そうして、五日目が終わり翌日。
チップレースの最終日、店の開店前にスカロンは全従業員をフロアに集めた。
「チップレースは今日で最終日、女の子は皆頑張っているし、コックの皆だって頑張ってる!」
くねくねっ、流石に6日もあれを見ていたら慣れてくる。
人間って凄いよな。
「売り上げもいつものチップレースより凄いわ! だからみんなの頑張りを称えてボーナスを奮発しちゃうわよっ!」
わぁっと店が騒ぎ返す。
ボーナスって大人の味だよな……。
「渡すのは今じゃないけど、お店が終わってから! 皆期待しててね! それじゃあチップレース恒例の中間発表よ!」
くねくねスカロンが小さな胸ポケットから一枚の紙を取り、それに視線を落とす。
「……第三位! 九十八エキュー六十五スゥ、八ドニエのチップを貰ったのは……ジェンヌちゃん!」
拍手が巻き起こり、名を呼ばれた栗毛の女性が優雅に一礼。
うん、可愛いね。
「お次の第二位……、百六十エキュー七十八スゥ、八ドニエのチップを貰ったのは……不肖、私の娘、ジェシカ!」
とスカロンが宣言するも、拍手は起こらず。
フロアに居る殆どの者が『まさか』と驚きの表情を浮かべている。
「うっそぉ、一位だと思ってたのに!」
ジェシカも驚いている、知らなかったのか。
他の皆もどうせジェシカが第一位だろうと言う思いもあったんだろうけど、そうは行かんのであります。
「そして第一位、二百八十五エキュー九十三スゥ、二ドニエのすんごいチップを貰ったのは……、なんとルイズちゃんよ!!」
これまたポカーン、お金持ち強し。
とりあえず頭を下げておく。
「とんでもないの捕まえたわねぇ」
「偶然ですよ」
最強主人公光臨ですか? 夜の女王も近い。
このまま行けば間違いなく優勝、行かなくても優勝すると思う。
グライスさんらがまた来るようなこと言ってたし。
来てまたチップ大量に置いていくんじゃなかろうか……、多分ジェシカたちは逆転するのは無理だろうからチップは断るか。
「運も実力の内って言うじゃない? これだけ離されると逆に爽快だわ」
「……まだ持ってきそうなんですよね」
「……本当に?」
「今日も来ると思います」
「……ほんと、とんでもないの捕まえたわね」
「どちらかと言うと捕まったと言った方が良いかも……」
これが善意、と言うか単なる好意であるからより性質が悪いのか。
悪意が少しでも見え隠れしてたなら、一気に突き飛ばしてそれで終わらせたんだが……。
「それにしても、たいしたモンだわ……」
じゃらんじゃらん、チップ用麻袋二つ目入りましたー!
ちなみに魅惑の妖精のビスチェ無しでは初めてらしい。
つまり俺は魅惑の妖精のビスチェ並みの金を稼いだ、と言うかチップを置いていかれた訳だ。
ここの給仕のやり方とさほど変わらん、惚れた惚れられたで相手が金持ちだったに過ぎない。
やりすぎた、『違う展開』になったからロイスさんたちが出てきたんだろう……。
「そんなに良いものじゃないわ」
「なによ、こんな大金出しといて……」
「色々あるの。 店長、話を進めてください」
筋骨隆々の腕を組み、仁王立ちと言った感じにスカロンはこちらを見ていた。
話を遮ったから怒ってるのかもしれん。
だが、実際はウンウンと頷くだけ、慈しむような瞳で正直キモい。
「ルイズちゃんの言う通り! お話を続けるわ!」
……キモいキモい言い過ぎか、失礼だな。
「今回のチップレース、ルイズちゃんがとても凄いチップを貰ったわ。 でも今日は最終日だけど月末よ! まだ上位に食い込める可能性もあるわ!」
流石に逆転できるって言わないか、まぁそれもそうか。
一番人気のジェシカでも月末で200エキュー行くか行かないか、それの1.4倍以上の差を付け、なおかつさらに稼ぐ可能性がある。
普通逆転できるとは言えないか。
「良い? 大きな差が在るからといって諦めちゃダメよ!」
確かに。
「それじゃあ皆! 張り切っていくわよ!」
スカロンの張り上げた声に、従業員達も声を張り上げた。
タイトル「変質しないもの、そう簡単には変わらない」
そういや最終日か、なら、金の亡者が来るんだったな。
まぁ王権行使許可証を見せて終わりそうだが。
「とか思いながらも皿洗いするとさ」
「何言ってんだ?」
「やんごとなき独白」
「はぁ……?」
首を傾げるサイトと共に皿洗い。
チップレース一位が厨房で皿洗いっておかしい話だよね。
まさに一攫千金、戦いは数ではない、質なのだよ!
……一対数万とかなら話は別だが、一週間ほどのチップレースで数万のお客とか無いから。
「そうそう、剣を部屋から持ってきておいて」
「なんで?」
「なんでって、使うかもしれないからよ」
「……やばい奴でも来るのか?」
「……そうねぇ、国が定めている税金を必要以上に搾取している徴税官なら来るけど」
「何だそれ、犯罪じゃないのか?」
「多分そいつの上の奴が握りつぶしてるんでしょうね、そうして願いが聞き入れられない平民は諦めている、っと」
「んだよそれ、最悪じゃねぇか!」
徴税官で貴族だから逆らえない、下手に反抗すれば今まで以上に税金を掛けられる。
だから口を噤む、それに耐え切れない者は徴税官の上役に掛け合うが、その上役もグルだから意味が無い。
そして掛け合った者は酷い目に合う、例えば冤罪を掛けられ引っ立てられたり、過剰すぎる重税を掛けられ資産を根こそぎ持っていかれたり。
正しく権力を笠に着ての嫌がらせ、パワーハラスメントが日常的に起こっている。
通常なら反乱が起こっても不思議ではない、寧ろこの状態が何十年も続いている方がおかしい。
そうなると反乱を起こさない理由がある訳で、それは言わずと知れた魔法の存在。
完全な刷り込みと言って良いだろう、魔法を使えない者はメイジに勝てない。
メイジ殺しなんて早々居ないし、居てもぶっ叩かれて消えるのが多いし。
「そうよ、だから異常搾取する外道はここで叩くのよ」
重税で路頭に迷った者はどれほど居ただろうか、無実の罪を着せられ投獄や強制自白の拷問を受けた者はどれほど居ただろうか。
「本当なら徹底的に根絶やしにでもしたんだけどね、それをするだけの力なんて無いから」
王権行使許可証を与えられてても出来る事と出来ない事がある、王と言えど万全とは言えない。
なら出来る範囲でやっておこう、これもやっておかなくてはいけないイベントだから。
「目には目を、歯に歯を。 暴力なら暴力を、権力なら権力で潰すのよ。 お似合いじゃない?」
「ぶ、物理的に?」
「……まぁ許してやる事になるんだけど、とりあえず不正をさせないようにするわ。 ……ここも被害にあってるし」
多分ここら一体の店で一番儲けている店だ、徴税官の目に留まらないはずが無い。
「……そいつらが魔法を使ってくるかもしれないから?」
「そうよ、武器無しで戦いたくないでしょ?」
「そりゃそうだ」
内部浄化の力が全く無いんだろうな、例えば査問委員会とか。
尊き格式? 貴族の誇り? そんなものよりお金美味しいです^q^的な。
「漫画じゃよくそんな奴居るけど、本当に居るんだな」
「……まぁ、政治に携わらないとそんなの分からないしね」
裏の政治献金とか、資金洗浄とか、明るみに出ないだけで実在するわけで。
日本でそう言う犯罪がニュースで流れてても、『この人こんな事やってたんだ』位にしか認識しないだろう。
実際俺だってその程度にしか思っていない。
勿論薄情とか関心が薄いとか言われるだろうけど、普通にそれを聞いて憤慨するのは殊勝過ぎる人間か、あるいはそれに関係ある人物位だ。
つまり、このことに関して関心を引くには『被害にあう』と言う事しかない。
目に見える実害が無い、それだけで人は関心を無くす。
『近くで通り魔事件があった、怖いわね』、もうその程度だ。
自分と関係ないから、被害に遭ってないから、だからこそどうでも良いと興味を無くす。
関心を持つにしても結局は『終わった後』、被害に遭ってからだ。
あの時弾劾しておけば、あの時注意していれば、そう後悔する。
「まぁ、今それを正すようにしているから……」
「そうしてもらわないと困るだろ」
「そうは言っても自力で解決出来ない事だからしょうがないわ、外からの力が加わらないとどうにも出来ない状態になってるからね」
上下の境がくっきりだ、徴税官と平民、数十メートルもある分厚く高い壁が出来上がっている。
壁を乗り越える道具は無い、ただ下から見上げるだけしか出来ない。
登り乗り越えるには上から、徴税官かそれ以上の高さからの手助けが必要となる。
無論、そんなことしようとする人間は居ない、知らないことに手を出すことは出来ないからだ。
「そこで偽善の味方の登場です……っ!」
「正義の味方で良いじゃん……」
「正義なんて人それぞれでしょ、誰かにそれを押し付けるわけじゃないし。 私がやらなくちゃいけないからやる、それだけよ」
ね? 簡単でしょ?
私がこうするからお前等もこうしろ、って押し付けるのは良くないよ。
皆がそうしてるからってんなら従うかもしれんが、ぼくがかんがえたせいぎのありかた(笑)を押し付けられちゃたまらねぇ!
「別にお金を溜めるのが悪いわけじゃない、問題はその貯め方」
ケチでもいいよ、問題ない。
だが徴税官、テメーのやり方はダメだ。
他人に迷惑掛けんなよ、死活問題だし。
テメーもやられたら怒るだろうがよ!
ママに教えてもらわなかったのか? 自分が嫌な事を人にするなってよ。
「しかし、本音と建前は違うからしょうがない」
自分で言っておいてすぐ否定、人間ってそんな簡単な生き物じゃないですよね。
金に目がくらむ、それも致し方なし。
「でもそれってなぁ……」
「お母さんが病気に掛かっちゃった、でも医者に診せるお金が無い! そんな時にすぐお金を稼げる仕事があった、でもそれは犯罪で……。 さぁ、どうする?」
「それって反則だろ!」
ですよねー。
「でも世の中にもそう言う人間も居るの、徴税官は絶対違うでしょうけど」
徴税官にそんな事情があったなら俺は泣くよ。
お金を手に入れてお母さんを治してあげたんだろ? まだ罪を重ねるのかよ! とか何とか言いながら。
「ま、とりあえずは叩くわ」
「うん、そうして欲しい」
とヒソヒソ、大声で話せるわけ無いです。
鍋で食材を焼く音、寸胴の鍋で食材を煮る音、厨房から出る料理を行う音で近くに居ないと聞こえない位の音量。
唯一聞かれそうな、一位奪還に躍起になっているジェシカはフロアで接客しまくってるし安心。
「ほら、取りに行ってきなさいよ」
「ああ、うん」
と手に付いていた泡を洗い落とし、デルフとキュルケが買った剣を取りに走るサイト。
……そういやキュルケが買った剣って、どっかの名工が作った奴なんだろうか。
とか考えながら汚れた皿をカチャカチャ、蛇口をひねれば水が出るなんてモンは無いから水は溜め置きだぜ。
「……最悪」
と、たまたま厨房に戻ってきていた給仕の女の子が、フロアのほうを見つめて呟いたのが聞こえた。
一瞬嫌味でも言われたのかと思った、「ああん!?」と振り返ったら全然別の方向見てました。
視線は厨房から接客のフロア、見えたのは店の入り口に肥えたおっさん。
その周囲に貴族、軍人風の貴族も居る。
それを見たスカロンが高速で入り口に駆け寄り、肥えたおっさん、つまり徴税官へと対応する。
「……またあいつ、たかりに来たっての」
「あのクソッタレ貴族め」
と厨房でヒソヒソ、過去に何度もあったらしく今にも飛び掛り殺さんばかり視線を浴びせている。
めちゃくちゃ嫌われてますがな、徴税官殿。
「この前来たばかりじゃない、また税金と称して盗って行く気かしら……」
「お前等の私腹を肥やすために俺達は働いてるんじゃないだぞ……!」
奥歯をかみ締めるように、積もりに積もった恨み言。
夜道に一人だったら殺される、そう確信出来る位の迫力がある。
心中で死亡フラグが立っている徴税官に念仏でも唱えていると、フロアで動きがあった。
徴税官一行が杖を取り出し、何か言えば他の客が一斉に、逃げ出すように店を出る。
あーあ、勘定済ませてない人一杯だよ。
「最低、何であんな奴が徴税官なのよ」
至極……、尤もです……。
店の女の子は全て厨房に、誰もあんな奴の相手したくないと渋い顔。
「……チッ、毎度ながら最悪ね」
ジェシカが皆に聞こえる位の大きな舌打ち。
相当嫌そうな表情、素行が悪い輩でも嫌な顔一つせず対応するジェシカが、だ。
ジェシカが王様なら問答無用で首が落ちてるな、あの徴税官。
「……ワインってどれ持っていけば良いんです?」
「え? ああ、これだけど……」
コックの一人にそう聞いて、ワインをお盆に載せる。
厨房から徴税官を見つめる一群、給仕の女の子たちの脇を通り過ぎてフロアに出る。
「ル、ルイズ!?」
それに気付いたジェシカが呼ぶも、時既に遅し。
軽やかにフロアに躍り出て、フロアの中心にあるテーブルに陣取っている徴税官一行の下へ歩み寄る。
「いらっしゃいませ、徴税官様」
我が家の格式を見るが良い!
渾身の一礼、王侯貴族と縁も縁もあるトリステイン切っての大貴族。
ラ・ヴァリエール公爵家が三女の礼儀を見よ!
「何だお前は、この店は子供を使って居るのか!」
「………」
何こいつ、どの国でも通用する格上相手への礼式なんだけど。
「いやですわ、徴税官様。 私の身形はこのようなものですが、歳は数えで17になりますの」
俺がした礼儀に気が付き、何人かの取り巻き貴族が目を丸くして俺を見る。
そこら辺に通じている奴も少しは居るって事か、徴税官と同じく金に目がくらんだのかね。
「……確かに、よく見ると中々小奇麗な顔をして居るではないか。 言うだけあって体……、胸のほうも小さいな!」
そう言われて、顔を逸らして俯く。
「……そのような事仰られて、徴税官様の瞳に見つめられると……」
その仕草を見た徴税官、チュレンヌはヌフフと笑った。
「どれ、このチュレンヌさまがその胸の大きさを確かめてやろうではないか」
わきわきと、両手の指を動かしながら腕を伸ばすチュレンヌ。
その時、やけに大きな、重い金属を落としたような音が厨房から響く。
その音を聞いたチュレンヌは腕を止め、厨房の方へと目をやれば。
「な、なんだ貴様!?」
両手に一本ずつ剣を持った男、厨房からサイトがゆっくりとだが歩いて来ていた。
両方とも鞘から抜き出しており、ギラリと刀身が店内の光を反射している。
それを確認した瞬間、取り巻き貴族が一斉に杖を引き抜いてサイトへと向ける。
「いいかげんにしろよ、おっさん」
搾り出したような声、聞き様に因っては震えているような声かもしれない。
10を超える杖の数に物怖じしないサイト、左手、デルフリンガーの切っ先をチュレンヌへと向ける。
「まさか、まさかとは思うけど。 ……その手で触ろうとしたんじゃないだろうな」
「貴様! 貴族に剣を向けるとは、この無礼者を捕らえろ! 縛り首にしてやる!」
どう見てもどちらとも怒り心頭、サイトのような他人のために怒れる奴って何か良いよね。
自身に心境を重ね、他人の苦しみを想像して憤慨する。
力になれるなら力になると言った風に、優しい……と言えば良いのか、そう言う考えが出来る奴に好感が持てる。
だがいきなり剣を持って登場はやりすぎだ、とりあえずサイトを嗜める。
「サイト、剣を下ろしなさい」
「でもこいつら……」
「良いのよ、下ろしなさい」
と少し強めに言う、そうすれば渋々と言った感じでデルフを下ろす。
「私の従者がとんだ失礼を」
向き直り心無い謝罪、王が臣下に言うように。
チュレンヌを見下して言う。
「貴様の従者だと!? このような無礼をはたらきおって!」
チュレンヌも杖を引き抜き、こちらに向けてくる。
「はい、私を思ってくれる大事な従者ですわ。 チュレンヌ徴税官」
「不愉快だ! 貴様等は縛り首! この店は取り潰しだ!」
「あら、ごめんなさい。 徴税官にそんな権限はもうありませんので、杖を下ろしませんか?」
「何だと!? 平民如きが大口を叩きおって!」
「女王陛下は大変お嘆きになっておりますよ、貴方の様な貴族の風上に置けない者が居る事に」
「黙れ! 貴様のような平民が……ッ!?」
「本当にお嘆きになっておられますわ。 このような、陛下から与えられた職務を忠実にこなせない者が居るなどと……」
一枚の羊皮紙をしっかりと見えるようテーブルの上に置く。
その羊皮紙はこの国のトップ、女王アンリエッタの名で書かれた王権行使許可証、その行使権利を与えられた者はラ・ヴァリエール公爵家の三女。
国の最上位に立つ王と、この国で最も隆盛な貴族として上げられる大貴族の三女の名が書かれた羊皮紙。
それに目が釘付けとなったチュレンヌ、取り巻きもそれを見て絶句している。
「ば、馬鹿な、こんな物が……」
「偽物だと? このようなもの偽造すればどのようになるかお分かりになるでしょう?」
王家と公爵家の名を騙る者、間違いなく指名手配される。
捕まれば……、おお怖い怖い。
「チュレンヌ殿、女王陛下はこの国の現状を大変嘆いておられます。 国の根本たる政治に、貴方のような民を苦しめる不正が横行している事に」
「………」
ゴクリと唾を飲み込むチュレンヌ、周りの貴族たちも同じ様に息を呑んだ。
「女王陛下はこの国をより良い国、清く正しい国にしたいとお考えなのです。 その一歩が私のような直属の女官ですの」
顔を引きつらせるチュレンヌ、今まで行っていた不正を思い返しているのだろう。
「さて、チュレンヌ殿には二つの選択肢があります」
「せ、選択肢……?」
「ええ、自らこの職務を辞める事と、女王陛下の名の下に罪を裁かれる事。 さぁ、どちらがよろしいでしょうか?」
「……こ、こんな事が」
うろたえたチュレンヌが王権行使許可証を手に取る。
「……こんな事など有り得ん!」
その手に力を入れ、王権行使許可証を破り捨てた。
「……はぁ」
チュレンヌの取り巻きは、それを見て顔面蒼白になった。
馬鹿だろ、こいつ。
何とち狂ってんだよ、これ破るってどういう意味か分かってんだろうに。
「選ぶのですね? 陛下に罪を裁かれる事を」
「ふざけるな! 貴様のような平民がこのような、恐れ多くも女王陛下と公爵家の名を語るとは!」
「周りの方々は如何なされますか? チュレンヌ殿は女王陛下に弓を引くようですし、貴方方も彼に付いて行くのですか?」
激昂するチュレンヌを無視し、冷静に取り巻きへと話しかける。
怒り狂うチュレンヌとは反対に、非常に冷めた目でチュレンヌを見始めている取り巻き貴族。
ここで止めてりゃ、少しはましだったかもしれんのに。
「ああ、答えてくださる前に一つ、心に留めていただきたい事が。 私の意向は女王陛下の御心と思ってくださって構いません」
止め、つまり俺が「お前クビね」と言えば実際女王陛下の名の下にその命が下される。
職を解かれるような理由がしっかりある以上、アンアンも間違いなくクビにするだろう。
つまり今の俺は女王と同等、媚よ! 跪け! 汚物は消毒せねばならん。
「わ、我々はどうなるのでしょうか……」
「貴様!?」
「そうですね、『徴税官に脅されて仕方なく手を貸していた』と言うのはどうでしょうか? それに『悪事がばれ、女王陛下直属の女官に手を上げようとした所を取り押さえた』、と付けばお咎めは軽くなり、名誉は守られるでしょう」
それを聞いて取り巻きの目の色が変わった。
サイトに向けられていた杖が、チュレンヌへと向き始める。
「き、貴様等!? 私が与えた恩をあだで返すのか!」
「チュレンヌ殿、我々は女王陛下の忠実なる僕であります。 女王陛下から直々に認可を受けた女官殿に手を上げるとなると、幾らなんでも見過ごす事は出来ないのでありますよ」
やだねー、超保身に走り始めたよ。
そうなるよう仕向けたのは俺なんだけど。
そうして強者から一転、弱者へと転身したチュレンヌは狼狽し始める。
「ば、馬鹿な。 貴様等、このような事が……」
「諦めなさい、足掻いても何も変わりませんよ」
残念ながら許す気など無い。
私腹を肥やすためだけに、管轄区域一帯の平民を苦しめるのは見逃す事は出来ん。
「わ、わたしは……」
杖を手放し、その場に座り込むチュレンヌ。
貴様さえ居なければ! とか言って襲ってくるかと思ったけど、そんな事はなかった。
そんなのは漫画やアニメの見すぎだね。
「それでは皆様方、チュレンヌ殿をふさわしい場所にお連れしてください」
「はっ、失礼致します」
誰かが放った魔法により、チュレンヌは風のロープで縛り上げられる。
運命の分かれ目だった、気紛れで別の店に行っていたら、どうしても外せない仕事でも入っていたら。
俺が魅惑の妖精亭に居ないときに来ていたら、今まで通り変わらずの徴税を行っていただろう。
大小さまざまな干渉があるとは言え、『変わった事』と『変わらない事』がある。
しかし世界の修正力とか、そんなどうやっても信じられない物があるとは思えないし。
「いつまでもそんなの構えてちゃ、危ないわよ」
チュレンヌを見送るまでもなく、剣の切っ先を床すれすれのまま持つサイトを嗜める。
憩いを提供する酒場で二振りの刃物を持つ男、どう見ても危ない人です。
「なんでぇ、せっかく出番が来たと思ったらもう終わりかよ」
デルフが文句を言うが、殺傷沙汰なんて戦争の中だけにしてくれ。
「……要らねぇじゃん」
「動きを止めると言う意味でなら必要だったわよ」
もとよりそれだけを必要としたんだから、戦いにならなくて良かったじゃない。
戦ったら勝てる、それは簡単でも求めるのは物理的な手段での勝利ではなく、精神的な、暴力を使わない勝利が良い。
痛い思いなんてしたくないし、して欲しくない。
破られた王権行使許可証をしまい、席を立つ。
ワインと一緒に持ってきていたテーブルクロスで軽くテーブルを拭く。
そうして開けていないワインをお盆の上に載せて厨房まで戻った。
こんな床に鞘を置いておくなよ、邪魔だろ、と跨ぎながらも厨房の入り口を潜れば。
「ちょっとちょっとちょっと!!」
とジェシカ、その他の女の子達が一斉に群がってきた。
バインバインボイン、もふもふ、良いね。
「あいつに何したの!?」
「こういう事して、貴族の誇りは無いんですかって聞いただけよ」
「ばっ、そんな事聞いたらただじゃ済まないでしょ!」
「実際済んだけど……」
ジェシカたちの剣幕にちょっと怯えたように言う。
「周りの方が騒ぎ出して、そのまま連れて行っちゃったんだけど」
「んなわけないでしょッ!!」
やっぱダメか、普通あんな事、サイトの事な、をして無事で居られるわけが無い。
「……なんて言って欲しいの?」
「本当の事よ! あの業突く張りの徴税官があんな顔して落ち込むとか、スカっとしたわ!」
と嬉しそうに叫びだす、相当我慢してたんだろうな。
「……徴税官がクビになっただけよ、課税率も適切なものへと戻るわ」
これからは不条理な課税率、徴税官が私腹を肥やすような税金は取られない。
それはこの一帯にも適応される、少なくとも次の徴税は大きく減るものとなる。
「……それって、本当?」
「ぬか喜びしてる姿見て、悦に浸る性格じゃないわよ」
「本当に、あいつの相手しなくて良いの?」
「ええ、別の貴──」
──族がなる、と言い切る前にジェシカに抱き締め上げられた。
「のあ!」
グイっとジェシカの腕が背中に回り、一気に引き寄せられて顔が胸に押し付けられる。
「ちょぉ!」
いくら俺が軽いとは言え足が付かない位に持ち上げられるのは……。
「ありがとう」
ジェシカは耳元で囁く様に、感謝の言葉を呟いた。
……なにこれ? 何でこんな風になっているのか分からない。
あんた貴族だったのね! → そうよ、悪い? → 別に、皆訳有りだから気にしないわよ、見たいなやり取りじゃなかったっけ。
それが何で……、周りからすすり泣く様な声が聞こえるんだ。
「ありがとう、ありがとうルイズ」
もう一度ジェシカが言う。
チュレンヌ何しやがったんだ、ざまあみろ! で終わるんじゃなかったのかよ。
「……下ろしてくれると、嬉しいんだけど」
視界の端にはスカロンに抱きつかれ今にも死にそうなサイト。
凄くサイトの背骨をへし折りそうです。
「あ、ごめん!」
「別に良いけど……」
周囲から集まるこの視線、学院のメイドたちと似たような視線。
「あいつ、何したの? 泣く様な酷い事でもしてたわけ?」
「……知ってる? ここがこんなに繁盛してる理由」
「……いえ」
「ここら一帯でまともな営業で来てるのって、ウチも含めて数軒しかないのよ」
先に言ったように、重税で搾り取られ、お客に出す料理の材料すら買えなくなって止むを得なく閉店したり。
冤罪を掛けられて投獄されたりと、店が繁盛するのは可愛い女の子がお相手をしてくれるだけじゃなかったと言う事。
つぶされた店、投獄され今も牢で過ごす親、そう言った者たちが大半を占めているらしい。
コックも、給仕の女の子も、皆訳有りで苦しい思いをしてきた。
流石に全ての理由がチュレンヌじゃないが、結構な割合でチュレンヌだと言うのも事実。
「だから嬉しいのね……」
苦しみを生み出した元凶はチュレンヌ、そして先代、先々代の徴税官と結構長い事こんな風になっていたらしい。
悪しき行いが是正され、今までのように徴税官に怯えるような日々を過ごさなくて良い。
その重圧から開放されると知り、嬉し涙を流した、と言うわけ。
「……悪化してるんじゃないの、これ」
「え、なに?」
コメディタッチじゃないぞこれ、もっと軽い感じで終わるはずなのに。
イラストがラブコメっぽいのに、中身はダークでシリアスな展開だったなんて表紙詐欺みたいな……。
「……ルイズ? 黙り込んで、どうしたのよ」
「……え? あ、なんでもないわ。 皆がこれ以上苦しまなくて良かったわねぇって」
「そりゃそうよ! こんな日が来るとは思ってなかったもの、ねぇ!」
そうして歓声が上がる。
本当に嬉しいんだろう、中にはボロボロと涙を流す子まで居る。
そうして周りを見ていると、変わっても良かったかもと思えてしまう。
この変化で変わる事と言えばなんだろう、魅惑の妖精亭関連のイベントって他にまだあっただろうか……。
「……うん、ルイズが居て良かったわ!」
もう一度ジェシカに抱きしめられる。
「だからそんなに持ち上げないでよ」
足が付かないのよ、人間って地面に足付いてないと落ち着かないの。
「あら、ごめんね」
もう一度放してもらい、またサイトのほうを見れば。
背骨をへし折られて(比喩)床に付していた。
……スカロンの抱擁を食らったサイトが一番苦労したのかもしれない。
「それじゃあお客さんも居ない事だし、チップレースの結果発表をしちゃいましょう!」
スカロンはチュレンヌをクビにした俺の正体を華麗にスルー、詮索する事も無いってか。
聞かれないなら話す必要ないか。
「まぁ、数えるまでも無いけどね」
チップレース二位のジェシカが追いついていない、そうなれば順位は変わらずとなれば。
「優勝! ルイズちゃん!」
となる。
巻き起こる拍手、やっぱり一応頭を下げておく。
一位はいいけどなぁ、ストーリー的には一位になっておいたほうが良いのだけどなぁ。
「これって……」
盛大と言って良いだろう、流石に魔法学院の食事よりも劣るが中々の量に質だ。
それがずらっと並べられ、美味しそうな香りが店内に漂っている。
形式としては立食に近いか、フロアのテーブルに並べられた料理を立ったまま皿にとって食う。
一位決定と同時にパーティみたいな状態になっていた。
「いいね! いいね!」
ユミルちゃんが嬉しそうな声を上げる。
パーティ状態の中に、なぜかグライスさん一家も居た。
あの後すぐ顔を出し、チップレースで一位になる最大の要因を作ったお客さん。
じゃあご一緒しますか、って事になり参加する事となった。
値段が高い物も落としてくれるし、限定だがチップも大量、お客としては特上になるんじゃなかろうか。
「もう来ないって訳じゃないがな、今までよりは断然少なくなるぞ」
との事、俺目当てで来ていたからそうなるわな。
俺を中心に、周囲をグレイスさん一家やスカロン、ジェシカなどが囲んでいる。
スカロンとグレイスさんは知り合い、と言うか顧客のようだ。
ロイスさんとも話し、時折笑い声を上げる。
ユミルちゃんとメアリさんはジェシカと話している、同じ様に親交があるんだろうかね。
一方サイトはサイトで、女の子に褒められ嬉しそうに剣を振り回している。
剣舞とでも言えば良いのか、150サントもあるデルフと、もう一本の俺より確実に長い剣を振り回している。
流石ガンダールヴか、大の男が両手で持つ剣を片手で、しかも二本も振り回してるんだから。
しかし。
「危ないじゃないの……」
射程距離が、剣を持つサイトの腕の長さも含めれば2メイルを超えている。
注意しているとは言え、万が一があるかもしれない。
そう言う意図を持ってサイトへ視線を送る。
「………」
じぃーっと、見るが。
「すごーい!」
「い、いや……。 それほどでも……」
と喜ぶ女の子の揺れる胸を見て、鼻の下を伸ばしているサイト。
女の子を見るのは良いけど、そんな危ない事までする必要ないじゃない。
「……はぁ」
この騒がしさ、ここから呼びかけても聞こえはしないだろう。
料理を取り分けるフォークと入れる小皿を置き、ブンブンと剣を振り回すサイトの下へ歩む。
そうして近づく、危ない事をしているサイトに。
「……サイト、それは何?」
腕を振り回すサイト、そこから少し離れた位置から話しかける。
いや……、近づいてみて分かったが、これ本当に危ないぞ。
「何って……」
「振り回しているそれ、何に使うか知っているでしょう?」
武器だよ武器、攻撃能力を有する道具。
傷つけたり壊したり捕まえたりする武器、それをこんな所で使うのはどうよ?
「今すぐ仕舞いなさい」
剣を鞘から抜き出した時から、非日常へと成り代わる。
サイトには出来るだけ使って欲しくない、だって使わない分だけ危険に身を投じる回数が減るから。
「……ごめん」
分かってくれるか、分かってくれないと困るけど。
鞘に剣を収めるサイトを一遍し、凄い凄いと言っていた霞の髪色をした女の子に言って聞かせる。
「あれは危ない物だからむやみに振り回して欲しくないの」
出番が薄いデルフには申し訳ないが、本来の用途では余り出てきて欲しい物じゃないし。
「あの、ごめんなさい……」
それを聞いて頷く。
誰かを傷つける道具だって、少し考えれば分かるだろう?
確かに、両手に150サント以上もある剣を持って、軽い棒のように振り回せるってのは凄いがね。
これが儀礼用の奴だったら何も言わなかったよ。
「さぁ、そんな物振り回すより美味しい料理を食べなきゃね」
冷めた料理を食べるなんてとんでもない!
食べるなら暖かい内が一番だろ? さぁ食った食った。
「サイトも、お腹減ってないの?」
「うん、減ってる。 いっちょ食うか!」
言うが早し、剣を鞘に仕舞ってテーブルに着くサイト。
こういうノリが軽くて後まで引き摺りそうに無い所が良いね。
それを見送り小皿を置いたテーブルまで戻ると、組み合わせが変わっていた。
ロイスさんとジェシカ、スカロンとグレイスさんとメアリさん。
ほうほう? ロイスさんとジェシカなんて良いんじゃないの?
「私はルイズちゃんの方が良いけどなー」
「ジェシカのほうがお似合いだと思うんだけど」
と傍に寄って来たユミルちゃん。
前回のサブタイトルはこれの事だったんだよぉー!!
「確かにジェシカさんはしっかりしてますけどぉ」
「どこが気に入らないの?」
「気に入ってるよ? でもルイズちゃんのほうがもっと気に入ってるの」
何故俺が「ちゃん」でジェシカが「さん」なんだ。
「諦めた方が良いですよ、義理の姉妹になる事はありませんから」
「くぅ、こんな可愛い義姉さんが欲しかった……!」
小さい姉ってそんなに良いのかね。
「とりあえず、ユミルさんはお幾つで?」
「ん? 16だけど?」
「なら私の事はちゃんではなくて、さんと付けてください。 これでも年上ですから」
「……幾つ?」
「17」
それを聞いて口を開けるユミルちゃん、俺はニヤリと笑う。
「見た目で年下って決め付けるのはどうかと思いますよ?」
顔立ちが幼いし、背も小さいからって年下に見るのは良くないぜ。
視線を落とし、小皿を取って料理を取り分ける。
「……まさか、まさか名実共に姉さんだったなんて!」
いつからユミルちゃんの姉になったんだよ。
そんな感想を思いつつ料理をパクつく。
「ニーサンニーサン!! ネーサンだった!」
こいつ、何を言ってるんだ? と言った感じで話しかけられているロイスさん。
またいらん事になりそうだからさっさと移動、ちょうどよく目に入ったサイトの下に行く。
「……お肉ばっか」
隙を見て横から野菜をサイトの皿に乗せる。
もうちょっと考えて食べようぜ、太りたくないだろ。
「ありがと」
「別々に食べるから駄目なのよ、一緒に食べると感じが変わるからお勧めよ」
クルクルと肉にレタスのような野菜を巻いて食べる。
美味しいねぇ、コックさんたちがよりを掛けて作っただけのことはある。
「……さっきはゴメン」
「何が?」
「剣の奴」
「一度目は問題ないの、二度目がなければ良いののよ」
ムシャムシャ、うめぇ。
「……これもあったのか?」
「何の話よ」
「ルイズが『知ってる話』だよ」
「……ああ、有っても無くてもどうでも良い話だから」
「そうなのか?」
「ええ、流石に全て同じって訳には行かないけどね」
「そうなんだ」
「そうなの、そんなに心配しなくても良いわよ」
そう言って笑ってやる。
サイトも苦笑いのような笑み、心配掛け過ぎかぁ。
「その時を楽しみなさい、私も楽しむから」
「……ああ」
二人並んで、料理を小皿に取る。
そうして時間が過ぎる。
楽しい時間とはすぐ過ぎる物か、料理もあらかた無くなり後は片付け。
ロイスさんたちも帰ることとなり、こっちに挨拶をしにきた。
「ルイズさん、また今度」
「はい」
とりあえず笑顔、営業スマイル。
サイトにもお辞儀をして、グライス一家は帰っていった。
俺の隣にいるサイトを見て、視線が揺らいだようだが、もう気にする事でもない。
「さっさと片付けて、寝ましょうか」
「だな」
店員総出、いつもの閉店時間よりも早く終わった。
片づけが終わり、さあ寝ようかねと言う所にスカロンが待ったを掛けた。
「はぁーい、皆! お待ちかねのボーナスよ!」
手早く従業員に袋を渡して行くスカロン。
すっかり忘れてた、結構重みのある袋。
開けて中を見れば、エキュー金貨50枚ほど入っていた。
こんなに渡せるって事は、かなり儲けがあったんだろうね。
「皆がとーっても頑張ってくれたお陰、これからもこの魅惑の妖精亭をよろしくね!」
疲れているだろうに、力の篭った声で返事をする全従業員。
従業員と店が一体って感じで、こりゃあ悪くない。
同じ様に返事をしながら、今日は解散となった。
翌日、何時も通り開店準備から閉店まで仕事をこなす。
開店前に何時ものキャミソールでフロアに出ると、スカロンが魅惑にビスチェを着ないのかと聞いてきたが。
「着ません」
とはっきり断り、勿体無いわねぇと呟かれた。
「魅惑の……ねぇ」
仕事が終わり部屋に戻ると、変わらず魅惑のビスチェが壁に掛けられている。
仕事はもう終わったし着る機会なんて無し、部屋で着るのも余り乗り気ではない、寧ろそんな気は無い。
だがどうしても着て欲しいってんなら着てやらんでもないけど。
とサイトに聞いてみたら。
「うーん、見てみたい……かなぁ」
そう呟くサイト。
スカロンの抱擁的な意味で功労者のサイトを労うのもありか。
「疲れてるから少しだけよ」
ため息を吐きながらも、着てくれると言う事で。
明らかに似合わないようなスカロン店長が着て、「これも悪くないんじゃないか?」と思うほどの効力。
なら美少女のルイズが着ればどうなるか。
「……うん、可愛い」
「当たり前でしょ」
ルイズの体を包む黒い生地に、すらりと伸びる手足がまぶしい。
なんと言うか、店に出るときのキャミソールより生地が薄いんじゃないの?
ルイズの体のラインが浮き上がって見えるような気がする。
よほどセンスが無い服を着なければ、可愛さなどさほど変わらない。
可愛いのは可愛いんだけど、元から可愛いからあんまり意味が無いのかな?
サイトは想像していたほどでもなかったなぁと思っていた。
そう思うのは当たり前で、結局はサイトに魅了など余り意味の無い魔法だった。
それに気がつけないのは、やはりサイトだからだろうか。