「愚かね…」
目の前にある、花で飾り付けられた棺に眺めながらつい呟く。
『ランスターの弾丸は全てを貫く』…そう何度も教育したとはいえ、無駄弾を散々ばら蒔いた挙句に死んでしまうとはこれ以上無い程に愚かしい。
全く、かつて機関(妄想です)から我がランスターの血族に授けられたロスト・ナンバー(妄想です)を断片しか遺伝されなかったとはいえ、こうもランスターの家名に傷を付けられるとは…
私が血を繋ぐ者(妄想です)だったとはいえ、ここまで無能だったとは思わなかった。
まさか、愚兄はエラー(妄想です)だったのだろうか?
その様に愚兄の事を考えていたら、何処からかいきり立った声が聞こえてきた。
「全く地上の恥さらしめ!ランスターなど所詮はただの狙撃屋ではないか!」
これは流石に許すわけにはいかない。
ランスターが受け継ぐロスト・ナンバー(妄想です)を巡り、かつてはファクトリー(妄想です)やZ.M.C(妄想です)にも狙われた程の我等が、全員この愚兄の様だったと思っているのだろうか?
ふふ、ならばいいわ。ランスター弾丸をその身に味わわせてあげましょう。
手に持ったままぶら下げていた『アンカーガン(射ち止める魔弾の射手)』(妄想です)の引き金をそのまま引く。
すると僅かその数秒後にはその怒声を上げていた愚者の頭が弾け飛び、ただの肉塊へと変貌した。
―――これが真のランスターの弾丸だ。
突然人の頭が弾け飛んだアクシデントで盛り上がっている葬式客達に背を向け、私はその場から立ち去った。
―――そうね、そろそろ機関(妄想です)との決着もつけなければならないし…監理局にでも入って誘き寄せようかしら。
ついでにあの愚兄のせいで暴落したランスターの家名を持ち直すためにも丁度良い。
「ならば明日辺り…裏通りのスペッキオ(妄想です)のところへ行った方がいいわね」
自宅に着いて今後の方針を考えていた私は、全てが決定すると同時にデバイスをスタンバイモードに戻した。
…さて、今日もまた新しい単語が出てきていた。
裏通りのスペッキオ(妄想です)って誰よ。
「自分で自分がわからないよ…兄さん…」