視線の先には真っ白なタキシードを着たジェイルさんと、同じく真っ白なウェディングドレスのプレシアさん。
そう、今は2人の結婚式なのです。
物凄い美男美女の夫婦だから絵になるなぁ…羨ましいなぁ…
…でも本当に何歳なんだろう、2人とも。
見た目はまだまだ若いけど、相当な年齢の筈だよね?
うーん…謎だよ。
「キレイよねぇ」
隣に座ってる温泉好きさんは絵になる2人を見て感嘆の息を溢している。
その温泉好きさんのお腹は少し膨らんでて…そう、妊娠してるんです!
それに旦那さんと飲食店も経営してて、常識人的にも社会人的にも勝ち組です。
まさしく私達の希望。
このまま温泉好きさんがこのまま幸せに過ごし続けて、私達がアルハザードに辿り着いて世界を正す事が出来たら…その時こそ、私達が歪んだ世界に勝った事になるんだと思う。
結婚式が終わり、すぐ近くにある温泉好きさんの店で2次会。
話題は勿論式を挙げた2人の事だけど、温泉好きさんと旦那さんも子供関連で話題になっています。
「へぇー、女の子なんですかぁ」
「そうなのよ、楽しみで楽しみで…」
「目一杯甘やかすつもりです」
温泉好きさんは本当に幸せそうな笑顔を見せてて、旦那さんも嬉しそうな笑顔を見せている。
けど…何だろう、何か…
「…ちょっと、いい?」
「プレシアさん?…はい」
2次会の最中にプレシアさんに呼ばれて少し外へ出ることに。
んー…ちょっとお酒飲みすぎたかな?
「で、どうしたんですか?」
「ええ…気付いたでしょ?旦那さんに」
「…はい、何かはわかりませんが」
プレシアさんの表情がとても真剣なものなので、自ずと私も真剣になる。
まさか、何か問題が?
「あの目、私の元旦那も同じ目をしてたわ…実の娘に性的興奮を覚える人間の目よ」
「そ、そんな!?」
「事実よ。アリシアも3歳の時に危うく…それが原因で別れたの」
じゃ、じゃあ虚数空間に突入したとしても、少なくても3年以内にアルハザードに辿り着いて世界を何とか出来なければ…
「あの2人は悲劇を迎えるわ」
「…これは、絶対に失敗出来ませんね」
最近ベルカ関連の事が落ち着いたおかげで少し気が緩んでたけど、これは気合いを入れ直さなくちゃね。
…でも今は余計な事は忘れてお祝いしなくちゃね!
「そろそろ戻りましょうか」
「そうね」