彼女と夜天の書を見つけてから、私は復讐の為に様々な事をしてきたものだ。
彼女の遺産管理人となったのは高レベルな美少女と関わりたかっただけなのだが…惜しむらくは、猫耳を装着して貰えなかった事か。
ふとクライド君の最後を思い出す。
犬耳派だった彼は、当時はそこまで太っていなかったリンディに犬耳を装着して毎夜ハッスルしていたらしい。
休日には尻尾までつけてたという話も聞いた。
そういえば私も猫耳を装着する様に頼んだことがあったが、断られてしまったな。
ともかく、そんな同士クライド君が、たまたま関わってしまった夜天の書事件で死んでしまうとは思わなかった。
彼の最後は壮絶だった。
夜天の書が暴走して次元航行艦に侵食した時、そこに居たのはクライド君1人だった。
そういえば、暴走して現れた銀髪の管制人格と赤髪の少女騎士は艦の隅でいじけていたな。
暴走に気付いたクライド君にポニーテールの剣士が襲いかかったものの、なんとか彼はギリギリで勝利を掴んだ。
しかし問題はその後だった。
金髪の女性にリンカーコアを抜き取られて無防備になったクライド君の新品の菊門に、青いガチムチの犬耳男が自身の股間のカートリッジを差し込んだのだ。
もし彼が同性愛に目覚めたなら無事だったかも知れないが、彼はその衝撃に耐えられなかった。
自身の愛する犬耳とはいえ、ガチムチの男に貫かれたショックで彼の精神は崩壊してしまった。
そして動かなくなった彼は腸壁からの出血多量により死んでしまい、私は怒りの感情のままアルカンシェルで夜天の書を殲滅した。
そして私は同士の復讐の為に夜天の書を追っていたのだが、まさか最高評議会から干渉を禁止されるとは思わなかった。
しかも夜天の書をなんとかする方法が見つかったという話なのだ。
その話を聞いた時は思わず呆然としてしまった。
しかしこれで良かったのだと私は思う。
クライド君の復讐は出来なかったが、夜天の書…病みの書事件は平和的に解決するのだろう。
これであの時からずっと頭のどこかで考えていた復讐の思いは消え、使い魔達との日々に全精力を傾ける事が出来るというものだ。
クライド君、今度、久しぶりに墓参りに行かせてもらうよ。
供え物にアルフという犬耳使い魔の写真を持っていくから、楽しみにしていてくれたまえ。