殆どのテロを制圧し終わりみんな六課へと戻ってくると、TV放送がジャックされました。
『ご機嫌よう、ミッドチルダの皆様』
「あれ、この人ってもしかして…」
「騎士カリムだね」
「予言のレアスキル持ちの、実質的な教会トップや」
トップが表に出てくるってことは諦めたか、とんでもない逆転技が存在するかだよね。
でもさっきから何故か古代のベルカ戦争の話をしてるから、多分後者なんだろうなぁ。
『ベルカの民よ、今こそ聖王が再誕する時です!』
そして映像に写ったのは、金髪にオッドアイの目が輝く小さなお人形の様なもの。
『これは最後の聖王のクローンを元に作り上げられたユニゾンデバイス…このデバイスにより、私はこれより聖王となる!』
「クローンをユニゾンデバイスにだって!?」
「何て事を…」
『ユニゾン・イン!』
ユニゾンした騎士カリムの身体から虹色の魔力光が溢れだし、目はオッドアイに。
そしていつの間にかその両脇には、女性と男性が1人ずつ立っていた!
『さぁ!我等ベルカの民はこれより新たな戦乱の歴史を紡ぐのです!この聖王のゆりかごと共に!』
騎士カリムがそう言い放つと、地響きが遠くから響いてきました。
そして浮かび上がる巨大な戦艦―――聖王のゆりかご。
これは…相当不味いのでは?
『暴力を!死を!…私はこの世界を血で満たし、新世界の神となる!』
あ、私達の勝ちだね。
「なんで?」
あのねルーテシア、新世界の神になるって言った人は、みんな失敗して死んじゃうんだよ。
「第一級の死亡フラグだもんね」
そうだね。
きっと今にも向こうに終焉を与える急展開が…
『みんな、聞こえるかい?』
『ジェイルさん?はい、聞こえます』
『最高評議会からの指令だ。ファイナルブレイカー使用許可、3人フルパワーでゆりかごを撃ち抜け、だそうだよ』
「…うわぁ」
「向こうの死亡フラグはともかく、世界は大丈夫なのかな?」
「うーん…どうにかなるやないか?多分」
大丈夫なの?次元震だよ?
『このまま放っておいたら確実に滅ぶからね。ファイナルブレイカーの方が無事に終わる可能性がある』
成る程…じゃ、ささっとやっちゃおうか。
「うん」
「せやな」
「いくよー」
「「「ファイナルブレイカー!!」」」
そしてゆりかごは何も出来ずに消滅し、ミッドチルダの空は3色の光に包まれました。