「ぐすっ…おとーさん…おかーさぁん…」
「こわいよぅ…」
ロストロギアの暴走による災害現場。
正気に戻ったとある科学者が自分の過去に絶望しヤケクソになって起こした暴走
は、一般市民を多く巻き込む大災害となった。
場所はビルの中。
崩れた天井で逃げ場を失い、いつ崩れてくるかわからない状況で2人の子供が互
いに身を寄せ合い震えて泣いていた。
ビルは再び崩れる様子を見せていないが、揺れに襲われているのでそれも時間の
問題。
そんな危機的状況で、ビルの中にモーター音が響きだした。
モーター音は徐々に取り残された2人の子供の元へ近づいて行き…
「振動けぇぇん!!」
崩れた天井を振動破砕で砂に変え、その先が監理局新災害救助部隊の隊員スバル
・ナカジマが姿を表した。
「大丈夫?助けに来たよ」
突如現れて自分達を救うと言うスバルに子供達は涙も止めて驚くが、直ぐに安心
したのか大泣きしながらスバルに抱き着いてきた。
あはは…と困った顔をしながらもスバルは子供達を安心させる為に屈んで抱きし
める。
「大丈夫だよ。すぐにここから出してあげる。安全な場所まで一直線だから」
そして立ち上がり、子供達から離れると…
「カートリッジロード!!」
ガシャンガシャンと鳴り響く撃鉄音と共にスバルの魔力が急激に高まり、それを
目の前に集約させて魔力球を作り出す。
これこそスバルの憧れた魔導師の十八番を自分流に改造した魔法―――
「ディバイン…バスター!!」
青い光の波動はまだ多く残っていた瓦礫を消し去り、更に向こうの壁等の障害物
も吹き飛ばす。
そして出来上がる、一直線の安全な脱出経路。
「さ、行くよ?」
「「…うん!」」
そして2人の子供を抱え、スバルは道を走り出した―――
『くそぉ!?またナカジマの奴か!?』
『被害甚大!被害甚大!』
『デバイスが余波で破壊されて閉じ込められた!救助を要請する!』
『うわぁ!?救出対象が魔力ダメージで昏倒した!?』
「…私も自宅に一直線だよ!」
『こんのバカスバル!逃げんな!』
「うひゃあ!?ティ、ティア!許してぇー!」
『許さないわよ!帰ったら始末書と反省文と減給!あと、任務中はランスター部
隊長よ!』
「そ、そんなぁ~」
【スバル・ナカジマ】
世界の修正後、何でもパワーで済ませようという思考にブレーキがかかる様にな
る。
六課解散後は自身の機動力とISを生かして災害救助のエースとなる…が。
やはり幼少時からのパワーバカは簡単には治らないらしく、功績と同程度かそれ
以上の問題を起こすため全然昇進が出来ない。
そんな問題児だが、割りと部隊内では人気者である。
【ティアナ・ランスター】
世界が修正された後にデバイスを展開してみるが、二重人格はどうやら血筋レベ
ルで定着しているらしく治療されなかった。
それを期にデバイスを使わなくてもいい指揮官としての道を目指し、目覚ましい
躍進を見せる。
そして元六課の人間という立場もあり、新たに作られた災害救助部隊の部隊長に
抜擢。
そこで存分に自らの能力を奮い、次世代の監理局を担う1人として日々戦ってい
る。
―――――
場所は教導隊訓練場。
最近監理局へ入局した武装隊1年目の隊員達が教導を受けるべくそこに集められ
ていた。
まだ教導までは時間があるようで教導隊員は来ておらず、監理局に入って間もな
い隊員達は整列しながら談笑していた。
「聞いたか?教導隊にすげぇ鬼教官がいるって話」
「あぁ、噂では聞いたな。すげぇ実戦的だとか」
「やっぱガッシリしたガチムチのおっさんなのかねぇ?」
「嫌だなぁ、女性教官だったらやる気が出るのに」
入局してある程度の仕事を経験した1年目は中途半端に自信が着いてしまい、だ
らけてしまう者も多い。
そんな者達を選別して集められたこの場には、これから教導を受けるという緊張
感は存在していなかった。
―――しかし、それも直ぐに思い直す羽目になる。
教導の時間になった途端、隊員達の前に転送魔法陣が現れる。
それを見た途端隊員達は先ほどまでのだらけた様子を一新させ、しっかりと整列
をした。
そして魔法陣から現れたのは―――まだ幼さの残る、2人の男女と1匹の小さな
竜。
「これから1ヶ月の間貴方達の教導を担当します、キャロ・ル・ルシエ一等陸尉
です」
「同じく1ヶ月間教導を担当します、エリオ・モンディアル一等陸尉です 」
「キュクルー」
自分達より階級が上の少年少女が自分達の教導を担当するという事に、顔をしか
める者が多数。
就労年齢が低い監理局では稀にある事なのだが、流石に教導隊ではあまり例がな
い事だったりする。
それに教導隊からの教導を直接受けられる程度に実力があると自負している者が
多いだけに、反感が強いようだ。
「あー、ルシエ一尉殿とモンディアル一尉殿?貴殿方が我々の教導を?」
「はい」
「…失礼かも知れませんが、本当に大丈夫なんですか?」
だからこそこんな言葉が放たれる…教導隊員というだけで実力がはっきりしてい
るにも関わらず。
身の程知らずな隊員のキャロを軽視する発言にエリオは怒りを感じるが、ここは
抑える。
今までも何度か同じ事があった故に、既に慣れてしまっているのだ。
「私達の実力に不安がありますか?」
「そういう訳ではありませんがね、やはり幼い子供に教導を受けるとは…」
「貴方は立場を理解していないみたいですね。…錬鉄召喚」
キャロが呟いた瞬間、驚くべきスピードで構築された魔法陣から無数の鎖が現れ
隊員を拘束し、そのまま鎖で上空へ打ち上げた後に地面へと叩きつけた。
コンクリートの地面が砕ける音と共に土埃が辺りに舞い、一瞬の内に意識を奪わ
れた相手を見た他の隊員達はキャロに対する認識を改めた。
「確かに見た目は頼りないかも知れませんが…これでも、鬼教官って有名なんで
すよ?」
顔色を真っ青にする隊員達。
まさかこんな可愛らしい少女が噂の鬼教官だとは思わなかったのだろう。
「それでは早速始めましょうか。まずは私達と貴方達全員での団体戦で実力を見
せて貰いますね」
竜魂召喚、と唱えて真の姿を表したフリードに乗り、キャロはバリアジャケット
を展開。
エリオもデバイスを起動し、槍を構える。
2人+αVS隊員30人…圧倒的な人数差だが、隊員達は自分達が勝てるとは思
えなかった。
先程まではただの少年少女にしか見えなかった2人は、まるで女王と騎士の様に
見える。
竜に至っては実際に巨大化しているのだから。
「では教導してあげます…本当の闘争というものを」
【キャロ・ル・ルシエ】
世界修正後も特に変化は無し。
多少性質が変わりやすい環境だったのは確かだが、実戦的思考になったのは自分
の意思によるものだったからだと思われる。
六課解散後は自然保護隊に戻るかと思えば、六課時代の訓練を見ていたヴィータ
が「教導隊でもイケるんじゃないか?」と提案し、それに乗って教導隊へ。
監理局では滅多に見られない実戦的教導により鍛えられた隊員達は各隊で素晴ら
しい成果を出し、その結果若くして一尉にまで上り詰める。
またキャロが教導した隊員達はキャロを信奉している者も多く、陸・海・空を越
えた派閥『キャロ派』として活動している。
将来更に上の階級になるのは確実だろう。
【エリオ・モンディアル】
キャロの奴隷騎士として付き従い共に教導隊へ。
日常的にキャロをサポートし、戦闘では凄まじいスピードで戦場を駆け抜けキャ
ロを守る。
その姿からエリオの真実を知らない者達からは最高の騎士として、男女問わず憧
れを抱かれている。
PPMの子の中で最もそれらしく、最も充実して過ごしているであろう存在となった
。
―――――
一件の家に、5人の女性達がいる。
うち3人は住み慣れた家らしく伸び伸びと過ごしているが、残りの2人はまだあ
まり落ち着かないらしい。
「しっかし、こうしてお前らと普通の会話が出来るとはなぁ」
「ほんまやなぁ…何せアレやったし」
「アルハザード突入組のおかげですね」
ホンマやなぁ…としみじみしているはやてとヴィータとリインを見て、最近まで
狂いに狂っていた2人は少し居心地悪そうにしている。
正気に戻って自分達が今までしてきた悪行を理解してしまい、自分がこのまま此
処に居ていいのかと考えているのだ。
自分達の主はもう大丈夫だから構わないと言っているが、それでも萎縮してしま
う。
ヴォルケンリッター唯一の男だったザフィーラに至っては自分の性癖に絶望し、
出家してしまった程だ。
ちなみに出家先がベルカの教会なので、あまり出家の意味は無い。
「とりあえず、シャマルはうっかり少年を拐わん様にしろよ」
「しません!もうしませんよぅ…」
「しかしよく少年を目で追ってるがな」
「うぅ…うーうー」
「シグナムはもう殺しはあかんで?」
「わ、私は今後一切殺しと血に飢えておるわ!…飢えません!」
「…まずは、その言語機能を何とかせななぁ」
「…申し訳ておるw…申し訳ありません」
最早何が言いたいのかわからない会話であった。
【八神はやて】
世界修正後、まともになた世界で暗部や評議会と協力し監理局を立て直す事に奔
走。
その後監理局の機能が持ち直した後、未だまともに機能していなかった元聖王教
会の立て直しにとりかかる。
その結果、元聖王教会…現四王教会の理事となり、忙しい日々を過ごしている。
尚、四王とは『聖王』『魔王』『夜天の王』『従者王(奴隷王)』である。
最近残りのヴォルケンリッターを出して仕事を手伝わせており、おかげで大分助
かっている様だ。
【ヴィータ】
世界修正後にはやてと共に監理局再生・四王教会再生と精力的に働き、現在は教
会理事であるはやての近衛騎士として活躍している。
教会の騎士達からは全てをこなせる完璧の騎士と憧れを抱かれており、四王の1
人であるはやてと共に信奉されている。
というか崇拝の域に達している。
【リインフォース】
ヴィータと同じく、はやてと共に奔走。
現在は主であるはやての近衛騎士としてヴィータと共に支えている。
最近はシャマルの少年愛とシグナムの言語機能を何とか出来ないかと、プログラ
ム面から色々と試している様だ。
【シャマル】
世界が正された後、少年を苦しめて悦ぶ様な趣味は無くなったが少年が好きなの
は元々の設定らしく、よく目で追っている。
流石に拐う事は無いがちょっと声をかけてお話したくなる事があったりするので
、何とか自重しようとしている様だ。
【シグナム】
世界修正後は殺戮と血を好む姿とは打って変わって騎士らしい騎士に。
しかし何百年もの間「今宵のレヴァンティンは血に飢えておるわ」しか言ってな
かったせいか、油断するとうっかり口にしてしまう。
おかげで中々教会から出して貰えず、自分を情けなく感じている。
―――――
場所はミッドチルダのとある住宅。
そこで2人の大人が2人の子供と食事をしていた。
「パパ、お仕事大丈夫?」
「疲れてない?」
1人身となり頑張っている父親を見てカレルとリエラは不安だった。
世界が正された時に自分達の母親であり祖母でもあったリンディが急性動脈硬化
で死んでしまって以来、色々と忘れる様に仕事に打ち込んでいる父親が心配なの
だ。
「大丈夫だよ、だからお姉さんと待ってましょ。ね?」
「エイミィさん…うん!」
「パパ、頑張ってね!」
「ああ…ははっ、エイミィには世話をかけるな」
クロノが仕事に打ち込んでいる間に子供達の相手をしていたのはエイミィだった
。
エイミィが『エイミィ×クロノはジャスティス…しかし私が…俺がエイミィだし
…』という葛藤をしながらも、とりあえず子供達も心配だったので監理局を辞め
て世話をする事にしたのだ。
実際エイミィは監理局で働かずとも、自らの記憶で復元した東方シリーズの売り
上げが凄まじい事になっているので働かなくて良いのだ。
何気にミッドチルダ長者番付のトップ3に入ってる辺り今のミッド人達が過去を
忘れてゲームに逃げてる事を示しているが、気にしてはいけない。
「ま、クロノ君は頑張って働いてきなよ。でも頻繁に帰ってくるように」
「ああ。提督は辞めて本局勤務にしたから、今までの様に長期で空けることは少
なくなるよ」
「それはそれは…よかったね2人共。もしかしたら毎日パパが帰ってくるかも」
「ちょっ毎日は…」
「「ほんとー!?」」
キラキラとした子供達の純粋な眼差しに心をザクザクと抉られるクロノ。
確かに多少無理をすれば出来ない事は無いが、そんな頻繁に次元転移装置を使う
のは問題では無いだろうかと考えていたのだ。が、
「あ、ゲートなら私が個人用の買ってあげるよ」
「個人用!?あ、あれが幾らするのか知って言ってるのか!?」
「うん。私の貯金なら30台くらい買えるよ」
「さっ…」
たった今エイミィのセレブっぷりを理解したクロノの思考は停止してしまった。
ちなみに次元転移装置30台分というと、監理局地上本部の予算並みだったりす
る。
つまりそれだけの収入があるほど現実逃避している人間がいるのだ。
一方カレルとリエラはそれがどれ程のものか理解できず、首を傾げていた。
「エイミィさんが新しいママだったらいいのに」
「あ、うん、たしかに」
「カレル!?リエラ!?」
「ほほう、気付かぬ内に外堀を埋めてしまっていたようですなぁー」
この先クロノとエイミィが結婚するかどうかは定かでは無いが、これからも仲良
く過ごすことは確実だろう。
そう確信できる様な雰囲気を、4人は醸し出してした。
【エイミィ・リミエッタ】
狂った世界に転生TSという地獄を経験して一度心が壊れたが、復活を遂げてから
は要所要所でなのはに影響を与えた人物。
彼女(彼)がいなければファイナルブレイカーは誕生しなかっただろう。
世界修正後はとりあえずクロノフラグを立てるだけ立てておこうと行動する。
結婚に関してはすっかり精神が女性化していたので問題は無いが、正直ジャステ
ィスに従っただけだったので特に好きなわけでは無かった。
しかし最近クロノや双子と関わるうちに、『こういうのって良いなぁ』と思えて
きている。
最近は子供達の世話をしながらもゲームを作り続け、地霊殿を発売。
今度は格闘ゲームの作り方を学び萃夢想や緋想天を作ろうと考えていたりする。
【クロノ・ハラオウン】
世界修正後に世界補正が無くなったリンディの急死と自分の性癖に絶望し、しか
し子供達を残して死ぬわけにもいかず、必死に仕事に打ち込むようになる。
最近は『マザコンはまぁ良くある事だ…それにまだマシな方だった』と落ち着き
をとりもどし、子供達と幸せな日々を過ごそうと努力している。
最近様々なサポートをしてくれているエイミィに惹かれているが、自分では気付
いていない。
【カレル・リエラ】
世界修正後に様々な常識を学び、今まで学んだ事と色々と違う事を知り混乱。
更に父親が仕事ばかりで寂しい思いをしていたが、そこはエイミィの絶妙なサポ
ートで何とかなった。
最近は父親とエイミィが結婚しないかなぁと思っている。
【リンディ・ハラオウン】
世界修正直後に変態世界補正が消えて急性動脈硬化を起こし急死。
死亡時は1部屋が埋まるほどのサイズになっていた故に避けられぬ死であった。
―――――
コースの両脇に存在するのは大勢の観客。
青い髪を風に靡かせながらスタートラインに立つ若き女性は、速度を追い求めた
自らの人生を振り返っていた。
『さぁ!エキシビションが始まります!』
会場に響くアナウンスと共に会場からの声援が大きくなる。
その歓声を一身に受けるギンガは、笑っていた。
『ローラーブーツ型デバイスを用いたレース競技、エア・トレックの創始者にし
て不動のチャンピオン、ギンガ・ナカジマは新たな記録を打ち立てる事は出来る
のか!現在のコースレコードである3周53秒という怪物級の自身の記録を追い
抜く事が出来るのか!!』
世界の修正後に監理局を辞め、この競技を始めて数年。
まさかここまで市民権を得るとは思わなかったギンガは、そのままチャンピオン
にしてエア・トレック協会会長という役職に着いていた。
最近は仕事もあり中々走ることは出来なかったからコンディションに不安があっ
たが…今は何故かイケそうな気がする。
「ギン姉ー!頑張れー!」
「行け!ギンガぁ!」
「頑張りなさーい!」
客席から僅かに聞こえる妹と父親と母親の声に笑みを深めて、スタート地点にセ
ットする。
目指すは自己新記録にしてコースレコード。
―――ギンガの速さを追い求める戦いは、未だ続いている。
【ギンガ・ナカジマ】
世界修正後も最早性格や行動に染み付いたスピード狂な部分が消えず、監理局を
辞めて自らの速さを発揮出来るものを求める。
その結果ミッドチルダで大流行するアクロバットレース『エア・トレック』の協
会長となり、チャンピオンとして君臨。
日々仕事に追われながらも最速の名を欲しいままにし、ミッドチルダでもトップ
クラスの有名人となる。
またエア・トレック用のローラーブーツ型デバイスの販売も順調であり、ミッド
チルダ長者番付のトップ10に入っている。
今後も協会は成長を続ける事だろう。
―――――
監理局地上本部の一室で3人が仲良く食事をしていた。
以前よりも少し表情が豊かになったルーテシアは、最近あまり一緒にいられなか
った母親との一時を目一杯満喫していた。
「ほんと、どうしようかしら…」
「私はまぁ自制したらいいけど…メガーヌはねぇ」
旦那が人の形の甲虫で、娘が半人半虫。
世界修正前の世界ならともかくとして、今の世界だと色々と面倒な事になりかね
ない。
「というか虫と結婚なんて…」
「お父さん嫌いなの?」
「いえ、変わらず愛しているからこそ困るのよ」
「虫だものね…」
世間体とか今後の生活とか、間違いなく大変である。
「虫嫌い!」と言えるなら楽なのだがそう言えるわけがなく、どうしようどうし
ようとメガーヌは悩んでいた。
「まぁ私もちょっと人とは違う娘がいるし、何かあっても無くてもサポートする
わ」
「ええ。感謝するわ、クイント」
今後を憂いている2人の母親の気持ちを半分以上も理解出来ず、ルーテシアは美
味しいケーキを食べながら嬉しそうに背中の羽をふりふりと揺らしていた。
【ルーテシア・アルピーノ】
世界修正後に母親と暮らし始め、少しずつ明るくなってきた。
半人半虫という特殊な立場ゆえにこれから大変と思われるが、持ち前の純真さと
素直さで乗りきるだろう。
【メガーヌ・アルピーノ】
世界修正後に「虫・触手愛はおかしい」と気付く。
が、長年の結婚生活?故かガリューへの愛は変わらず存在し、自分でもどうすれ
ばいいのかわからなくなっている。
【クイント・ナカジマ】
世界修正後は直ぐに手が出ないように心がけながら局員として活動をするが、や
はり相手が犯罪者だと見的必殺気味になってしまう。
その速度と突破力はスバルとギンガを足して2で割って割増した様な絶妙なバラ
ンスであり、まささくシューティングアーツの使い手である。
最近スバルが結婚出来るか心配。
―――――
監理局某所。
そこには3つのカプセルが安置されており、3つの脳が…否、3人の最高評議会
員が存在していた。
『世界が、正されたか…』
『我等の悲願が、ようやく叶えられたな』
『あぁ…長かった…』
監理局創立から願い続けていた悲願が達成された。
その喜びは他に例え様も無い程で、肉体を捨て去っても尚世界の為に邁進してき
た甲斐があったというものだ。
『もう我等の仕事は終わった』
『そうじゃな…もう眠りをつく事にしようぞ』
『あぁ、これからは若者達の時代だ』
そして彼等は永久の眠りにつく。
『『『願わくば、この次元世界に永久の平和があらんことを』』』
安定した世界が続くことを願いながら。
【最高評議会】
世界修正後、自分達の悲願が叶えられた事に満足し眠りにつく事に決める。
100年を越える凄まじい時を諦めずに戦ってきた彼らは監理局暗部部隊によっ
てクラナガンを見下ろせる山の頂に埋葬され、監理局内で『全てを捨てて戦った
者達』と後世まで讃えられる事となる。
―――――
「…」
「…」
「…」
へんじがない…ただのしかばねのようだ。
【ゼスト・グランガイツ】
レジアスとのプレイ中に正気に戻る。
あまりの事にレジアスを後ろから串刺しにしながらデバイスで自刃。
絶望のまま生涯を終える。
【レジアス・ゲイズ】
ゲイ's。
後ろから貫かれながら、ゼストが自刃した際に同時にデバイスで貫かれ死亡。
死因は腹上死で良いのか疑問である。
【オーリス・ゲイズ】
2人のプレイを見ながら1人で盛り上がっていた時に正気に戻り、ショックで自
殺。
―――――
【ナンバーズ】
アルハザード突入前に伝えられたジェイルの指示通りに、監理局で人々の為に働
くようになる。
世界修正後でもそれは変わらず、監理局暗部の特殊部隊として充実した毎日を過
ごす。
が、やはりジェイルが居ないのが少し寂しい様だ。
【高町家】
正気に戻り絶賛絶望中。
絶望内容は主になのはの事に関してである。
桃子に至っては自殺しかねない程に落ち込んでいる。
【アリサ・バニングス】
捕食済み。
【月村家】
世界修正後にあまりのショックに表社会から姿を消し、血塗られた忌まわしい一
族として自分達を戒める様に辺境へと引きこもる様になる。
【温泉好き】
世界修正が間に合ったおかげで娘が犯されずに済み、全次元世界の中でもトップ
クラスの勝ち組として幸せな日々を過ごす。
飲食店も食材や内装が全うなので人気があり、夫と共に家事に仕事に子育てに大
忙し。
【カルタス】
暗部部隊長として活動を続け、世界修正後には最高評議会の指令により大将まで
上り詰める。
乱れに乱れる監理局を同じ暗部部隊の仲間達と纏めあげまともな組織に改善し、
次元世界の平和の為に生涯を費やす。
【アルフ】
忘れられて野生化し、ミッドの山でボスとして君臨していた。
が、フェイトが虚数空間に突入した事によりリンクが途切れてしまい魔力不足で
倒れる。
そこを同じ山に済む魔獣に助けられ、共に山を征する番として過ごす様になる。
―――――
アルハザードに作られた花畑を走る2人の少女。
片方は母親譲りの栗色の髪をツインテールにし、父親譲りの翠色の瞳を煌めかせ
ながら楽しそうに笑っている。
もう片方は短い紫色の髪を風に揺らし、手を引かれて転びそうになりながらも笑
っていた。
「ヴィヴィオー!転ばない様にねー!」
「アリスも気を付けなさーい!」
「「はーい!」」
母親達からの注意に返事をするも、ちゃんと聞いているのかいないのか。
キャッキャと笑いながら花達と戯れる少女達は、さながら花の妖精の様だった。
「いやはや、やはり娘というのは可愛くて仕方がないね」
「ジェイルさんはナンバーズが居たじゃないですか」
「自分で造るのと妻が産むのでは全然違うよ。私も最近知ったんだがね」
2人の父親は可愛らしい少女達を眺めながら頬を弛め、時折手に持つカメラで写
真を撮っていた。
「私も子供が欲しいなぁ…2人も可愛いんだけど」
「気持ちはわかるが、相手は父親のドクターとなのはの夫のユーノしかいないぞ
?」
「そうなんだよね…なのはの子供が欲しいなぁ」
「それは…中々レベルが高いな…」
仕える者の2人は少しだけ2組の親子を羨みながら、しかし慈しむ様な目で眺め
ていた。
「平和だねぇ…」
「そうだね」
「でも少し寂しいわよね」
「なら、もっと子供達を増やせばいいさ。アルハザードの技術ならどうとでもな
る」
「父さん、私なのはの子供が欲しい!」
「ふむ、ならば私もドクターの子が…」
「「「「ちょっ!?」」」」
伝説と言われた地は穏やかな空気に包まれ、新たな守人達はささやかに、そして
末永く幸せに過ごしていった。
キラキラと電子的な光を放ち続けるアカシックレコードに見守られながら。
【なのは・T・Y・スクライア】
娘のヴィヴィオを産み、平穏と幸せに包まれた生活をアルハザードで送る。
娘の名前をつけたのはなのはだが、何の因果か歪まなかった歴史にて義娘になっ
た少女の名前と同じになった。
【ユーノ・スクライア】
なのはの夫。
アルハザードの歴史を研究しながら家族を見守り幸せに暮らす。
【フェイト・T・スカリエッティ】
なのはの従者。
ジェイルに頼んでなんとかなのはの子を身籠ろうとしている。
娘達にとっては優しいお姉さん。
【プレシア・T・スカリエッティ】
かつて産んだ娘と近い名前をした少女を産み、慈しみを持って育てる。
その姿は、正史でのPT事件からは考えられないであろう優しき母の姿だった。
【ジェイル・スカリエッティ】
アカシックレコードの解析やアルハザード研究をしながら、日々生活が豊かにな
る様に様々な物を作り出している。
娘に甘く、お願いされるとついつい叶えてあげてしまう親バカ。
【チンク】
ジェイルのサポートや子供達の世話をしながら充実した生活を送る。
最近自分も子供が欲しくなって来ているが、戦闘機人が妊娠出来るか等の不安が
あった。
が、最近妊娠可能な事が判明。
そしてフェイトの発言に便乗してとんでもない発言をかました。
―――高町なのはの受難 END
もうちょっとだけ続く