初出動から1ヶ月。
なぜか副隊長になったり、新しい武装隊員が来たり、隊員が発症して一般局員に転属になったりと様々な事がありました。
今日も今日とていつも通りに訓練をしていると、出動要請が出ました。
リインさんのウイング隊は既に別の事件に出動しているので、必然的に私達が出動する事に。
「今回は少々面倒な事件だ」
カルタスさんが真剣な顔で事件概要を説明し始めました。
出動場所はクラナガンから少し離れた郊外地。
古代ベルカ関係のテロリストと思われる魔導師複数犯が街で事件を起こして逃走中。
「追跡時に逃走犯数人と局員数人が殺傷設定の魔力弾で死亡した」
「局員はともかく、犯人もですか?」
「ああ。撃ったのはティーダ・ランスター。ちなみに局員を撃ったのもこいつだ」
その場にいた全員が驚愕する。
何で、仲間まで撃っちゃうの!?
「そいつが普段言っていた言葉だが…『ランスターの弾丸は全てを撃ち抜くらしい』だと」
それを聞いてみんな何となく察した。
全てを撃ち抜くんだから、そりゃあ味方も撃ち抜くよね。
…いやいや落ち着いて八神なのは、環境に毒されてそんな当たり前に考えちゃ駄目だよ。
「なおティーダ・ランスターは逆上した犯人に殺された。安心しろとは言えんが、味方に邪魔されることは無いだろう」
そっか、良…くない良くない。全然良くない。
流石に相手がぶっ飛んだ人でも死んだのを良いと思っちゃ駄目だよね。
「現場付近には違法研究所があるという噂もある。もしかするとそこがテロリストの本拠地の可能性があるから決して油断するな」
「「「「了解!!」」」」
「ウイング隊も現在の任務が終了次第向かわせる。無理はするなよ。…では、出動!!」
カルタスさんの言葉を聞き、即座に全員ヘリコプターを乗り込む。
「テロリストとの総力戦になる可能性もあるね…」
「ああ。…前みたいな失態はするなよ?」
「任せて下さい、ヴィータ隊長」
お互いに微笑みながら顔を見合わせた。
さぁ、気合い入れて行くよ!!