朝、目が覚めると、
「…あ」
「…!?し、シュート!!」
すずかちゃんが上に乗って目を怪しく輝かせていたので、ついディバインシューターをぶちかましてしまいました。
魔法バレを警戒しましたが、急な展開に流石に脳が働かなかったのか、単に私が押し飛ばしたと思ったみたいです。
助かったの。
《ユーノ君、温泉に避難するよ》
《そうだね》
旅館の至るところから聞こえる変な声をスルーしてやってきた温泉は、幸運な事に誰もいませんでした。
朝風呂を1人占め+変態無し…なんて幸せ!!
…まぁ、ユーノ君もいるんだけどね。
「極楽なの〜」
「でも…この後が少し怖いかな…」
「ユーノ君、いつもいつでも本気で生きなきゃ駄目だよ。先の事なんて考えちゃダメ」
「うん…そうだね。そうする」
混浴が怖いから結界付きですが、露天風呂にも入りました。
赤く染まっていた昨日の状況が嘘に思えるくらい、綺麗で温かいお風呂でした。
温泉から戻ったのですが、どうやらまだ盛り上がってるようなので旅館内を散歩することにしました。
溜息をつきながらとぼとぼ歩いていると、従業員のお姉さんが話しかけてきました。
「どうしたの?そんなに溜息ついちゃって」
「あ、いえ、常識について少し…」
「え…?まさか…あなた、まともな思考を…!?」
「え!?お姉さんもしかして…」
まさかまさかの出来事。
常識人と知り合うことが出来ました!!
今日は本当に運がいいみたいです。
「…なのよ。で、…とか…」
「わかります。…も…だったり…」
「そうよね。…だけど…なのに…」
「…とか、…どころか…」
そのまま互いに愚痴っていたら帰る時間になってしまいました。
時間が足りないです…。
あ、そうだ。
「お姉さん、どうぞ」
「これは…?」
お姉さんに渡したのはURLの書かれたメモ。
「私、管理人のnanoが運営しているサイト『常識人の集い』のURLです。悩みが愚痴があれば、是非来てみて下さい!!」
「!!…ありがとう、今日の夜にでも見てみるわ」
帰宅後の夜、人数は少なかったですが、休日チャットは大いに盛り上がりました。
明日からまた頑張ろう…。