特別暗部部隊に入隊してから、私とフェイトちゃんは事務等の作業を主にしとる。
たまに捜査の手伝いを頼まれたりもしとるけど…それでも、なのはちゃん程忙しくは無いやろ。
なのはちゃんは今や武装隊で訓練の日々やからなぁ。
ちなみに、カルタス部隊長に何でこの部隊が『暗部』なのか聞いてみたら、『損をする常識人=世界規模での日陰者』が集まる部隊やかららしい。
なんという自虐。
「私も武装隊に行きたいなぁ…」
「フェイトちゃんは捜査も事務も戦闘も出来るから、武装隊より執務官やないか?」
「執務官…なのはの部下の執務官かぁ…」
お、やっぱなのはちゃんの部下なんやな。
流石や。
そんなある日、なのはちゃんが本日始めて武装隊員として出動することになった。
私とフェイトちゃんはちょっと心配しとったけど、物凄く頼りになるヴィータがいるから大丈夫やろ。
そう思って、そわそわしとるフェイトちゃんと2人で事務仕事をしていた時、それは起きた。
「…!?なのはが危ない!!」
「ど、どないしたんやフェイトちゃん!?」
突然椅子から立ち上がったフェイトちゃんがそんな事を言い出した。
見れば既にデバイスを展開しとる。
とうとう我慢が出来なくなったんやろか?
「なのはが危ないの!行かせて!」
「いやあかんて!?なのはちゃんもフェイトちゃんに仕事頑張ってって言うとったやろ?仕事放り出したら嫌われるかもしれへんで?」
「うっ…でも、でも!!」
必死の表情。
もしかして、これはマジで危ないんか?
「うぅ…アルフ!!」
「なんだい」
「うわぁ!?どっから来たんや!?」
フェイトちゃんが後ろに振り向いて呼ぶと、一瞬でどこからか狼モードのアルフさんが現れた。
何やこの展開。
「なのはを助けて!全速全力最優先だよ!!」
「了解!!」
そして一瞬でその場から消えるアルフさん。
今度はなんとか、一瞬だけ転移魔方陣が見えた。
これもフェイトちゃんのなのはちゃんブーストの力なんやろか…
その後事務が手につかないほどそわそわしてたフェイトちゃんが、安心した様に大きく溜息をはいた。
「良かった…間に合った…」
後でなのはちゃんに事の顛末を聞いて驚いた。
フェイトちゃんがなのはちゃんの危険に気付いた時間が、明らかに敵が現れる前の時間やったからな。
フェイトちゃんはブーストかかると予知能力すら使えるのかもしれへん…