どうやらプレシアも苦労しているらしい。
しかし私は精神に加え肉体にも苦痛が溜まっているからなぁ。
私は監理局最高評議会に作り出された存在だ。
世界平和の為にと様々な違法研究をさせられていたので、「何が平和か」と思っていた。
が、世界は思いの外問題だった。
評議会に呼び出され、世界の現状を伝えられた時は正直絶句した。
これは酷い…平和といえば(頭の中が)平和だが。
評議会も何とか世界を正しい姿に戻したいと行動しているが、正常な思考を持つ部隊は評議会直属の暗部部隊のみ。
そこで生命操作研究で正常な人間を作り出す為に私が作られたのだ。
コードネーム『無限の欲望』。
変態の様に特化さた方向に欲を集束させるのではなく、様々な方向に様々な欲を向ける『普通の人間』であるように名付けられた名前。
私の任務は想像以上に激務になりそうだった。
研究を続けてとうとう初の戦闘機人の起動にまで至った。
NO.1ウーノ、女性型の戦闘機人だ。
男性型も作ろうかと思ったが、何やらあまり気が進まなかったので止めた。
それに私の秘書も欲しかったのだ。
個人的には秘書は女性がいい。
カプセルが開き、ウーノが目を開いてカプセルから出てくる。
まだまだ人間そのものとは言えないが、思ったよりも滑らかに動いて嬉しくなる。
「おはよう、ウーノ」
「おはようございます、お兄ちゃん」
なん…だと…
ウーノは呼び方はともかく行動は比較的普通だった。
お陰で評議会から依頼される仕事もはかどるようになった。
しかし、たまに甘える妹の如くベッドに入り込むのは勘弁して貰いたいのだが。
というか妹というより娘なんだが君は。
というか脱ぐな。頬を赤く染めるな。
研究を続けて、ドゥーエ・トーレ・クアットロ・チンクの4体を更に作った。
念入りに調整したので、動きは殆ど人間と同じだ。
「お兄様」ドゥーエ
「お兄ちゃま」トーレ
「お兄たま」クアットロ
「すみません…どう言おうとしても、あにぃとしか呼ぶ事が出来ません…」チンク
私はチンクに希望を見た。
今後制作する娘達は絶対なまともにしてみせるぞ!
そして世界を平和に!
「ドクターさん、どうかしました?」
「ん?…あぁ、ちょっと最近の事を思い出していてね」
とりあえず、今はオフ会で久々にゆっくりするとしよう。