すっかり魔法文明に馴染んでたせいで全然気が付かなかった…
「どうなんですか?ガソリンとか」
「ふむ…検証してみる必要はありそうだが、恐らく可能だと思うよ」
「ただ虚数空間はまだ全然解明されていないから、万が一の事もありえるわね…」
「なら研究にはもう暫くかかるわけだな…」
虚数空間が閉じる前に安全性が確立されればいいけど…ん?ちょっと待った。
「アルハザードに辿り着いても、帰ってこれるのかな?」
「…」
「…」
え、ちょ、まさか。
「…五分五分だね」
「アルハザードなら帰還する手段はありそうだけど、確証は無いもの」
確かに…つまり帰って来れない事も考えないといけないんだね。
それにアルハザードに万が一辿り着けなかった場合もあるから…うわぁ、結構危険な賭かも。
「とりあえず、私とジェイルはアルハザードに行くつもりよ」
「念の為にあと2人程共に来てもらいたいから、考えておいて欲しい」
皆が顔を俯かせながら考え込む。
そうだよね…成功しても失敗しても、もう皆と会う事が出来なくなっちゃうかもしれないもんね。
でも…
「私、行きます」
皆が俯かせた顔を跳ね上げて、凄く驚いた顔でこっちを見る。
にゃはは…ちょっと恥ずかしいかな。
「お、おい本気か!?帰ってこれないかも知れないんだぞ!?」
「本気だよ。初代常識人の集い管理人として、私は行く」
「なら私も行くよ。なのはが行く所が、私の行く所だから。これはなのはがご主人様じゃなくても、友達として、ね」
「…ありがとう、フェイトちゃん」
あはは、初めてフェイトちゃんに友達って言われちゃった。
…ちょっと涙が出ちゃいそうかも。