●月●日
とうとう私1人になってしまった。
子孫も存在せず、私が死ねばアルハザードは無人の世界になってしまうだろう。
アカシックレコードの守人が居なくなるのは少し不安だが、よく考えたら以前に
異常が起こってから幾千年も異常が無かったのだから多分もう守人が居なくても
大丈夫なのだろう。
…ならば私も必要無いのではないか?
★月●日
自分が守人じゃなくてもいいと気付いて暫くふて寝していた。
最近起きた巨大な次元震で、過去に世界を救った魔王が使っていたというデバイ
スが行方知れずになったのもそれに拍車をかけた。
そのまま様々な事を悩み続けた結果デバイスは諦めて、あとは死ぬまでやりたい
事をし続けてしまおうという結果になった。
まずは…そうだな、ゲームでもしまくろうか。
過去の守人達が暇潰しに作り上げた作品が大量に存在するのだし、相当な時間楽
しめるだろう。
アダルトゲームを主にプレイしようと思ったが、そこで思い出す。
何だか良くわからないのだが、『アカシックレコードにアダルトゲームをインス
トールする事を禁ずる』という古来からの制約があったのだ。
アカシックレコードにリンクさせて身体で楽しみたかったのだが…仕方がない。
…そうだ、ならば普通のゲームをプレイしよう。
多分問題は無い筈だ。
◇月★日
あれから幾年が過ぎただろうか。
アカシックレコードにインストールし様々なジャンルのゲームとリンクした私は
ついつい夢中になり、気がつけばそろそろ寿命で生き絶える様な年齢になってし
まった。
全く私の欲望は際限が無い…差詰め、無限の欲望と言った所だろうか。
しかしこのままアルハザードで死んでしまうのはつまらない。
そう考えた私は、小型挺に乗り虚数空間内を漂う事にした。
もし何らかの方法で外世界に私の死体が落ちれば、アルハザードの存在が知られ
るだろう。
心無い者に知られれば大変なことになるだろうが、もしかしたら新たな守人とな
ってくれる人物が現れるかもしれない。
この日記を見た者が居るならば、恐らく私をきっかけにアルハザードに辿り着い
た者だろう。
もし良ければ、そのままアカシックレコードの新たな守人となってもらいたい。
制御パスは□□□□だ。よろしく頼む。
私はそろそろ死出の旅へと向かおう。
P.S.
あ、アカシックレコードからゲームを消去し忘れた。
ついでに消去してくれたまえ。
もしかしたら変な影響があるかも知れないからね。
あとレイジング何とかとかいうデバイスを見つけたらアルハザードに安置して欲しい。