タイトル「気が付けば 桃色髪の 虚無少女(字余り)」とか……
やっとと言うべきか。
待ち侘びた……と言うほどでもないが、来るべくして来たその日。
サモンサーヴァントによって、同胞が呼び出される日。
いや、もしかしたら来ないかも知れない。
すでに大きく乖離している以上、開かれないかもしれない。
いやいや、『虚無』たる自分が呼ぶ使い魔は人間。
おそらくは確定しているその事象に、異議を唱えても全くの無意味である事は確か。
むしろ『それ』を知っているが故に、同情しているのかも知れないが……。
「それでは次、ミス・ヴァリエール」
「はい」
名を呼ばれ、返事をして軽やかに広場の中心に歩んだ。
左前腕、袖から取り出した杖を構える。
瞼を瞑り、集中する。
周りの雑音を一切排し、全身から引き出すのは精神力。
引きずり出すと言っても過言ではないほどの過剰な物。
引っ張られるような、大きな虚脱感を感じながら呪文を唱えた。
『宇宙の果てのどこかにいる、我が使い魔よ──』
唱える、唱える、唱える。
全力を持って唱えるは召喚呪文、コモン・サーヴァント。
─来たれ来たれ来たれ! 虚無が使い魔たる一柱、ガンダールヴ!─
─来たれ! ヒラガ・サイトよ!─
世界は、暗転した。
自分だけの意識が、セカイを読み取り、正確な情報を掲示する。
次元にすら干渉する虚無の力の一端。
開かれたのは召喚門<サモン・サーヴァント>、この門の向こう側では、門を見て不思議がる少年が居た。
帽子つき青いパーカーに紺色のジーパン、この世界では見れない衣服に懐かしさを覚えながらも少年を見据える。
門を裏に回ってみたり、鍵を突っ込んだりしたり。
一通りの動作を終えて、少年は決意したように門の中に手を突っ込む。
当然、門を介して此方に現れた少年の手。
それをゆっくりと手に取り、引っ張る。
引きずり込まれている事に気がつき、少年は驚いた表情で腕を引き抜こうとするが。
一方通行が確定しているこの門から抜けはせず、少年は成す術なく門を潜った。
爆風、土煙が舞い上がり視界を埋め尽くす。
見れば少年が尻から座り込んでいた。
訳が判らないと言った表情で辺りを見回している。
『……嫌だなぁ』
そう思ったのは確か、アニメ一期のOP主題歌はファーストキッスだったか?
まさに初めてのキスから始まる物語、自分としては御免被りたいが……。
……別に今する必要は無いと思うが、授業の一環でミスタ・コルベールが見ているならやって置かなくてはならない。
一歩前に出る、いまだ晴れぬ土煙の中、現れた俺に見惚れているのだろう才人。
ふっ、美少女なのだから仕方が無いか。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
俺の容姿に見惚れ、未だ呆けている少年、『平賀 才人』に歩み寄って頬に手を当て、唇を重ねた。
「へ……?」
1秒も無いキス、自分の表情はどうなっているだろうか。
頬が上気していたりしないだろうか、してたらしてたで嫌だが……。
「エクスプロージョン」
左手袖から杖を引き抜き、誰にも聞こえないほどほんの小さく呟き、土煙を吹き飛ばす程度の爆風が起こった。
晴れる土煙、周りに居た他の生徒のマントやスカートをめくり上げる。
それで起こった悲鳴と風が収まり、視線は才人に集まっていた。
「──『ゼロ』のルイズが平民を召喚したぞ!」
誰かが言ったそれに、堰を切ったように上がった笑い声。
少年は未だ訳がわからず、左手に走る痛みに悶えていた。
笑い声が響く中、広場全体に通るような凛とした声を上げたのは桃色髪の少女。
「ミスタ・コルベール、コントラクト・サーヴァントは終わりました」
胸に響く、その声は周囲の生徒を一発で黙らせた。
『これだからガキは……』と内心思いつつも、監督役の教師、コルベールを呼び寄せる。
「お、おお、それではルーンを確認させてもらいますぞ」
ふむふむ、これは見たことが……、とぶつぶつ呟きながら少年の左手を舐める様に見つめる。
その光景に背筋を凍らせる少年、喚き出しながら手を払う。
『何なんだあんた! てかここどこだよ!』
ああ、懐かしい。
他人の口から『日本語』を聞くのは実に16年振りだ、……そういや一年の日数が違うから17年振りか?
まぁ、どっちでもいい、久しぶりに『同郷』の人間に会えたのは本当にうれしい。
『後で説明するから少し静かにしててくれ』
ハルケギニア語ではなく、日本語で嗜める。
思いっきり外国人な俺が流暢な日本語を喋るなんて思いも寄らなかったのだろう、驚いた表情で固まった才人。
コルベールも聞いたことが無い言葉で喋る俺に驚く。
「ミスタ・コルベール、授業はこれで終わりですよね」
「あ、ああ、それでは皆さん」
授業は終了です、と言って浮かび上がり、校舎へ向かって飛んでいく。
それに続いて他の生徒たちも舞い上がる。
「ゼロのルイズは歩いてこいよ!」
『サイト、立てるか?』
『え、あ、立てる……』
誰か何か言っていたような気がするが、ほぼすべての意識は才人へ向いていた為に気が付かなかった。
『それで、えっと、名前は……?』
『ルイズで良いよ、長ったらしい名前なんでな』
足を組んでベットに座る俺と、椅子に座る才人。
『はぁ……俺は平賀 才人です、それでここはどこっすか……?』
ふてぶてしく喋る俺に、才人は何を感じ取ったのか危うい敬語で話す。
勿論全て日本語。
『ハルケギニアのトリステイン王国、て言ってもわからねぇだろ?』
『全く』
『そうだろ、簡単に言うと異世界だ』
『……はぁ、いせかいっすか』
思いっきり信じていない、まぁいきなり異世界って言われても信じる奴は居ないだろうな。
居たら居たで『頭大丈夫か、こいつ』って思う自信がある。
『まぁそう簡単に信じられないだろうな、もちろんドッキリとか古いもんじゃないぞ』
『そっちのほうが信じれますけど……』
『こんな大掛かりなセット用意して、サイトを驚かせて何のメリットがあるんだ?』
『それも……、そうですね……』
渋々、と言った感じで首を縦に振る才人。
『それで、そろそろ家に帰して欲しいんですけど……』
『すまん、無理だ』
時間が止まった。
もちろん才人の時間であって、俺の時間では3分ほどだった。
『む、無理ってどういう事ですか!』
『まぁ落ち着けって』
勢いのまま掴み掛かってきそうな才人を嗜める。
この体じゃ簡単に押し倒される、もちろん力も言わずもがな。
それに気づいて、ゆっくり下がって座り込む才人。
『今は無理だって事だ、お前を送ってやる魔法があるにはあるが……』
『じゃあそれ使ってくださいよ』
『それが無理なんだよ、残念ながら呪文を知らなくてな……』
『その呪文があれば帰れるわけですね!?』
『そうだが、かなり時間が掛かるぞ?』
『……どれ位ですか?』
『うーむ、原作時間じゃ二年か三年位だったか……』
『にッ!?』
驚愕を貼り付けた顔、予想してた期間より大分長かったのだろう。
たった二年、されど二年、遠く長い時間である事は間違いなかった。
『落ち着けよ、勝手に呼び出しておいて申し訳ないが、俺的にはまだ帰って欲しくないんだ』
『……どういう事ですか?』
『いや、な……。 同郷の人間に会うのは久しぶりでさ……』
『同郷?』
『そのままの意味さ、日本人って事だよ。 もうかなり長いこと日本語で喋ってなかったからさ、結構辛いんだぜ? 周りに慣れ親しんだ母国語を喋れる奴が一人も居なくて、果ては『魔法』なんてファンタジーな代物まであると来たものだ』
ホームシック。
これの一言に限り、良い歳しておいて寂しくなったのは秘密だ。
『へ? ルイズはトリステイン人じゃないんすか?』
『もちろんトリステイン人だが、精神は違うくてな』
『精神……?』
『ああ、この世界じゃ『ルイズ』だが、日本人名は『西島 亮太<ニシジマ リョウタ>』って言うんだぜ』
そう、俺は元日本人。
極々普通だったはずの一般人で、二次創作小説なんかで良くある憑依物を絶賛体験中な人間だったりする。
その点で言えば、才人も異世界召喚物な状態だったりするわけだが。
『いいよなぁお前は、少し時間は掛かるが帰れるんだぜ?』
『……? えーと『ルイズで良い』……ルイズもその魔法があれば帰れるんじゃ?』
『まぁ……、無理だろうな』
『何で?』
『だってなぁ……、元の世界じゃ俺死んだんだぜ』
『死ん……だ?』
『それノートパソコンだろ? 二次創作の小説とかは読んだ事無いか?』
『ありますけど……、ッ!』
『そう言う事』
同じく、二次創作小説で有りがちな『元居た世界で死亡して、こちらの世界に来た』と言う状態。
虚無魔法『世界扉<ワールドドア>』で元居た世界に繋いだとしても、『俺』の肉体が蘇ってその体に精神が戻る、なんて事は無いだろう。
『悲観すんなよ、死んだわけじゃないんだし、少し我慢して過ごしてもらえれば帰れるって、な!』
組んでいた足を下ろして、励ますように才人へ言う。
俺はもう戻れない、才人はまだ戻れる。
励ます立場が逆だが、それも有りだろうと考えていたら。
『………』
俯き何も言わない才人、だがその視線は……。
『はは、そういやサイト、お前結構エロかったよな』
『ッ!? ぐ、偶然っす! たまたまっす!!』
才人の視線は、俺が履いているスカートの中。
言うとおり偶然だったにしろ、あまり見られて気持ちが良いものではない。
一転して崩れたシリアスは、笑いを誘う物には十分だった。
『いや、いいよ。 俺も結構恥ずかしいがな!』
心は男でも体は女、しかも美少女。
原作通りの性別じゃなくても良かったんじゃないかなーとか思ったり思わなかったり。
『でも良かったな、サイト』
『……何がですか』
顔を紅くしながら言う才人。
『出会い系サイトに登録してただろ?』
ブッ、っと口から唾を噴出しそうになったのを無理やり押さえ込んでいた。
『な、なんで!?』
『そこでだ、大切な話をしようと思う』
またしても一転、ギャグっぽい雰囲気からシリアスに戻る。
真剣な表情を読み取った才人も、また真剣な表情になる。
『俺が居た世界じゃな、この世界、と言うか『俺』じゃないルイズとお前、サイトの話を綴った文庫本が出てたんだ』
『ルイズじゃないルイズと俺……?』
『そ、俺が居た世界にお前は居なかったと思う。 居たのは『文庫本』と言う二次元世界の話だ』
『………』
『逆にサイトが居た世界に俺は居なかったのかもしれないが、平行世界って言えば分かるよな?』
『……はい』
『この世界もおそらくそれ、二次元、あるいは三次元で存在しているかも知れない世界の一つだったわけだ』
『ッ、じゃあ俺たちは……!?』
『違う違う』
才人が言いたかったそれ。
正解であり間違い、どちらでもない。
何故なら確認する術が無いから。
『お前は確かに居る、もちろん俺もな。 ただ確認出来ないだけで、次元の壁を隔てて存在しているかも知れない世界って訳だ。 もちろんそれを否定できるわけもない、確認できる物じゃないしな』
曖昧で不確定な世界、無限に広がる平行世界の一つ。
さまざまな漫画やアニメ、小説などで広がる次元跳躍。
俺が居た世界の科学技術じゃ成し遂げられていないし、そんな超能力を持つ存在も恐らく居ない。
シュレーディンガーの猫だったか、有るかもしれない世界と無いかもしれない世界を考えることはできるが。
片方が存在する、両方存在する、両方存在しない、と言う状態を認識する術がないだけ。
自分から見れば確かに存在する、だが別の平行世界の第三者にとっては存在するかどうか分からないと言う事だけ。
『俺から見ればサイトの存在は二次元上だけの存在だったが、今は違う』
逆の事も言える、才人から見れば俺は存在しない人間。
だが、今は違う。
次元を超えて出会ったそれは、確かな存在。
『ほら』
立ち上がり、才人の手を握る。
『俺の手、何も感じないか?』
『……暖かい、です』
『だろ? この感覚は偽物じゃない、確かに存在するだろ?』
『……はい』
『他の奴らから見れば、俺たちの存在は薄っぺらい紙の上の存在かも知れん』
だが、本人からしてみれば文字通り人の感覚をもつ存在、人間で違わない。
『ちゃんと生きてるだろ? 俺から話を振っといてなんだが、落ち込むな』
『はい……』
『……まぁ、これは前置きだが』
こんな重い話が前置きかよ! と言いたくなった才人は吐露を抑える。
『ぶっちゃけ、呼び出したのが『俺』であるルイズでよかったな』
『……何がですか?』
『さっきも言ったとおり、俺はこの世界の事を文庫本で知ってたんだがな。 もちろんその内容はこの世界と通じる物があるわけだ』
才人の手を放してまたベッドに座る。
もちろん今度は足をしっかり閉じておく。
『はぁ……』
何が言いたいのか今ひとつ分からないような才人。
『その物語上、主人公はお前で、ヒロインは『俺』ことルイズでな』
『主人公……』
その響きが気に入ったのか何度か呟く才人。
『内容は主人公が大いに活躍する、ラブコメ……?』
『何で疑問文なんすか』
『ジャンルがちょっと分からなくてな……、まぁ今回の出来事のようなサイトが召喚されるところから始まるんだよ』
『そうっすか……』
『それでな、お前を召喚したルイズがこれまた気位の高い小娘でな、もちろん容姿は俺と同じだぞ?』
『そうですねー、美少女ですもんねー』
いかにも棒読み。
「どうでも良いよ」的な感じだが知っておいてもらいたいことであるから、止めずに語り続ける。
『その美少女は魔法が使えなくてな、劣等感バリバリ効いてて召喚されたお前をタコ殴りにして、お前はそのまま息絶えて……』
『な、何だって!?』
如何に自分ではないと言っても同じ『平賀 才人』、それをフルボッコにする少女に恐れを抱いた。
『可哀想……』、そう思って見知らぬ自分に哀悼の意をささげた。
『……まぁこれも二次創作の一つだが』
『………』
『いやいや、そんな目で見るなよ。 妙なテンションになっただけだって!』
『そんなつまらない冗談はやめて下さいよ……』
『……すまん。 でな、召喚されたサイトは色んな活躍をするわけだ』
『例えば?』
『そうだな、最初は一対一で魔法使いに勝ったり、トップクラスの魔法使いに勝ったり、一人で7万の軍隊を足止めしたり』
『ま、マジッすか!!』
『マジで、多少の努力はあったが強くなってたよ』
『すげー! 俺すげー!』
『お前じゃねーよ』
突っ込みながら、椅子を引っくり返して立ち上がった才人を落ち着かせる。
この才人と原作の才人は限りなく近くて果てしなく遠い存在。
ヒラガ サイトの可能性の一つ、と言った所か。
『まぁ、俺が生きてた頃には完結してなかったわけで、一定の期間を過ぎたら『未来を知っている』と言うアドバンテージが消えるわけだ』
『まあ、そうっすよね』
『問題はアドバンテージが消えるまでの一定期間、この一定期間内にお前が元の世界に帰れるイベントが起こる』
『……帰ったんですよね?』
『……帰らなかった』
そう、才人は帰れるチャンスを放棄した。
一緒に居たい人の傍に居るために。
『何で帰らなかったんですか?』
『好きな人を放っておくことが出来なかった、それだけだ』
単純、今目の前に居る才人が文庫本の才人と同一とは限らないが、見る限り結構単純な男である才人。
家族からのメールを見て、涙さえ流したのに帰らなかった。
一本気な性格の才人は好感が持てる、一方主人公にあるべくしてヒロイン級の女性からモテモテな才人はまじで嫉妬モノだが。
『そこでだ、俺が知っている話通り事を進めれば十中八九帰還イベントが起こる』
『はい』
『でもな、そのイベントが起こるまでにさまざまな事が起きる。 今言ったメイジに勝ったり一人で7万の大軍を止めたりな』
『はい』
『……超美人で巨乳の『ハーフエルフ』から好きだと言われたり、これも可愛いくて良いスタイルの『メイド』に迫られたり、こっちも美人でナイスバディの『王女様』からキスを強請られたり、寡黙で内心優しい見た目『美幼女』に慕われたり……』
『ま、ま、ま……ッ!!』
落ち着けって、落ち着かないとぶっ飛ばすぞ?
『はい……』
『男として羨ましい限りではある状態が発生する訳だ』
『ですねぇ……』
てめぇ……、その顔むかつくぞ?
『すみません……』
『……言いたい事は分かるよな?』
『……その時まで帰りたいって気持ちが持つかどうか、ってことっすか』
『そうだ、文庫本のサイトはそのイベントを放棄して残った。 その後に帰還イベントがあったかどうかは知らんが』
『………』
『選択肢は二つ、サイトが帰れるための魔法を俺が覚えるまで安全な場所で過ごすか、俺が知っている物語をなぞってそのイベントまでたどり着くか』
『……その二つ以外はあるんですか?』
『あるかも知れん、『俺』が居る以上ある程度想定外が起きるだろうし、最悪、その帰還イベントがこないかも知れん』
『………』
『だからと言ってサイトが帰れないわけじゃない、その魔法自体は存在しているから俺が覚えて唱えれば良いだけだ。 要は早く帰れそうな危険な道と、時間が掛かるだろうが安全な道を歩くかどうか、だ』
『危険な道になんか特典は付くんですかね?』
『多分、さっき言ったモテモテルートが付くと思われる』
『じゃあ危険な道で』
早いぞおい。
『文字通り危険だぞ? 死ぬかも、というか死ぬな』
『し、死ぬような出来事があるんすか!』
『当たり前だろ、そんな羨ましい特典が付くんだから一度ぐらい死ね』
『ひ、ひでぇ……』
『臨死体験? それを過ぎればボチボチ安定期に入って死ぬような危険はなかったと思うが』
『はぁ……、所でそのイベントを無視してまで傍に居たい人って誰だったんすか?』
『俺』
『………』
そりゃあ美少女だけどなぁ……。
ってな感じの考えが見て取れる。
『容姿は俺って言っただろ、まぁ性格はきっついが、あれだ、ツンデレって奴だ』
『ごめんなさい』
『それ本人を目の前に言ったらまじでぶっ殺されかねないぞ』
『………』
『本当に『危険な道』で良いんだな? 後で『やっぱ安全な道で』なんて事には出来ないぞ?』
『……はい!』
『……さすが主人公、いや、煩悩か?』
『いやいや、そんな事は……』
『じゃあ決まりだな、言っとくがもちろん『俺』こと『ご主人様とラブラブルート』は無いからな?』
『いりませんよ、そんなの……』
『俺だっていらねぇよ』
まぁよろしくな?
あ、宜しくお願いします。
握手を交わし、お互いを確認しあった。