あれから暫くの日が経過して、事件の後始末もある程度終了しました。
一般人の被害は思っていたよりも低かったけど、それでも数人の死亡者が出てしまいました。
監理局員は重傷者もいますが、死亡者は出ていないみたいです。
テロ行為を繰り返していた騎士達はとても大人しくなってしまいました。
ゆりかごがあっという間に消滅してしまった事に加え、帰還した教会がヴォルケンリッターのせいで全壊していたのが相当キツかったんだと思います。
いくらベルカが血と殺戮を好むとはいえ根本から猟奇なのは古代ベルカ式の人だけのようで、近代ベルカ式の人は殆どがそこまで壊れていなかったみたいです。
とりあえず今は教会の再建築からやり直すみたいだけど…大丈夫なのかな?
事件後の六課は所々変化が出来ました。
まずスバルが魔力砲を強化しようと特訓を始めました。
私達のファイナルブレイカーとか、キャロが呼んだヴォルテールの魔力砲に色々と影響されたんだと思います。
…そういえば何気にキャロにも尊敬の眼差しを向ける様になってたかなぁ。
ティアナは指揮官を目指すことにしたみたいです。
デバイスを展開しなければ冷静でしっかりした司令塔向きの子だったのに加えて、指揮官ならデバイスを使わなくても仕事が出来るもんね。
将来の監理局を支える1人として頑張って欲しいな。
エリオとキャロは相変わらずです。
しいていえばキャロにファンが増えたくらいで…多分エリオが一番変化が無いんじゃないかな?
ルーテシアはあの事件以来、自分の意思を伝えてくる様になりました。
まだ相手の言う事に素直に従ってしまう所は変わらないけど、いい傾向だよね。
そして私達ですが…
「なのは、また見てたの?」
「あ、フェイトちゃん。…うん、やっぱり気になっちゃってね」
「ジェイルさんと母さんの話だとあと数ヶ月で塞がるみたいだし、危険は無いみたいだけど…」
私が見上げていたミッドの空には今、大きな穴が開いています。
私達のファイナルブレイカーで開いてしまった虚数空間への入口です。
ジェイルさんとプレシアさんが緊急で調査した結果、完全に安定しているので危険は無いみたいだけど…
「アルハザード、かぁ」
「本当に行けるのかな?」
アルハザードに至るには虚数空間を通らなければならないという無理難題があったけど、この状況はその無理難題に挑むには丁度いい環境。
なので最高評議会の全面的なバックアップの元、ジェイルさんとプレシアさんはアルハザードへの道や至る方法の研究を本格的に始めました。
もし以前ジェイルさんが言っていた世界に影響を与えるロストロギアが存在していたのなら、アルハザードへ行けば世界を正せるかもしれない…
物凄くギャンブル性の高い賭ですが、行く価値はあると思います。
「でも私達は、まずは六課で頑張らなきゃね」
「私達に研究はちょっと無理だもんね」
虚数空間が塞がる前に六課運営の期限が来るので、それまではいつも通りに教導と矯正に力を入れることになりそうです。
「よし!あともう少し、全力全開で頑張ろう!」