰かが決めたルール。
玩具のように、プレイヤーが世界で遊ぶために遣り易いように。
整理され最適化された、作られた世界。
言うなればゲーム。
うん、よくやったなポ○モン。
リザー○ンを100にして、リーグを制覇したり、バッチ集めや資金集めに明け暮れたんだよな、さすがにパズルばかりだと飽きたし。
世界の意思や神様の力も随分と気安くなったもんだ。
まあ、何でこんなことを話したかというと、
世界は不公平だということだ、
レベル1は無いだろう、才能限界20もなんだが
こんなのだと上げる気がしない。
前回は魔力で誤魔化していたらしいが、
毒や投影で使い切り、今は
レベルにあった魔力の精製量で弱体化しきっている。
英霊は普遍。
しかし、魔力を溜め込むことで、タフになったり
エンスト起こさなくなったりと。
自身を強化する手段が多種多様にあって。
不利を感じさせるはずはないのだが。
魔力が少なすぎて何も出来ません。
しょうがなく
ゴロリと横を向いたら、目に包帯したガキが居たので、
両手を挙げて嚇した。
ビクッ
全速力で逃げていく姿を笑っていたら殴られた。
韓国風漬物。
キムチ
名字忘れたが、ここの保母さんぽい事をしている奴だ。
「貴方ねえ、子供を嚇してなにしているのよ?」
「いや、目の前に居たから」
「はあ~、いいから食器を出すのと、食後の食器洗いを手伝ってね?」
「え~~、やだ」
「はいはい、分かったから早く来てね」
「ういーーっす」
立ち去る女の匂いに、特徴的なものが漂っていた。
「なんで、貴様が居るんだ!」
「お前、毎回叫んで疲れないか?」
馬鹿口登場。
お互い思い出して腰を引きながら、話すのは彼是十何回になるか。
いい加減免メンドイ。
机の端と端に離れながら、赤い鍋を挟んで食卓を始めた。
キムチ鍋。
あの紅さからマーボー位辛いと考えていたのだが、
さすがにそれは、食いもんに対して失礼だった。
不満だらけの馬鹿口だが、
俺の特権と数回の闇討ちで攻略法がまだ見えないのか、
苦虫を噛み潰した顔で我慢している。
鍋食い始めたら機嫌直るんだがな。
それはともかく
なぜか俺の横にいるカロリアに気づいたらよそっていたが、
衛宮士郎はロリコンの気があるからしょうがないのだろう。
馬鹿口は馬鹿口でこっちはこっちで美味しく食べている。
食後。
食器を洗い終わって、見た目裸エプロンから脱すると。
人に洗わせといて、呑気に食後のお茶をしてやがる、
漬物女にガンをくれることにした。
「あ、アンリ貴方もお茶飲む?」
無視された。
ドカッと椅子に座り、隣でお茶啜っている奴を睨みながら、
穏やかな、午後を過ごした。
日本茶飲みたいな、今度それらしいのがあるか聞いておこう。