時が過ぎて、早くも六課解隊の日になりました。
明日からこの隊舎は暗部の新しい隊舎になります。
すっかり綺麗になったそれぞれの部屋を見ていると、もう終わりなんだなぁ…と感慨深い気持ちになります。
…が、今の私達はそんな事に構っていられない状態です。
「アルハザードへの道を確立させたって本当ですか!?」
「あぁ、本当だよ!過去の伝承や虚数空間の様々な文献を元に研究したから間違いはない!」
「調べていくうちにジェイルが徐々に思い出したアルハザードの記憶もあるし、ほぼ確実よ!」
それなら確実なのかな?
「なら、残るは…」
「虚数空間を移動する方法やな。…ユーノ君は何かアイディアあるん?」
「うーん…色んな古代文明の研究はしたけど、流石に虚数空間は…」
虚数空間はあらゆる魔法がかき消される空間。
それは飛行魔法も例外ではなく魔力結合も分解、それどころか魔力素すら消滅するとんでもない空間らしいです。
「暗部にあるヘリコプターとかは…」
「無駄だよ。あれも結局エネルギーは魔力だからね」
「戦闘機人のISみたいなのはどうですか?」
「我々戦闘機人のISも発動式と結果が違うだけで、エネルギーは魔力素を使っているから不可能だな」
うーん…これはどうしようも無いような気がしてきたなぁ。
でもここまで来て諦めるわけには…
「あのー、ちょっと聞いていいですか?」
「何だ?エイミィ」
「何かいいアイディアでもありましたか?」
エイミィさんは私達と違う着眼点で物事を判断する事がよくあるから、今回も何かいい案が浮かんだのかな?
「えーと、虚数空間ではあらゆる魔力が使えないんですよね」
「あぁ、全てがかき消されてしまうからね」
「じゃあ普通にガソリンとか使えば良くないですか?」
「「「「「「「「…おお」」」」」」」」